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第二章 側妃問題はそっちのけでイチャつきたい!
30.予想 Side.ローズマリー
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父に頼んでなんとか繋いだ希望の糸。
それが変態に対する耐性があると示すことだった。
だからディオ王子の看病を諦めてまでむさ苦しい鍛錬場まで行ったのだけど、想像以上に騎士達の変態発言に慄いて、ついヴィオレッタ王女の背に隠れてしまったのが間違いだった。
悲鳴は上げていないし、腰だって抜かさなかった。
大勢でなく一人二人を目にする分には全然平気だ。
ただミラルカの見慣れた爽やかな騎士達とのギャップが酷くて、ゾクッとしてしまっただけ…ドン引きしただけだった。
だからどうとでもなると思っていたのに、途中からやってきたルーセウス王子は、そんな私の目の前で易々と実力の差を見せつけてくる。
彼が騎士達を怖がらないのは、同じ男だから。
指導を行えるのも、彼が普段から剣を振っているから。
でも────騎士達が変態にならなかったのは、彼がそうさせなかったから。
ミラルカとの合同演習でのガヴァムの騎士達の変態っぷりは有名で、あれを矯正できる人なんてどこにもいないとまで言われていたのを知っている。
それなのに、彼は易々と私の目の前でそれをやり遂げてしまった。
しかもそれだけではなく、国に連れて行って更生させようかと軽く提案する始末。
王太子だからこそ言えるセリフではある。
でもこんなこと、私には絶対に軽々しくは言えなかった。
ミラルカの騎士団長にもできなかったことが私にできるはずがないから、言うだけ無駄なのだ。
(悔しい…!)
ただでさえあの王子はディオ王子と親しい仲だということで嫉妬の対象だったのに、ここにきて益々嫌いになった。
眩しいくらい存在感があってイライラする。
私の方が魅力的でなければいけないのに、私こそがディオ王子の隣に相応しいと…そう言われたくて頑張ってきたのに、こんなポッと出の新参者にディオ王子を取られたくはなかった。
「お父様!」
だからミラルカに戻ってすぐ、父へとお願いする。
「私、ルーセウス王子よりももっともっとディオ様のお力になりたいんです!何かできることはありませんか?!」
そう勢い込んで尋ねたら、何があったのかを聞かれて、素直にガヴァムでの出来事を話した。
「え?!あの騎士達が正常化した?!凄くない?!やるなぁ、ルーセウス王子」
なのに父の中でルーセウス王子の株が上がっただけで、『それ以上の事はちょっと難しいよ』と返されてしまう。
「ルーセウス王子は多分何も知らなかったからこそ、単純に好意で申し出ただけだと思うんだ。それを下手に知ってるこっちが首を突っ込もうとしたら、ただの内政干渉になりかねない。諦めなさい」
「そんな…」
父の言葉はその通りなのかもしれないけれど、だからと言って納得できるはずがない。
「それに…ちょっと引っ掛かってるんだよね」
「何がですか?」
「ロキが大人しすぎる」
「ロキ陛下…ですか?」
父曰く、ロキ陛下がこのまま静かに退位するなんて考えられないとのこと。
でも私はロキ陛下がずっと退位したがっていたことを知っているから、首を傾げてしまう。
「考え過ぎではありませんか?」
「いや。長い付き合いだからわかるんだ。どうも切り札的なものを隠し持ってる気がしてならなくて」
父はそこから予想できる事を次々と口にしていく。
「もしかしたらドッキリでルーセウス王子をカリン陛下みたいにディオ王子の王配にする気かもしれないってちょっと考えたんだけど、ゴッドハルトを調べさせた限りではルーセウス王子が王太子をやめるような動きが一切なかったんだ。もしそんな動きがあれば今度はディア王女がフリーになるだろう?それならそれで、ディア王女をうちの王太子妃にできるかもって思ってたけど、現時点ではルーセウス王子とディア王女の婚姻は確実っぽくて」
「何か確信できることでも?」
「うん。どうやら結婚式のドレスとか初夜用の夜着や下着とかそういった物まで準備してるらしいんだ。そこまでしてて結婚しないってことにはならないかなって…」
