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【恋の自覚なんてしたくない】
41.※恋の自覚なんてしたくない⑧ Side.セドリック
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アルフレッドから話を聞き、姫から受け取った報告書にも目を通し、配下の者達からの報告も全て確認した。
その上で判断したが、やはりこの王子は有罪だ。
アルフレッドに媚薬を盛って無理矢理犯してそれを弱みにして攫うという計画を立てた時点で人生にピリオドを打ったも同然だった。
その場の思い付きでアルフレッドに迫ったあのカッツェという男とは罪の重さが違う。
だからパーティーが始まる前にガヴァム王国には使者を送り、抗議を入れておいた。
恐らくパーティー後は牢屋行きだという旨も合わせて伝えたことだし、きっとすぐに迎えを寄越してくるだろう。
担当官には捕まえたら廃人一歩手前にしてやれと指示は出したが、本音を言えば使者の目の前で一刀両断にしてやりたいくらいだ。
それくらい腹が立った。
(抱くのもそうだが、アルフレッドに媚薬を盛って快楽堕ちさせて楽しんでいいのは俺だけだ)
そんな思いを抱きながらアルフレッドを傍に置く。
けれど奪わせはしないと思えば思う程にアルは息が詰まるのか、逃げようとしてくるから始末が悪い。
そして案の定、部下に指示を出すためちょっと目を離した隙にアルフレッドは媚薬に侵されカリン王子に連れ去られそうになっていた。
姫がこちらを呼びに来なければどうなっていたことか。
間一髪でアルフレッドを掻っ攫ってこれたが、自分の強さを過信しあっさり媚薬を盛られたアルにはお仕置きが必要だと思った。
「は…あぁっ…セドッ…辛いぃっ……」
荒く息を吐き涙目で敏感な身体を持て余すアルを焦らしに焦らして極限まで感度を高めてやる。
根元を押さえイかせないようにしながら何度もギリギリのところで扱くのをやめ、都度弱い箇所を虐めてやった。
「んっんっ…。も、頼む…ッ許して……」
淫らに腰を揺らし、潤む瞳で懇願してくる姿は眼福で非常に唆られるが、まだ許してやる気はない。
後ろはもう指は四本入るほどほぐしきっているが、戯れに前立腺を虐めてやるくらいしかしてやらなかった。
「あ……うっ…ひうぅ……ッ」
耐えきれず段々虚ろになっていくその姿を堪能して、俺をもっと強く求めるように仕向けていく。
「さあ、どうされたい?アル」
「は……あぁ…ッ。ほし……欲しいぃ……」
クパクパと開いている後孔はすぐにでも挿れて欲しそうに俺を誘っているように見える。
「何がどこに欲しいんだ?言ってみろ」
「ここ…ここにセド…が、セドが欲し……いぃ…っ」
仰向けで恥ずかしそうにしながら穴に指を添え上目遣いに見てこられ、ゆっくりと膝を開いて俺にそこを見せつけてくるアルフレッド。
いつもはしないそんな痴態を晒し、淫らに俺を求める姿に思わず興奮させられゴクリと唾をのんだ。
「俺の何が欲しい?」
言えばいい。
しっかりとほぐされたその秘孔を自分で開き、そこに俺自身を挿れて欲しいのだと。
「うぅ……っあ……はぁ……。酷っ……いッ……」
けれどアルフレッドはここまでしたのにと恨めし気に見つめてきて、その先を言おうとはしない。
「アル?早く言え。この淫乱なメス穴に俺のペニスを挿れてグチャグチャにかき混ぜて満足させて欲しいと…」
囁くように言葉で嬲ってやると、アルフレッドは限界だと言わんばかりに必死に言葉を紡いだ。
「んんっ…剣…でも、セッ…クス、でも…、お前に…ガンガン、攻められたい…のにッ!」
「…………」
「はぁあっ…セド、も、焦らさず早く奥まで来い…っよッ…。お前に、だけ…挿れて欲しぃ…んだからぁ!」
きっとこれ以上焦らされたくなくて、無理矢理なけなしの理性をかき集めたんだろう。
それはすごくアルフレッドらしい言葉で、且つ狂おしいほど自分だけを求める声だった。
それを聞いただけで俺はどんな淫靡な言葉よりも激しく欲情させられてしまった。
結局俺はアルフレッドのおねだりには敵わないのだ。
「も…俺に…お前を全部寄越せ…よ!」
