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【英雄トルセンの弟子】
28.英雄トルセンの弟子④ Side.カッツェ&レジェ
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【Side.トルセンの弟子 カッツェ】
昨日城に予め連絡を入れておいたので城門はすんなりと通る事ができた。
但し、アルフレッドではなくアルフレッドの部下である騎士がまず会うという話をされて少し残念に思う。
やはり側妃という立場上すぐには会えないのだろうか?
そう思いながら待っていると、迎えに来たレジェという騎士がすみませんねと言って騎士の鍛錬場へと連れて行ってくれた。
「騎士長は今日は姫の好意で急遽休暇になってていないんですよ」
「昨日闘技場で会ったが王子とデートしてたよな?昨日は休日じゃなかったのか?」
「昨日はある意味お勤めですね。騎士長、死んでないといいけど……」
「それってどういう……」
どういう意味だと尋ねようとしたところで他の騎士達の姿もちらほら見られはじめ、皆それなりに強そうだなと少し驚いた。
「もしかして皆アルフレッド…側妃様の訓練をしてるとかか?」
「あ、騎士長のことは側妃呼びしないでくださいね。物凄く嫌がるんで。普通にアルフレッド殿とかで構わないですよ」
そうなんだと不思議に思いながら続きを促すと、その騎士は訓練内容をサラッと口にしてきた。
「訓練内容は騎士長直伝ですよ。まあ誰もこなせないからボチボチできる範囲でという感じですけど」
「へぇ…勿体ない」
折角アルフレッドが用意してくれている訓練メニューなんだから真面目にこなせばいいのにと思いながら、少々鼻白み騎士を見遣るがレジェは苦笑しながら仕方がないんですよと口にしていた。
やっぱりアルフレッドはこんなところで腐らせたら勿体ないように思う。
なんとか説得してここから連れ出してやろうか?
師匠なら王子から守ってやることもできるかもしれないし、側妃が嫌だと言うなら一計を案じてみよう。
そんなことを考えながら歩いていると、やがて鍛錬場へとたどり着いた。
パッと見た感じ、素振り5000回とかしている騎士は見当たらないし、延々と走っている騎士もいない。
筋トレっぽいことをしている騎士は見掛けるが、どうも集中してやっているという感じでもないようだった。
動きの確認か?正直よくわからない。やる気がないのか?
そう思っていると、レジェが俺も参加するかと聞いてきたのでまあこちらの実力を見せつけるのもいいかと思い了承の返事を返した。
「じゃ、5分で木の葉斬り100回を左右交互に10回ずつ。はじめ!」
「は……は?」
正直言われている意味が分からなかった。
木の葉斬りってあれだよな?ヒラヒラ舞い落ちてくる木の葉を素早く斬るあの技だよな?滅茶苦茶集中力を必要とする必殺技じゃなかったっけ?それを5分で100回…だと?しかも左右交互とはこれ如何に?普通利き腕だけじゃないのか?
「あ、やっぱ難しいですよね?特に左右で10回ずつとか鬼だと思うんですよね~。しかも休憩は?!って訊いたら、右腕使ってる時は左腕は休んでるし、左腕を使ってる時は右腕は休んでるだろ、何言ってんだってキョトンとした顔で言うんですよ、あの人。おかしいでしょ?しかも疲れるなら全部終わってからゆっくり休んだらいいって言うんですよ。これでもやりながら休めるように考えたんだ、優しいだろなんて笑うんで怖くてそれ以上突っ込めません。何と言うか基準がおかしいんですよね」
だからできる範囲でそれぞれやって、自分で自分を高めているんだとレジェは言う。
向こうで動きの確認をしているのも木の葉斬りをどうマスターしたらいいのかを試行錯誤しているらしい。
「ちなみにサボってると見做されたら騎士長直々に指導が入るので、手合わせがしたいならそちらをお勧めします。俺はできれば避けたいので真面目にやってます」
気合いを入れてやっていたらまずサボってるとは思われないので大丈夫なのだとレジェはどこか誇らしげにしていた。
「ま…まぁ取り敢えずやってみるかな」
意外とやってみたらできるかもしれないしと思いながら取り敢えずやってみることに。
けれどそれからは地獄だった。
5回目あたりまでは順調に左右交互に出来ていたが、流石に息が上がってくると剣速が落ちるし集中力も落ちてくる。
だから必然的に段々と5分以内に100回という数に至らなくなっていって、とてもではないが完遂することはできなかった。
「くっ…!くそぉ…!」
1時間40分が過ぎた頃、俺はこなせなかったその訓練に悔しさを露にするしかない。
(悔しい…悔しすぎる……!)
