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35.クッキーあ~んは有罪か?
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レイが帰ってきて、嬉しくてその気持ちのままレイの腕の中に飛び込んだけど、暫くそうしていたら後ろから恐る恐る声をかけられて慌ててその腕の中から飛び出してしまった。
「あの…師匠?僕、今日は宿に泊まってきましょうか?」
「ゴ、ゴメン!いや、ほらクッキー作り約束してたし、明日孤児院に持っていかないといけないから!気にせず入って!」
同居人のクルトの事をすっかり忘れていて本当に申し訳なくて、真っ赤になりながらなんとか自分を立て直す。
「ジェイド…」
残念そうなレイには申し訳ないけど、俺の個人的な感情で同居人を追い出すわけにはいかない。
「レイ、こっちは昨日から同居してる隣国の王子で、今聖女様の従者見習い中のクルト」
「クルトです。よろしくお願いします」
ニコッと笑って挨拶をするクルトにレイはちょっと眉を顰めたけど、すぐに笑顔になって宜しくと握手をしていた。
でもすぐにパッと手を離してクルトが痛そうな涙目で手をさすっていたので、思わずどうしたんだと心配になって声をかけた。
「いたた…。レイさん、力強いですね」
「えっ…」
レイはちょっと驚いてるからわざとじゃないんだろうけど、クルトは王族だもんな。
貴族とはいえ冒険者として戦ってきたレイと違って繊細なのかも。
「大丈夫か?クルト」
「はい。平気です。それよりもしかしてこの方がジェイド師匠の婚約者なんですか?」
「ああ」
「そうですか。ちょっと思っていた方と違って驚きました」
「そう?」
「ええ。師匠のお相手ならこう…もっと頼りなくて、守ってあげなくちゃ的な可愛らしい方なのかと思っていたので意外だなって」
「え?」
まさかそんなことを言われるとは思ってもみなかったのでちょっと驚いた。
う~ん…。俺、そう言うタイプは好きじゃないんだけどな。
「だって師匠って何でもできるじゃないですか。家事全般得意ですし、ポーション作りも凄いし、優しくて気も利いて本当に凄く頼りになって…」
「そうかな?」
「そうですよ!あの聖女様がべた惚れなんですよ?僕だって師匠の事、この二日で大好きになりました!」
「そっか。そう言ってもらえたら嬉しいな」
「えへへ。師匠ならお相手選びたい放題ですよね」
そうやって笑って持ち上げてくれるのは嬉しいけど、俺そんなにモテないし選び放題は言い過ぎだと思うんだけどな。
好きなタイプだって駆け引きとかができそうな相手だからそんなにいないし。
そう言った意味ではレイに出会えてよかったと思うし、婚約できて凄く嬉しいんだ。
しかも一年は会えないのも覚悟してたのに、一か月くらいでまたこうして会えたんだから正直嬉しすぎてたまらなかった。
「ありがとう。まあ、レイに出会えて選んでもらえたから俺としては満足かな」
だからちょっとだけ惚気て笑顔でスルーしたんだけど、そう言った途端レイに抱きしめられてちょっと戸惑ってしまう。
「ジェイド…」
「えっと…レイ?クルトの前であんまりイチャイチャするのはちょっと…」
惚気た俺が言っても説得力はないかもしれないけど、クルトも困るだろうしやめた方がいいんじゃないかな?
