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【国際会議】
69.国際会議⑦
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※今回ちょっとドSな表現が含まれるので、苦手な方は一話飛ばしていただけたらと思います。
端的に言うと、ロキ王子とカリン王子が刺客に襲われ、そこをアルフレッド達が目撃したというそんな話です。
最終的にアルフレッドがセドに『抱いて』って言ったことだけわかっていただければ問題ないので、宜しくお願いしますm(_ _)m
****************
「それで、オーガストにオリハルコンの剣を貸したらすっごい興奮してさ、試し斬りとか言って大岩に向かって剣戟を繰り出して…」
「割ったのか?」
「そう!俺、それ見て思わず『俺の剣…!』て叫んじゃってさ。皆から『あんな大岩を割ったことをまず驚きましょうよ』とかなんとか言われたんだよな…」
「ハハハッ!お前らしいな。オリハルコンの剣なら刃こぼれ一つしなかっただろうに」
「まあ、そうなんだけどさ。それでもつい…」
そんな風にトルセンと話し込んでいるといつの間にか姿を消していたセドがどこか楽し気にしながら戻ってきた。
何かいいことでもあったんだろうか?
そう思って聞いてみると、先程今回の国際会議の担当者に話を聞いてきたのだという。
「何か面白い話が聞けたとか?」
「ああ。情報は正しかったな。ロキ王子には感謝だ」
少しくらいは便宜を図ってやってもいいとか言ってご機嫌に笑っているから、いつの間にかあの王子と仲良くなったらしい。
「ふ~ん…」
するとここでトルセンが話に加わってきた。
「ロキ王子ってあの鞭を腰に携えてた?」
それを聞いてそうだったっけとふと思ったが、どうやらそれは正しかったようでセドはすぐにそうだと答えていた。
俺は気づかなかったが、剣とは逆側に鞭も持っていたらしい。
「ほら。あそこで鞭コレクターのクレメンツ国の宰相と話しているだろう?」
「あ、本当だ」
随分親し気に楽しそうに話している。
「剣より鞭なのかな?」
「恐らくそうだな。似合いの武器だ」
鞭が似合ってるというのも変な話だが、まあ剣が苦手だから代わりに腰に携えやすいのがそれだったとかそういうオチだろう。
「剣が使えないと色々大変だな」
「人には向き不向きというのがある。あの王子はたまたま鞭だったんだろう」
「まあそうか」
そしてその場ではその話は終わったんだが、その後暫く話した後トルセンと別れセドと二人で会場を出たところで俺の中のロキ王子の印象がガラリと変わってしまった。
ロキ王子は強くはない。
戦ったら当然俺が一瞬で勝てる相手だ。
でもなんだろう?この逆らったらマズいと思わせてくる異様な存在感は?
「カリン王子!刺客が一人そちらにっ!」
最初は遠くからそんな声が聞こえてきて…。
カリン王子がそれに反応した時にはロキ王子に誰かが襲いかかっていた。
あ、これはやられたなと確信したはずなのに、ロキ王子は懐から出した何かで刺客の武器を巻き取って動きを牽制し、カリン王子がすぐさま横から刺客を思い切り蹴りつけた。
「グフッ!」
苦しそうにのたうつ刺客。
きっと護衛以外武器を持ち込んではいけない夕食会の後だからこそ襲撃にもってこいだと狙ってきたのだろう。
何故か王子二人に護衛がついていなかったし、まさに狙い時とも言えるこの状況。
「ロキ王子!ご無事ですか?!」
遅ればせながら駆けつけてくる近衛騎士達。
どうやら一応近くにはいたらしい。
どうしてそんなに離れていたんだろうと首を傾げてしまったが、どうやらロキ王子自身が指示を出していたようだと次の言葉で納得がいった。
「兄上との逢瀬を邪魔して…ただで済むと思っているのか?」
セドの重厚で低い声とは違う。聞きようによっては優しくて柔らかな声のはずなのに、凍った湖の上を歩かされているかのように不安定でどこか狂気を孕んだような声に背筋が震える。
どうしてこの声がこれ程怖く感じるんだろう?
