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【番外編】
2.悪役令嬢カトリーヌ
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※リクエスト第二弾は自爆しちゃったカトリーヌのお話です。
宜しくお願いします。
****************
私はカトリーヌ。転生者だ。
とは言え前世の記憶が戻ったのはゲームが始まる時期より少し前。学園生の二年になってからのことだった。
ここは私が前世でハマったゲーム『青春トキメキbox』通称トキボの世界とそっくりな世界で、自分が悪役令嬢であるカトリーヌだったということに気づいた時には衝撃が走った。
ヒロインはまだやってきてはいないけど、このままでは確実に自分は悪役令嬢として断罪されてしまうと思い、ビクビクする日々を送ることになった。
これまで婚約者である第一王子とは適度な距離間で、可もなく不可もなくと言った感じでやってきたけどこの先どうなるかはわからない。
だって可もなく不可もなくということはそれだけどうでもいい存在と大差はないからだ。
いつ切り捨てられてもおかしくはない。
これまで将来の王妃として教育は受けてきたけれど、教育としては然程厳しくはなかった。
何故かと言うと、昔王太子が学園で男爵令嬢に惚れこみ卒業間近で婚約破棄騒動を起こしたという事件があって、それ以降王妃教育を本格的に行うのは卒業後と決まったからだ。
折角幼い頃から教えてもそんな事態になればすべて無駄になってしまう。
だからそれまでは下地作り程度の妃教育が行われるだけで、万が一婚約解消になったとしても他の令嬢より高度な教育を受けた令嬢として市場価値が下がらないように配慮がされているのが現状。
被害者を極力出さないよう法律だってきちんと整えられている。
それは有難い。有難いのだが────いざ自分がその立場にいるとなると平然としていられる自信なんて全くなかった。
だって必ずしもそれが有効に確実に作用してくれるとは限らないではないか。
現にゲームでの悪役令嬢の末路は国外追放途中での事故死とか、自室での謹慎期間中に賊に襲われて死亡とかそんな感じなのだ。
怖い!
そう考えると、絶対にヒロインや王子に近づくべきではないと思ったし、でも放置も怖いから情報収集だけはきっちりしようと思った。
それから暫くしてヒロインが学園へとやってきた。
ゲームの通りの可愛い子で、一目見て勝てないと悟りすぐさまその場から逃げ出した。
絶対に近づかない、邪魔しない、好きにくっついてくれと傍観者を決め込みながら情報だけ入手する日々。
けれど悪役令嬢である私がそんな風に動いたせいか、婚約者であるダレス王子が何度も私に接触して来ようとしてきた。
怖い!絶対に会うもんか!
そう思って全部拒否してやった。
そうして回避していたらなんとか諦めてくれたらしく、最近は宰相の息子であるノルディックと仲良くなったらしい。
私はそれを聞き、王子は順調にヒロインとの仲を深めたようだとホッと安堵の息を吐いた。
第一王子ダレスがノルディックと友情を深めていくのは間にヒロインが入った証拠だ。
ヒロインを通して二人は知り合い、ヒロインを間に挟み恋と友情の狭間でジレンマに襲われながら仲良くなっていくというのはトキボの醍醐味の一つ。
つまり現実でもやはりゲームのように日々は過ぎているのだ。
やはり不用意に近づかなくて正解だった。
そうしてダレス王子達と距離を置き、適度にその後も報告だけを聞きながら日々を送っていたところで、急に両親が婚約の件で話があると言ってきた。
これはやはり私が婚約者であるダレス王子を徹底的に避けていると耳に入ってのことだろうと思ったので、仲良くしなさいという言葉なんて聞くものかと『聞きたくありません!』と言い放ち、耳栓をした。
けれどその後も何度も何度も婚約の件でと事あるごとに言われ続け、いい加減うんざりしたところで私はこう言った。
「お父様達の仰りたいことは私、もうすでに分かっております。なのでこれ以上言ってこないでくださいませ」
