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【国際会議】
68.国際会議⑥ Side.セドリック
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今回の国際会議は三日間かけて行われる。
ブルーグレイからの参加が国王ではなく王太子である自分だったことから周辺諸国は戦々恐々としていたようだが、正直これには辟易してしまった。
確かに縁談を断ってきた国が大半だが、それくらいのことで全部の国を滅ぼすとでも思っているのだろうか?
馬鹿らしい。
平気な顔をしているのはガヴァム王国のロキ王子くらいのものか。
一番恐れていてもおかしくはない国が一番平気そうな顔で座っているのはなかなかどうして面白い。
トルセンも一応ゴッドハルト代表として参加しているが、あそこは未だに自治区のような扱いになっているせいで国としての地位は低いからこちらの席とはかなり遠い。
とても親しく話せる感じではないためアルフレッドは残念そうだった。
因みに一番席が近いミラルカ皇国は言わずもがな、顔色が非常に悪かった。
到着当日は良かった顔色が180°変わったと言っても過言ではない。
皇太子がやらかしたから皇王もいつ殺されるかと怯えているのだ。
正直馬鹿な奴らだとしか言えない。
後悔するくらいなら最初からそんな話を持ってくるなと言ってやりたいくらいだ。
姫から聞く限りどうも皇太子が勝手に暴走しただけのようだが、こんな相手が後継とは先が知れているなと思ってしまった。
甘やかされて育ったとしか思えない皇太子だ。
そんなことを思っていたからかついイライラが伝わってしまい、この場にどこか葬式のような雰囲気が漂ってしまったのだが、司会進行役が震えながらもなんとかその役割をこなし無難に会議は進んでいった。
そんな中、暇つぶしにロキ王子を観察してみる。
特に意見を述べるでもなく、その多くは外務大臣任せ。
やはりとても王太子としての器ではない凡庸な王子と言った印象を受けた。
取るに足らない相手────それに尽きる。
けれど何故か無視しきれない相手でもあった。
そんな印象を受けたのは俺だけではなかったようで、他にも何人かがチラチラとロキ王子に目をやっている。
ロキ王子はカリン王子ほど頭の回る人物ではない。
裏を読むのも苦手なようだし、そもそも他国にそれほど関心を持っているようにも全く見えない。
けれど時々ハッとする意見を口にしたりするので、周囲もつい目をやってしまうのだろう。
「ロロイア国の薬は大層効きが良いと知り合いの医師が絶賛しておりました。その新薬にはどういった効果が?」
「フォルティエンヌ国の道具は非常に斬新で細かいところまで気を配られているのが素晴らしいですよね。新技術を特許というもので保護していると聞きましたが……」
「そう言えば私の近衛がガーバインド国の剣は美しい波紋が見られると言っていました。機会があれば一度見てみたいものです」
時折混ぜられる雑談にそんな言葉をポツリと返し、そこに心からの称賛の色が込められているのを感じとり、それぞれの国の代表達がどこか満更でもなさそうに頬を緩めるのでいい緩和剤になってくれたように思う。
何となくこちらの尻拭いをさせてしまったような気もするが別に狙ってやっているようには見えないし、放っておいても構わないだろう。
けれどそんな中、ロキ王子に悪質な質問をぶつけ、敢えて場をかき回そうとする者がでてきてしまった。
「ロキ王子。噂によるとガヴァム王国は何やら大失敗をしてしまったのだとか。ロキ王子は確かカリン王子の弟君でしたよね?以前はカリン王子が王太子だったと思うのですが、どういった経緯でロキ王子が王太子に?」
どうせ密偵などの報告からブルーグレイとひと悶着あったと情報を得ているだろうにと呆れてため息が出てしまう。
うちはブルーグレイの味方ですよという密かな自国アピールなのか、それともガヴァム王国を扱き下ろして利用し、自分達と仲良くして優遇してくれないかと媚びでも売っているのか────。
けれど、この場でこの話を振るのは悪手でしかない。
パーティーなど三者で話している時の嫌味が通じる場ではなく、多くの国の代表が集まるこの場でそんなことを口走れば二国の対立を狙っているのかと疑われても全くおかしくはないからだ。
しかもここにいたのがブルーグレイの国王だったなら兎も角、当事者の自分がいるこの場でその話題を振るなど命知らずもいいところ。
(ここで二国を対立させて何を狙う気だ?沈めるぞ?)