(…え?俺の方が強いよな?)
混乱する頭でそう考えるのに、身体が勝手に恐怖を感じ取る。
「どうやらあっちが本性のようだな」
セドは平気そうだが、それでも何か感じるものはあるようだ。
ロキ王子はどこからか取り出した縄で刺客を縛り上げ、口にも何やら取り付けると全く躊躇することなく思い切り踏みつけグリグリと靴底で踏み躙り始めた。
なのにカリン王子に向ける口調だけは優しくて……。
「兄上。兄上のお陰で助かりました。ありがとうございます。でも折角の時間が台無しになって残念です。本当は兄上のために特別に作らせたこの首輪を使って楽しみたかったんですけど…」
きっとロキ王子はカリン王子が大好きなはずだ。
少なくとも声と目は愛情に溢れていると思う。
おかしいのはその口から飛び出す言葉と行動だ。
いつの間にかロキ王子は刺客の股間を容赦なく足で嬲っていて、いつ踏み潰されるかと刺客はブルブル震えている。
俺もあんなことされたらと考えるだけで身が竦んでしまう。
「こ、怖い……」
正直生まれて初めて泣きそうな恐怖に襲われて、そっとセドに身を寄せてしまった。
そしたらセドが嬉しそうに抱き寄せてきて、ああいうのはサディストって言うのだと教えてくれた。
多分かなりのドSだなって笑って言ってくるんだけど、それ、カリン王子は大丈夫なのか?
あの二人がそういう関係っぽいのは何となく察したけど、あんなロキ王子を見てしまうとついついそんな心配をしてしまう。
「ロキ」
「何ですか?兄上」
「礼は素直に受け取ろう。でも…実はかなり怒っているだろう?取り敢えず落ち着こうか」
(おぉ!兄っぽい!ちゃんと弟を宥めてる!)
そう思って安心したのも束の間、ロキ王子はやっぱりおかしかった。
「そうですね。折角兄上に助けてもらって嬉しかったのに、怒ってしまったら台無しですよね」
そうやって反省したように言ったにも関わらず、いつの間にか手に持っていた鎖のついた首輪をそっとカリン王子に嵌めて、笑顔で言い切ったのだ。
「ではここは近衛達に任せて部屋に戻りましょうか。報告はそこで聞けばいいですし、その後は安全の為リヒターに同席してもらって楽しみましょう」
「……え?」
「楽しみですね?兄上が沢山身悶えしている恥ずかしい姿をこれでもかとリヒターに視姦してもらいましょうね?」
「え…、や……」
「もちろん逆でもいいですよ?それとも3人でやりますか?恥ずかしい格好で縛った兄上を二人で可愛がるのも楽しそうですね?二人で沢山責め立てて、気絶するまで虐めてあげますからね?」
「や…それはいやぁ……」
優しげな口調とは裏腹に紡がれる言葉はどこまでも淫猥で、とうとうカリン王子に泣きが入った。
まさか第三者を混ぜようとしてくるなんて…酷すぎる。
あれは泣く!
俺でも泣く!
しかも一瞬耳がおかしくなったのかと混乱する中で、クスクスと楽しげに笑われながらクイッと引き寄せられ、絶対に逃げられないのだと思い知らされながら首輪の鎖を弄ばれるのだ。
恐怖以外の何物でもない。
「俺…相手がセドでよかった」
あの王子を見ているとセドの方がずっと真面に見えてきて、無性に抱かれたくなった。
理屈じゃないのだ。怖い。
「セド……この後部屋に戻って抱いてくれないか?」
いつもはセドの方から誘ってきてって感じなんだけど、俺は気づけばそうやってセドを誘ってしまっていた。
頼むから俺に『普通』を思い出させてほしい。
「……ロキ王子は本当に予想外に使えるな」
小さく呟かれたその言葉はよく聞こえなかったけど、セドは満足そうな笑みを浮かべて俺を部屋へと連れ帰りそっとベッドへと押し倒した。
「アルフレッド…」
「セド…」
トサッと軽い音を立てたベッドの上で、セドがどことなく楽し気に俺を見下ろしてくる。
いつもとは少し違うシチュエーションにやけに胸が弾んでしまっている気はするけれど、セドはそこから動こうとはしない。
これは……どうしたらいいんだろう?