(夜着や下着…)
やけに具体的だ。
「ローズマリーが目にしたルーセウス王子の様子からも、まず彼が王太子の座を降りるって事はないって確信した。でもそうなると切り札は何かって話に戻るんだけど…」
「もしかして逆という事はありませんか?あってほしくはありませんけれど…」
「ディオ王子がルーセウス王子のところへ行って、ディア王女が実は戴冠しますって?まあ確かにヴィオレッタ王女は楽しいことが大好きだから、ロキがドッキリに協力してくれって言ったら二つ返事で引き受けそうだし、シャイナー陛下も最後の最後にロキに遊ばれて悔しさ半分喜び半分で受け入れそうではあるけど…」
凄くありそうな話だと父は思ったのか、ウンウン悩み始める。
「いや。やっぱりないな。それだとゴッドハルトの後継問題が出てくる」
「あちらは王女がいらっしゃるのでは?」
「ああ、セレナ王女か。彼女が国内貴族に嫁ぐならアリだとは思うんだけど、そっちはそっちで今ロロイアの王太子に振り向いてもらうために頑張ってるところらしくて。それが上手くいったらロロイアに嫁ぐことになるだろう?ゴッドハルトの後継問題は解消されないんだよ」
「なるほど」
確かにそれならルーセウス王子はそこから側妃を迎える話になるし、ディア王女も即位後すぐに王配選びなんて難しいだろうし、なんとなくしっくりこない。
本当にそうなら事前に王配となる人物を見つけ、全ての準備を整えるくらいしていてもおかしくはないけれど、そんな動きもない。
「う~ん…」
そうして二人で頭を悩ませていたら、ブルーグレイにいるアルフレッドからツンナガールに連絡が入った。
「アルフレッド?珍しい。どうしたのさ」
『ガヴァムの即位式に今度セドと行く事になったので、連絡をと思って』
「来るんだ。ちょうど良かった。アルフレッド。ちょっと意見が聞きたいんだけど…」
そこで事情を話して何か思いつかないかと父が尋ねたら、『ロキ陛下がやりそうな事って…』とガクブルしたような声で私達には思いつかなかった事を口にした。
曰く、ルーセウス王子を密かに快楽堕ちさせておき、アンシャンテのシャイナー陛下と似た形で、戴冠式で上手く使えとばかりにサプライズプレゼントする気なのでは?と。
それは実質ガヴァムへの属国化を意味する。
シャイナー陛下は優秀な方だからそこまで酷い事にはならなかったが、ルーセウス王子は権謀術数には疎そうだし、単純そうだから容易に操られそうではある。
「ブハッ!やりそう!すごく想像がつく!アハハッ!」
『笑い事じゃないです!もしそうなりそうだったら阻止してください!絶対ですよ?!ルーセウス王子を変な事に巻き込まないでやってください!』
「アハハッ!大丈夫大丈夫。もし本当にそんな事になりそうになっても、ディオ王子が止めるよ。結構彼はしっかり暗部を使いこなしているから情報通だしね」
父は笑い過ぎで目に滲んだ涙を拭い、アルフレッドを安心させるように告げた。
「それにルーセウス王子はすごく真っ当な性格みたいだし、彼を快楽堕ちさせるなんて流石のロキでも難しいんじゃないかな?」
『まあ確かにルーセウス王子はすごく真面な王子ですね。正直ロキ陛下とは水と油くらい対極に位置してる人物だと思います』
「うんうん。確かにパーティーで見かけた時も真っ直ぐな好青年って感じだったな。裏表もなさそうだったし、大丈夫じゃない?」
『ロキ陛下ならそれでもやり遂げそうで怖いんですよ!』
どうやらアルフレッドは相当ロキ陛下が苦手らしい。
何度もルーセウス王子を頼みますと懇願してから通話を切った。
「う~ん。斬新な予想だったけど、ありそうではあったな」
「そうでしょうか?」
「ローズマリーは思わなかった?」
「ええ。変態を正常化させるような方が自ら堕ちるとはちょっと考えられないので」
「確かに。結局また振り出しに戻ったな…」
退位前にロキ陛下からこんな風に遊んでもらえて幸せだと父は楽しそうに笑う。
もしかしてロキ陛下なりに、父と最後に遊んであげてるつもりなのかもしれない。
二人はなんだかんだで親友らしいから。
となると、同じくシャイナー陛下へも最後の遊びを仕掛けていそうだと思ってしまう。
戴冠式。
譲位と共に起こるであろうサプライズ発表。
(実はヴィオレッタ王女は正妃じゃない…とか?)