その言葉に嘘を吐くなと言われたけれど、『ダレス王子を避けていた件でしょう?』と口にするとそうだと言ってこられたので、『それについては悪かったと思っていますわ。婚約の件については重々承知しておりますのでご心配なく』とだけ返しておいた。
するとどこかホッとしたように、もしかして誰かから聞いたのかと訊かれたので誰とは言わずその通りだと答えておいた。
だってゲームでこの先の展開を知っているなんて言えるはずがないのだから。
そんな事を言ったが最後、頭がおかしくなったと思われるのがオチだ。
そうなったら強制的に婚約解消に進むだろうけれど、一生屋敷に閉じ込められたくはないので絶対に言わない。
何はともあれ私の言葉を聞いた父はそれなら良かったとあっさり引き下がってくれたので、私はこれでやっと逃げ回る日を回避できたと息を吐いたのだった。
まさかその時すでに婚約解消がなされていて、新しい婚約者が決まっていたなんて思うはずがない。
婚約解消についてはノルディックが父や母に対し、私がダレス王子を避けているという話があり、その上で落ち込んでいたダレスをノルディックが慰めているうちに好き合うようになったとかなんとか言ってきたらしい。
婚約解消にあたって私への申し訳ない気持ちもあるので、せめて良縁をと何人か候補を提示され、そういうことならと父も母も話を受け、候補者の中から一番私好みな男性を選んだと聞いたのは全てが終わった後だ。
そんなことを一切知らなかった私はその後も情報だけを頼りに彼らの事を耳にし続け、いよいよ卒業が近づいたので自分から婚約破棄すれば断罪はされないだろうと卒業式の日にダレス王子へと突撃したのだ。
情報によるとダレス王子は人目を避けるようにしながら時折恋人とイチャイチャしているらしい。
ヒロインとは所かまわずイチャつくほど上手くいっているようだ。
これなら不貞を突きつければ周囲の目もこちらに同情的になり、状況的に有利に働いてくれるはず。
そう思ったのに、結果は見事な自爆。
両親からは盛大に叱られ、周囲からは総バッシング。
蓋を開けてみればヒロインの相手はダレス王子ではなく他の攻略対象者でもなくて、まさかのサポートキャラの男性だった。
しかもあり得ないことにダレス王子は何故か攻略対象であるノルディックとくっついていた。
トキボは普通の乙女ゲームだったのにどうしてこうなったんだろう?
そんなBL展開があるなんて信じられない気持ちでいっぱいだった。
情報だけでまさか攻略対象×攻略対象になっているなんて考えつくはずがないではないか。
「詐欺だわ!」
私がベッドに突っ伏して泣いたのも仕方がないことだと思う。
自分がやってきたことは全て無駄だったのだ。
青春が全部消えた────そんな気持ちでいっぱいだった。
そういうことなら私だって恋の一つや二つしてみたかったのに。
その後両親は私がやらかしたことの火消しに飛び回り、現婚約者でもある侯爵家次男の元へも一緒に謝罪しに行くことになった。
私はそこで初めて自分の婚約者の顔を見たわけだけど、私好みの筋肉ムキムキ系の精悍な人だったので、全く淑女らしくもなく大泣きして、こんなにタイプな人と婚約破棄なんて絶対に嫌だと泣き崩れた。
そんな私を見て相手方は困惑したようだったけど、婚約者のテリーが私の隣に来てそっと背を撫でてくれながら本当に自分でいいのかと訊いてくれた。
どうも私がダレス王子に固執していたのは彼のことがずっと好きだったからで、新しい婚約者である自分が好みから外れて不満だったせいなのではと考えていたらしい。
確かにダレス王子とテリーは全くタイプが違うけど、私はキラキラ王子よりムキムキマッチョな方が男らしくて素敵だと思う。
だから私は泣きながらでも必死にそこをアピールしていた。
「うっ…ひっく…筋肉が好きなのぉ…。精悍なお顔もタイプなのぉ…。うぅっ…。こんなにときめくなんてもう二度とないほど好みなのに、うぅ…会ってすぐ婚約がなかったことになるなんて…嫌ぁ…」
