【完結】王子の本命~姫の護衛騎士は逃げ出したい~

オレンジペコ

文字の大きさ
上 下
84 / 215
【国際会議】

75.※国際会議⑬ Side.セドリック

しおりを挟む
「……セド。今からは流石にやめないか?」

ロキ王子達の部屋から戻り、シャワーを浴びてさあ愛でようとアルフレッドを抱こうとしたらアルフレッドからそんなことを言われてしまった。
夜もだいぶ更けてしまったからもう寝ようと言いたいらしい。
だが一日たりとも欠かさず抱いてきたアルフレッドを抱かずに寝るなんてそんな選択肢はない。

「アルフレッド…つれないことを言うな」

そしてしっとりと唇を重ね合わせ、目でお前が欲しいと訴える。

「ん…でも……色々あったし、疲れてるだろう?」
「馬鹿だな。だからこそお前に癒しを求めているんだ」

そう言いながらゆっくりと愛撫を開始すると少し悩んだようだが仕方ないなとすぐに諦めてくれた。
言っても無駄だともうすでに分かりすぎるほどわかっているからだろう。

「その代わり一回で寝ろよ?」
「わかった」

そこが妥協点だと言い切るアルフレッドにそっとほくそ笑む。
どこまでが一回かは人それぞれだとアルフレッドはわかっていない。

(抜かない限り一回とカウントしていいな?)

口に出して敢えては言わないがそんなことを思いながら俺はそっとアルフレッドの服を剥いでいった。

「ん…」

なるべく声を出さないようにと我慢しているようだが、そんな姿もまたそそられる。

「アルフレッド」

今日はほんの少し媚薬が含まれている潤滑油を使ってみようか?
アルフレッドが乗り気でない時ようにと持ってきたものだが、まだ使っていなかったのを思い出した。
引出からそっとそれを取り出しトロリと垂らして中をほぐしにかかると、たちまち甘い声が耳を擽り始める。

「んっんっ…」
「…気持ちよさそうだな?」
「はぁ…。わかん…ない、けど…刺客に、襲われたせい…?かも……」
「ククッ…なるほど?」

段々荒くなる息の合間にそんな風に言ってくるということは媚薬を使ったとは全く思われてなさそうだ。
非常に都合がいい。

「今日はお前も疲れただろう?短めにはしてやろう」

その代わり、淫らに乱れて俺の目を楽しませてくれ────そう囁いてやったら真っ赤になりながら誰がそんな簡単に乱れるかと反抗してきた。
さて、この威勢が後どれくらい持つだろうか?

「楽しみだな」

そして頬を染め、潤んだ目で俺に貫かれるのを待つアルフレッドの片足を肩へと担ぎ、ゆっくりと身を沈めていった。

「は…あぁあっ!!」

媚薬の効きはなかなかいいようだと思いながら自分もその恩恵に預かり、興奮しながらアルフレッドを犯し始める。

「あっ、あぁっ!な…に?あ、いつもより、あつっ…いぃ…」
「はぁっ…アルフレッド。何も気にせず俺に溺れていろ」
「やぁあっ!あっあっ…!これ、ぜ、絶対、何か盛った、だろっ!あぁ…ッッ!!」
「クッ……正解だ」

(まあ…すぐにどうでもよくなるだろうがな?)

案の定一際強く奥まで突き込んでやったらあっという間にとんだから、後は好きに可愛がるだけだ。

そして身悶えながら必死に溺れるように敷き布を掴むアルフレッドを蹂躙してやり、沢山愛してやった。
そのうち気絶してしまったが、ここで「そう言えば…」と思い出し、そっと身を離しゆさゆさと肩を揺すって起こしてみたら甘い声で抱きつかれてすりすりとすり寄られたのでかなり気分が上昇してしまう。

(これはいい)

睡姦の時は怒りながら噛みついてくるが、こうしてやると甘えてくるのかと新たな発見に頬が緩んでしまった。

「ん…セドぉ…。離れるなよ…。肌寒い」
「そうだな。すぐに温めてやるからな?」
「え?あぁっ!はぁんっ!やっ、何?!そこ、やぁあっ!」

まあ、結局挿れるのは挿れるんだがな。


***


翌朝、真っ赤になったアルフレッドに枕を投げつけられたが、昨日の刺客の件で部屋に帰る前ミラルカ側に警備体制の不備を指摘しに行くと言っていたのはいいのかと聞いてやったら、すぐにそうだったと言って支度にとりかかっていた。