感じすぎた涙目に劣情を宿し、そんな言葉と共に全身で俺を求めてきたアルを愛おしく思いながら、俺は観念してアルフレッドへの意地悪をやめてやる。
こんな可愛い姿を見せられて我慢できるほど自分は我慢強くはなかった。
とは言え口からはいつも通り意地悪な言葉しか出てこなかったのだが…。
「そんなに乱されたいなら好きなだけくれてやる」
強請られるままにアルフレッドの蕾に自身を埋め込みそのまま奥まで一気に挿れてやるとあっという間に絶頂へと駆けあがり白目で身を震わせながら気を失ってしまったが、キスをしているうちにまた戻ってきて、そこからは狂乱状態に陥ったのかという程淫らに乱れまくった。
どうやら我慢させ過ぎたせいで挿れただけで理性が吹っ飛んでしまったらしい。
少し媚薬も考え物だなと思いつつ、こちらも煽られるように溺れて責めまくってしまう。
箍が外れたかのようにもっともっとと強請られて、壊れると言いつつこれでもかと締め付け全く放そうとはしない痴態に心が満たされていく。
それにしても精を吐き出しながら『セドと一つになるのが気持ち良過ぎてたまらない』『そのせいでイクのが止まらないから責任取れ』と懇願するように溢された時にはどうしようかと思った。
離れたくないとか、ずっと抱いててほしいとか、もっと奥に熱いのを注いで欲しい等々、薬が抜けていく毎にその口からポロポロと耳を擽る言葉が溢されていく。
媚薬のせいとは言えまさかそんな言葉の数々が飛び出してくるなんて思いもよらなかった。
どれだけ自分を好きなんだとより一層満足感に満たされてしまう。
もっともっとそんな言葉を言わせたくて、つい途中で水の補給と言いながら媚薬入りの水を飲ませ更に楽しんでしまったのは仕方がないだろう。
「あ…ぁう…。はぁうっ…」
「アルフレッド。大丈夫か?」
「やぁ…。セド…も、おかしぃ…身体おかしいぃ…」
「そうだな。随分気持ちよさそうだ」
「あ…あぁ…っ。セドに抱かれてるから…セドだから……」
「俺だからいいのか?」
「ん…セドだから……」
「はぁ…アルフレッド。すっかり俺に堕ちてくれて嬉しいぞ。言質は取ったから、後でそんなことは言ってないと言ってきても通用しないからな?」
好きな相手にこんなに熱烈に求められるのが嬉しいなんて────。
「これからもずっと一緒だ。俺の…俺だけのアルフレッド……っ」
腕の中でずっと身を震わせながら幾度となく絶頂に飛んでいるアルフレッドに白濁を注ぎ込み、しっかりと抱きしめてやる。
「望み通り、お前に俺を全部くれてやる」
身も心も剣も、全部ほしいだけお前にやる。
だからずっと傍に居てくれ。
「アル……。心配しなくても、責任をもってずっと可愛がってやるからな」
そうして俺はアルフレッドを愛おし気に見つめながら後処理をし、しっかりと抱きしめながら幸せな気持ちに浸った。
「…………辛いぃ」
翌朝────腕の中で身動ぎし、小さくそんな声を出したアルフレッドに気づいてそっと目を開けると、もぞもぞと動きながらなんとか抜け出そうとしているアルフレッドと目が合った。
昨日も一昨日もこうして逃げ出そうとしていて、それを捕まえるのがほぼ日課になりつつある。
「ふっ…おはよう、アル。身体は大丈夫か?」
けれどそれに対する答えは恨めし気な眼差しだ。
アルフレッドは声が思うように出ないのか、少し掠れた声で抗議をしてくる。
「辛いに…決まってる、だろっ!」
「そうか。まあ水でも飲んで落ち着くといい」
「それ、昨日の媚薬入りだろ?!ふざけんな!」
「ああそう言えばそうだったな」
水差しの水に媚薬を仕込んでいたんだったと思い、チリンチリンと枕元のベルを鳴らして新しい水を頼む。
アルフレッドはこんな姿を俺以外に見られたくなかったと怒っていたが、水は欲しかったようなので諦めてそのままベッドに沈み、抱き寄せた枕で顔を隠していた。
照れ隠しも可愛いものだ。
「ほら。アル」
「ん」
すぐに持ってこられた水をグラスに注いで渡してやると、素直に受け取りそのまま一気に飲み干したので驚いた。
「はぁ…美味しい」
昨日俺に媚薬を盛られたというのに随分無防備でついつい笑ってしまう。
俺になら何をされても平気とでも言うんだろうか?