ぐすんぐすん本気で泣いていたら、気づけば姫抱っこで抱き上げられていて、驚いて顔を上げたら真っ赤な顔でそっぽを向く婚約者の顔が見えた。
「あ~…こほん。その、ちょっと庭園でも散歩しに行こうか」
「…え?」
「折角の初対面の場だし、誤解を解いて親しくなるのも悪くはないかと…」
その言葉に私は大きく目を瞠り、次いで笑顔になった。
「いいんですの?!」
「う…その、貴女さえよければ」
嬉しい!と笑えばテリーが一層照れて、不器用に私にハンカチを貸してくれる。
そんなところも凄く好みで、胸が高まった。
そんな私達二人を双方の両親達はどこか呆れたように見ていたようだけど、結局本人達がそれでいいならと婚約は続行してもらえることになった。
けれど学園を卒業しても私がやらかしたという件は広く広まってしまっているのですぐに結婚とはいかない。
こればかりは仕方のないことだけど、じっくり時間をかけていこうと笑って受け入れてくれたテリーを信じて、頑張っていこうと思えた。
それから月日は経ち、20才になった今日、私はテリーの花嫁になる。
お祝いに駆け付けてくれた人の中にはダレス王子やノルディックの姿もあってちょっと嬉しかった。
「ちゃんと幸せになってくれて嬉しいよ」
そう言って笑ってくれたダレス王子も幸せそうですよ?
きっと私と同じくらい(いやそれ以上かもしれないけど)ノルディックに愛されてるんだろうなと思いながら、私は私の愛しい人の手を取ったのだった。
****************
※カトリーヌも結果的には幸せになれたというお話でした。
婚約者が変わってから顔合わせもなかったのかという疑問はあるかもしれませんが、カトリーヌがこんな感じだったので『婚約者とのお茶会?絶対行かないわ!』『剣技大会を見に行く?興味ないわ!』『贈り物のお礼?適当に見繕って体裁を整えておいてちょうだい』『パーティーもパスよパス!』と接点を総スルーしてたらあっという間に月日が経ったというオチ。
基本このお話は他のシリーズと違って不幸要素は入れていないのでまあいいかなと(^^)
次回はダリィとノルの父親目線でお送りします。
宜しくお願いします。
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私はカトリーヌ。転生者だ。
とは言え前世の記憶が戻ったのはゲームが始まる時期より少し前。学園生の二年になってからのことだった。
ここは私が前世でハマったゲーム『青春トキメキbox』通称トキボの世界とそっくりな世界で、自分が悪役令嬢であるカトリーヌだったということに気づいた時には衝撃が走った。
ヒロインはまだやってきてはいないけど、このままでは確実に自分は悪役令嬢として断罪されてしまうと思い、ビクビクする日々を送ることになった。
これまで婚約者である第一王子とは適度な距離間で、可もなく不可もなくと言った感じでやってきたけどこの先どうなるかはわからない。
だって可もなく不可もなくということはそれだけどうでもいい存在と大差はないからだ。
いつ切り捨てられてもおかしくはない。
これまで将来の王妃として教育は受けてきたけれど、教育としては然程厳しくはなかった。
何故かと言うと、昔王太子が学園で男爵令嬢に惚れこみ卒業間近で婚約破棄騒動を起こしたという事件があって、それ以降王妃教育を本格的に行うのは卒業後と決まったからだ。
折角幼い頃から教えてもそんな事態になればすべて無駄になってしまう。
だからそれまでは下地作り程度の妃教育が行われるだけで、万が一婚約解消になったとしても他の令嬢より高度な教育を受けた令嬢として市場価値が下がらないように配慮がされているのが現状。
被害者を極力出さないよう法律だってきちんと整えられている。
それは有難い。有難いのだが────いざ自分がその立場にいるとなると平然としていられる自信なんて全くなかった。
だって必ずしもそれが有効に確実に作用してくれるとは限らないではないか。
現にゲームでの悪役令嬢の末路は国外追放途中での事故死とか、自室での謹慎期間中に賊に襲われて死亡とかそんな感じなのだ。
怖い!
