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【王宮騒動】
62.王宮騒動⑤
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「で、もう落ち着いたから安心しろ、と」
「そうだ」
結局俺はあれから寝室でぐっすり眠り、毎日ちゃんとベッドで寝るようにってセドから改めて言い渡されてしまった。
でも姫のことが心配だからって言い張ったらブルーグレイの近衛騎士達を手配して、俺達と一緒に姫を守ってくれることになった。
正直人手としては足りてるんだけどと思ったものの、『王子が動いた』という事実自体が周囲への牽制になるからと説明されて納得がいった。
今回の件に関して言うと、ただの貴族の暇つぶしの噂ではなく、本気の正妃の座の乗っ取り事件だったらしいのでセドはいたくご立腹らしい。
セドに嫁ぎたい令嬢っていうのはブルーグレイでは真実全くいないらしいのだが、今回はその身内が暴走して動いたのだとか。
セドを怖がってる令嬢からしたら恐怖以外の何ものでもなかっただろうなと同情してしまうが…。
曰く、王子の相手を側妃がしているから、必要以上に怖がる必要はない。王妃の座はうちが奪って将来安泰!みたいなことを思いついての犯行だったらしい。
それって物凄く命知らずな行動だし、姫を馬鹿にしすぎだよな?
下手をしたら母子共に危険だったし、その話を聞いて俺はすっごく腹立ったんだけど。
首謀者は軍務大臣の息子で、派閥が同じで且つ自分の考えに同調してくれる太鼓持ち達を使って手を回したらしい。
噂は、俺達がどう反応して対応するかを見るのと、それで王子が動くかを見たくて意図的に流したらしいからまんまと上手く踊らされた形だ。
毒の方は堕胎を狙ったというより早産狙いで、姫を弱らせたかったのだとか。
噂と早産で心身共に弱れば日常生活がままならなくなるし、それで正妃の仕事がこなせなくなったら代わりの妃として自分の妹を勧めようと画策していたらしいけど、本当か?
あまりにも安直すぎる。
普通に正妃と跡継ぎの暗殺未遂だと思うんだけど…。
大臣の息子は一度セドに釘を刺された後寝込んだせいで計画の中止を伝えられなかったのだと涙ながらに訴えたらしいけど、多分ただの言い訳だよな?
今回の計画に参加した者達は揃って牢に入れられて拷問官の手でその罪を裁かれたらしいけど、皆揃いも揃って跡継ぎや俺を害す気はなかったと涙ながらに語ったとか。
でも正直跡継ぎのことは兎も角、俺のことはどうでもいいから姫に謝ってほしいと思う。
男で頑丈な俺じゃなく、か弱い妊娠中の姫を狙ったことがまず許せない。
罪はしっかり償ってほしいものだ。
って言うか、セドがあの時言ってたことって冗談だよな?
本気でギリギリの拷問とかしてたらドン引きなんだけど…。
「はぁ…。本当にとんでもない計画を立てるな。信じられない。姫が可哀想じゃないか。迷惑にも程がある!」
「全くだ。アルフレッドを害したり俺とアルフレッドの仲を拗らせようとするなんて、万死に値する」
「…ん?」
そんな話だったっけ?
なんかセドも言ってることおかしくないか?
少なくとも俺とお前の仲が拗れたのはお前のせいだぞ?
俺が思わず首を傾げていると、セドが俺の顎をクイッと上げてきてそのままそっと優しく唇を塞がれてしまったけど、これ、誤魔化してないよな?