簡単だと思ったのにと自分の実力不足を悔しく思う。
自分はまだまだだったのだと昨日以上に打ちひしがれた気分だった。
そんな俺にレジェが声を掛けてくる。
「初めてなのに凄く良かったですよ!騎士長が見たら嬉々として色々教えてくれそうですね」
「ほ、本当か?!」
「ええ。もしかして弟子入り希望とかです?」
「そうだ!」
「あ~…だったら騎士団に入らないと難しいかもしれないですね。特別扱いなんてしたら王子が出てきて牢屋行きとかにされそうなんで」
「……おかしくないか?」
「ここではおかしくないんですよ。あの姫が悪魔と言って恐れるほどの王子なので」
「……そうか」
やはり王子はアルフレッドをこんな場所に閉じ込めているのだ。
それなら俺がここから助け出してやろうと心に決め、また明日来ると言ってこの日は帰った。
***
【Side.レジェンド】
(あれは危険だな)
一目見てかなりの実力者だということはわかった。
だがアルフレッドに弟子入りしたいというのが透けて見えて、最悪何かやらかしそうな雰囲気がプンプンしている。
ここでまた万が一にでもアルフレッドに逃亡されたりしたら目も当てられない。
ここはやはり王子に話を通しておいた方がいいだろう。
「ポニーさん。います?」
「……ええ、おりますよ」
王子の情報源である暗部の人の名を呼ぶとすぐに答えが返ってきたので、そちらを見ずに話を続ける。
「王子に暫く騎士長に誰か監視をつけるか、それともあのさっきの男を見張らせておくかした方がいいとお伝え頂けますか?」
「わかりました。今はお楽しみ中なので後でお伝えしておきます」
「ああ…それで十分です。宜しくお願いしますね」
騎士長今日も襲われてるのか~と思いながら仲良しだなとサラッと流す。
明言はしないが多分アルフレッドは童貞だ。
あれだけ剣を極めてるアルフレッドにはこれまで浮いた噂の一つもなかった。
まさに剣が恋人と言っても過言ではない人。それがアルフレッドだ。
そんなアルフレッドが姫の代わりに王子に抱かれて処女が奪われたなんて可哀想すぎて何も言えない…。
この国に来る途中、一度だけ試しに冗談めかして言ってみたことがある。そんなに剣ばっかり振っててもたまには女を抱きたくなるんじゃないですかと。
そしたら物凄く嫌そうな顔をしながら「そんな時間があったら剣振りたい」と言ってきた。
他の騎士がさらに突っ込むと、やっぱり「別に抱きたいなんて思わない」「時間の無駄」「兎に角剣を振りたい」「溜まったら?自分で処理すればいいじゃないか」だけだった。
あまりにもストイックすぎて泣けた。
正直「あ、この人結婚しない気だな」と思ったものだ。
そんなアルフレッドが今側妃になって王子に抱かれてるなんて誰が想像できただろう。
(きっと色々未知の体験過ぎて怖くて泣いてるんじゃないか?)
そうは思うけどまあ愛されてはいるようだから大丈夫だろうと密かに見守っているのが実情だ。
騎士長として尊敬しているし、その剣の腕にも惚れ込んでいる。
だからずっとここにいて自分達を鍛えて欲しいのだ。
「もう絶対に逃がしませんからね、騎士長?」
王子サイドと結託してでももう二度とここから逃がす気はない。
災いの種は早急に刈り取るに限る。
「さて、今日も訓練訓練っ!」
最近やっとこのメニューにも慣れてきたことだし、他のメニューも頑張るとするかと剣をとる。
なにせアルフレッドの鬼メニューはまだまだいっぱいあるのだ。
今日も頑張らないとと気合を入れて、俺は剣を振り始めたのだった。
昨日城に予め連絡を入れておいたので城門はすんなりと通る事ができた。
但し、アルフレッドではなくアルフレッドの部下である騎士がまず会うという話をされて少し残念に思う。
やはり側妃という立場上すぐには会えないのだろうか?