だからそちらに無言の威圧を放ってやった。
「ひっ…?!」
その話題を振った者はあっという間に蒼白になって震えだしたが、ロキ王子はやはり全く気にした様子を見せない。
なんとも肝の据わった男だ。
「ああ、それですか。兄は出掛けた仕事先で体調を崩してしまって…仕方なく私が代替わりしたんですよ。こうしてブルーグレイの王太子も気に掛けてくれているようなので、兄には今はのんびり補佐官として働いてもらって、安心して毎日を過ごしてもらえるようできる範囲で王太子として努めようと思っております」
「そ…そうなのですか。……応援しております」
なかなかどうして巧い返しだったなと思う。
こちらを刺激しすぎることなく今の殺気を上手く利用して牽制し、こちらに対しても兄が王太子として復帰することはないと匂わせてきたのだから。
実はできる奴なのかともチラリと思ったが、基本興味を持てない話は上の空だし、興味がありそうな話も聞いているのかいないのか飄々としすぎていてさっぱり読めない。
パッと見は取るに足らない印象しか受けないのだが、まさか演技ではないよな?とついつい見てしまう。
正直扱い方に悩む男だった。
この男がやる気を出した姿など想像もつかないし、そもそもやる気を出すことなどあるのだろうか?
そんな気持ちで見遣っているうちにその日の会議は幕を閉じた。
「アルフレッド。今夜は夕食会だ。お前も側妃として参列しろ」
「え?嫌だ。姫でいいだろう?」
「姫は兄皇子と出るだろう?だから俺の相手はお前だ」
「うぅ…。どうしてもか?」
「ああ」
そうして無理矢理参加させたのだが、そこでトルセンと会って話せたからかあっという間に機嫌は直った。
「セドリック王子、ご無沙汰しております」
「トルセン。そう固くならなくていいだろう?休暇中の時同様話してくれていい」
「そうですか?じゃあお言葉に甘えて。アルフレッド。お前も元気そうだな」
「トルセン!」
「今日は側妃仕様か?似合ってるぞ?王子の色を纏うなんてやるじゃないか」
「……え?」
纏ってるかと首を傾げるが、さり気ない配色だからアルフレッドは気づいていなかったようだ。
アルフレッドの黒髪に合わせて仕立てさせた黒の軍服に金ボタンをあしらい、要所要所で俺の瞳の色であるエメラルドグリーンでさり気なく刺繍を施した逸品だ。
姫に相談して、袖口にミラルカの騎士団の紋章を金糸で入れさせたからそのお陰で意識せずにいられたのだろう。
「う~ん…気のせいじゃないか?これ、色は兎も角ミラルカの騎士団の紋章入りだし」
「うんうん。そうだな」
トルセンはわかっていて笑顔でサラッと流してくれたからアルフレッドもそれ以上何も言わなかった。
こういった物はわかる者にだけわかればいいのだ。
そしてアルフレッドがトルセンと話し込み始めたのでサッと視線を巡らせると、そこにはロキ王子と一緒に参加しているカリン王子の姿が見られた。
以前と変わらぬ姿に折角快楽堕ちさせてやったのにという気持ちが込み上げてくるが、その視線に気づいたのだろう。ロキ王子がこちらを見て薄く笑ってきた。
その目は明らかに兄を見るなという独占欲に満ちている。
どうやら兄が一々怯えるのを見て思うことでもあったようだ。
(別に取ったりするつもりはないんだがな…)
けれどどうせだしとバルコニーの方へと足を運んでみた。
多分……来るだろう。
「何かお話しでも?」
ほら来た。
見てないようで見ている。
どうやらそれがロキ王子のようだ。
「……どうやって治した?」
単刀直入にそう訊いてやる。
するとロキ王子はにこやかにワイングラスを傾ける。
「普通に医師の手で治しましたけど?」
「廃人一歩手前にしてやったはずだが?」
ガヴァム王国は別に医療に力を入れている国ではない。
だから不思議だった。
裏ルートで良い医者でも捕まえてきたのだろうか?