「えっと…俺が脱がした方がいいか?」
誘ったのは俺だしなと何となくそんな言葉を口にしただけだったのに、それを聞いたセドに物凄く楽しそうに笑われてしまった。
「好きにやってみろ」
初めての状況に異様な興奮に襲われるけど、まあ自分のペースでできるからいいかとそっとセドの服に手を伸ばす。
いつも通りの二人のはずなのに、どうしてこんなにドキドキしてしまうんだろう?
指先が震えて上手くボタンが外せない。
(も、もどかしい……)
それでも懸命にセドの服を脱がせようと奮闘し、全部のボタンをはずし終わったところでホッとしてセドの顔を見たら色気がヤバいことになっていた。
目は楽しそうなのにどこか情欲を孕みながら俺を見ていて、はだけた胸元はチラチラと俺の目を奪ってくる。
セドの姿なんて見慣れているはずなのに、思わずゴクリと唾を呑み込むほどに魅了されてしまうのはどうしてだろう?
(正装で前をはだけさせただけだろ?!)
全部脱いだわけでもないのにどうしてこんなに色気を出してるんだと真っ赤になって思わず顔を手で覆ってしまった。
「アルフレッド。どうかしたか?」
「うぅ…。お前、色っぽすぎ。なんだよその色気。さっさとしまえよ……」
目の毒以外の何ものでもないからと口にしたら、クスクス笑われてそのまま伸し掛かられた。
「ああ、本当にたまらないな」
「……何が?」
「今のお前の全てが、だ」
今一言われていることが分からないけど、セド的にはかなりなツボだったらしい。
「さあ、アルフレッド。初めてお前の方から誘ってくれたんだ。今夜は寝かせないぞ?」
「え?ちょっと待っ…!」
「俺のこの手で、じっくりと快楽に堕としてやるからな?」
そんな言葉に慄きながら、俺はそのまま美味しくセドに食べられてしまったのだった。
端的に言うと、ロキ王子とカリン王子が刺客に襲われ、そこをアルフレッド達が目撃したというそんな話です。
最終的にアルフレッドがセドに『抱いて』って言ったことだけわかっていただければ問題ないので、宜しくお願いしますm(_ _)m
****************
「それで、オーガストにオリハルコンの剣を貸したらすっごい興奮してさ、試し斬りとか言って大岩に向かって剣戟を繰り出して…」
「割ったのか?」
「そう!俺、それ見て思わず『俺の剣…!』て叫んじゃってさ。皆から『あんな大岩を割ったことをまず驚きましょうよ』とかなんとか言われたんだよな…」
「ハハハッ!お前らしいな。オリハルコンの剣なら刃こぼれ一つしなかっただろうに」
「まあ、そうなんだけどさ。それでもつい…」
そんな風にトルセンと話し込んでいるといつの間にか姿を消していたセドがどこか楽し気にしながら戻ってきた。
何かいいことでもあったんだろうか?
そう思って聞いてみると、先程今回の国際会議の担当者に話を聞いてきたのだという。
「何か面白い話が聞けたとか?」
「ああ。情報は正しかったな。ロキ王子には感謝だ」
少しくらいは便宜を図ってやってもいいとか言ってご機嫌に笑っているから、いつの間にかあの王子と仲良くなったらしい。
「ふ~ん…」
するとここでトルセンが話に加わってきた。
「ロキ王子ってあの鞭を腰に携えてた?」
それを聞いてそうだったっけとふと思ったが、どうやらそれは正しかったようでセドはすぐにそうだと答えていた。
俺は気づかなかったが、剣とは逆側に鞭も持っていたらしい。
「ほら。あそこで鞭コレクターのクレメンツ国の宰相と話しているだろう?」
「あ、本当だ」
随分親し気に楽しそうに話している。
「剣より鞭なのかな?」
「恐らくそうだな。似合いの武器だ」
鞭が似合ってるというのも変な話だが、まあ剣が苦手だから代わりに腰に携えやすいのがそれだったとかそういうオチだろう。
「剣が使えないと色々大変だな」
「人には向き不向きというのがある。あの王子はたまたま鞭だったんだろう」
「まあそうか」
そしてその場ではその話は終わったんだが、その後暫く話した後トルセンと別れセドと二人で会場を出たところで俺の中のロキ王子の印象がガラリと変わってしまった。
ロキ王子は強くはない。
戦ったら当然俺が一瞬で勝てる相手だ。
でもなんだろう?この逆らったらマズいと思わせてくる異様な存在感は?
