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お弁当
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「ほんっとにごめん!!!」
「僕もごめん………」
「いや、そんなに謝っていただかなくても…。会長に至っては何も悪い事ありませんし。」
さっきからずっとこんな調子だ。こんなに謝られると逆に申し訳なくなってくる。
「でも藤崎くんのお昼が…」
「食堂行くから問題ないですよ。」
「もう混んじゃって入れないよ。ね、会長、やっぱりここで食べていってもらおう。」
会長は少し考え込む素振りを見せた。
「そうだね。ごめんね、藤崎くん、ここから選んでもらってもいいかい?」
そういってメニューを渡された。
「俺も一緒でいいよな!!」
一宮も横からメニューを覗き込んでいる。
「ふん、のこのことついてきて邪魔でしたが、いいところもありましたね。あんなお粗末な弁当でガタガタ言うなんて意地汚い人ですね。」
副会長が鼻を鳴らして吐き捨てるように言った。
バキッ
「な、なんですか?」「「わっ⁉︎」」
みんなで一斉に音がした方に顔を向けた。気まずそうに会長が笑っている。
「びっくりさせてごめん。書くとき力入れすぎて芯が折れちゃったんだ。鏑木、そう言うことをいっちゃダメだよ。」
「まったく、びっくりさせないでください。」
「ぜーったい芯が折れた音じゃないよね。」
「うん、もっと大きかったよ。」
「「怖いねー。」」
双子が横でコソコソしてる。会計はじーっと会長を見つめている。どこか異様な空気に若干気まずい。
「俺!今日はカレーにする!!!ほら、湊人も選べよ!」
「あ、うん。じゃあ同じでいいや。」
さすが、一宮。この空気などものともせず元気いっぱいだ。メニューを会長に返す。
「…し…おん、こ…っち。」
「そうです、紫音、こっちに来てください。」
「おう!」
副会長たち4人は紫音をそばに呼び、お菓子を与えたりしてご機嫌をとり始めた。小学生か。それでもみんなどこか会長の様子を気にしているようだ。当の本人はそんなこと気に留めず仕事を続けている。
「湊人ちゃんはクラス委員長なんだよね。」
「はい、そうですよ。」
「ふうん、クラス委員長だと委員長会議で会ってるはずなんだけどなぁ。委員長会議は僕と会長の交代で出てるから。」
「そうなんですか?僕が出席した時はいつも会長でしたよ。」
「ええー。」
「てっきり会長の仕事だと思ってました。」
「僕も出てるのになぁ。ま、いいや。これから仲良くなれば。」
「へ?」
「湊人ちゃん、なんか面白そうだし。面倒ごとばっか背負い込んでそうな顔してる。」
「そ、そうですかー?」
どう言う顔だそれ。
コンコン
「ご飯が来たようだね。食べようか。」
そのあとはみんなで同じテーブルでお昼ご飯を食べた。一宮たちはそっちでわちゃわちゃ。こっちは主に俺と会計が話して、たまに会長が会話に参加するという妙なランチになったのだった。
「僕もごめん………」
「いや、そんなに謝っていただかなくても…。会長に至っては何も悪い事ありませんし。」
さっきからずっとこんな調子だ。こんなに謝られると逆に申し訳なくなってくる。
「でも藤崎くんのお昼が…」
「食堂行くから問題ないですよ。」
「もう混んじゃって入れないよ。ね、会長、やっぱりここで食べていってもらおう。」
会長は少し考え込む素振りを見せた。
「そうだね。ごめんね、藤崎くん、ここから選んでもらってもいいかい?」
そういってメニューを渡された。
「俺も一緒でいいよな!!」
一宮も横からメニューを覗き込んでいる。
「ふん、のこのことついてきて邪魔でしたが、いいところもありましたね。あんなお粗末な弁当でガタガタ言うなんて意地汚い人ですね。」
副会長が鼻を鳴らして吐き捨てるように言った。
バキッ
「な、なんですか?」「「わっ⁉︎」」
みんなで一斉に音がした方に顔を向けた。気まずそうに会長が笑っている。
「びっくりさせてごめん。書くとき力入れすぎて芯が折れちゃったんだ。鏑木、そう言うことをいっちゃダメだよ。」
「まったく、びっくりさせないでください。」
「ぜーったい芯が折れた音じゃないよね。」
「うん、もっと大きかったよ。」
「「怖いねー。」」
双子が横でコソコソしてる。会計はじーっと会長を見つめている。どこか異様な空気に若干気まずい。
「俺!今日はカレーにする!!!ほら、湊人も選べよ!」
「あ、うん。じゃあ同じでいいや。」
さすが、一宮。この空気などものともせず元気いっぱいだ。メニューを会長に返す。
「…し…おん、こ…っち。」
「そうです、紫音、こっちに来てください。」
「おう!」
副会長たち4人は紫音をそばに呼び、お菓子を与えたりしてご機嫌をとり始めた。小学生か。それでもみんなどこか会長の様子を気にしているようだ。当の本人はそんなこと気に留めず仕事を続けている。
「湊人ちゃんはクラス委員長なんだよね。」
「はい、そうですよ。」
「ふうん、クラス委員長だと委員長会議で会ってるはずなんだけどなぁ。委員長会議は僕と会長の交代で出てるから。」
「そうなんですか?僕が出席した時はいつも会長でしたよ。」
「ええー。」
「てっきり会長の仕事だと思ってました。」
「僕も出てるのになぁ。ま、いいや。これから仲良くなれば。」
「へ?」
「湊人ちゃん、なんか面白そうだし。面倒ごとばっか背負い込んでそうな顔してる。」
「そ、そうですかー?」
どう言う顔だそれ。
コンコン
「ご飯が来たようだね。食べようか。」
そのあとはみんなで同じテーブルでお昼ご飯を食べた。一宮たちはそっちでわちゃわちゃ。こっちは主に俺と会計が話して、たまに会長が会話に参加するという妙なランチになったのだった。
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