なのにレイはちっとも離してくれなかったので、今日は一緒に料理を作ろうと誘ってさり気なく離れさせた。
もちろんどうしようもなく嬉しい気持ちが込み上げてくるのを押し隠して…だ。
キッチンとはいえ二人きりになれるならそれもありかなとも思ったし、これならクルトに隠れてイチャイチャだってしやすいだろう。
でもどこか甘い空気が漂う二人の間に、僕も手伝いますよとクルトが飛び込んできたので、じゃあクルトはクッキーを頼むよと言って先に分量等を教えて材料も全部テーブルに並べていった。
孤児院に持っていくなら多めに作らないといけないから結構大変だ。
食べ終わってから作っていたら寝るのが遅くなってしまうし、ここは同時進行で作ってしまった方がいいだろうと思ってのことだったんだけど…。
そこからはキッチンとリビングで名前を呼ばれるたびに行ったり来たりする羽目になったから甘い空気も何もない。
「師匠!裏ごしできました!小麦粉との比率はこれくらいでいいですか?」
「ジェイド、火加減はこれくらいでいいかな?焦げ目がうまくつかないんだが…」
「師匠!ニンジンの方はこれでいいと思うんですけど、カボチャの方はどうでしょう?混ぜ加減がわからなくて…」
「ジェイド、こっちのが一味足りない気がするんだけど、何が足りないかがわからなくて…。みてくれないか?」
「師匠!オーブンの余熱忘れてました~!」
「ジェイド、これでどうかな?味見してみて」
「はいはいはいはい!」
それぞれ真剣っぽいから無碍にできないし、俺は俺で料理しながら全部に対応してるから忙しすぎてたまらない。
それでもなんとか三人分の料理を10品用意し、クッキーも焼くところまで無事に到達。
夕食を食べ終わる頃には焼き終わっていい具合に冷めていることだろう。
「ん~…!美味しい!」
「うん。すごく美味しい。ジェイドの手作りはやっぱり最高だ」
「良かった。レイの作ったのも美味しいよ」
二人の美味しそうに綻ぶ笑顔は見ていてとても癒される。
なによりレイが隣にいてくれるのが嬉しくて俺はさっきからドキドキしっぱなしだ。
「師匠!後でクッキーも味見してみてくださいね」
「ああ、もちろん」
野菜クッキーはきっと子供達にも喜ばれると思う。
そうして夕飯を食べ終わり、以前のように食器洗いを引き受けてくれたレイにお礼を言っていると、クルトが焼きあがったクッキーを手にやってきて、満面の笑みで一枚俺に差し出してきた。
「師匠!見てください。上手に焼けたでしょう?味見をお願いします!」
そしてそのまま受け取る間もなく口元に突きつけられたので、思わず勢いでパクッと口にしそのままモグモグと味わってしまう。
「どうですか?美味しいですか?」
「ん。美味しい」
「やった!師匠が丁寧に教えてくれたので僕でも上手に作れました。ありがとうございます」
「クルトが頑張ったからだよ」
可愛い笑顔で喜ばれて、俺もついつい頭を撫でてしまう。
でもその光景を目の前で見てしまったレイがショックを受けてたなんて思いもよらなかったんだ。
「ジェイド…」
「え?」
なんでレイはクルトを睨んでるんだろう?
睨まれた方のクルトもこれにはびっくりしたようで、サッと俺の後ろに隠れてしまっている。
「えっと…レイ?」
「……なんでもない」
「そうか?あ、もしかしてレイも食べたかったとか?」
「…………」
うん。違うよな。それじゃあもしかしてもしかしなくても嫉妬…とか?
そう考えて、俺はあることに気づいて「やらかしたかも?!」とちょっと天を仰ぎたくなった。
そりゃあそうだ。よく考えたらレイから見れば俺は婚約中にも関わらず他の男を家に引っ張り込んだ最低な奴ってことになるんだから。
今睨まれてるのはクルトだけど、本来睨まれるべきは自分だろう。
(浮気者とか思われてそうだな…)
そう考えると時間が経ってから同居がバレるよりもいっそ良かったのかもしれない。
まだ昨日の今日ならいい訳のしようもあるもんな。
「その…レイ?誤解のないように言っておくけど、クルトとは同居人以上の何かがあるわけじゃないからな?」
「……わかってる」
(本当に?)
