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【国際会議】
79.国際会議⑰ Side.セドリック
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姫と子に刺客を放った犯人はアンシャンテ王────それには正直驚かざるを得なかった。
それほどあの時の発言が気にくわなかったのだろうか?
(もしくは……元々ブルーグレイに思うところがあったかだな)
父に母を迎えに来いと伝えろと言ってきたのも、もしかしたら何か狙いがあったのかもしれない。
母のことを抜きにしても大国であるブルーグレイとここ最近振るわない落ち目のアンシャンテでは国力がまず大きく違う。
アンシャンテはミラルカほどではないが借金をしているという話は聞いてはいるし、母の件を持ち出し父のせいにしつつ金を搾り取る算段を立てていた可能性もあるから何とも言えない。
そんな状況で俺にあんな風に言われて目論見が外れ、殺意を抱いたのかもしれない。
今のところあの刺客がそう簡単に吐くとは思っていないからか、アンシャンテ王はまだ余裕然とした顔でミラルカに留まっている。
こちらが今から動き手を打てば探ることは十分可能だろう。
ブルーグレイの手の者はあちこちの国に散っているから、アンシャンテに潜ませている者にも鳥を飛ばしておくのも忘れない。
これでいつでも様々な対処が可能になる。
襲撃のせいでミラルカ皇王への挨拶が一時中断してしまったことも大きいのだろうが、アンシャンテ王の出立にはまだ時間がかかるはずだし、ここで新たに指示を出すなら道中に関することくらいだろう。
昼間の待ち伏せか夜間の闇討ちか。
俺達が使うルートなど、把握されていても全くおかしくはない。色々と手は打っておくべきだ。
そう考えると、ロキ王子が早々にあの刺客を堕としてくれて本当に助かったと言える。
こうして相手の動きが予想できるのはかなり大きいアドバンテージに繋がるからだ。
(さて、返り討ちにするのは簡単だが、どう確実に追い詰めるか……)
そう考えていると暗部がそっと耳打ちをしてきて、ガヴァム王への対処はしておいたと報告が入った。
それなら────。
「アンシャンテ王はこのまま泳がせる。近衛騎士に指示を出し囮を用意させ、本来の帰国ルートを進ませろ」
「かしこまりました。その後は?」
「襲撃があれば確保し、下っ端をわざと逃がして証拠を掴め」
「はっ。セドリック様達はどうなされるので?」
「クッ…俺達か?俺達はルートを大きく変え、ゴッドハルトを経由して帰る」
行程的には然程大きくは変わらないひと月の旅ではあるが、行きとルートを変えることで待ち伏せの心配は無くなるというメリットはあるし、途中ガヴァム王国をかすめるように通るから、そこでその後のガヴァム王についての報告を聞くこともできる。
ゴッドハルトを通るのであればトルセンと交渉し馬車を使わせてもらうこともできるし、部下も精鋭揃いだろうから道中の護衛としても申し分ない。
アルフレッドも気心が知れた相手に囲まれてピリピリした気持ちも落ち着くことだろう。
最終的にゴッドハルトで別れることにはなるが、そこからは船に乗るからブルーグレイまではすぐだ。
ある意味一番安全なルートと言える。
それを聞き納得がいったのか、すぐさま手配をすると言って暗部は姿を消した。
(さて…こちらに手を出してきてただで済むと思うなよ?)
ガヴァム王には死を与えることにしたが…アンシャンテ王には何が相応しいだろうか?
