【完結】俺はライバルの腕の中で啼く。

オレンジペコ

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19.※これはいいかも。

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伊集院の提案で69というのをやることになった。
しかも俺が上になっていいらしい。
これは嬉しい。
自分から攻めている気になれるからだ。
やったと思いながら以前とは違う角度からフェラに挑戦する俺。

(そうか。上下が逆だから裏筋が攻めにくいんだな)

これはやり方をまた考えないといけなさそうだ。
口だけだと難しそうだし、手も使ってみようか?
そう考えながらそっと口に含んだら、伊集院はさっき自己申告した通り秒でイッてしまった。

(マジか…)

どれだけ俺のことが好きなんだろう?
流石に早すぎるだろう?
でもまあ一度イッた後は大丈夫だろうし、いっぱい練習しよう。
そう思いながら再度俺はそれを口に含んだ。
でも集中しようと思うのに、伊集院も俺のモノを口に含み始めたからたまらない。
しかもさっきまで指を入れていた場所にも再度指を入れられて、ぐちゅぐちゅかき回され始めた。

「あ…はふっ…んぅっ…!」

頑張ろうと思うのに、容赦ない刺激に襲われて俺もあっと言う間に追い込まれてしまう。
これはある意味勝負のし甲斐がある行為と言えた。
同時にお互いイかし合うことができるなんて────。

(滅茶苦茶燃える…!)

まさに負けん気が強い俺に対する挑戦状そのもの。

「誉!俺、これ好きかも…!」
「えっ?!」
「やりがいがあって凄く好きだ」
「すっ凄く好き?!……いや、ゴホッ。んんっ。ああ、うん。気に入ったなら毎日するか?」
「いいのか?」
「…っ、ああ。俺も練習になるし、ありだと思う」
「そうか。じゃあ毎日する!」
「~~~~っ!ヤバい。絶対わかってない。俺の知臣がエロ可愛すぎる…っ」

何故か伊集院が小声で何か言いながら身悶えてるが、言質は取ったし今更なしとは言わせないぞ?
そう思いながら、俺はいつの間にか復活していた目の前の伊集院のモノを、再度自分の口内へと招き入れた。


***


【Side.伊集院 誉】

どうしよう?
有馬が本気でエロ可愛すぎてたまらないんだが?

どうやら有馬は69が物凄く気に入ったらしく、俺の言葉にあっさり乗ってきた。
確かに有馬が好きそうな勝負に適した体位だとは思うけど、そんなに嬉々として毎日俺のをしゃぶりたいなんて言われたら身悶えてしまうじゃないか。
さっきまで悩んでいた自分が嘘のように、一瞬『あれ?実はかなり俺の事好きなんじゃ?もうこのまま抱いてもいい気がしてきた』なんて思ってしまったくらいだ。

でもここで余計なことは言わない。
どんなに今すぐ抱きたいと思おうと、ここで焦りは禁物。
警戒されたらそこまでだ。
ここは油断せず堅実にいこう。
確実に有馬と恋人同士になるにはちゃんとステップを踏まないと。
まずは勝負に勝って、処女を貰う権利をもぎ取ることが大切だ。

そう思いながらも俺は毎日嬉々として有馬と69をした。
当然だ。
本人が毎日やりたいと言ってくれたんだ。
やらない理由なんてどこにもない。
便乗以外に選択肢なんてないだろう。

「うぅっ…。連続でイかせたからって勝ったと思うなよ?俺だってそれくらいやればできるんだからな!」

俺の上で俺のを手で持って熱っぽい目で悔しそうに振り返ってくるエロい姿を、俺が見たくないはずがないだろう?
そんな有馬を確実に抱くため、俄然テスト勉強にも身が入るし、一石二鳥。

そしてあっという間に運命のテストの日を迎えた。
準備は万端。
テスト用紙に名前を書くのも忘れていない。
問題を見ると、特に特別な問題は含まれていなさそうだ。
時間も十分。問題はない。

まずはザッと問題を解き、次いでじっくり目を通す。
その後三回くらい見直しをしてペンを置いた。
取り敢えず一教科目は満点は確実だろう。

その後も着々と他の教科のテストを終えていく。
テストは5日間だ。
気を抜かないよう気をつけよう。

そして順調にテスト期間が過ぎ去り、後は結果を待つのみとなった。
結果は────。

「……さ、三点差だと?」

張り出されたテスト結果を見て、有馬は愕然となっていた。
凄く自信があったようだが、甘いな。
俺は今回全教科満点だったんだ。
有馬も満点を取らないと勝てるはずがない。

「くそっ…!英訳でミスらなかったら満点だったのに!」

どうやら本当に一か所しか間違えなかったらしい。
危なかった。

でもこれで三回は有馬を抱けるのが確定した。
有馬なら絶対に約束は守るだろう。




そしてその日の夜、有馬は俺の部屋に来たはいいものの、これまでとは違ってずっとそわそわしていた。
初めて俺を意識してくれているようで心が弾む。
これまで何度もあんなことやこんなことをしてきたのに、今更だなと思わず苦笑が漏れた。
これを見る限り、きっと本人的にはあくまでもこれまでのは勝負に過ぎなかったんだろう。
やっぱりステップを踏んで正解だった。
客観的に見たら凄いことをやってくれてたんだけどな?言わないけど。

ただ気持ちもわからなくはないからいつも通りお茶を出して、他愛のない話で緊張をほぐしにかかる。
抱く権利は手に入れたし、場合によっては今日無理にする必要もない。
俺的にしたいのはしたいけど、ここまで順調に事が進んだことだし、初めてはちゃんとリラックスした状態でしたいなと思った。

「知臣。そんなに緊張しなくても、別に無理はしなくていいから」
「……え?」
「気持ちが乗らないなら今日じゃなくても構わないし、俺はお前と自然にイチャつける方が嬉しい」
「……誉」
「ほら。取り敢えず、こっちに座ったらどうだ?」

そう呼んでやると、素直に俺の横へとやってきてそのまま座ってくる。
そんな有馬を俺は極自然に引き寄せて自分に凭れ掛からせた。

「ほら。もうこれだけで恋人っぽい」
「だから、俺はお前の恋人になる気はないんだって!」
「わかったわかった。そうだ。そう言えば聞きたいことがあったんだった」

そこで気を逸らすためにちょっと気になっていたことを聞くことに。

「前に初恋相手がどうとか言ってたけど、その相手って男なのか?」
「え?あ~…そう言えば言ったな。まあそうは言っても幼稚園くらいのちっさい頃だぞ?」

どうやら有馬の初恋は当時仲の良かった友人らしい。

「そういうお前はどうなんだよ?」
「俺?俺は普通に女の子だ」

当時俺の親はアメリカで仕事をバリバリこなしてたから、そこの現地のキンダーに通わされていた。
まだ小さかったから不安だったけど、そこに日本人の女の子がいたのだ。
俺はその子とすぐに仲良くなって、毎日遊んでた。
苗字は忘れたけど、名前はトモミだったと思う。
ちょっとキリッとした大人っぽい顔立ちの子で、話すと凄く話が合って、お嫁さんにしたいなって子供ながらに思ったっけ。

残念ながら親の仕事の都合で引っ越していったからずっとは一緒にいられなかったけど、本当に大好きだったな。
そんなことを思い出しつつ、有馬の初恋相手の話を聞いていたのだけど────。

「元気にしてるかな。ハマー」

そう言われたところで、思い切り固まってしまう自分がいた。


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