それが妙に嬉しく感じられ、なんだかもっと構ってやりたくなった。
「さて…そのままでは動くのも辛いだろう?ちゃんと責任をもって全部俺が世話をしてやるからな」
「……へ?」
アルフレッドはわかっていないようだが、昨日はかなり激しく抱いたのだ。
それこそ休みの時以上に煽られるがまま加減せず。
自分もなんだかんだと媚薬を口移しで飲ませていたせいで影響を受けていたのだろう。
そのせいで互いに貪り合うように燃え上がった自覚はある。
だからこそ今日はいつも通りには動けないだろうと想像がついた。
だからそのまま有無を言わさず抱き上げて湯を浴び、皆に寵愛を見せつけるためキスマークが目立つ服に着替えさせてソファまで運んでやった。
途中でぎゃあぎゃあ騒がれたがすっかり手慣れたものだし、アルフレッドも途中で諦めて不貞腐れていたので最早二人の恒例行事と言ってもいいのかもしれない。
「あれ?そう言えばカリン王子達の見送りは……?」
そうして朝食を持ってこさせて一緒に食べ、少し落ち着いたタイミングでふとアルフレッドは今更なことを口にしてきた。
何も知らないアルフレッドからしたら当然の疑問ではあったが、こちらとしては全てを話す気はない。
「それについては必要なくなったからな。(牢に入れたから)滞在が伸びて別の担当者(牢番や尋問官)がつくことになったんだ。今後滞在中の彼らの世話は全部その担当者がすることになる。姫もお前ももうあちらに接する必要はないから何も気にするな」
「そうなのか?でもほら、あの媚薬ってもしかしたら俺じゃなくカリン王子を狙って誰かが盛った可能性もあるんじゃないか?一応犯人とか捜さないと…」
どうやらあれが元々アルフレッドを狙って仕組まれた茶番だと全くわかっていないらしい。
どうせ正気に戻って改めて考えて、自分に媚薬を盛るなんてあるわけないとでも思いこんだんだろう。
アルフレッドは自分の価値を全く理解していないようだ。そう言うところも可愛いのだが…。
「大丈夫だと言っただろう?俺の部下は有能だ。きっと今頃は犯人(カリン王子一行)を捕まえて、牢でしっかりもてなしていることだろう」
その言葉にどこか釈然としないという顔をしてくるが、この件はもうこれで終わりだ。
「それよりもアルフレッド。お前には再度言っておく」
「ん?」
「これからもずっと、お前は俺だけのもので、俺はお前だけのものなのだと」
「えっと……?俺がお前のものっていうのは前の賭けの件だよな?なんで改めて言うんだ?」
「もちろん前の賭けの件もあるが、昨日お前は身も心も俺のものになっただろう?その上で、俺の全てをお前にやると言っている」
「…………え?」
「お前は俺から離れたくないと何度も言っていただろう?ずっと抱かれたいとも。だから────この身も心も剣も、全部ほしいだけお前にやろう。お前にはそれだけの価値がある。お前は俺にとって……唯一無二の存在だからな」
そうやって再度甘く見つめながら言葉にすると、アルフレッドはボッと顔に火が付いたように真っ赤になって、慌てふためきながら言葉を探していた。
(やっぱりそうか……)
薄々そんな気はしていたが、どうやらアル本人に少しは俺が好きだという自覚が芽生えたらしい。
「その…姫がここから追い出されないうちは……ちゃんとここに…いる…ぞ?」
あくまでも側妃ではなく護衛騎士だからと暗に言ってきてはいるが、以前とは違いその態度から本人の意思で残りたいと思ってくれているのは伝わってくるし、これならもう以前ほど逃亡に警戒しなくても大丈夫だろう。
俺を好きだと自覚してくれたのなら尚更安心だ。
「ああ、もちろんだ。俺の本命はお前だからな、お前が望むのなら姫の一人や二人ここにいくらでも置いておこう」
それくらいお安い御用だ。