そう考えると、絶対にヒロインや王子に近づくべきではないと思ったし、でも放置も怖いから情報収集だけはきっちりしようと思った。
それから暫くしてヒロインが学園へとやってきた。
ゲームの通りの可愛い子で、一目見て勝てないと悟りすぐさまその場から逃げ出した。
絶対に近づかない、邪魔しない、好きにくっついてくれと傍観者を決め込みながら情報だけ入手する日々。
けれど悪役令嬢である私がそんな風に動いたせいか、婚約者であるダレス王子が何度も私に接触して来ようとしてきた。
怖い!絶対に会うもんか!
そう思って全部拒否してやった。
そうして回避していたらなんとか諦めてくれたらしく、最近は宰相の息子であるノルディックと仲良くなったらしい。
私はそれを聞き、王子は順調にヒロインとの仲を深めたようだとホッと安堵の息を吐いた。
第一王子ダレスがノルディックと友情を深めていくのは間にヒロインが入った証拠だ。
ヒロインを通して二人は知り合い、ヒロインを間に挟み恋と友情の狭間でジレンマに襲われながら仲良くなっていくというのはトキボの醍醐味の一つ。
つまり現実でもやはりゲームのように日々は過ぎているのだ。
やはり不用意に近づかなくて正解だった。
そうしてダレス王子達と距離を置き、適度にその後も報告だけを聞きながら日々を送っていたところで、急に両親が婚約の件で話があると言ってきた。
これはやはり私が婚約者であるダレス王子を徹底的に避けていると耳に入ってのことだろうと思ったので、仲良くしなさいという言葉なんて聞くものかと『聞きたくありません!』と言い放ち、耳栓をした。
けれどその後も何度も何度も婚約の件でと事あるごとに言われ続け、いい加減うんざりしたところで私はこう言った。
「お父様達の仰りたいことは私、もうすでに分かっております。なのでこれ以上言ってこないでくださいませ」
その言葉に嘘を吐くなと言われたけれど、『ダレス王子を避けていた件でしょう?』と口にするとそうだと言ってこられたので、『それについては悪かったと思っていますわ。婚約の件については重々承知しておりますのでご心配なく』とだけ返しておいた。
するとどこかホッとしたように、もしかして誰かから聞いたのかと訊かれたので誰とは言わずその通りだと答えておいた。
だってゲームでこの先の展開を知っているなんて言えるはずがないのだから。
そんな事を言ったが最後、頭がおかしくなったと思われるのがオチだ。
そうなったら強制的に婚約解消に進むだろうけれど、一生屋敷に閉じ込められたくはないので絶対に言わない。
何はともあれ私の言葉を聞いた父はそれなら良かったとあっさり引き下がってくれたので、私はこれでやっと逃げ回る日を回避できたと息を吐いたのだった。
まさかその時すでに婚約解消がなされていて、新しい婚約者が決まっていたなんて思うはずがない。
婚約解消についてはノルディックが父や母に対し、私がダレス王子を避けているという話があり、その上で落ち込んでいたダレスをノルディックが慰めているうちに好き合うようになったとかなんとか言ってきたらしい。
婚約解消にあたって私への申し訳ない気持ちもあるので、せめて良縁をと何人か候補を提示され、そういうことならと父も母も話を受け、候補者の中から一番私好みな男性を選んだと聞いたのは全てが終わった後だ。
そんなことを一切知らなかった私はその後も情報だけを頼りに彼らの事を耳にし続け、いよいよ卒業が近づいたので自分から婚約破棄すれば断罪はされないだろうと卒業式の日にダレス王子へと突撃したのだ。
情報によるとダレス王子は人目を避けるようにしながら時折恋人とイチャイチャしているらしい。
ヒロインとは所かまわずイチャつくほど上手くいっているようだ。
これなら不貞を突きつければ周囲の目もこちらに同情的になり、状況的に有利に働いてくれるはず。
そう思ったのに、結果は見事な自爆。
両親からは盛大に叱られ、周囲からは総バッシング。
蓋を開けてみればヒロインの相手はダレス王子ではなく他の攻略対象者でもなくて、まさかのサポートキャラの男性だった。
しかもあり得ないことにダレス王子は何故か攻略対象であるノルディックとくっついていた。
トキボは普通の乙女ゲームだったのにどうしてこうなったんだろう?