一瞬そんな馬鹿な考えが頭をよぎったものの、すぐに頭を横に振る。
だってもしそうなら誰が正妃の座に着くのかという話だ。
(いえ…ちょっと待って?)
その座につけたい人物が一人いるではないか。
「お父様!ロクサーヌ嬢が今どちらにいるかご存知ですか?!」
「ロクサーヌ嬢?」
「そうですわ!私、思ったのです!ヴィオレッタ王女は実は正妃ではなく側妃で、実際王妃の座につくのはロクサーヌ嬢なのではないかと!」
「なるほど!」
確かロクサーヌ嬢はシェリル公爵令嬢から嫌がらせを受けていたと聞いた。
それを受けてロキ陛下が一時保護し、ディオ王子を振ったという体で周囲の目を欺き、最終的に誰も文句を言えない状況で王妃に据える。
これならディオ王子にとって最高の戴冠祝いになるのではないだろうか?
「すぐに調べよう!」
こうして急いで彼女の行方を探らせたのだけど、そこは流石ロキ陛下。
綺麗に彼女の足跡は隠されていて、追う事は適わなかった。
だからこそきっとこれが正解に違いない。
そう確信を抱きつつ、じゃあどうすべきなのかという話に立ち返り、親子揃ってまた頭を悩ませた。
それが変態に対する耐性があると示すことだった。
だからディオ王子の看病を諦めてまでむさ苦しい鍛錬場まで行ったのだけど、想像以上に騎士達の変態発言に慄いて、ついヴィオレッタ王女の背に隠れてしまったのが間違いだった。
悲鳴は上げていないし、腰だって抜かさなかった。
大勢でなく一人二人を目にする分には全然平気だ。
ただミラルカの見慣れた爽やかな騎士達とのギャップが酷くて、ゾクッとしてしまっただけ…ドン引きしただけだった。
だからどうとでもなると思っていたのに、途中からやってきたルーセウス王子は、そんな私の目の前で易々と実力の差を見せつけてくる。
彼が騎士達を怖がらないのは、同じ男だから。
指導を行えるのも、彼が普段から剣を振っているから。
でも────騎士達が変態にならなかったのは、彼がそうさせなかったから。
ミラルカとの合同演習でのガヴァムの騎士達の変態っぷりは有名で、あれを矯正できる人なんてどこにもいないとまで言われていたのを知っている。
それなのに、彼は易々と私の目の前でそれをやり遂げてしまった。
しかもそれだけではなく、国に連れて行って更生させようかと軽く提案する始末。
王太子だからこそ言えるセリフではある。
でもこんなこと、私には絶対に軽々しくは言えなかった。
ミラルカの騎士団長にもできなかったことが私にできるはずがないから、言うだけ無駄なのだ。
(悔しい…!)