それこそ死んだ方がマシだと思えるような方法でも模索してやろうかと俺は昏く笑ったのだった。
***
「え?!トルセンと帰りが一緒?」
挨拶を口実にアルフレッドを伴いトルセンの元に行くと、開口一番アルフレッドが驚いたようにそう声を上げた。
ただの見送りだと思い込んでいただろうから驚くのも無理はない。
敢えてアンシャンテの目を欺くためにそう仕向けたので、そこは許してもらいたいところだ。
「そうだ。今回の姫襲撃を受けて、本来のルートには囮を進ませ俺達と姫はトルセン達と別ルートで帰る」
そしてトルセンへと巻き込んですまなかったと謝罪すると、それは気にしなくて構わないと言ってもらえた。
なんでもトルセンの奥方が姫と赤子に一度でいいから会いたいと言ってくれていたらしく、ちょうどよかったとのこと。
「うちの妻も今妊娠中だから、ついででもなんでも姫が寄ってくれるのならきっと喜ぶと思う」
「そうか」
トルセンのところも子ができたのかと思いながらそれなら今のうちに嫁候補にでもしておいてやろうかと一応声をかけておく。
自分のように恐れられて嫁が来ないというトラブルはこれで少しは回避できるだろう。
「トルセンの子ならきっと優秀だろう。女が産まれたらルカの嫁に来てほしいと奥方に伝えておいてくれ」
「「え?!」」
「……何かおかしかったか?」
「いえ…」
「いやっ、おかしいだろ?!お前が子供のこと気に掛けてそんなこと言うなんて!」
「…?そうか?父も俺も嫁選びには苦労の連続だったからな。今から考えておいた方がいいと思っただけなんだが?」
「じ…自己中の権化が……まさかの子煩悩に?」
「…………アルフレッド?啼かされたいのか?」
「いやいやいや?!」
「では口を噤め」
「…………」
そんなやり取りをしつつも、姫にも話を通し、こっそりとアンシャンテ側にバレないようゴッドハルトの一行に混ざることになった。
「お世話になります」
「いいえ。不安もあるでしょうがどうぞアルフレッドの身内とでも思って気楽にしていてください」
「そうですよ、姫!トルセンは頼れる奴なんで大船に乗った気持ちで任せてください。間違ってもどこかの王子のように姫より護衛騎士優先とか言い出しませんから」
「…………それは俺のことか?アルフレッド」
「お前以外にいないだろ?」
そうやって不敵に笑い合いながら睨み合っていると、トルセンが間に入ってあっさりと仲裁してくれた。
「まあまあ。アルフレッド?セドリック王子が好き過ぎて常に構ってほしいのはわかるが、その挑発は自分の首を絞めてるってわかってるか?」
「え?!」
「セドリック王子もそんな挑発をされたら応えたくなるだろう?一層可愛がってやらないとって張りきる気持ち、男ならわかってやれよ」
「え、ええっ?!」
「もし狙ってやってるなら俺も何も言わないがな」
「ち、違っ…!」
アルフレッドは焦ったように否定しようとするが、トルセンは敢えてそれをここで言うことで、アルフレッドが馬車で襲われていてもまあ当然だと周囲に印象づけてくれたに過ぎない。
言ってみればひと月近くの移動で、馬車でアルフレッドが襲われていてもアルフレッドがまた何かやったんだなと周囲に思わせるための布石だ。
アルフレッドに注意してると見せ掛けて、俺達の関係を邪魔しないよう周知させるところは素晴らしいの一言だ。
相変わらずトルセンは見事だと感心してしまう。
「さて、では姫。姫は俺と同じ馬車で構いませんか?」
「ええ、トルセン様。お邪魔かと思いますがどうぞよろしくお願いします」
そうして姫と子と乳母はトルセンと同じ馬車に。俺達は二人で別の馬車に乗り込む。
便宜上今の俺達の服装はゴッドハルトの文官服で、姫達は侍女服且つ髪を纏めて結い上げた状態になっている。
これでだいぶ印象が変わり、目立たず動くことができるはずだ。
ちなみにゴッドハルトでは文官でも普通に帯剣しているので、特におかしいと思われることもないらしい。
非常に有難い限りだ。
「では行きましょうか」
ミラルカの王族達にはすでに内々に挨拶は終わらせており、もう少ししたら囮の方の馬車で見送りをしてもらう手筈になっている。
彼らも姫の身を非常に案じていたから、気を付けてと気遣いながら快く協力を申し出てくれた。
因みにガヴァム王国の一行とは行程が似ているため、少し出発を遅らせるよう手筈を整えてくれたらしい。
万が一にでもそちらの襲撃が前方で起こればこちらにも影響が出てしまうからだ。
この気遣いは非常に助かる。
「では、一路ゴッドハルトへ!」
こうして最後の最後まで波乱に満ちた国際会議は終わりを迎え、ミラルカ皇国をそっと後にしたのだった。
それほどあの時の発言が気にくわなかったのだろうか?