「そうですね。とっても可愛い兄上が見られましたね」
「……」
「泣いて縋って身悶え堕ちていく……最高の兄上にして下さってありがとうございます」
「ハハッ!まるで褒美でも貰ったかのように言うのだな?」
「ええ。俺にとっては何よりの贈り物でしたから」
「……そうか」
憎んでいた兄が快楽堕ちして帰ってきたのをこんな風に言ってくるとは……。
「本当はお礼もした方が良いのかもしれませんが、兄の方は貴方に怯えるほど酷いことをされたと思っているようなのでプラスマイナスゼロということで構いませんよね?」
「好きにしろ。寧ろ歯向かってこられたら滅ぼしてやろうと思っていたところだ」
だがそうしたとしてもきっとこの王子にとっては復讐の達成にしかならないのだ。
つまりご褒美の上乗せにしかならない。
俺としてはそこまでしてやるつもりはない。
この王子にはなんの義理もないのだから。
「ありがとうございます。そうそう。今回の会場担当者に外でヤる時の絶好のスポットを聞くことができますよ?もしよければどうぞ」
「…………なるほど?情報提供感謝する」
「いいえ。ではまた」
やはりこの王子はどこか抜け目ない。
きっと今のはカリン王子の件は抜きにして、先程の会議の時に睨みを利かせてやった分の礼だろう。
飄々と笑顔で去っていくロキ王子を見送り、なかなかいい情報だったなとほくそ笑みながらそっとグラスを傾けた。
ブルーグレイからの参加が国王ではなく王太子である自分だったことから周辺諸国は戦々恐々としていたようだが、正直これには辟易してしまった。
確かに縁談を断ってきた国が大半だが、それくらいのことで全部の国を滅ぼすとでも思っているのだろうか?
馬鹿らしい。
平気な顔をしているのはガヴァム王国のロキ王子くらいのものか。
一番恐れていてもおかしくはない国が一番平気そうな顔で座っているのはなかなかどうして面白い。
トルセンも一応ゴッドハルト代表として参加しているが、あそこは未だに自治区のような扱いになっているせいで国としての地位は低いからこちらの席とはかなり遠い。
とても親しく話せる感じではないためアルフレッドは残念そうだった。
因みに一番席が近いミラルカ皇国は言わずもがな、顔色が非常に悪かった。
到着当日は良かった顔色が180°変わったと言っても過言ではない。
皇太子がやらかしたから皇王もいつ殺されるかと怯えているのだ。
正直馬鹿な奴らだとしか言えない。
後悔するくらいなら最初からそんな話を持ってくるなと言ってやりたいくらいだ。
姫から聞く限りどうも皇太子が勝手に暴走しただけのようだが、こんな相手が後継とは先が知れているなと思ってしまった。
甘やかされて育ったとしか思えない皇太子だ。
そんなことを思っていたからかついイライラが伝わってしまい、この場にどこか葬式のような雰囲気が漂ってしまったのだが、司会進行役が震えながらもなんとかその役割をこなし無難に会議は進んでいった。
そんな中、暇つぶしにロキ王子を観察してみる。
特に意見を述べるでもなく、その多くは外務大臣任せ。
やはりとても王太子としての器ではない凡庸な王子と言った印象を受けた。
取るに足らない相手────それに尽きる。
けれど何故か無視しきれない相手でもあった。
そんな印象を受けたのは俺だけではなかったようで、他にも何人かがチラチラとロキ王子に目をやっている。
ロキ王子はカリン王子ほど頭の回る人物ではない。