ただでさえあの王子はディオ王子と親しい仲だということで嫉妬の対象だったのに、ここにきて益々嫌いになった。
眩しいくらい存在感があってイライラする。
私の方が魅力的でなければいけないのに、私こそがディオ王子の隣に相応しいと…そう言われたくて頑張ってきたのに、こんなポッと出の新参者にディオ王子を取られたくはなかった。
「お父様!」
だからミラルカに戻ってすぐ、父へとお願いする。
「私、ルーセウス王子よりももっともっとディオ様のお力になりたいんです!何かできることはありませんか?!」
そう勢い込んで尋ねたら、何があったのかを聞かれて、素直にガヴァムでの出来事を話した。
「え?!あの騎士達が正常化した?!凄くない?!やるなぁ、ルーセウス王子」
なのに父の中でルーセウス王子の株が上がっただけで、『それ以上の事はちょっと難しいよ』と返されてしまう。
「ルーセウス王子は多分何も知らなかったからこそ、単純に好意で申し出ただけだと思うんだ。それを下手に知ってるこっちが首を突っ込もうとしたら、ただの内政干渉になりかねない。諦めなさい」
「そんな…」
父の言葉はその通りなのかもしれないけれど、だからと言って納得できるはずがない。
「それに…ちょっと引っ掛かってるんだよね」
「何がですか?」
「ロキが大人しすぎる」
「ロキ陛下…ですか?」
父曰く、ロキ陛下がこのまま静かに退位するなんて考えられないとのこと。
でも私はロキ陛下がずっと退位したがっていたことを知っているから、首を傾げてしまう。
「考え過ぎではありませんか?」
「いや。長い付き合いだからわかるんだ。どうも切り札的なものを隠し持ってる気がしてならなくて」
父はそこから予想できる事を次々と口にしていく。
「もしかしたらドッキリでルーセウス王子をカリン陛下みたいにディオ王子の王配にする気かもしれないってちょっと考えたんだけど、ゴッドハルトを調べさせた限りではルーセウス王子が王太子をやめるような動きが一切なかったんだ。もしそんな動きがあれば今度はディア王女がフリーになるだろう?それならそれで、ディア王女をうちの王太子妃にできるかもって思ってたけど、現時点ではルーセウス王子とディア王女の婚姻は確実っぽくて」
「何か確信できることでも?」
「うん。どうやら結婚式のドレスとか初夜用の夜着や下着とかそういった物まで準備してるらしいんだ。そこまでしてて結婚しないってことにはならないかなって…」
(夜着や下着…)
やけに具体的だ。
「ローズマリーが目にしたルーセウス王子の様子からも、まず彼が王太子の座を降りるって事はないって確信した。でもそうなると切り札は何かって話に戻るんだけど…」
「もしかして逆という事はありませんか?あってほしくはありませんけれど…」
「ディオ王子がルーセウス王子のところへ行って、ディア王女が実は戴冠しますって?まあ確かにヴィオレッタ王女は楽しいことが大好きだから、ロキがドッキリに協力してくれって言ったら二つ返事で引き受けそうだし、シャイナー陛下も最後の最後にロキに遊ばれて悔しさ半分喜び半分で受け入れそうではあるけど…」
凄くありそうな話だと父は思ったのか、ウンウン悩み始める。
「いや。やっぱりないな。それだとゴッドハルトの後継問題が出てくる」
「あちらは王女がいらっしゃるのでは?」
「ああ、セレナ王女か。彼女が国内貴族に嫁ぐならアリだとは思うんだけど、そっちはそっちで今ロロイアの王太子に振り向いてもらうために頑張ってるところらしくて。それが上手くいったらロロイアに嫁ぐことになるだろう?ゴッドハルトの後継問題は解消されないんだよ」
「なるほど」
確かにそれならルーセウス王子はそこから側妃を迎える話になるし、ディア王女も即位後すぐに王配選びなんて難しいだろうし、なんとなくしっくりこない。
本当にそうなら事前に王配となる人物を見つけ、全ての準備を整えるくらいしていてもおかしくはないけれど、そんな動きもない。
