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21.※初体験
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伊集院と俺の初めては、これまでの延長線上にあった。
いつものようにキスをして、服を脱がせ合いながらベッドに上がる。
それから最早定番と化した69の体勢へ。
ちなみに最初でこそ早撃ちだった伊集院だったが、何度もやっているうちに慣れたのか、大分我慢してくるようになっていた。
俺は相変わらず追い詰められているのに悔しい。
でも後ろを解されること自体は慣れたし、じっくり解されてきたから多分伊集院のモノを受け入れるのは可能だと思う。
後は思い切りの良さを俺が発揮するだけだ。
テストで負けた俺が悪い。
「はぁ…あっ、も、イくっ!」
伊集院の口が俺から吐き出された白濁を飲み込むが、俺の方は口で受け止め損なって思い切り顔に掛かってしまった。
飲むのは苦手だけど、別にティッシュに出してもいいって伊集院は言ってくれるから口で受け止めればよかった。失敗だ。
でも失敗するのは今回だけじゃないから、伊集院が用意してくれていた濡れタオルで俺の顔を拭いてくれる。
これまではここでちょっとだけキスを交わして解散だったけど、今日はこの先があるのだ。
ちゃんと自分から言わないと。
「誉。…続きも、しよう」
「……いいのか?」
「ああ。約束は約束だ」
そう言ったら『ありがとう』と言って、本当に嬉しそうに口づけられた。
とは言えどうしていいかわからないから、この先は完全に伊集院にお任せだ。
「知臣。前からと後ろから、どっちがいい?」
「え?別にお前の好きな方で…」
「ダメだ。折角の二人の初めてなんだから」
そう言って伊集院はちゃんと俺にメリットとデメリットを説明してくれた。
前から挿れるのは後ろから挿れるより苦しいけど、顔を見ながらできるから伊集院は加減しやすいし、俺が初めてで怖くても抱きつけるというメリットがあるらしい。
後ろからの場合は初めてでも身体は楽だし、辛くてもベッドに突っ伏せるのがメリット。但し、相手の顔が見えないから人によっては不安に思うらしい。
「どうする?」
どうすると聞かれると悩む。
でもそうだな。
「お前に抱きついてキスできる方が、安心出来そうな気がする」
「~~~~っ!知臣!ちゃんと抱いたら責任は取るし、絶対幸せにするから!」
「いやいやいや?!重いな?!」
(プロポーズか?!)
どうせ男同士で結婚なんてできないんだから、そこまで重く考えなくてもいいと思う。
それから伊集院は幸せそうにいっぱい俺にキスをして、以前のように沢山これでもかと愛撫を施してきた。
「あ…はぁ…っ」
丁寧に肌を撫で、ついでとばかりに胸も可愛がられる。
ここは69の時は触られないけど、そこに至る過程で後ろから抱き締められてキスする時は大体触られていて、これもすっかり慣らされていた。
「ん…っ、誉……っ」
「前に触られたいか?それとも後ろ?」
「んぅっ…後ろ、が、いいっ…」
「…っ!わかった」
ゴクリと唾を嚥下し、伊集院が俺の後孔へと指を伸ばす。
さっきまで解されていたそこはあっという間に伊集院の指を受け入れ、ねだるようにその指を締めつけた。
伊集院はそこにローションを追加で垂らし、指を増やしてグチュグチュと掻き混ぜながら広げていく。
「知臣。もう一回イッとくか?」
そう聞かれたけど、流石にそれはと思ったから、代わりに『もういいから、挿れてくれ』と訴えた。
初めてだし、長引く方がきっと辛いと思ったから。
そんな俺の心情をすぐに汲んでくれた伊集院はそっと俺の頭を撫でて、安心させるように笑ってからゆっくりと俺の中に入ってきた。
指よりもずっと長いソレはまだ触れられた事のない奥までゆっくりゆっくりと入り込んでくる。
「あ…んあぁぁっ……」
でも時間をかけて慣らされたそこは伊集院を拒むことなく、受け入れていく。
俺も指で散々慣らされて力の抜き方がわかっているから、なるべく息を吐きながら全部入るまでじっと我慢した。
「知臣。入った」
そしてその言葉を聞いたところで不安に揺れる瞳を伊集院へと向けると、宥めるように抱き込まれキスが落とされた。
「大丈夫か?」
そう聞かれ小さく頷くと『ゆっくり愛し合おう』って言われた。
(おかしくないか?あれ?でも…合ってる、のか?)