なのにそんな甘い空気をぶち壊し、いきなり不穏な話をしだすのがアルフレッドだった。
「そう言えば聞いた話、貴族って子供ができなかったら三年で離縁なんだっけ。その時は……んんっ?!」
本当にどうしてここでそんな話を持ち出してくるのか。
逃げ道なんて残す気は全くないが、これ以上不穏なことを言われたくなくてさっさとキスでその唇を塞いでしまう。
「アルフレッド?三年後だろうがなんだろうが絶対に逃がさないぞ?」
「え?いや、わかってる!そんなことはもう重々わかってるから!ちょっ…、剥ぐな、脱がすな、放り投げるな…っ!」
「すぐに不穏なことを言うような奴は、しっかり躾けて捕まえておかないとな?」
そのまままた疲労困憊なアルフレッドを虐めて吐かせたら、意外にも城の近くに屋敷を買って姫と住んでもいいかという申し出だったので、笑顔でスルーしてやった。
そんなもの却下に決まっている。姫と二人でなんてそちらの方が夫婦のようではないか。許すはずがない。
こちらとしてはどんな手を使ってでもアルフレッドを傍に置くという決定事項だけは揺るがないのだから────。
それから色々あってこの件が落ち着いた頃、姫の食欲が旺盛なのを見てもしやと医師を手配したら無事に子ができていたので安堵の息を吐いた。
たった一度でできてくれて本当によかったと思う。
今更アルフレッド以外を抱きたいとは思わないし、姫もこれにはホッとした様子だった。
「これで私は無事にお役目を果たせましたわ!」
「それは何より。無事に産まれるまで身体を大事にしてくれ」
「はい!もちろんです!」
「姫…つわりとかは大丈夫なんですか?無理はしないでくださいね」
「大丈夫よ!むしろ食事が全部美味しくて毎日が幸せなのよ!それもこれも全部アルフレッドのお陰ね!」
俺の相手をアルフレッドがほぼ全部してくれているから日々が快適なのだと姫は嬉しそうに語る。
「これでこの国の未来も安泰で、王子は遠慮なくアルとの幸せな日々を手に入れられて、私は悠々自適な日々を手に入れられて、アルフレッドは剣を満喫できる日々を手に入れられたってことよね?皆がみんな幸せを掴めて本当に良かったですわ♪」
「本当にその通りだな」
「え?えぇ?そ…そうなのか?いや…うん、そうなの、か……」
「そうだろう?アル。俺との手合わせもし放題だし、試したい技も好きなだけ試せるぞ?お前にとってはこれ以上なく幸せな環境だな」
戸惑うアルフレッドを抱き寄せてそう囁くと、少しだけ素直になったアルが逃げずに身を寄せてきて、それもそうかと小さく言ってくれた。
そんな二人の様子に姫がどこか楽し気に笑みを向けてくる。
「アルフレッド!やっと素直になったのね。王子と幸せにね!」
そう言ってスキップでも踏みそうな足取りの軽さで姫は散歩に出掛けてしまったので、俺はそのままアルフレッドを誘い剣の手合わせへと向かう。
勿論その後も美味しく頂く予定だが────。
「アルフレッド。今日もお前を沢山喜ばせてやるからな」
その言葉にアルフレッドは目を輝かせ、どこか嬉しそうに幸せな笑みを浮かべたのだった。
****************
※これにて一応完結とさせて頂きます。
短編と言いつつ伸びに伸びてしまいましたが、最後までお付き合いいただいた皆様本当にありがとうございました(^^)
その上で判断したが、やはりこの王子は有罪だ。
アルフレッドに媚薬を盛って無理矢理犯してそれを弱みにして攫うという計画を立てた時点で人生にピリオドを打ったも同然だった。
その場の思い付きでアルフレッドに迫ったあのカッツェという男とは罪の重さが違う。
だからパーティーが始まる前にガヴァム王国には使者を送り、抗議を入れておいた。