(もしくは……元々ブルーグレイに思うところがあったかだな)
父に母を迎えに来いと伝えろと言ってきたのも、もしかしたら何か狙いがあったのかもしれない。
母のことを抜きにしても大国であるブルーグレイとここ最近振るわない落ち目のアンシャンテでは国力がまず大きく違う。
アンシャンテはミラルカほどではないが借金をしているという話は聞いてはいるし、母の件を持ち出し父のせいにしつつ金を搾り取る算段を立てていた可能性もあるから何とも言えない。
そんな状況で俺にあんな風に言われて目論見が外れ、殺意を抱いたのかもしれない。
今のところあの刺客がそう簡単に吐くとは思っていないからか、アンシャンテ王はまだ余裕然とした顔でミラルカに留まっている。
こちらが今から動き手を打てば探ることは十分可能だろう。
ブルーグレイの手の者はあちこちの国に散っているから、アンシャンテに潜ませている者にも鳥を飛ばしておくのも忘れない。
これでいつでも様々な対処が可能になる。
襲撃のせいでミラルカ皇王への挨拶が一時中断してしまったことも大きいのだろうが、アンシャンテ王の出立にはまだ時間がかかるはずだし、ここで新たに指示を出すなら道中に関することくらいだろう。
昼間の待ち伏せか夜間の闇討ちか。
俺達が使うルートなど、把握されていても全くおかしくはない。色々と手は打っておくべきだ。
そう考えると、ロキ王子が早々にあの刺客を堕としてくれて本当に助かったと言える。
こうして相手の動きが予想できるのはかなり大きいアドバンテージに繋がるからだ。
(さて、返り討ちにするのは簡単だが、どう確実に追い詰めるか……)
そう考えていると暗部がそっと耳打ちをしてきて、ガヴァム王への対処はしておいたと報告が入った。
それなら────。
「アンシャンテ王はこのまま泳がせる。近衛騎士に指示を出し囮を用意させ、本来の帰国ルートを進ませろ」
「かしこまりました。その後は?」
「襲撃があれば確保し、下っ端をわざと逃がして証拠を掴め」
「はっ。セドリック様達はどうなされるので?」
「クッ…俺達か?俺達はルートを大きく変え、ゴッドハルトを経由して帰る」
行程的には然程大きくは変わらないひと月の旅ではあるが、行きとルートを変えることで待ち伏せの心配は無くなるというメリットはあるし、途中ガヴァム王国をかすめるように通るから、そこでその後のガヴァム王についての報告を聞くこともできる。
ゴッドハルトを通るのであればトルセンと交渉し馬車を使わせてもらうこともできるし、部下も精鋭揃いだろうから道中の護衛としても申し分ない。
アルフレッドも気心が知れた相手に囲まれてピリピリした気持ちも落ち着くことだろう。
最終的にゴッドハルトで別れることにはなるが、そこからは船に乗るからブルーグレイまではすぐだ。
ある意味一番安全なルートと言える。
それを聞き納得がいったのか、すぐさま手配をすると言って暗部は姿を消した。
(さて…こちらに手を出してきてただで済むと思うなよ?)
ガヴァム王には死を与えることにしたが…アンシャンテ王には何が相応しいだろうか?