「アルフレッド。確かに何かあってからじゃ遅かったな。お前の言葉を軽んじて悪かった。許してくれるか?」
しかもそんな風に改めて謝ってくるなんて衝撃以外の何ものでもなかった。
いつもだったら絶対こんな簡単に何度も謝ったりしてこないのに…。
「セ、セド?大丈夫か?熱でも出たんじゃないか?それかなにか悪い物でも食べたんじゃ……」
「別に熱も出てないし、悪いものも特に食べていないが?」
「いや、おかしいだろ?!お前が一度ならず二度までも謝るなんて、奇跡だぞ?!」
「俺の判断が甘かったせいでお前の命を危険に晒したんだ。謝るのは当然だ」
「え?いや、危険に晒されたのは姫とお前の子だろ?俺じゃないぞ?」
「結果的にはお前だろう?」
「いや、俺は護衛として姫を守ろうと当然の行為をしたまでで…」
「つまりはお前を確実に守りたいなら姫と子も引っくるめて守れと…そう言いたいのか?」
「え?う~ん?まあそういうこと…になる、のか?」
俺は姫の護衛騎士だから命の危険があるとしたら姫に何かある時ではあるんだけど…。
根本的に何か間違ってると思うんだが、セドに言っても分かってくれないような気がするから、段々なんだかもうそれでいいかなという気になってくる。
どこかズレてるから言っても無駄なんだよな……。
妻と子を守るのって普通だと思うんだけど、なんでそこがわからないんだ?変な奴。
何はともあれこれで姫の安全が確保できるなら護衛騎士としては喜ばしいことだ。
ここはひとつ、これからもセドの代わりに俺が姫と子供を守ろう。
「まあ今回は何とかなったけど、万が一姫が殺されたらどっちにしろ全員ミラルカに戻ることになるし、俺もここにはいられなくなるもんな。そういうことにならないようにこれからもっともっと気をつけないと!」
「お前は俺の側妃だ。姫が亡くなっても別にミラルカに帰らなくていいだろう?」
側妃だしオーガストもいるから帰らなくていいだろうってセドは俺を抱き寄せて言ってくるけど……。
「あのな?俺は“姫の”護衛騎士なんだぞ?残念だけど姫が居なかったらここには居られないんだ。それこそ姫を守れなかったならミラルカの騎士団で一からやり直しだ。まあお前やオーガストとは戦いたいからたまには来たいと思うけど…………」
ミラルカは遠い国だ。ここに来るのに馬車でひと月もかかる。往復二ヶ月。
馬ならもう少し早いだろうがどちらにしろ来るのに時間はかかるし、移動時間は洒落にならない。
「遠いし休みが長期で取れるかもわからないから、一回帰ったら下手をしたら二度と来れないかもしれないな」
だからそう言ったのだが、それを聞いたセドは何を思ったのか少し待っていろと言って足早に部屋を出て行ってしまった。
(まあもしそうなっても早々に職を辞してこっちに来たくなるだろうけど。多分途中で我慢できなくなると思うし…)
強い奴がいるって分かってて剣を合わせられない事ほどもどかしいものはないからなとうんうん頷いてしまった。
けれどその場合行って戻ってくるのにやっぱり二ヶ月だ。
その間戦えないのは辛い。
やっぱり現状が一番!
だからこそ姫は絶対に守り抜きたい。
なんだかんだと仲良く一緒に過ごしている大事な俺の主人だしな。
護衛騎士としてこの笑顔は守っていきたいと思う。
それから戻ってきたセドになんだかよくわからないまま優しく抱かれたけど、ちょっと物足りなくて「どうして焦らすんだよ?!」って口を滑らせたら今度は嬉しそうに鬼畜のごとく激しく抱かれた。
間はないのか、間は?!
俺が息も絶え絶えに悶えながら達するのを見て楽しむのはやめてほしい。
そんなあれこれが終わったところで姫の護衛に戻ったら、なんだか物凄く姫の待遇が変わっていて驚いた。
「姫。これは?」
「ああ、アルフレッド。弱ってるのに身を張って王子に色々言ってくれたのね。ありがとう。本当に護衛騎士の鑑すぎて泣けてくるわ。お給料上乗せしておくわね」
そう言いながら姫が元気そうに俺を迎えてくれたのだが、部屋の中にはこれまでとは違う光景が広がっていて────。
近衛騎士の配備だけではなく体を冷やさないように配慮された調度品の数々に衣服や毛皮まで届けられ、医師は常在。これまでいなかった毒味役までしっかりと傍に付けられている。
まさに至れり尽くせりの状況だ。
「凄いですね」
「ええ。全部王子が手配してくれたようなの」
「へぇ…。頭でも打ったんですかね?これまでとのあまりの違いに驚きました」
「あら、アルフレッドが色々言ってくれたからしてくれたんだと思うわよ?」
「え…俺は別に何も……」
特にこうしてくれと頼んだわけじゃないんだけどな…?
とは言え、セドはセドなりに反省して色々考えてくれたってことでいいのか…な?