そう思いながら待っていると、迎えに来たレジェという騎士がすみませんねと言って騎士の鍛錬場へと連れて行ってくれた。
「騎士長は今日は姫の好意で急遽休暇になってていないんですよ」
「昨日闘技場で会ったが王子とデートしてたよな?昨日は休日じゃなかったのか?」
「昨日はある意味お勤めですね。騎士長、死んでないといいけど……」
「それってどういう……」
どういう意味だと尋ねようとしたところで他の騎士達の姿もちらほら見られはじめ、皆それなりに強そうだなと少し驚いた。
「もしかして皆アルフレッド…側妃様の訓練をしてるとかか?」
「あ、騎士長のことは側妃呼びしないでくださいね。物凄く嫌がるんで。普通にアルフレッド殿とかで構わないですよ」
そうなんだと不思議に思いながら続きを促すと、その騎士は訓練内容をサラッと口にしてきた。
「訓練内容は騎士長直伝ですよ。まあ誰もこなせないからボチボチできる範囲でという感じですけど」
「へぇ…勿体ない」
折角アルフレッドが用意してくれている訓練メニューなんだから真面目にこなせばいいのにと思いながら、少々鼻白み騎士を見遣るがレジェは苦笑しながら仕方がないんですよと口にしていた。
やっぱりアルフレッドはこんなところで腐らせたら勿体ないように思う。
なんとか説得してここから連れ出してやろうか?
師匠なら王子から守ってやることもできるかもしれないし、側妃が嫌だと言うなら一計を案じてみよう。
そんなことを考えながら歩いていると、やがて鍛錬場へとたどり着いた。
パッと見た感じ、素振り5000回とかしている騎士は見当たらないし、延々と走っている騎士もいない。
筋トレっぽいことをしている騎士は見掛けるが、どうも集中してやっているという感じでもないようだった。
動きの確認か?正直よくわからない。やる気がないのか?
そう思っていると、レジェが俺も参加するかと聞いてきたのでまあこちらの実力を見せつけるのもいいかと思い了承の返事を返した。
「じゃ、5分で木の葉斬り100回を左右交互に10回ずつ。はじめ!」
「は……は?」
正直言われている意味が分からなかった。
木の葉斬りってあれだよな?ヒラヒラ舞い落ちてくる木の葉を素早く斬るあの技だよな?滅茶苦茶集中力を必要とする必殺技じゃなかったっけ?それを5分で100回…だと?しかも左右交互とはこれ如何に?普通利き腕だけじゃないのか?
「あ、やっぱ難しいですよね?特に左右で10回ずつとか鬼だと思うんですよね~。しかも休憩は?!って訊いたら、右腕使ってる時は左腕は休んでるし、左腕を使ってる時は右腕は休んでるだろ、何言ってんだってキョトンとした顔で言うんですよ、あの人。おかしいでしょ?しかも疲れるなら全部終わってからゆっくり休んだらいいって言うんですよ。これでもやりながら休めるように考えたんだ、優しいだろなんて笑うんで怖くてそれ以上突っ込めません。何と言うか基準がおかしいんですよね」
だからできる範囲でそれぞれやって、自分で自分を高めているんだとレジェは言う。
向こうで動きの確認をしているのも木の葉斬りをどうマスターしたらいいのかを試行錯誤しているらしい。
「ちなみにサボってると見做されたら騎士長直々に指導が入るので、手合わせがしたいならそちらをお勧めします。俺はできれば避けたいので真面目にやってます」
気合いを入れてやっていたらまずサボってるとは思われないので大丈夫なのだとレジェはどこか誇らしげにしていた。
「ま…まぁ取り敢えずやってみるかな」
意外とやってみたらできるかもしれないしと思いながら取り敢えずやってみることに。
けれどそれからは地獄だった。
5回目あたりまでは順調に左右交互に出来ていたが、流石に息が上がってくると剣速が落ちるし集中力も落ちてくる。
だから必然的に段々と5分以内に100回という数に至らなくなっていって、とてもではないが完遂することはできなかった。
「くっ…!くそぉ…!」
1時間40分が過ぎた頃、俺はこなせなかったその訓練に悔しさを露にするしかない。
(悔しい…悔しすぎる……!)
