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第10章 旅立ちの塔
第239話 世界をひとつに
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第239話 世界をひとつに
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
リーフ「人の気配が増えてる?この塔に?でも、この塔、誰も入れないんでしょ?」
リーフの言葉にジャンヌが頷きます。
ジャンヌ「ええ、初めてこの塔に来た時にも言ったけど、この塔は昔から、誰も入れない塔として知られているわ」
マリア「そうよね。私たちだって、このキューブと塔が反応し合って扉が開いたから、入れたのよね」
~~~~~~~~~
ブラド「で、私たちが魔界で知った大切な心は『決めつけない心』でした」
ブラドがそう言うと、7本目の虹が空に架かりました。
フィスト「あれが、地下深くの魔界とつながってるんだね」
ブラド「虹って地下まで届くん?」
フィスト「知らないよ、そんなん」
サリー「あ!ま、また……」
マリン「また、気配が増えたの?」
サリー「う、うん……」
フィスト「どうしたの?」
ブラド「終わったよー」
キャッツ「……虹が増えるたびに、人の気配が増えてるってことよね?……それ、どういうこと?」
ブラド「ん?なに?そんな話になってるの?」
ジャンヌ「……そうらしいわ」
『世界にあった7つの心……外の世界に目を向け、他者を敬い、過去にすがることなく、他者との関わりを絶とうとせず……』
声が響きました。
その声はサリーの戸惑いなど気にしていないようにも聞こえます。
『……先人を尊び、夢を持ち、相手のことを決めつけない……これらの心がそろうことで、世界がひとつになった』
サリー「ねえ!教えて!虹がよみがえって……この塔に、この世界に、何が起こってるの!?」
リーフ「な、なに?オーブを集めて、この塔に戻って、それで終わりじゃなかったの?」
ジャンヌ「私たちは、世界から失われた虹をよみがえらせるために、旅をしていたんですよね?」
ローズ「世界から争いがなくならなくて、虹が世界からなくなって、世界がバラバラになってしまったから、その虹をよみがえらせなくちゃいけないから、私たちは虹のカケラ、キューブに選ばれんだよね……」
キャッツ「じゃあ、虹が復活して、それで終わりじゃないの?まだ何かあるの?」
『無論、教えよう。お前たちには知る権利がある』
フィスト「知るって……な、なにを?」
『お前たちの旅の、本当の目的だ』
ジャンヌ「ちょっと待ってよ!何よ今さら!私たちは、虹を世界に架けるために旅してたんじゃないの!?世界をひとつにするために……みんなが仲良く暮らせる世界にするために!」
リーフ「ジャンヌ……」
『虹を世界に架けて、世界をひとつにする……旅の目的がそれであることに間違いはない』
ブラド「話が見えないけど……どういうこと?」
『お前たちがよみがえらせた虹の力で、世界はこの塔でひとつになった』
フィスト「……『この塔で』って?」
マリア「待って!さっきサリーが『人の気配が増えてる』って言ってたけど……もしかしてこの塔に、みんな集まってるの?私たちが、出会った人たち」
マリン「そんな……突拍子なさすぎよ……」
9人の戸惑いを突き放すように、声は口調を変えずに話を続けました。
『……虹のカケラ・キューブによって選ばれた9人の少女の使命は、虹の復活だ。そして虹が持つ力とは「虹がよみがえることに賛同を示した者をこの塔に移動させる力」なのだ』
サリー「そ、それじゃ……本当に?」
『この塔の内部はすでに7階層に分かれている……それぞれに7つの国に住む者たちが運ばれている』
ローズ「運ばれてるって……無理矢理、転送されたってこと?」
リーフ「待ってください!なんでそんなことを?」
『やり直すのだ……この星は人々による終わらない争いのために、傷つきすぎた。平和と友好に賛同する世界中の種族を集め、果てしなく広く暗い星の海を行き……新たな故郷を目指すのだ。この塔で』
サリー「と、塔で……?この塔ごと、違う星へ……?」
『この塔は元来そのように作られ、星から星への旅を何度も繰り返してきたのだ……間もなくこの星からも旅立つ。この塔の名は……「旅立ちの塔」』