そんなBL展開があるなんて信じられない気持ちでいっぱいだった。
情報だけでまさか攻略対象×攻略対象になっているなんて考えつくはずがないではないか。
「詐欺だわ!」
私がベッドに突っ伏して泣いたのも仕方がないことだと思う。
自分がやってきたことは全て無駄だったのだ。
青春が全部消えた────そんな気持ちでいっぱいだった。
そういうことなら私だって恋の一つや二つしてみたかったのに。
その後両親は私がやらかしたことの火消しに飛び回り、現婚約者でもある侯爵家次男の元へも一緒に謝罪しに行くことになった。
私はそこで初めて自分の婚約者の顔を見たわけだけど、私好みの筋肉ムキムキ系の精悍な人だったので、全く淑女らしくもなく大泣きして、こんなにタイプな人と婚約破棄なんて絶対に嫌だと泣き崩れた。
そんな私を見て相手方は困惑したようだったけど、婚約者のテリーが私の隣に来てそっと背を撫でてくれながら本当に自分でいいのかと訊いてくれた。
どうも私がダレス王子に固執していたのは彼のことがずっと好きだったからで、新しい婚約者である自分が好みから外れて不満だったせいなのではと考えていたらしい。
確かにダレス王子とテリーは全くタイプが違うけど、私はキラキラ王子よりムキムキマッチョな方が男らしくて素敵だと思う。
だから私は泣きながらでも必死にそこをアピールしていた。
「うっ…ひっく…筋肉が好きなのぉ…。精悍なお顔もタイプなのぉ…。うぅっ…。こんなにときめくなんてもう二度とないほど好みなのに、うぅ…会ってすぐ婚約がなかったことになるなんて…嫌ぁ…」
ぐすんぐすん本気で泣いていたら、気づけば姫抱っこで抱き上げられていて、驚いて顔を上げたら真っ赤な顔でそっぽを向く婚約者の顔が見えた。
「あ~…こほん。その、ちょっと庭園でも散歩しに行こうか」
「…え?」
「折角の初対面の場だし、誤解を解いて親しくなるのも悪くはないかと…」
その言葉に私は大きく目を瞠り、次いで笑顔になった。
「いいんですの?!」
「う…その、貴女さえよければ」
嬉しい!と笑えばテリーが一層照れて、不器用に私にハンカチを貸してくれる。
そんなところも凄く好みで、胸が高まった。
そんな私達二人を双方の両親達はどこか呆れたように見ていたようだけど、結局本人達がそれでいいならと婚約は続行してもらえることになった。
けれど学園を卒業しても私がやらかしたという件は広く広まってしまっているのですぐに結婚とはいかない。
こればかりは仕方のないことだけど、じっくり時間をかけていこうと笑って受け入れてくれたテリーを信じて、頑張っていこうと思えた。
それから月日は経ち、20才になった今日、私はテリーの花嫁になる。
お祝いに駆け付けてくれた人の中にはダレス王子やノルディックの姿もあってちょっと嬉しかった。
「ちゃんと幸せになってくれて嬉しいよ」
そう言って笑ってくれたダレス王子も幸せそうですよ?
きっと私と同じくらい(いやそれ以上かもしれないけど)ノルディックに愛されてるんだろうなと思いながら、私は私の愛しい人の手を取ったのだった。
****************
※カトリーヌも結果的には幸せになれたというお話でした。
婚約者が変わってから顔合わせもなかったのかという疑問はあるかもしれませんが、カトリーヌがこんな感じだったので『婚約者とのお茶会?絶対行かないわ!』『剣技大会を見に行く?興味ないわ!』『贈り物のお礼?適当に見繕って体裁を整えておいてちょうだい』『パーティーもパスよパス!』と接点を総スルーしてたらあっという間に月日が経ったというオチ。
基本このお話は他のシリーズと違って不幸要素は入れていないのでまあいいかなと(^^)
次回はダリィとノルの父親目線でお送りします。
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