【完結】攻略対象×攻略対象はありですか?

オレンジペコ

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【番外編】

4.※俺とノルのこと

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※リクエスト第四弾。火遊び中の話。
ノル視点の『俺なしではいられないほど夢中にさせたのに』というセリフと、ダリィがいつまでも火遊びと思い込んでいた謎が解けるように書いてみました。
ちょっとでも納得してもらえるエピソードになってたらいいんですが。

****************

これはまだ学園を卒業するずっと前────俺とノルが身体の関係を持ってからの話。

ノルと身体を繋げてから俺はちょいちょいノルの誘いでお泊りをするようになった。
場所は専らノルの部屋。
そんなある日、ノルが体位も色々試してみないかと誘ってきた。
俺はその時目を丸くして『房事の教育の時三つ四つくらいしか教わらなかったんだけど、それ以上あるのか?』と答えた気がする。
でもそれを聞いたノルはちょっと驚いた顔になって、全部教えてやるからと囁きながら俺に色々教えてくれた。

「あっ!あぁんっ!」

片足を上へと持ち上げられ、大きく開かれた状態で責め立てられて、俺はあられもない声で嬌声を上げてノルに抱かれている。
こんな恥ずかしい格好で抱かれるなんて思ってもみなくて、俺は驚くと同時に激しい羞恥に襲われた。
でも腰を押し付けるように奥まで責められて気持ち良過ぎて声が抑えきれない。

「ダリィ…気持ちよさそうだな」
「あんっ!これダメ!すごいぃっ!」

凄く気持ちがいいところにあたってたまらなく気持ちいい。
あまりにも気持ち良過ぎてシーツを握りしめて腰を自分から揺らしてしまう。

「気持ちいいッ!ノルっ!も、イクッ!イクぅッ!」
「まだ、ダメ」

ノルはそう言って俺の射精管理までし始めたから俺は泣きながらノルに放してと懇願した。
でもグスグス泣いたらちゃんとイキすぎたら辛いのは俺だから、中で沢山イケるようになろうなって言われたんだ。
それからちゃんと中でいっぱいイクことも覚えて、おねだりの仕方も教わって、ノルのを挿れられたら悦ぶ身体になった。
だってノルはいつだって俺を気持ちよくしてくれるし、優しく声を掛けながら抱いてくれるんだ。
絶対に俺を無視するような酷い抱き方はしてこないから安心して身を任せられる。

初めての行為はいつだってスリル満点で、プラグ?っていうのを学園で初めて挿れられた時は泣いてしまったっけ。
でもノルのがこぼれないようにって言われたらそういうものかと思って納得したし、確かに言われてみればベッドじゃない場所で抱かれたらそうなるよなと思った。
今度立ったままする方法とかも色々教えてあげると囁かれてドキドキしたっけ。
俺のそんな色々は全部ノルが優しく教えてくれたから、俺はノルを信じてるんだけど────。




「兄上は騙されてる!」

卒業後無事に婚約者としてノルと正式にお付き合いを始めた俺に、弟がいきなりそんなことを言ってきた。
ただ火遊び中の話が聞きたいって言うから簡単に話してただけで、騙されてるとかそんな話は一切してなかったと思うんだけど…。

「あのクソ男!俺の兄上がぼんやりしてるからっておかしなこと教えやがって…!」

なんだか弟の口調が乱れている気がする。

「ブラウン?」
「兄上!いいですか?普通の恋人同士は外ではやりません!」
「え?でもほら、火遊びってそういうものなんだろ?」
「うっ!で、でもほら、実際は火遊びじゃなかったんでしょう?!」
「でも俺が火遊びだってずっと思い込んでたしな…。多分それで合わせてくれてたんじゃないかな?」
「そう言うところですよ?!付け入られまくってるじゃありませんか!」

そうかなぁ?
ノルはいつだって聞けばちゃんと納得がいく説明をしてくれたから何も問題はないはずなんだけど。

「他には変なことはされてませんか?」
「別に」
「……じゃあ試しに兄上がスリリングだったなと思ったことを教えてください」
「スリリングだと思ったこと?」

そうだなぁ…。

「あ、裏庭の茂みに押し倒されて声を殺しながら抱かれてた時に、近くに人が来たのにノルがやめてくれなくて…あれは凄くドキドキしてスリリングだったな」

そうそう。
あの時も皆からこっそり逃げて二人で裏庭にやって来てキスをしてるうちに何となく扱き合ってたらノルが抱いていい?って聞いてきて、頷いたらそのまま優しく押し倒されて抱かれたんだよな。
人が来たら困るから声は出さないように気を付けてって言われたから必死に口を手で覆ってて、そんな俺にノルが口で塞いであげるって言って沢山キスしてくれたっけ。




「んぅっ!んっんっ…!」
「可愛い。ダリィ…」

気持ち良くてたまらなくてそのままうっとりしながら抱かれてたら、誰かが近づく気配がして、二人で動きを止めてそっとそっちを窺った。
そしたらなんか告白イベントみたいなのが始まっちゃったから動くに動けなくなったんだけど、どうしようと焦る俺とは裏腹にノルは物凄くゆっくり俺の中を擦り始めたんだ。
まるで焦らすように引いたり挿れたりされて俺は緩々腰を揺らしてひたすら耐える羽目になった。
涙目になりながらノルに抱きついて一生懸命『動かないで』と訴えながら首を振ってたんだけど、ノルは全然やめてくれなくて、何故か俺の反応を楽しんでいるみたいだった。
しかも耳元で『俺の形を覚えてるか確認』って言われてすごく興奮させられて、やっと二人がどこかに行ったところで待ちきれなくて『もうしっかり覚えてるから早く』って強請ったらキスで口を塞がれて凄く激しく犯されたんだよな。
あの時は俺だけじゃなくノルもいっぱい我慢してたんだって胸がいっぱいになって、凄く盛り上がったっけ。
ある意味最高だった。