「カリン王子!刺客が一人そちらにっ!」
最初は遠くからそんな声が聞こえてきて…。
カリン王子がそれに反応した時にはロキ王子に誰かが襲いかかっていた。
あ、これはやられたなと確信したはずなのに、ロキ王子は懐から出した何かで刺客の武器を巻き取って動きを牽制し、カリン王子がすぐさま横から刺客を思い切り蹴りつけた。
「グフッ!」
苦しそうにのたうつ刺客。
きっと護衛以外武器を持ち込んではいけない夕食会の後だからこそ襲撃にもってこいだと狙ってきたのだろう。
何故か王子二人に護衛がついていなかったし、まさに狙い時とも言えるこの状況。
「ロキ王子!ご無事ですか?!」
遅ればせながら駆けつけてくる近衛騎士達。
どうやら一応近くにはいたらしい。
どうしてそんなに離れていたんだろうと首を傾げてしまったが、どうやらロキ王子自身が指示を出していたようだと次の言葉で納得がいった。
「兄上との逢瀬を邪魔して…ただで済むと思っているのか?」
セドの重厚で低い声とは違う。聞きようによっては優しくて柔らかな声のはずなのに、凍った湖の上を歩かされているかのように不安定でどこか狂気を孕んだような声に背筋が震える。
どうしてこの声がこれ程怖く感じるんだろう?
(…え?俺の方が強いよな?)
混乱する頭でそう考えるのに、身体が勝手に恐怖を感じ取る。
「どうやらあっちが本性のようだな」
セドは平気そうだが、それでも何か感じるものはあるようだ。
ロキ王子はどこからか取り出した縄で刺客を縛り上げ、口にも何やら取り付けると全く躊躇することなく思い切り踏みつけグリグリと靴底で踏み躙り始めた。
なのにカリン王子に向ける口調だけは優しくて……。
「兄上。兄上のお陰で助かりました。ありがとうございます。でも折角の時間が台無しになって残念です。本当は兄上のために特別に作らせたこの首輪を使って楽しみたかったんですけど…」
きっとロキ王子はカリン王子が大好きなはずだ。
少なくとも声と目は愛情に溢れていると思う。
おかしいのはその口から飛び出す言葉と行動だ。
いつの間にかロキ王子は刺客の股間を容赦なく足で嬲っていて、いつ踏み潰されるかと刺客はブルブル震えている。
俺もあんなことされたらと考えるだけで身が竦んでしまう。
「こ、怖い……」
正直生まれて初めて泣きそうな恐怖に襲われて、そっとセドに身を寄せてしまった。
そしたらセドが嬉しそうに抱き寄せてきて、ああいうのはサディストって言うのだと教えてくれた。
多分かなりのドSだなって笑って言ってくるんだけど、それ、カリン王子は大丈夫なのか?
あの二人がそういう関係っぽいのは何となく察したけど、あんなロキ王子を見てしまうとついついそんな心配をしてしまう。
「ロキ」
「何ですか?兄上」
「礼は素直に受け取ろう。でも…実はかなり怒っているだろう?取り敢えず落ち着こうか」
(おぉ!兄っぽい!ちゃんと弟を宥めてる!)