恐らくパーティー後は牢屋行きだという旨も合わせて伝えたことだし、きっとすぐに迎えを寄越してくるだろう。
担当官には捕まえたら廃人一歩手前にしてやれと指示は出したが、本音を言えば使者の目の前で一刀両断にしてやりたいくらいだ。
それくらい腹が立った。
(抱くのもそうだが、アルフレッドに媚薬を盛って快楽堕ちさせて楽しんでいいのは俺だけだ)
そんな思いを抱きながらアルフレッドを傍に置く。
けれど奪わせはしないと思えば思う程にアルは息が詰まるのか、逃げようとしてくるから始末が悪い。
そして案の定、部下に指示を出すためちょっと目を離した隙にアルフレッドは媚薬に侵されカリン王子に連れ去られそうになっていた。
姫がこちらを呼びに来なければどうなっていたことか。
間一髪でアルフレッドを掻っ攫ってこれたが、自分の強さを過信しあっさり媚薬を盛られたアルにはお仕置きが必要だと思った。
「は…あぁっ…セドッ…辛いぃっ……」
荒く息を吐き涙目で敏感な身体を持て余すアルを焦らしに焦らして極限まで感度を高めてやる。
根元を押さえイかせないようにしながら何度もギリギリのところで扱くのをやめ、都度弱い箇所を虐めてやった。
「んっんっ…。も、頼む…ッ許して……」
淫らに腰を揺らし、潤む瞳で懇願してくる姿は眼福で非常に唆られるが、まだ許してやる気はない。
後ろはもう指は四本入るほどほぐしきっているが、戯れに前立腺を虐めてやるくらいしかしてやらなかった。
「あ……うっ…ひうぅ……ッ」
耐えきれず段々虚ろになっていくその姿を堪能して、俺をもっと強く求めるように仕向けていく。
「さあ、どうされたい?アル」
「は……あぁ…ッ。ほし……欲しいぃ……」
クパクパと開いている後孔はすぐにでも挿れて欲しそうに俺を誘っているように見える。
「何がどこに欲しいんだ?言ってみろ」
「ここ…ここにセド…が、セドが欲し……いぃ…っ」
仰向けで恥ずかしそうにしながら穴に指を添え上目遣いに見てこられ、ゆっくりと膝を開いて俺にそこを見せつけてくるアルフレッド。
いつもはしないそんな痴態を晒し、淫らに俺を求める姿に思わず興奮させられゴクリと唾をのんだ。
「俺の何が欲しい?」
言えばいい。
しっかりとほぐされたその秘孔を自分で開き、そこに俺自身を挿れて欲しいのだと。
「うぅ……っあ……はぁ……。酷っ……いッ……」
けれどアルフレッドはここまでしたのにと恨めし気に見つめてきて、その先を言おうとはしない。
「アル?早く言え。この淫乱なメス穴に俺のペニスを挿れてグチャグチャにかき混ぜて満足させて欲しいと…」
囁くように言葉で嬲ってやると、アルフレッドは限界だと言わんばかりに必死に言葉を紡いだ。
「んんっ…剣…でも、セッ…クス、でも…、お前に…ガンガン、攻められたい…のにッ!」
「…………」
「はぁあっ…セド、も、焦らさず早く奥まで来い…っよッ…。お前に、だけ…挿れて欲しぃ…んだからぁ!」
きっとこれ以上焦らされたくなくて、無理矢理なけなしの理性をかき集めたんだろう。
それはすごくアルフレッドらしい言葉で、且つ狂おしいほど自分だけを求める声だった。
それを聞いただけで俺はどんな淫靡な言葉よりも激しく欲情させられてしまった。
結局俺はアルフレッドのおねだりには敵わないのだ。
「も…俺に…お前を全部寄越せ…よ!」
感じすぎた涙目に劣情を宿し、そんな言葉と共に全身で俺を求めてきたアルを愛おしく思いながら、俺は観念してアルフレッドへの意地悪をやめてやる。
こんな可愛い姿を見せられて我慢できるほど自分は我慢強くはなかった。
とは言え口からはいつも通り意地悪な言葉しか出てこなかったのだが…。
「そんなに乱されたいなら好きなだけくれてやる」