「まあ兎に角良かったです。姫、これで安心して元気な子が産めますね!」
「ええ。ありがとうアルフレッド」
「絶対セドに育てさせたらダメですよ?姫に似た方が素直でいい子に育つ気がするので」
「わかってるわ。間違っても殺気を巻き散らす子にならないように気を付けて、できるだけ愛情深く優しい子に育てたいわ」
「俺も協力するのでなんでも言ってくださいね」
そうしてにこやかに話す俺達に、近衛や毒見役、医師まで含めて皆深く深く頷いて温かい眼差しを向けてくれたのはここだけの秘密だ。
(本当、セドってどうやったらあんな風に育つんだってほど酷い奴だからな)
今回の一件でこれまで以上にセドがおかしい奴だって認識する羽目になったけど、まあちゃんと話せばこうして少しは気遣いもできるようになったことだし、今からでも矯正できるところは矯正してやるかと思った俺だった。
「そうだ」
結局俺はあれから寝室でぐっすり眠り、毎日ちゃんとベッドで寝るようにってセドから改めて言い渡されてしまった。
でも姫のことが心配だからって言い張ったらブルーグレイの近衛騎士達を手配して、俺達と一緒に姫を守ってくれることになった。
正直人手としては足りてるんだけどと思ったものの、『王子が動いた』という事実自体が周囲への牽制になるからと説明されて納得がいった。
今回の件に関して言うと、ただの貴族の暇つぶしの噂ではなく、本気の正妃の座の乗っ取り事件だったらしいのでセドはいたくご立腹らしい。
セドに嫁ぎたい令嬢っていうのはブルーグレイでは真実全くいないらしいのだが、今回はその身内が暴走して動いたのだとか。
セドを怖がってる令嬢からしたら恐怖以外の何ものでもなかっただろうなと同情してしまうが…。
曰く、王子の相手を側妃がしているから、必要以上に怖がる必要はない。王妃の座はうちが奪って将来安泰!みたいなことを思いついての犯行だったらしい。
それって物凄く命知らずな行動だし、姫を馬鹿にしすぎだよな?
下手をしたら母子共に危険だったし、その話を聞いて俺はすっごく腹立ったんだけど。
首謀者は軍務大臣の息子で、派閥が同じで且つ自分の考えに同調してくれる太鼓持ち達を使って手を回したらしい。
噂は、俺達がどう反応して対応するかを見るのと、それで王子が動くかを見たくて意図的に流したらしいからまんまと上手く踊らされた形だ。
毒の方は堕胎を狙ったというより早産狙いで、姫を弱らせたかったのだとか。
噂と早産で心身共に弱れば日常生活がままならなくなるし、それで正妃の仕事がこなせなくなったら代わりの妃として自分の妹を勧めようと画策していたらしいけど、本当か?
あまりにも安直すぎる。
普通に正妃と跡継ぎの暗殺未遂だと思うんだけど…。
大臣の息子は一度セドに釘を刺された後寝込んだせいで計画の中止を伝えられなかったのだと涙ながらに訴えたらしいけど、多分ただの言い訳だよな?
今回の計画に参加した者達は揃って牢に入れられて拷問官の手でその罪を裁かれたらしいけど、皆揃いも揃って跡継ぎや俺を害す気はなかったと涙ながらに語ったとか。
でも正直跡継ぎのことは兎も角、俺のことはどうでもいいから姫に謝ってほしいと思う。
男で頑丈な俺じゃなく、か弱い妊娠中の姫を狙ったことがまず許せない。
罪はしっかり償ってほしいものだ。
って言うか、セドがあの時言ってたことって冗談だよな?
本気でギリギリの拷問とかしてたらドン引きなんだけど…。
「はぁ…。本当にとんでもない計画を立てるな。信じられない。姫が可哀想じゃないか。迷惑にも程がある!」
「全くだ。アルフレッドを害したり俺とアルフレッドの仲を拗らせようとするなんて、万死に値する」
「…ん?」
そんな話だったっけ?
なんかセドも言ってることおかしくないか?
少なくとも俺とお前の仲が拗れたのはお前のせいだぞ?
俺が思わず首を傾げていると、セドが俺の顎をクイッと上げてきてそのままそっと優しく唇を塞がれてしまったけど、これ、誤魔化してないよな?