簡単だと思ったのにと自分の実力不足を悔しく思う。
自分はまだまだだったのだと昨日以上に打ちひしがれた気分だった。
そんな俺にレジェが声を掛けてくる。
「初めてなのに凄く良かったですよ!騎士長が見たら嬉々として色々教えてくれそうですね」
「ほ、本当か?!」
「ええ。もしかして弟子入り希望とかです?」
「そうだ!」
「あ~…だったら騎士団に入らないと難しいかもしれないですね。特別扱いなんてしたら王子が出てきて牢屋行きとかにされそうなんで」
「……おかしくないか?」
「ここではおかしくないんですよ。あの姫が悪魔と言って恐れるほどの王子なので」
「……そうか」
やはり王子はアルフレッドをこんな場所に閉じ込めているのだ。
それなら俺がここから助け出してやろうと心に決め、また明日来ると言ってこの日は帰った。
***
【Side.レジェンド】
(あれは危険だな)
一目見てかなりの実力者だということはわかった。
だがアルフレッドに弟子入りしたいというのが透けて見えて、最悪何かやらかしそうな雰囲気がプンプンしている。
ここでまた万が一にでもアルフレッドに逃亡されたりしたら目も当てられない。
ここはやはり王子に話を通しておいた方がいいだろう。
「ポニーさん。います?」
「……ええ、おりますよ」
王子の情報源である暗部の人の名を呼ぶとすぐに答えが返ってきたので、そちらを見ずに話を続ける。
「王子に暫く騎士長に誰か監視をつけるか、それともあのさっきの男を見張らせておくかした方がいいとお伝え頂けますか?」
「わかりました。今はお楽しみ中なので後でお伝えしておきます」
「ああ…それで十分です。宜しくお願いしますね」
騎士長今日も襲われてるのか~と思いながら仲良しだなとサラッと流す。
明言はしないが多分アルフレッドは童貞だ。
あれだけ剣を極めてるアルフレッドにはこれまで浮いた噂の一つもなかった。
まさに剣が恋人と言っても過言ではない人。それがアルフレッドだ。
そんなアルフレッドが姫の代わりに王子に抱かれて処女が奪われたなんて可哀想すぎて何も言えない…。
この国に来る途中、一度だけ試しに冗談めかして言ってみたことがある。そんなに剣ばっかり振っててもたまには女を抱きたくなるんじゃないですかと。
そしたら物凄く嫌そうな顔をしながら「そんな時間があったら剣振りたい」と言ってきた。
他の騎士がさらに突っ込むと、やっぱり「別に抱きたいなんて思わない」「時間の無駄」「兎に角剣を振りたい」「溜まったら?自分で処理すればいいじゃないか」だけだった。
あまりにもストイックすぎて泣けた。
正直「あ、この人結婚しない気だな」と思ったものだ。
そんなアルフレッドが今側妃になって王子に抱かれてるなんて誰が想像できただろう。
(きっと色々未知の体験過ぎて怖くて泣いてるんじゃないか?)
そうは思うけどまあ愛されてはいるようだから大丈夫だろうと密かに見守っているのが実情だ。
騎士長として尊敬しているし、その剣の腕にも惚れ込んでいる。
だからずっとここにいて自分達を鍛えて欲しいのだ。
「もう絶対に逃がしませんからね、騎士長?」
王子サイドと結託してでももう二度とここから逃がす気はない。
災いの種は早急に刈り取るに限る。
「さて、今日も訓練訓練っ!」
最近やっとこのメニューにも慣れてきたことだし、他のメニューも頑張るとするかと剣をとる。
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