強請られるままにアルフレッドの蕾に自身を埋め込みそのまま奥まで一気に挿れてやるとあっという間に絶頂へと駆けあがり白目で身を震わせながら気を失ってしまったが、キスをしているうちにまた戻ってきて、そこからは狂乱状態に陥ったのかという程淫らに乱れまくった。
どうやら我慢させ過ぎたせいで挿れただけで理性が吹っ飛んでしまったらしい。
少し媚薬も考え物だなと思いつつ、こちらも煽られるように溺れて責めまくってしまう。
箍が外れたかのようにもっともっとと強請られて、壊れると言いつつこれでもかと締め付け全く放そうとはしない痴態に心が満たされていく。
それにしても精を吐き出しながら『セドと一つになるのが気持ち良過ぎてたまらない』『そのせいでイクのが止まらないから責任取れ』と懇願するように溢された時にはどうしようかと思った。
離れたくないとか、ずっと抱いててほしいとか、もっと奥に熱いのを注いで欲しい等々、薬が抜けていく毎にその口からポロポロと耳を擽る言葉が溢されていく。
媚薬のせいとは言えまさかそんな言葉の数々が飛び出してくるなんて思いもよらなかった。
どれだけ自分を好きなんだとより一層満足感に満たされてしまう。
もっともっとそんな言葉を言わせたくて、つい途中で水の補給と言いながら媚薬入りの水を飲ませ更に楽しんでしまったのは仕方がないだろう。
「あ…ぁう…。はぁうっ…」
「アルフレッド。大丈夫か?」
「やぁ…。セド…も、おかしぃ…身体おかしいぃ…」
「そうだな。随分気持ちよさそうだ」
「あ…あぁ…っ。セドに抱かれてるから…セドだから……」
「俺だからいいのか?」
「ん…セドだから……」
「はぁ…アルフレッド。すっかり俺に堕ちてくれて嬉しいぞ。言質は取ったから、後でそんなことは言ってないと言ってきても通用しないからな?」
好きな相手にこんなに熱烈に求められるのが嬉しいなんて────。
「これからもずっと一緒だ。俺の…俺だけのアルフレッド……っ」
腕の中でずっと身を震わせながら幾度となく絶頂に飛んでいるアルフレッドに白濁を注ぎ込み、しっかりと抱きしめてやる。
「望み通り、お前に俺を全部くれてやる」
身も心も剣も、全部ほしいだけお前にやる。
だからずっと傍に居てくれ。
「アル……。心配しなくても、責任をもってずっと可愛がってやるからな」
そうして俺はアルフレッドを愛おし気に見つめながら後処理をし、しっかりと抱きしめながら幸せな気持ちに浸った。
「…………辛いぃ」
翌朝────腕の中で身動ぎし、小さくそんな声を出したアルフレッドに気づいてそっと目を開けると、もぞもぞと動きながらなんとか抜け出そうとしているアルフレッドと目が合った。
昨日も一昨日もこうして逃げ出そうとしていて、それを捕まえるのがほぼ日課になりつつある。
「ふっ…おはよう、アル。身体は大丈夫か?」
けれどそれに対する答えは恨めし気な眼差しだ。
アルフレッドは声が思うように出ないのか、少し掠れた声で抗議をしてくる。
「辛いに…決まってる、だろっ!」
「そうか。まあ水でも飲んで落ち着くといい」
「それ、昨日の媚薬入りだろ?!ふざけんな!」
「ああそう言えばそうだったな」
水差しの水に媚薬を仕込んでいたんだったと思い、チリンチリンと枕元のベルを鳴らして新しい水を頼む。
アルフレッドはこんな姿を俺以外に見られたくなかったと怒っていたが、水は欲しかったようなので諦めてそのままベッドに沈み、抱き寄せた枕で顔を隠していた。
照れ隠しも可愛いものだ。
「ほら。アル」
「ん」
すぐに持ってこられた水をグラスに注いで渡してやると、素直に受け取りそのまま一気に飲み干したので驚いた。
「はぁ…美味しい」
昨日俺に媚薬を盛られたというのに随分無防備でついつい笑ってしまう。
俺になら何をされても平気とでも言うんだろうか?
