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第10章 旅立ちの塔
第255話 虹の向こうへ
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第255話 虹の向こうへ
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
マリア「じゃあ、行こう!ジャンヌ!」
ジャンヌ「うん!」
ホーク「よし、9人全員、あそこまで飛ばせばいいんだな?」
鳥人族の国王、衛兵たちが、9人を抱きかかえています。
サリー「お、お願いします!」
『射出まで、30秒』
ホーク「行くぞ!」
衛兵「はッ!」
鳥人族が飛び上がり、9人は猛スピードで天蓋へ近づいていきました。
9人はそれぞれ、手に持ったキューブを、天蓋にかざします。
透明な天蓋の先には、青空が見えました。
9人が持つキューブから放たれた虹の光。
その先に手を伸ばすように、9人はキューブを高く掲げています。
虹に届くように。
虹の向こうへ飛び出していくように。
9人の持つキューブが天蓋に触れた瞬間に、7色の光が世界を包みました。
~~~半年後~~~
潮風が少女の長い髪を揺らします。
青空には大きな雲が浮かび、太陽は力強く光っています。
海を走る船の甲板で、もう一人の少女が後ろから声をかけます。
マリン「よく飽きないわねー!船旅始めてもう3か月よ?」
サリー「えへへ、ごめんね。やっぱりここで、風に当たるのが気持ちよくて」
マリン「謝ることないわ。海と船を好きになってくれたんなら、こんなに嬉しいことないもの。それにしても、船酔いでダウンしてたのがウソみたいね」
サリー「うん!慣れちゃうもんだね。フィストは?」
マリン「船室で寝てるわ。まだ揺れが強いのには慣れないみたいね」
フィスト「うぅぅ、見くびらないで……」
サリー「あ、起きてきたよ」
マリン「見くびってるわけじゃないわよ」
フィスト「あのとき、半年前の塔でのピンチに比べたら……こんなもの……」
~~~~~~~~~
木漏れ日にあふれる森に、子どもたちの笑い声が響きます。
ある子どもは地面にかがみこみ小さな虫たちの動きに注目し、またある子どもは木に登り近くで見守る少女に手を振ります。
リーフ「すごいのねー!そんなに登れるんだ?」
子ども「リーフのおねえちゃんも登ってみてよ!」
リーフ「いいの?負けないよ?」
マリア「リーフ、いつもありがとうね。森で子どもたちを遊ばせてくれて」
リーフ「えー!全然だよ!エルフや森にとってもいいことかもしれないし」
マリア「そうね。森は本当に、いろんなことを教えてくれるし、森やエルフと仲良くなれば、私たちも正しい付き合いができるもの……」
子ども「キャッツさーん!また探検教えてー!」
キャッツ「しょうがないわねー、いいわよ!でも、森にある危ないものはちゃんと覚えとくのよ!」
子ども「はーい!」
マリア「……半年前、あのときうまくいかなかったら、こんなにゆったりできてないものね」
リーフ「そうだね」
~~~~~~~~~
山の上の古城の前に、馬車が一台止まりました。
御者が客車の扉を開け、踏み台を置きます。
2人の少女が降り、古城の門をノックします。
ほどなくひとりの少女が顔を出しました。
ブラド「いらっしゃーい!遠かったのに、ありがとね!」
ジャンヌ「全然!ローズが馬車で迎えに来てくれて、そのまま連れてきてくれたからね!あ、これ、お土産。めんべい」
ブラド「そんな気つかわんくていいのに!」
ジャンヌ「え、ごめん」
ローズ「あはははははは(笑)」
ブラド「ローズもありがとうね。来てくれて」
ローズ「ううん。お泊り会なんて子どものとき以来だから、嬉しくて」
ジャンヌ「不思議よね。あんなに一緒に旅してたのに、まだまだしてないことたくさんあるんだもん」
ローズ「そうだねー。半年前、無事にうまくいったから、やりたいこと全部できるんだよね」
9人の少女は、同じ時に、違う場所で、同じあのときのことを思い出していました。