そう思って安心したのも束の間、ロキ王子はやっぱりおかしかった。
「そうですね。折角兄上に助けてもらって嬉しかったのに、怒ってしまったら台無しですよね」
そうやって反省したように言ったにも関わらず、いつの間にか手に持っていた鎖のついた首輪をそっとカリン王子に嵌めて、笑顔で言い切ったのだ。
「ではここは近衛達に任せて部屋に戻りましょうか。報告はそこで聞けばいいですし、その後は安全の為リヒターに同席してもらって楽しみましょう」
「……え?」
「楽しみですね?兄上が沢山身悶えしている恥ずかしい姿をこれでもかとリヒターに視姦してもらいましょうね?」
「え…、や……」
「もちろん逆でもいいですよ?それとも3人でやりますか?恥ずかしい格好で縛った兄上を二人で可愛がるのも楽しそうですね?二人で沢山責め立てて、気絶するまで虐めてあげますからね?」
「や…それはいやぁ……」
優しげな口調とは裏腹に紡がれる言葉はどこまでも淫猥で、とうとうカリン王子に泣きが入った。
まさか第三者を混ぜようとしてくるなんて…酷すぎる。
あれは泣く!
俺でも泣く!
しかも一瞬耳がおかしくなったのかと混乱する中で、クスクスと楽しげに笑われながらクイッと引き寄せられ、絶対に逃げられないのだと思い知らされながら首輪の鎖を弄ばれるのだ。
恐怖以外の何物でもない。
「俺…相手がセドでよかった」
あの王子を見ているとセドの方がずっと真面に見えてきて、無性に抱かれたくなった。
理屈じゃないのだ。怖い。
「セド……この後部屋に戻って抱いてくれないか?」
いつもはセドの方から誘ってきてって感じなんだけど、俺は気づけばそうやってセドを誘ってしまっていた。
頼むから俺に『普通』を思い出させてほしい。
「……ロキ王子は本当に予想外に使えるな」
小さく呟かれたその言葉はよく聞こえなかったけど、セドは満足そうな笑みを浮かべて俺を部屋へと連れ帰りそっとベッドへと押し倒した。
「アルフレッド…」
「セド…」
トサッと軽い音を立てたベッドの上で、セドがどことなく楽し気に俺を見下ろしてくる。
いつもとは少し違うシチュエーションにやけに胸が弾んでしまっている気はするけれど、セドはそこから動こうとはしない。
これは……どうしたらいいんだろう?
「えっと…俺が脱がした方がいいか?」
誘ったのは俺だしなと何となくそんな言葉を口にしただけだったのに、それを聞いたセドに物凄く楽しそうに笑われてしまった。
「好きにやってみろ」
初めての状況に異様な興奮に襲われるけど、まあ自分のペースでできるからいいかとそっとセドの服に手を伸ばす。
いつも通りの二人のはずなのに、どうしてこんなにドキドキしてしまうんだろう?
指先が震えて上手くボタンが外せない。
(も、もどかしい……)
それでも懸命にセドの服を脱がせようと奮闘し、全部のボタンをはずし終わったところでホッとしてセドの顔を見たら色気がヤバいことになっていた。
目は楽しそうなのにどこか情欲を孕みながら俺を見ていて、はだけた胸元はチラチラと俺の目を奪ってくる。
セドの姿なんて見慣れているはずなのに、思わずゴクリと唾を呑み込むほどに魅了されてしまうのはどうしてだろう?
(正装で前をはだけさせただけだろ?!)
全部脱いだわけでもないのにどうしてこんなに色気を出してるんだと真っ赤になって思わず顔を手で覆ってしまった。
「アルフレッド。どうかしたか?」
「うぅ…。お前、色っぽすぎ。なんだよその色気。さっさとしまえよ……」
目の毒以外の何ものでもないからと口にしたら、クスクス笑われてそのまま伸し掛かられた。
「ああ、本当にたまらないな」
「……何が?」
「今のお前の全てが、だ」
今一言われていることが分からないけど、セド的にはかなりなツボだったらしい。
「さあ、アルフレッド。初めてお前の方から誘ってくれたんだ。今夜は寝かせないぞ?」
「え?ちょっと待っ…!」
「俺のこの手で、じっくりと快楽に堕としてやるからな?」
そんな言葉に慄きながら、俺はそのまま美味しくセドに食べられてしまったのだった。
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