「あれ、絶対におかしかったよな?」

前日にロキ王子達が襲撃を受けていたことを知っていたにもかかわらず昨日の手薄な配置はどう考えてもおかしいとアルフレッドは言う。
俺もそれには同感だ。
一体どうやったらあんなに刺客が入り放題になるのか。
正直警備を請け負っている騎士団長の判断を疑わざるを得ない。
だからこそ話を聞きに行くというアルフレッドに同行したのだが────。

こちらが襲撃を受けた話を既に聞いていた様子のミラルカの皇王は、俺が来たのを見るや否やそれはもう綺麗に土下座を披露してきた。
もしかして朝からレオナルド皇太子に教えてもらったのだろうか?
物凄く見事な土下座すぎてこちらの言葉が引っ込んでしまったではないか。

(調子が狂うな…)

おかしなところでロキ王子の影響が出ていて、何故か怒りより笑いが込み上げてきてしまうから困ったものだ。

「こちらの不手際で刺客の侵入を許してしまい、大変申し訳なかった!どうかこの通り!許していただきたい!」
「……皇王。見事な謝罪は有難く受け取ろう。あまり言いたくはないが、一国の王がそこまでする必要はない。頭を上げて欲しいのだが?」

その言葉にどこかホッとしたように頭を上げ、まずは昨日の状況についての話があった。
それによるとやはりロキ王子達の襲撃を受け人員を増やし警備の見直しをしっかりしてはいたらしい。
けれどパーティーの終盤にアンシャンテ王始め何カ国かの王族がそれぞれ『安全のため』という名目で部屋まで送り届けた上で周辺を重点的に警備してほしいと注文を付けたらしい。
それにより現場は大混乱に陥り、俺達が帰る深夜にはほとんどの兵達が王族が多く泊まる南の宮に集まっていて、逆に他が手薄になり穴だらけの警備になってしまったとのこと。
こういった状況は想定していなかったので対策が取れず刺客を易々と通す羽目になってしまい、本当に申し訳なかったと再度謝罪されてしまった。

「なるほど」

これは確かに一概にミラルカの王だけを責めるわけにはいかないなと思った。
何故ならミラルカ皇国には周辺諸国に元々借金があり、概ね返したとはいえ恩を仇で返すわけにはいかないという弱みがあるからだ。
だからこそそんな無茶な要求も受け入れざるを得なかったのだろう。

(まあそもそもこんな国際会議という場を提供させられたのもきっとそのせいなのだろうがな)

本来であればこういった場は警備面や安全管理といった面で潤沢に資金を持つ大国で受け持つことが多い。
料理一つとっても手は抜けないし、案内役だってそれなりに必要になる。
それこそ自分やロキ王子のように外でヤルのが好きな王族だっているから気を配りながら情報を提供しなければならないし、他にもやるべきことは多岐に渡るはず。

だからこそ普通に考えればこんな資金繰りで大変だったミラルカで行われるはずがないのだ。
どこかの国に押し付けられたのだと考える方が無難だろう。
当然そのしわ寄せはどこかに出てしまうものだ。
今やミラルカの国庫はスカスカなはずだ。
ミラルカの王妃がうっかり鉱山事業に手を出してしまったのも、案外そのあたりを見て将来に不安を覚えたからなのかもしれない。

となると、流石にこれをそのまま放っておくのもマズい気がする。
それこそミラルカが心配だと姫が寝込みでもしたらアルフレッドは勝手に手助けをするために動き出すだろう。
そうなったら俺に構ってくれる時間が減る。
そんなもの許せるはずがない。

(帰ったら何かの名目で手助けしてやるか…)

そんな事を考えながら王には少々のアドバイスをしてやり、今日も会議の場へと向かうことにした。

しおりを挟む
感想 221

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

番だと言われて囲われました。

BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。 死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。 そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

処理中です...