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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リーフ「人の気配が増えてる?この塔に?でも、この塔、誰も入れないんでしょ?」
リーフの言葉にジャンヌが頷きます。
ジャンヌ「ええ、初めてこの塔に来た時にも言ったけど、この塔は昔から、誰も入れない塔として知られているわ」
マリア「そうよね。私たちだって、このキューブと塔が反応し合って扉が開いたから、入れたのよね」
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ブラド「で、私たちが魔界で知った大切な心は『決めつけない心』でした」
ブラドがそう言うと、7本目の虹が空に架かりました。
フィスト「あれが、地下深くの魔界とつながってるんだね」
ブラド「虹って地下まで届くん?」
フィスト「知らないよ、そんなん」
サリー「あ!ま、また……」
マリン「また、気配が増えたの?」
サリー「う、うん……」
フィスト「どうしたの?」
ブラド「終わったよー」
キャッツ「……虹が増えるたびに、人の気配が増えてるってことよね?……それ、どういうこと?」
ブラド「ん?なに?そんな話になってるの?」
ジャンヌ「……そうらしいわ」
『世界にあった7つの心……外の世界に目を向け、他者を敬い、過去にすがることなく、他者との関わりを絶とうとせず……』
声が響きました。
その声はサリーの戸惑いなど気にしていないようにも聞こえます。
『……先人を尊び、夢を持ち、相手のことを決めつけない……これらの心がそろうことで、世界がひとつになった』
サリー「ねえ!教えて!虹がよみがえって……この塔に、この世界に、何が起こってるの!?」
リーフ「な、なに?オーブを集めて、この塔に戻って、それで終わりじゃなかったの?」
ジャンヌ「私たちは、世界から失われた虹をよみがえらせるために、旅をしていたんですよね?」
ローズ「世界から争いがなくならなくて、虹が世界からなくなって、世界がバラバラになってしまったから、その虹をよみがえらせなくちゃいけないから、私たちは虹のカケラ、キューブに選ばれんだよね……」
キャッツ「じゃあ、虹が復活して、それで終わりじゃないの?まだ何かあるの?」
『無論、教えよう。お前たちには知る権利がある』
フィスト「知るって……な、なにを?」
『お前たちの旅の、本当の目的だ』
ジャンヌ「ちょっと待ってよ!何よ今さら!私たちは、虹を世界に架けるために旅してたんじゃないの!?世界をひとつにするために……みんなが仲良く暮らせる世界にするために!」
リーフ「ジャンヌ……」
『虹を世界に架けて、世界をひとつにする……旅の目的がそれであることに間違いはない』
ブラド「話が見えないけど……どういうこと?」
『お前たちがよみがえらせた虹の力で、世界はこの塔でひとつになった』
フィスト「……『この塔で』って?」
マリア「待って!さっきサリーが『人の気配が増えてる』って言ってたけど……もしかしてこの塔に、みんな集まってるの?私たちが、出会った人たち」
マリン「そんな……突拍子なさすぎよ……」
9人の戸惑いを突き放すように、声は口調を変えずに話を続けました。
『……虹のカケラ・キューブによって選ばれた9人の少女の使命は、虹の復活だ。そして虹が持つ力とは「虹がよみがえることに賛同を示した者をこの塔に移動させる力」なのだ』
サリー「そ、それじゃ……本当に?」
『この塔の内部はすでに7階層に分かれている……それぞれに7つの国に住む者たちが運ばれている』
ローズ「運ばれてるって……無理矢理、転送されたってこと?」
リーフ「待ってください!なんでそんなことを?」
『やり直すのだ……この星は人々による終わらない争いのために、傷つきすぎた。平和と友好に賛同する世界中の種族を集め、果てしなく広く暗い星の海を行き……新たな故郷を目指すのだ。この塔で』
サリー「と、塔で……?この塔ごと、違う星へ……?」
『この塔は元来そのように作られ、星から星への旅を何度も繰り返してきたのだ……間もなくこの星からも旅立つ。この塔の名は……「旅立ちの塔」』
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