俺は違うけど、伊集院的には俺が好きなんだし合ってるんだろう。多分。
で、結果的にどうなったかというと、初めてにもかかわらずきっちり感じさせられて、腰を突き出して自分から腰を揺らすほど気持ちよくさせられた。
「あ、あふっ…はぁっ!誉っ!」
中を擦り上げていく熱杭が前立腺を引っ掛けるように往復して、俺が知らなかった劣情を煽っていく。
それに促されるように俺の中も熱くなって、溶け合うような錯覚に見舞われながら求めるようにこれでもかと締めつけてしまった。
「アッ!んぅうっ!や…だっ!怖っいぃっ!」
「大丈夫だ。ほら。抱き着いていいから」
そう言いながらキスをしてくれる伊集院。
その言葉に甘えるように俺は伊集院へと抱き着き、初めての快感に身を震わせた。
「イくッ!あっ…イくッ!んあぁっ!」
そうして達したにもかかわらず更に奥まで突かれて、気持ち良さにただただ喘ぐ。
こんなに気持ちのいいことを俺は他に知らない。
「あっあっ!奥、切ないぃっ!」
睦言を囁かれ、キスを落とされ何度も突かれているうちに奥の方がキュゥッと何かを訴えるような感覚に見舞われて、たまらず俺はそう口にしていた。
前で出すのとは違う未知の感覚に怯え、伊集院に縋るように抱きつく腕に思わず力が入る。
それと同時に息を詰めた伊集院の動きが一際強くなった。
「くっ…!知臣、知臣っ…!」
「あっあんっ!はぁ…んんっ!」
そして追い込まれるようにそのまま突き上げられて、俺の奥にドプッっと温かいものが吐き出されたところで目の前がチカチカして、俺は絶頂を迎えた。
「う…あ……」
ビクビクッと身体が戦慄き、どこか多幸感のようなものに襲われる。
熱を受け止めた奥は甘く疼いて、ただただ悦びを俺に訴えてきた。
伊集院も荒く息を吐いて俺に被さるようにベッドに突っ伏した。
ほぼ同時に達したと言っていいんじゃないだろうか?
「は…ぁ…」
初めて知った快感の余韻に浸りながら息を整え気持ちを落ち着かせる俺。
流石にすぐに動けそうにないし、ちょっとだけ休んでから部屋に帰ってもいい…よな?
「ん…誉…」
だからそれを聞くために少ししてから声を掛けたんだが、伊集院は身を起こして優しい目で俺を見た後、俺が言いたかった事を察したように『今日は泊まっていけ』って言ってくれた。
まあ完全にその言葉に甘える気はないけど。
夜中にでも起きて、動けそうなら帰ろう。
「悪い。あと二回の時は俺の部屋で抱いて、そのまま帰ってくれていいから…」
今後のことを考えてそう口にしてみたものの、伊集院は『それは嫌』って返してきて驚いた。
「なんでだ?そっちの方が効率的だろう?」
思わずそう言った俺に伊集院は真っ直ぐこう言ったんだ。
「好きな奴に対してそんなヤリ捨てするみたいな事はしたくない」
「~~~~!」
それを聞いて真っ赤になった俺は、別におかしくはないと思う。
(本当、勘弁してくれ)
いつものようにキスをして、服を脱がせ合いながらベッドに上がる。
それから最早定番と化した69の体勢へ。
ちなみに最初でこそ早撃ちだった伊集院だったが、何度もやっているうちに慣れたのか、大分我慢してくるようになっていた。
俺は相変わらず追い詰められているのに悔しい。
でも後ろを解されること自体は慣れたし、じっくり解されてきたから多分伊集院のモノを受け入れるのは可能だと思う。
後は思い切りの良さを俺が発揮するだけだ。
テストで負けた俺が悪い。
「はぁ…あっ、も、イくっ!」
伊集院の口が俺から吐き出された白濁を飲み込むが、俺の方は口で受け止め損なって思い切り顔に掛かってしまった。
飲むのは苦手だけど、別にティッシュに出してもいいって伊集院は言ってくれるから口で受け止めればよかった。失敗だ。
でも失敗するのは今回だけじゃないから、伊集院が用意してくれていた濡れタオルで俺の顔を拭いてくれる。
これまではここでちょっとだけキスを交わして解散だったけど、今日はこの先があるのだ。
ちゃんと自分から言わないと。
「誉。…続きも、しよう」
「……いいのか?」
「ああ。約束は約束だ」
そう言ったら『ありがとう』と言って、本当に嬉しそうに口づけられた。
とは言えどうしていいかわからないから、この先は完全に伊集院にお任せだ。
「知臣。前からと後ろから、どっちがいい?」
「え?別にお前の好きな方で…」
「ダメだ。折角の二人の初めてなんだから」
そう言って伊集院はちゃんと俺にメリットとデメリットを説明してくれた。
前から挿れるのは後ろから挿れるより苦しいけど、顔を見ながらできるから伊集院は加減しやすいし、俺が初めてで怖くても抱きつけるというメリットがあるらしい。
後ろからの場合は初めてでも身体は楽だし、辛くてもベッドに突っ伏せるのがメリット。但し、相手の顔が見えないから人によっては不安に思うらしい。
「どうする?」
どうすると聞かれると悩む。
でもそうだな。
「お前に抱きついてキスできる方が、安心出来そうな気がする」
「~~~~っ!知臣!ちゃんと抱いたら責任は取るし、絶対幸せにするから!」
「いやいやいや?!重いな?!」
(プロポーズか?!)