裏を読むのも苦手なようだし、そもそも他国にそれほど関心を持っているようにも全く見えない。
けれど時々ハッとする意見を口にしたりするので、周囲もつい目をやってしまうのだろう。
「ロロイア国の薬は大層効きが良いと知り合いの医師が絶賛しておりました。その新薬にはどういった効果が?」
「フォルティエンヌ国の道具は非常に斬新で細かいところまで気を配られているのが素晴らしいですよね。新技術を特許というもので保護していると聞きましたが……」
「そう言えば私の近衛がガーバインド国の剣は美しい波紋が見られると言っていました。機会があれば一度見てみたいものです」
時折混ぜられる雑談にそんな言葉をポツリと返し、そこに心からの称賛の色が込められているのを感じとり、それぞれの国の代表達がどこか満更でもなさそうに頬を緩めるのでいい緩和剤になってくれたように思う。
何となくこちらの尻拭いをさせてしまったような気もするが別に狙ってやっているようには見えないし、放っておいても構わないだろう。
けれどそんな中、ロキ王子に悪質な質問をぶつけ、敢えて場をかき回そうとする者がでてきてしまった。
「ロキ王子。噂によるとガヴァム王国は何やら大失敗をしてしまったのだとか。ロキ王子は確かカリン王子の弟君でしたよね?以前はカリン王子が王太子だったと思うのですが、どういった経緯でロキ王子が王太子に?」
どうせ密偵などの報告からブルーグレイとひと悶着あったと情報を得ているだろうにと呆れてため息が出てしまう。
うちはブルーグレイの味方ですよという密かな自国アピールなのか、それともガヴァム王国を扱き下ろして利用し、自分達と仲良くして優遇してくれないかと媚びでも売っているのか────。
けれど、この場でこの話を振るのは悪手でしかない。
パーティーなど三者で話している時の嫌味が通じる場ではなく、多くの国の代表が集まるこの場でそんなことを口走れば二国の対立を狙っているのかと疑われても全くおかしくはないからだ。
しかもここにいたのがブルーグレイの国王だったなら兎も角、当事者の自分がいるこの場でその話題を振るなど命知らずもいいところ。
(ここで二国を対立させて何を狙う気だ?沈めるぞ?)
だからそちらに無言の威圧を放ってやった。
「ひっ…?!」
その話題を振った者はあっという間に蒼白になって震えだしたが、ロキ王子はやはり全く気にした様子を見せない。
なんとも肝の据わった男だ。
「ああ、それですか。兄は出掛けた仕事先で体調を崩してしまって…仕方なく私が代替わりしたんですよ。こうしてブルーグレイの王太子も気に掛けてくれているようなので、兄には今はのんびり補佐官として働いてもらって、安心して毎日を過ごしてもらえるようできる範囲で王太子として努めようと思っております」
「そ…そうなのですか。……応援しております」
なかなかどうして巧い返しだったなと思う。
こちらを刺激しすぎることなく今の殺気を上手く利用して牽制し、こちらに対しても兄が王太子として復帰することはないと匂わせてきたのだから。
実はできる奴なのかともチラリと思ったが、基本興味を持てない話は上の空だし、興味がありそうな話も聞いているのかいないのか飄々としすぎていてさっぱり読めない。
パッと見は取るに足らない印象しか受けないのだが、まさか演技ではないよな?とついつい見てしまう。
正直扱い方に悩む男だった。
この男がやる気を出した姿など想像もつかないし、そもそもやる気を出すことなどあるのだろうか?