「う~ん…」
そうして二人で頭を悩ませていたら、ブルーグレイにいるアルフレッドからツンナガールに連絡が入った。
「アルフレッド?珍しい。どうしたのさ」
『ガヴァムの即位式に今度セドと行く事になったので、連絡をと思って』
「来るんだ。ちょうど良かった。アルフレッド。ちょっと意見が聞きたいんだけど…」
そこで事情を話して何か思いつかないかと父が尋ねたら、『ロキ陛下がやりそうな事って…』とガクブルしたような声で私達には思いつかなかった事を口にした。
曰く、ルーセウス王子を密かに快楽堕ちさせておき、アンシャンテのシャイナー陛下と似た形で、戴冠式で上手く使えとばかりにサプライズプレゼントする気なのでは?と。
それは実質ガヴァムへの属国化を意味する。
シャイナー陛下は優秀な方だからそこまで酷い事にはならなかったが、ルーセウス王子は権謀術数には疎そうだし、単純そうだから容易に操られそうではある。
「ブハッ!やりそう!すごく想像がつく!アハハッ!」
『笑い事じゃないです!もしそうなりそうだったら阻止してください!絶対ですよ?!ルーセウス王子を変な事に巻き込まないでやってください!』
「アハハッ!大丈夫大丈夫。もし本当にそんな事になりそうになっても、ディオ王子が止めるよ。結構彼はしっかり暗部を使いこなしているから情報通だしね」
父は笑い過ぎで目に滲んだ涙を拭い、アルフレッドを安心させるように告げた。
「それにルーセウス王子はすごく真っ当な性格みたいだし、彼を快楽堕ちさせるなんて流石のロキでも難しいんじゃないかな?」
『まあ確かにルーセウス王子はすごく真面な王子ですね。正直ロキ陛下とは水と油くらい対極に位置してる人物だと思います』
「うんうん。確かにパーティーで見かけた時も真っ直ぐな好青年って感じだったな。裏表もなさそうだったし、大丈夫じゃない?」
『ロキ陛下ならそれでもやり遂げそうで怖いんですよ!』
どうやらアルフレッドは相当ロキ陛下が苦手らしい。
何度もルーセウス王子を頼みますと懇願してから通話を切った。
「う~ん。斬新な予想だったけど、ありそうではあったな」
「そうでしょうか?」
「ローズマリーは思わなかった?」
「ええ。変態を正常化させるような方が自ら堕ちるとはちょっと考えられないので」
「確かに。結局また振り出しに戻ったな…」
退位前にロキ陛下からこんな風に遊んでもらえて幸せだと父は楽しそうに笑う。
もしかしてロキ陛下なりに、父と最後に遊んであげてるつもりなのかもしれない。
二人はなんだかんだで親友らしいから。
となると、同じくシャイナー陛下へも最後の遊びを仕掛けていそうだと思ってしまう。
戴冠式。
譲位と共に起こるであろうサプライズ発表。
(実はヴィオレッタ王女は正妃じゃない…とか?)
一瞬そんな馬鹿な考えが頭をよぎったものの、すぐに頭を横に振る。
だってもしそうなら誰が正妃の座に着くのかという話だ。
(いえ…ちょっと待って?)
その座につけたい人物が一人いるではないか。
「お父様!ロクサーヌ嬢が今どちらにいるかご存知ですか?!」
「ロクサーヌ嬢?」
「そうですわ!私、思ったのです!ヴィオレッタ王女は実は正妃ではなく側妃で、実際王妃の座につくのはロクサーヌ嬢なのではないかと!」
「なるほど!」
確かロクサーヌ嬢はシェリル公爵令嬢から嫌がらせを受けていたと聞いた。
それを受けてロキ陛下が一時保護し、ディオ王子を振ったという体で周囲の目を欺き、最終的に誰も文句を言えない状況で王妃に据える。
これならディオ王子にとって最高の戴冠祝いになるのではないだろうか?
「すぐに調べよう!」
こうして急いで彼女の行方を探らせたのだけど、そこは流石ロキ陛下。
綺麗に彼女の足跡は隠されていて、追う事は適わなかった。
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