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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マリア「じゃあ、行こう!ジャンヌ!」
ジャンヌ「うん!」
ホーク「よし、9人全員、あそこまで飛ばせばいいんだな?」
鳥人族の国王、衛兵たちが、9人を抱きかかえています。
サリー「お、お願いします!」
『射出まで、30秒』
ホーク「行くぞ!」
衛兵「はッ!」
鳥人族が飛び上がり、9人は猛スピードで天蓋へ近づいていきました。
9人はそれぞれ、手に持ったキューブを、天蓋にかざします。
透明な天蓋の先には、青空が見えました。
9人が持つキューブから放たれた虹の光。
その先に手を伸ばすように、9人はキューブを高く掲げています。
虹に届くように。
虹の向こうへ飛び出していくように。
9人の持つキューブが天蓋に触れた瞬間に、7色の光が世界を包みました。
~~~半年後~~~
潮風が少女の長い髪を揺らします。
青空には大きな雲が浮かび、太陽は力強く光っています。
海を走る船の甲板で、もう一人の少女が後ろから声をかけます。
マリン「よく飽きないわねー!船旅始めてもう3か月よ?」
サリー「えへへ、ごめんね。やっぱりここで、風に当たるのが気持ちよくて」
マリン「謝ることないわ。海と船を好きになってくれたんなら、こんなに嬉しいことないもの。それにしても、船酔いでダウンしてたのがウソみたいね」
サリー「うん!慣れちゃうもんだね。フィストは?」
マリン「船室で寝てるわ。まだ揺れが強いのには慣れないみたいね」
フィスト「うぅぅ、見くびらないで……」
サリー「あ、起きてきたよ」
マリン「見くびってるわけじゃないわよ」
フィスト「あのとき、半年前の塔でのピンチに比べたら……こんなもの……」
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木漏れ日にあふれる森に、子どもたちの笑い声が響きます。
ある子どもは地面にかがみこみ小さな虫たちの動きに注目し、またある子どもは木に登り近くで見守る少女に手を振ります。
リーフ「すごいのねー!そんなに登れるんだ?」
子ども「リーフのおねえちゃんも登ってみてよ!」
リーフ「いいの?負けないよ?」
マリア「リーフ、いつもありがとうね。森で子どもたちを遊ばせてくれて」
リーフ「えー!全然だよ!エルフや森にとってもいいことかもしれないし」
マリア「そうね。森は本当に、いろんなことを教えてくれるし、森やエルフと仲良くなれば、私たちも正しい付き合いができるもの……」
子ども「キャッツさーん!また探検教えてー!」
キャッツ「しょうがないわねー、いいわよ!でも、森にある危ないものはちゃんと覚えとくのよ!」
子ども「はーい!」
マリア「……半年前、あのときうまくいかなかったら、こんなにゆったりできてないものね」
リーフ「そうだね」
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山の上の古城の前に、馬車が一台止まりました。
御者が客車の扉を開け、踏み台を置きます。
2人の少女が降り、古城の門をノックします。
ほどなくひとりの少女が顔を出しました。
ブラド「いらっしゃーい!遠かったのに、ありがとね!」
ジャンヌ「全然!ローズが馬車で迎えに来てくれて、そのまま連れてきてくれたからね!あ、これ、お土産。めんべい」
ブラド「そんな気つかわんくていいのに!」
ジャンヌ「え、ごめん」
ローズ「あはははははは(笑)」
ブラド「ローズもありがとうね。来てくれて」
ローズ「ううん。お泊り会なんて子どものとき以来だから、嬉しくて」
ジャンヌ「不思議よね。あんなに一緒に旅してたのに、まだまだしてないことたくさんあるんだもん」
ローズ「そうだねー。半年前、無事にうまくいったから、やりたいこと全部できるんだよね」
9人の少女は、同じ時に、違う場所で、同じあのときのことを思い出していました。
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