それが妙に嬉しく感じられ、なんだかもっと構ってやりたくなった。
「さて…そのままでは動くのも辛いだろう?ちゃんと責任をもって全部俺が世話をしてやるからな」
「……へ?」
アルフレッドはわかっていないようだが、昨日はかなり激しく抱いたのだ。
それこそ休みの時以上に煽られるがまま加減せず。
自分もなんだかんだと媚薬を口移しで飲ませていたせいで影響を受けていたのだろう。
そのせいで互いに貪り合うように燃え上がった自覚はある。
だからこそ今日はいつも通りには動けないだろうと想像がついた。
だからそのまま有無を言わさず抱き上げて湯を浴び、皆に寵愛を見せつけるためキスマークが目立つ服に着替えさせてソファまで運んでやった。
途中でぎゃあぎゃあ騒がれたがすっかり手慣れたものだし、アルフレッドも途中で諦めて不貞腐れていたので最早二人の恒例行事と言ってもいいのかもしれない。
「あれ?そう言えばカリン王子達の見送りは……?」
そうして朝食を持ってこさせて一緒に食べ、少し落ち着いたタイミングでふとアルフレッドは今更なことを口にしてきた。
何も知らないアルフレッドからしたら当然の疑問ではあったが、こちらとしては全てを話す気はない。
「それについては必要なくなったからな。(牢に入れたから)滞在が伸びて別の担当者(牢番や尋問官)がつくことになったんだ。今後滞在中の彼らの世話は全部その担当者がすることになる。姫もお前ももうあちらに接する必要はないから何も気にするな」
「そうなのか?でもほら、あの媚薬ってもしかしたら俺じゃなくカリン王子を狙って誰かが盛った可能性もあるんじゃないか?一応犯人とか捜さないと…」
どうやらあれが元々アルフレッドを狙って仕組まれた茶番だと全くわかっていないらしい。
どうせ正気に戻って改めて考えて、自分に媚薬を盛るなんてあるわけないとでも思いこんだんだろう。
アルフレッドは自分の価値を全く理解していないようだ。そう言うところも可愛いのだが…。
「大丈夫だと言っただろう?俺の部下は有能だ。きっと今頃は犯人(カリン王子一行)を捕まえて、牢でしっかりもてなしていることだろう」
その言葉にどこか釈然としないという顔をしてくるが、この件はもうこれで終わりだ。
「それよりもアルフレッド。お前には再度言っておく」
「ん?」
「これからもずっと、お前は俺だけのもので、俺はお前だけのものなのだと」
「えっと……?俺がお前のものっていうのは前の賭けの件だよな?なんで改めて言うんだ?」
「もちろん前の賭けの件もあるが、昨日お前は身も心も俺のものになっただろう?その上で、俺の全てをお前にやると言っている」
「…………え?」
「お前は俺から離れたくないと何度も言っていただろう?ずっと抱かれたいとも。だから────この身も心も剣も、全部ほしいだけお前にやろう。お前にはそれだけの価値がある。お前は俺にとって……唯一無二の存在だからな」
そうやって再度甘く見つめながら言葉にすると、アルフレッドはボッと顔に火が付いたように真っ赤になって、慌てふためきながら言葉を探していた。
(やっぱりそうか……)
薄々そんな気はしていたが、どうやらアル本人に少しは俺が好きだという自覚が芽生えたらしい。
「その…姫がここから追い出されないうちは……ちゃんとここに…いる…ぞ?」
あくまでも側妃ではなく護衛騎士だからと暗に言ってきてはいるが、以前とは違いその態度から本人の意思で残りたいと思ってくれているのは伝わってくるし、これならもう以前ほど逃亡に警戒しなくても大丈夫だろう。
俺を好きだと自覚してくれたのなら尚更安心だ。
「ああ、もちろんだ。俺の本命はお前だからな、お前が望むのなら姫の一人や二人ここにいくらでも置いておこう」
それくらいお安い御用だ。
なのにそんな甘い空気をぶち壊し、いきなり不穏な話をしだすのがアルフレッドだった。
「そう言えば聞いた話、貴族って子供ができなかったら三年で離縁なんだっけ。その時は……んんっ?!」