だったら睨むのはそろそろやめてあげて欲しい。
「あ~……クルト。お金は俺が出すから、やっぱり今日は宿の方に泊ってもらってもいいか?」
「あ、はい!もちろんです!」
これは一刻も早く誤解を解かないと大変なことになると思い、俺はすぐさまクルトを逃がして、レイとちゃんと話そうと深く息を吐いたのだった。
「あの…師匠?僕、今日は宿に泊まってきましょうか?」
「ゴ、ゴメン!いや、ほらクッキー作り約束してたし、明日孤児院に持っていかないといけないから!気にせず入って!」
同居人のクルトの事をすっかり忘れていて本当に申し訳なくて、真っ赤になりながらなんとか自分を立て直す。
「ジェイド…」
残念そうなレイには申し訳ないけど、俺の個人的な感情で同居人を追い出すわけにはいかない。
「レイ、こっちは昨日から同居してる隣国の王子で、今聖女様の従者見習い中のクルト」
「クルトです。よろしくお願いします」
ニコッと笑って挨拶をするクルトにレイはちょっと眉を顰めたけど、すぐに笑顔になって宜しくと握手をしていた。
でもすぐにパッと手を離してクルトが痛そうな涙目で手をさすっていたので、思わずどうしたんだと心配になって声をかけた。
「いたた…。レイさん、力強いですね」
「えっ…」
レイはちょっと驚いてるからわざとじゃないんだろうけど、クルトは王族だもんな。
貴族とはいえ冒険者として戦ってきたレイと違って繊細なのかも。
「大丈夫か?クルト」
「はい。平気です。それよりもしかしてこの方がジェイド師匠の婚約者なんですか?」
「ああ」
「そうですか。ちょっと思っていた方と違って驚きました」
「そう?」
「ええ。師匠のお相手ならこう…もっと頼りなくて、守ってあげなくちゃ的な可愛らしい方なのかと思っていたので意外だなって」
「え?」
まさかそんなことを言われるとは思ってもみなかったのでちょっと驚いた。
う~ん…。俺、そう言うタイプは好きじゃないんだけどな。
「だって師匠って何でもできるじゃないですか。家事全般得意ですし、ポーション作りも凄いし、優しくて気も利いて本当に凄く頼りになって…」
「そうかな?」
「そうですよ!あの聖女様がべた惚れなんですよ?僕だって師匠の事、この二日で大好きになりました!」
「そっか。そう言ってもらえたら嬉しいな」
「えへへ。師匠ならお相手選びたい放題ですよね」
そうやって笑って持ち上げてくれるのは嬉しいけど、俺そんなにモテないし選び放題は言い過ぎだと思うんだけどな。
好きなタイプだって駆け引きとかができそうな相手だからそんなにいないし。
そう言った意味ではレイに出会えてよかったと思うし、婚約できて凄く嬉しいんだ。
しかも一年は会えないのも覚悟してたのに、一か月くらいでまたこうして会えたんだから正直嬉しすぎてたまらなかった。
「ありがとう。まあ、レイに出会えて選んでもらえたから俺としては満足かな」
だからちょっとだけ惚気て笑顔でスルーしたんだけど、そう言った途端レイに抱きしめられてちょっと戸惑ってしまう。
「ジェイド…」
「えっと…レイ?クルトの前であんまりイチャイチャするのはちょっと…」
惚気た俺が言っても説得力はないかもしれないけど、クルトも困るだろうしやめた方がいいんじゃないかな?