どうせ男同士で結婚なんてできないんだから、そこまで重く考えなくてもいいと思う。
それから伊集院は幸せそうにいっぱい俺にキスをして、以前のように沢山これでもかと愛撫を施してきた。
「あ…はぁ…っ」
丁寧に肌を撫で、ついでとばかりに胸も可愛がられる。
ここは69の時は触られないけど、そこに至る過程で後ろから抱き締められてキスする時は大体触られていて、これもすっかり慣らされていた。
「ん…っ、誉……っ」
「前に触られたいか?それとも後ろ?」
「んぅっ…後ろ、が、いいっ…」
「…っ!わかった」
ゴクリと唾を嚥下し、伊集院が俺の後孔へと指を伸ばす。
さっきまで解されていたそこはあっという間に伊集院の指を受け入れ、ねだるようにその指を締めつけた。
伊集院はそこにローションを追加で垂らし、指を増やしてグチュグチュと掻き混ぜながら広げていく。
「知臣。もう一回イッとくか?」
そう聞かれたけど、流石にそれはと思ったから、代わりに『もういいから、挿れてくれ』と訴えた。
初めてだし、長引く方がきっと辛いと思ったから。
そんな俺の心情をすぐに汲んでくれた伊集院はそっと俺の頭を撫でて、安心させるように笑ってからゆっくりと俺の中に入ってきた。
指よりもずっと長いソレはまだ触れられた事のない奥までゆっくりゆっくりと入り込んでくる。
「あ…んあぁぁっ……」
でも時間をかけて慣らされたそこは伊集院を拒むことなく、受け入れていく。
俺も指で散々慣らされて力の抜き方がわかっているから、なるべく息を吐きながら全部入るまでじっと我慢した。
「知臣。入った」
そしてその言葉を聞いたところで不安に揺れる瞳を伊集院へと向けると、宥めるように抱き込まれキスが落とされた。
「大丈夫か?」
そう聞かれ小さく頷くと『ゆっくり愛し合おう』って言われた。
(おかしくないか?あれ?でも…合ってる、のか?)
俺は違うけど、伊集院的には俺が好きなんだし合ってるんだろう。多分。
で、結果的にどうなったかというと、初めてにもかかわらずきっちり感じさせられて、腰を突き出して自分から腰を揺らすほど気持ちよくさせられた。
「あ、あふっ…はぁっ!誉っ!」
中を擦り上げていく熱杭が前立腺を引っ掛けるように往復して、俺が知らなかった劣情を煽っていく。
それに促されるように俺の中も熱くなって、溶け合うような錯覚に見舞われながら求めるようにこれでもかと締めつけてしまった。
「アッ!んぅうっ!や…だっ!怖っいぃっ!」
「大丈夫だ。ほら。抱き着いていいから」
そう言いながらキスをしてくれる伊集院。
その言葉に甘えるように俺は伊集院へと抱き着き、初めての快感に身を震わせた。
「イくッ!あっ…イくッ!んあぁっ!」
そうして達したにもかかわらず更に奥まで突かれて、気持ち良さにただただ喘ぐ。
こんなに気持ちのいいことを俺は他に知らない。
「あっあっ!奥、切ないぃっ!」
睦言を囁かれ、キスを落とされ何度も突かれているうちに奥の方がキュゥッと何かを訴えるような感覚に見舞われて、たまらず俺はそう口にしていた。
前で出すのとは違う未知の感覚に怯え、伊集院に縋るように抱きつく腕に思わず力が入る。
それと同時に息を詰めた伊集院の動きが一際強くなった。
「くっ…!知臣、知臣っ…!」
「あっあんっ!はぁ…んんっ!」
そして追い込まれるようにそのまま突き上げられて、俺の奥にドプッっと温かいものが吐き出されたところで目の前がチカチカして、俺は絶頂を迎えた。
「う…あ……」
ビクビクッと身体が戦慄き、どこか多幸感のようなものに襲われる。
熱を受け止めた奥は甘く疼いて、ただただ悦びを俺に訴えてきた。
伊集院も荒く息を吐いて俺に被さるようにベッドに突っ伏した。
ほぼ同時に達したと言っていいんじゃないだろうか?
「は…ぁ…」
初めて知った快感の余韻に浸りながら息を整え気持ちを落ち着かせる俺。
流石にすぐに動けそうにないし、ちょっとだけ休んでから部屋に帰ってもいい…よな?
「ん…誉…」
だからそれを聞くために少ししてから声を掛けたんだが、伊集院は身を起こして優しい目で俺を見た後、俺が言いたかった事を察したように『今日は泊まっていけ』って言ってくれた。
まあ完全にその言葉に甘える気はないけど。
夜中にでも起きて、動けそうなら帰ろう。
「悪い。あと二回の時は俺の部屋で抱いて、そのまま帰ってくれていいから…」
今後のことを考えてそう口にしてみたものの、伊集院は『それは嫌』って返してきて驚いた。
「なんでだ?そっちの方が効率的だろう?」
思わずそう言った俺に伊集院は真っ直ぐこう言ったんだ。
「好きな奴に対してそんなヤリ捨てするみたいな事はしたくない」
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