本当にどうしてここでそんな話を持ち出してくるのか。
逃げ道なんて残す気は全くないが、これ以上不穏なことを言われたくなくてさっさとキスでその唇を塞いでしまう。
「アルフレッド?三年後だろうがなんだろうが絶対に逃がさないぞ?」
「え?いや、わかってる!そんなことはもう重々わかってるから!ちょっ…、剥ぐな、脱がすな、放り投げるな…っ!」
「すぐに不穏なことを言うような奴は、しっかり躾けて捕まえておかないとな?」
そのまままた疲労困憊なアルフレッドを虐めて吐かせたら、意外にも城の近くに屋敷を買って姫と住んでもいいかという申し出だったので、笑顔でスルーしてやった。
そんなもの却下に決まっている。姫と二人でなんてそちらの方が夫婦のようではないか。許すはずがない。
こちらとしてはどんな手を使ってでもアルフレッドを傍に置くという決定事項だけは揺るがないのだから────。
それから色々あってこの件が落ち着いた頃、姫の食欲が旺盛なのを見てもしやと医師を手配したら無事に子ができていたので安堵の息を吐いた。
たった一度でできてくれて本当によかったと思う。
今更アルフレッド以外を抱きたいとは思わないし、姫もこれにはホッとした様子だった。
「これで私は無事にお役目を果たせましたわ!」
「それは何より。無事に産まれるまで身体を大事にしてくれ」
「はい!もちろんです!」
「姫…つわりとかは大丈夫なんですか?無理はしないでくださいね」
「大丈夫よ!むしろ食事が全部美味しくて毎日が幸せなのよ!それもこれも全部アルフレッドのお陰ね!」
俺の相手をアルフレッドがほぼ全部してくれているから日々が快適なのだと姫は嬉しそうに語る。
「これでこの国の未来も安泰で、王子は遠慮なくアルとの幸せな日々を手に入れられて、私は悠々自適な日々を手に入れられて、アルフレッドは剣を満喫できる日々を手に入れられたってことよね?皆がみんな幸せを掴めて本当に良かったですわ♪」
「本当にその通りだな」
「え?えぇ?そ…そうなのか?いや…うん、そうなの、か……」
「そうだろう?アル。俺との手合わせもし放題だし、試したい技も好きなだけ試せるぞ?お前にとってはこれ以上なく幸せな環境だな」
戸惑うアルフレッドを抱き寄せてそう囁くと、少しだけ素直になったアルが逃げずに身を寄せてきて、それもそうかと小さく言ってくれた。
そんな二人の様子に姫がどこか楽し気に笑みを向けてくる。
「アルフレッド!やっと素直になったのね。王子と幸せにね!」
そう言ってスキップでも踏みそうな足取りの軽さで姫は散歩に出掛けてしまったので、俺はそのままアルフレッドを誘い剣の手合わせへと向かう。
勿論その後も美味しく頂く予定だが────。
「アルフレッド。今日もお前を沢山喜ばせてやるからな」
その言葉にアルフレッドは目を輝かせ、どこか嬉しそうに幸せな笑みを浮かべたのだった。
****************
※これにて一応完結とさせて頂きます。
短編と言いつつ伸びに伸びてしまいましたが、最後までお付き合いいただいた皆様本当にありがとうございました(^^)
63
※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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「ま、まさか!?」
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弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?


【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
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