なのにレイはちっとも離してくれなかったので、今日は一緒に料理を作ろうと誘ってさり気なく離れさせた。
もちろんどうしようもなく嬉しい気持ちが込み上げてくるのを押し隠して…だ。
キッチンとはいえ二人きりになれるならそれもありかなとも思ったし、これならクルトに隠れてイチャイチャだってしやすいだろう。
でもどこか甘い空気が漂う二人の間に、僕も手伝いますよとクルトが飛び込んできたので、じゃあクルトはクッキーを頼むよと言って先に分量等を教えて材料も全部テーブルに並べていった。
孤児院に持っていくなら多めに作らないといけないから結構大変だ。
食べ終わってから作っていたら寝るのが遅くなってしまうし、ここは同時進行で作ってしまった方がいいだろうと思ってのことだったんだけど…。
そこからはキッチンとリビングで名前を呼ばれるたびに行ったり来たりする羽目になったから甘い空気も何もない。
「師匠!裏ごしできました!小麦粉との比率はこれくらいでいいですか?」
「ジェイド、火加減はこれくらいでいいかな?焦げ目がうまくつかないんだが…」
「師匠!ニンジンの方はこれでいいと思うんですけど、カボチャの方はどうでしょう?混ぜ加減がわからなくて…」
「ジェイド、こっちのが一味足りない気がするんだけど、何が足りないかがわからなくて…。みてくれないか?」
「師匠!オーブンの余熱忘れてました~!」
「ジェイド、これでどうかな?味見してみて」
「はいはいはいはい!」
それぞれ真剣っぽいから無碍にできないし、俺は俺で料理しながら全部に対応してるから忙しすぎてたまらない。
それでもなんとか三人分の料理を10品用意し、クッキーも焼くところまで無事に到達。
夕食を食べ終わる頃には焼き終わっていい具合に冷めていることだろう。
「ん~…!美味しい!」
「うん。すごく美味しい。ジェイドの手作りはやっぱり最高だ」
「良かった。レイの作ったのも美味しいよ」
二人の美味しそうに綻ぶ笑顔は見ていてとても癒される。
なによりレイが隣にいてくれるのが嬉しくて俺はさっきからドキドキしっぱなしだ。
「師匠!後でクッキーも味見してみてくださいね」
「ああ、もちろん」
野菜クッキーはきっと子供達にも喜ばれると思う。
そうして夕飯を食べ終わり、以前のように食器洗いを引き受けてくれたレイにお礼を言っていると、クルトが焼きあがったクッキーを手にやってきて、満面の笑みで一枚俺に差し出してきた。
「師匠!見てください。上手に焼けたでしょう?味見をお願いします!」
そしてそのまま受け取る間もなく口元に突きつけられたので、思わず勢いでパクッと口にしそのままモグモグと味わってしまう。
「どうですか?美味しいですか?」
「ん。美味しい」
「やった!師匠が丁寧に教えてくれたので僕でも上手に作れました。ありがとうございます」
「クルトが頑張ったからだよ」
可愛い笑顔で喜ばれて、俺もついつい頭を撫でてしまう。
でもその光景を目の前で見てしまったレイがショックを受けてたなんて思いもよらなかったんだ。
「ジェイド…」
「え?」
なんでレイはクルトを睨んでるんだろう?
睨まれた方のクルトもこれにはびっくりしたようで、サッと俺の後ろに隠れてしまっている。
「えっと…レイ?」
「……なんでもない」
「そうか?あ、もしかしてレイも食べたかったとか?」
「…………」
うん。違うよな。それじゃあもしかしてもしかしなくても嫉妬…とか?
そう考えて、俺はあることに気づいて「やらかしたかも?!」とちょっと天を仰ぎたくなった。
そりゃあそうだ。よく考えたらレイから見れば俺は婚約中にも関わらず他の男を家に引っ張り込んだ最低な奴ってことになるんだから。
今睨まれてるのはクルトだけど、本来睨まれるべきは自分だろう。
(浮気者とか思われてそうだな…)
そう考えると時間が経ってから同居がバレるよりもいっそ良かったのかもしれない。
まだ昨日の今日ならいい訳のしようもあるもんな。
「その…レイ?誤解のないように言っておくけど、クルトとは同居人以上の何かがあるわけじゃないからな?」
「……わかってる」
(本当に?)
だったら睨むのはそろそろやめてあげて欲しい。
「あ~……クルト。お金は俺が出すから、やっぱり今日は宿の方に泊ってもらってもいいか?」
「あ、はい!もちろんです!」
これは一刻も早く誤解を解かないと大変なことになると思い、俺はすぐさまクルトを逃がして、レイとちゃんと話そうと深く息を吐いたのだった。
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