「アルフレッド。確かに何かあってからじゃ遅かったな。お前の言葉を軽んじて悪かった。許してくれるか?」
しかもそんな風に改めて謝ってくるなんて衝撃以外の何ものでもなかった。
いつもだったら絶対こんな簡単に何度も謝ったりしてこないのに…。
「セ、セド?大丈夫か?熱でも出たんじゃないか?それかなにか悪い物でも食べたんじゃ……」
「別に熱も出てないし、悪いものも特に食べていないが?」
「いや、おかしいだろ?!お前が一度ならず二度までも謝るなんて、奇跡だぞ?!」
「俺の判断が甘かったせいでお前の命を危険に晒したんだ。謝るのは当然だ」
「え?いや、危険に晒されたのは姫とお前の子だろ?俺じゃないぞ?」
「結果的にはお前だろう?」
「いや、俺は護衛として姫を守ろうと当然の行為をしたまでで…」
「つまりはお前を確実に守りたいなら姫と子も引っくるめて守れと…そう言いたいのか?」
「え?う~ん?まあそういうこと…になる、のか?」
俺は姫の護衛騎士だから命の危険があるとしたら姫に何かある時ではあるんだけど…。
根本的に何か間違ってると思うんだが、セドに言っても分かってくれないような気がするから、段々なんだかもうそれでいいかなという気になってくる。
どこかズレてるから言っても無駄なんだよな……。
妻と子を守るのって普通だと思うんだけど、なんでそこがわからないんだ?変な奴。
何はともあれこれで姫の安全が確保できるなら護衛騎士としては喜ばしいことだ。
ここはひとつ、これからもセドの代わりに俺が姫と子供を守ろう。
「まあ今回は何とかなったけど、万が一姫が殺されたらどっちにしろ全員ミラルカに戻ることになるし、俺もここにはいられなくなるもんな。そういうことにならないようにこれからもっともっと気をつけないと!」
「お前は俺の側妃だ。姫が亡くなっても別にミラルカに帰らなくていいだろう?」
側妃だしオーガストもいるから帰らなくていいだろうってセドは俺を抱き寄せて言ってくるけど……。
「あのな?俺は“姫の”護衛騎士なんだぞ?残念だけど姫が居なかったらここには居られないんだ。それこそ姫を守れなかったならミラルカの騎士団で一からやり直しだ。まあお前やオーガストとは戦いたいからたまには来たいと思うけど…………」
ミラルカは遠い国だ。ここに来るのに馬車でひと月もかかる。往復二ヶ月。
馬ならもう少し早いだろうがどちらにしろ来るのに時間はかかるし、移動時間は洒落にならない。
「遠いし休みが長期で取れるかもわからないから、一回帰ったら下手をしたら二度と来れないかもしれないな」
だからそう言ったのだが、それを聞いたセドは何を思ったのか少し待っていろと言って足早に部屋を出て行ってしまった。
(まあもしそうなっても早々に職を辞してこっちに来たくなるだろうけど。多分途中で我慢できなくなると思うし…)
強い奴がいるって分かってて剣を合わせられない事ほどもどかしいものはないからなとうんうん頷いてしまった。
けれどその場合行って戻ってくるのにやっぱり二ヶ月だ。
その間戦えないのは辛い。
やっぱり現状が一番!
だからこそ姫は絶対に守り抜きたい。
なんだかんだと仲良く一緒に過ごしている大事な俺の主人だしな。
護衛騎士としてこの笑顔は守っていきたいと思う。
それから戻ってきたセドになんだかよくわからないまま優しく抱かれたけど、ちょっと物足りなくて「どうして焦らすんだよ?!」って口を滑らせたら今度は嬉しそうに鬼畜のごとく激しく抱かれた。
間はないのか、間は?!
俺が息も絶え絶えに悶えながら達するのを見て楽しむのはやめてほしい。
そんなあれこれが終わったところで姫の護衛に戻ったら、なんだか物凄く姫の待遇が変わっていて驚いた。
「姫。これは?」
「ああ、アルフレッド。弱ってるのに身を張って王子に色々言ってくれたのね。ありがとう。本当に護衛騎士の鑑すぎて泣けてくるわ。お給料上乗せしておくわね」
そう言いながら姫が元気そうに俺を迎えてくれたのだが、部屋の中にはこれまでとは違う光景が広がっていて────。
近衛騎士の配備だけではなく体を冷やさないように配慮された調度品の数々に衣服や毛皮まで届けられ、医師は常在。これまでいなかった毒味役までしっかりと傍に付けられている。
まさに至れり尽くせりの状況だ。
「凄いですね」
「ええ。全部王子が手配してくれたようなの」
「へぇ…。頭でも打ったんですかね?これまでとのあまりの違いに驚きました」
「あら、アルフレッドが色々言ってくれたからしてくれたんだと思うわよ?」
「え…俺は別に何も……」
特にこうしてくれと頼んだわけじゃないんだけどな…?
とは言え、セドはセドなりに反省して色々考えてくれたってことでいいのか…な?
「まあ兎に角良かったです。姫、これで安心して元気な子が産めますね!」
「ええ。ありがとうアルフレッド」
「絶対セドに育てさせたらダメですよ?姫に似た方が素直でいい子に育つ気がするので」
「わかってるわ。間違っても殺気を巻き散らす子にならないように気を付けて、できるだけ愛情深く優しい子に育てたいわ」
「俺も協力するのでなんでも言ってくださいね」
そうしてにこやかに話す俺達に、近衛や毒見役、医師まで含めて皆深く深く頷いて温かい眼差しを向けてくれたのはここだけの秘密だ。
(本当、セドってどうやったらあんな風に育つんだってほど酷い奴だからな)
今回の一件でこれまで以上にセドがおかしい奴だって認識する羽目になったけど、まあちゃんと話せばこうして少しは気遣いもできるようになったことだし、今からでも矯正できるところは矯正してやるかと思った俺だった。
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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