そんな気持ちで見遣っているうちにその日の会議は幕を閉じた。
「アルフレッド。今夜は夕食会だ。お前も側妃として参列しろ」
「え?嫌だ。姫でいいだろう?」
「姫は兄皇子と出るだろう?だから俺の相手はお前だ」
「うぅ…。どうしてもか?」
「ああ」
そうして無理矢理参加させたのだが、そこでトルセンと会って話せたからかあっという間に機嫌は直った。
「セドリック王子、ご無沙汰しております」
「トルセン。そう固くならなくていいだろう?休暇中の時同様話してくれていい」
「そうですか?じゃあお言葉に甘えて。アルフレッド。お前も元気そうだな」
「トルセン!」
「今日は側妃仕様か?似合ってるぞ?王子の色を纏うなんてやるじゃないか」
「……え?」
纏ってるかと首を傾げるが、さり気ない配色だからアルフレッドは気づいていなかったようだ。
アルフレッドの黒髪に合わせて仕立てさせた黒の軍服に金ボタンをあしらい、要所要所で俺の瞳の色であるエメラルドグリーンでさり気なく刺繍を施した逸品だ。
姫に相談して、袖口にミラルカの騎士団の紋章を金糸で入れさせたからそのお陰で意識せずにいられたのだろう。
「う~ん…気のせいじゃないか?これ、色は兎も角ミラルカの騎士団の紋章入りだし」
「うんうん。そうだな」
トルセンはわかっていて笑顔でサラッと流してくれたからアルフレッドもそれ以上何も言わなかった。
こういった物はわかる者にだけわかればいいのだ。
そしてアルフレッドがトルセンと話し込み始めたのでサッと視線を巡らせると、そこにはロキ王子と一緒に参加しているカリン王子の姿が見られた。
以前と変わらぬ姿に折角快楽堕ちさせてやったのにという気持ちが込み上げてくるが、その視線に気づいたのだろう。ロキ王子がこちらを見て薄く笑ってきた。
その目は明らかに兄を見るなという独占欲に満ちている。
どうやら兄が一々怯えるのを見て思うことでもあったようだ。
(別に取ったりするつもりはないんだがな…)
けれどどうせだしとバルコニーの方へと足を運んでみた。
多分……来るだろう。
「何かお話しでも?」
ほら来た。
見てないようで見ている。
どうやらそれがロキ王子のようだ。
「……どうやって治した?」
単刀直入にそう訊いてやる。
するとロキ王子はにこやかにワイングラスを傾ける。
「普通に医師の手で治しましたけど?」
「廃人一歩手前にしてやったはずだが?」
ガヴァム王国は別に医療に力を入れている国ではない。
だから不思議だった。
裏ルートで良い医者でも捕まえてきたのだろうか?
「そうですね。とっても可愛い兄上が見られましたね」
「……」
「泣いて縋って身悶え堕ちていく……最高の兄上にして下さってありがとうございます」
「ハハッ!まるで褒美でも貰ったかのように言うのだな?」
「ええ。俺にとっては何よりの贈り物でしたから」
「……そうか」
憎んでいた兄が快楽堕ちして帰ってきたのをこんな風に言ってくるとは……。
「本当はお礼もした方が良いのかもしれませんが、兄の方は貴方に怯えるほど酷いことをされたと思っているようなのでプラスマイナスゼロということで構いませんよね?」
「好きにしろ。寧ろ歯向かってこられたら滅ぼしてやろうと思っていたところだ」
だがそうしたとしてもきっとこの王子にとっては復讐の達成にしかならないのだ。
つまりご褒美の上乗せにしかならない。
俺としてはそこまでしてやるつもりはない。
この王子にはなんの義理もないのだから。
「ありがとうございます。そうそう。今回の会場担当者に外でヤる時の絶好のスポットを聞くことができますよ?もしよければどうぞ」
「…………なるほど?情報提供感謝する」
「いいえ。ではまた」
やはりこの王子はどこか抜け目ない。
きっと今のはカリン王子の件は抜きにして、先程の会議の時に睨みを利かせてやった分の礼だろう。
飄々と笑顔で去っていくロキ王子を見送り、なかなかいい情報だったなとほくそ笑みながらそっとグラスを傾けた。
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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