そんな事を思い出しながら掻い摘んで話したら、ブラウンは両手で顔を覆って何故か悲壮感に打ちひしがれていた。

「俺の中の純粋な兄上がノルディックに穢されていく…」
「そんな大げさな」

俺だってもう立派な大人のつもりだし、いつまでもそんな純粋なはずがないのにな。おかしなブラウン。
そんな俺達のところへ噂のノルディックがやってきた。

「ダリィ。休憩時間はそろそろ終わりっぽいけど話は終わった?」
「ノル!」

やってきたノルを見て俺はパッと顔を輝かせたんだけど、ブラウンはどこから取り出したのか怒りの形相でスリッパを思いっきりノルに投げつけていた。

「このクソ変態野郎!」

でもそんな攻撃もノルはひょいと軽く避けてしまう。
なんだかんだでこの二人、仲がいいんだよな。

「ご乱心ですか?ブラウン殿下」
「俺の兄上を穢しやがって!」
「…ああ、なるほど?馴れ初めでも聞いたんですね」
「違う!お前がどれだけ無知な兄上を弄んでいたかって話だ!」
「…誤解ですよ?ダリィ。何かダメだったか?」

ブラウンから弄んでいたとまで言われて、ノルがちょっと心配そうに俺を見てきたけど、別に弄ばれてなんていないから俺は笑顔で答えた。

「全然大丈夫!ちょっとノルとの学園時代の話を掻い摘んで話してただけだし。ほら、ブラウンはまだ子供だし、火遊びの話は刺激が強すぎたんじゃないか?俺も話し過ぎた気もするし、ちょっと反省だな」

すぐ背伸びするけど、俺の方が大人だもんな。
もうちょっと気を使って黙っていれば良かった。
そう思ったのにまたブラウンから『騙されてるってわかってなさすぎる』って泣かれた。
ノルに責任取れって詰め寄って、『じゃあ結婚を早めるのに協力してください』とか言われてるし、なんだかノルの掌で踊らされてる気がする。
大丈夫かな?
流石に父を弟が説得して落とすのは難しいと思うんだけどな。

「このクソ悪魔!あんまり調子に乗ってると父上に告げ口して結婚を延期させてやるからな!覚えとけ!」
「…………そんな事をされたらショックでブラウン殿下の結婚を25才まで延期させてしまうかもしれませんよ?」

え?何その具体的な数字。
えっとブラウンは今16…いや17才だから…8年後に結婚させるぞってこと?
あれ?学園を卒業したら即結婚するんだって嬉しそうに話してたはずだけど、随分先延ばしにされちゃうな?

「ぎゃああああっ!そ、それだけはぁっ!」

案の定ブラウンは蒼白になりながら悲鳴をあげた。

「なら文句は言わず、ご協力を」
「くぅっ!この悪魔!兄上、なんでこんな相手を選んだんですか!」
「え?だって最初から親切で優しかったし」
「優しくない!」

今のやり取り見てたでしょと言われたけど、ノルらしいなぁと思っただけだ。

「ダリィは俺の味方だもんな」
「まあノルがすることって大体筋が通ってるしな。間違ったことはしなさそう」
「しまくりなんですけどー?!」

この恋愛関係ポンコツ兄上!って怒られた。
恋に溺れて目が曇ってるって言われたけど、そんなまさか。
乙女ゲームの王子じゃあるまいし。
俺はあそこまでヒロイン(想い人)の言うことは絶対!みたいになってないぞ?
ちゃんといつだって筋が通ってるのを確認してるんだから!
恋は盲目とは一味違うんだ。

そうして自信満々な俺を抱き寄せて、ノルが嬉しそうに笑う。

「ダリィは俺が好きなだけだもんな」
「そうだな」

「俺の愛しいダリィ」

────今夜もいっぱい愛し合おうなとこっそり囁きながら魅惑の笑みで俺を虜にしてくるノルが俺はとっても大好きだから、ブラウンにもできれば温かく見守ってて欲しい。

そんなわけで、今日も俺は幸せだ!


****************

※チョロい王子を腹黒が自分色に染めるとこうなるという話。
ある意味ヒロインに夢中になってしまうより厄介かも?

ちなみにそれぞれの心境比較↓↓

ダリィ『俺は転生者だからゲームの王子みたいに無条件で好きな相手の言い分を聞き入れたりしないんだからな!(キリッ)』

ノル『本当にダリィは可愛いな。とは言え簡単に言い包められるから心配だ。俺以外に騙されないようしっかり目を光らせとこ』

ブラウン『クソ悪魔めぇ!でもちょっと羨ましい!俺もユリエンヌと色々したい!でも嫌われたら嫌だし絶対できないぃぃいっ!orz』


お付き合いくださった皆様、ありがとうございました(*´꒳`*)
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