それこそ死んだ方がマシだと思えるような方法でも模索してやろうかと俺は昏く笑ったのだった。
***
「え?!トルセンと帰りが一緒?」
挨拶を口実にアルフレッドを伴いトルセンの元に行くと、開口一番アルフレッドが驚いたようにそう声を上げた。
ただの見送りだと思い込んでいただろうから驚くのも無理はない。
敢えてアンシャンテの目を欺くためにそう仕向けたので、そこは許してもらいたいところだ。
「そうだ。今回の姫襲撃を受けて、本来のルートには囮を進ませ俺達と姫はトルセン達と別ルートで帰る」
そしてトルセンへと巻き込んですまなかったと謝罪すると、それは気にしなくて構わないと言ってもらえた。
なんでもトルセンの奥方が姫と赤子に一度でいいから会いたいと言ってくれていたらしく、ちょうどよかったとのこと。
「うちの妻も今妊娠中だから、ついででもなんでも姫が寄ってくれるのならきっと喜ぶと思う」
「そうか」
トルセンのところも子ができたのかと思いながらそれなら今のうちに嫁候補にでもしておいてやろうかと一応声をかけておく。
自分のように恐れられて嫁が来ないというトラブルはこれで少しは回避できるだろう。
「トルセンの子ならきっと優秀だろう。女が産まれたらルカの嫁に来てほしいと奥方に伝えておいてくれ」
「「え?!」」
「……何かおかしかったか?」
「いえ…」
「いやっ、おかしいだろ?!お前が子供のこと気に掛けてそんなこと言うなんて!」
「…?そうか?父も俺も嫁選びには苦労の連続だったからな。今から考えておいた方がいいと思っただけなんだが?」
「じ…自己中の権化が……まさかの子煩悩に?」
「…………アルフレッド?啼かされたいのか?」
「いやいやいや?!」
「では口を噤め」
「…………」
そんなやり取りをしつつも、姫にも話を通し、こっそりとアンシャンテ側にバレないようゴッドハルトの一行に混ざることになった。
「お世話になります」
「いいえ。不安もあるでしょうがどうぞアルフレッドの身内とでも思って気楽にしていてください」
「そうですよ、姫!トルセンは頼れる奴なんで大船に乗った気持ちで任せてください。間違ってもどこかの王子のように姫より護衛騎士優先とか言い出しませんから」
「…………それは俺のことか?アルフレッド」
「お前以外にいないだろ?」
そうやって不敵に笑い合いながら睨み合っていると、トルセンが間に入ってあっさりと仲裁してくれた。
「まあまあ。アルフレッド?セドリック王子が好き過ぎて常に構ってほしいのはわかるが、その挑発は自分の首を絞めてるってわかってるか?」
「え?!」
「セドリック王子もそんな挑発をされたら応えたくなるだろう?一層可愛がってやらないとって張りきる気持ち、男ならわかってやれよ」
「え、ええっ?!」
「もし狙ってやってるなら俺も何も言わないがな」
「ち、違っ…!」
アルフレッドは焦ったように否定しようとするが、トルセンは敢えてそれをここで言うことで、アルフレッドが馬車で襲われていてもまあ当然だと周囲に印象づけてくれたに過ぎない。
言ってみればひと月近くの移動で、馬車でアルフレッドが襲われていてもアルフレッドがまた何かやったんだなと周囲に思わせるための布石だ。
アルフレッドに注意してると見せ掛けて、俺達の関係を邪魔しないよう周知させるところは素晴らしいの一言だ。
相変わらずトルセンは見事だと感心してしまう。
「さて、では姫。姫は俺と同じ馬車で構いませんか?」
「ええ、トルセン様。お邪魔かと思いますがどうぞよろしくお願いします」
そうして姫と子と乳母はトルセンと同じ馬車に。俺達は二人で別の馬車に乗り込む。
便宜上今の俺達の服装はゴッドハルトの文官服で、姫達は侍女服且つ髪を纏めて結い上げた状態になっている。
これでだいぶ印象が変わり、目立たず動くことができるはずだ。
ちなみにゴッドハルトでは文官でも普通に帯剣しているので、特におかしいと思われることもないらしい。
非常に有難い限りだ。
「では行きましょうか」
ミラルカの王族達にはすでに内々に挨拶は終わらせており、もう少ししたら囮の方の馬車で見送りをしてもらう手筈になっている。
彼らも姫の身を非常に案じていたから、気を付けてと気遣いながら快く協力を申し出てくれた。
因みにガヴァム王国の一行とは行程が似ているため、少し出発を遅らせるよう手筈を整えてくれたらしい。
万が一にでもそちらの襲撃が前方で起こればこちらにも影響が出てしまうからだ。
この気遣いは非常に助かる。
「では、一路ゴッドハルトへ!」
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