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第9章 魔界
第222話 悪魔とは
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第222話 悪魔とは
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
リーフ「暇なんですか?」
グシオン「ああ、ほとんどの悪魔が暇しとるよ。なんせ基本的に死ぬことがないからな。たいていのことはやり飽きとる。つまりお嬢さんがたは私の暇つぶしの相手ということだな」
9人は地下深くの洞窟、魔界の入り口で、紳士的な悪魔と向き合っています。
ジャンヌ「あ、あの、私たち、オーブを探しているんです。多分、この魔界のどこかにあると思うんですけど……知らないですか?」
グシオン「ほお……オーブねぇ」
9人はかわるがわる、ここに来るまでの経緯を話しました。
グシオン「なるほど、大体の事情はわかったよ。だがひとつ、疑問が残るね……」
マリア「な、なにがですか?」
グシオン「なぜ『親切なわけがない』悪魔なんかに、物を尋ねるのか、がだよ」
フィスト「うっ……」
グシオン「そう。君だ」
フィスト「えっと……ごめんなさい」
グシオン「ふふふっ、素直でよろしい……いいだろう。先ほどの偏見からの失礼な物言いは水に流そう」
ローズ「よかったねー。魂抜かれずにすんだね」
マリン「言ってるそばから偏見を口にするんじゃないわよ」
グシオン「ははは!まぁいい。この際だ、いろんな偏見についてひとつひとつ話そうじゃないか。オーブ探しも兼ねて、な。ついてきなさい」
グシオンは9人の返事を待たず、洞窟の奥へと進んでいきました。
9人は慌ててついていきます。
グシオン「ときに、それは便利だな。明かりをつけているのか」
サリー「え、ええ……灯火鉱という鉱石の光を、増幅させています」
グシオン「素晴らしい」
ブラド「あの……今、どこに向かってるんですか?」
グシオン「私たちが住む場所だよ」
キャッツ「町ですか?」
グシオン「町というには建物が少なすぎるなぁ……集落、というほど散らばってもいないし……村かな。魔界村だ。いいやそれで」
キャッツ「いいんすか?」
グシオン「呼び名が重要なのは我々ではない。外から来た君たちだよ」
キャッツ「ま、まぁ、確かに」
ローズ「あのー、グシオンさん?」
グシオン「なにかね?」
ローズ「さっきの偏見の話なんですけどね。実はそれより前に、私たちの間で話題になっていたんです。『悪魔って、そもそも何?』って」
グシオン「ほう。それは興味深い……それで?その議論はどんな結論になったのかね?」
ジャンヌ「えっと、結論というか、大して進展もせずに、さっきの場所まで着いちゃったんです」
グシオン「そうか。それならちょうどいい、今から続きをやりたまえ」
ジャンヌ「ぅえ?続き?」
グシオン「そう。悪魔とは何か、その議論の続きをだよ」
ジャンヌ「えーっと、悪魔とは何か?……例えば吸血鬼みたいに、人間に悪さする生き物で……」
グシオン「悪さというのは?」
リーフ「よく聞くのは、傷つけたり、ネガティブな気持ちにさせたり、取り憑いて苦しめたり、かな」
マリン「災害を起こす悪魔とかもいるよね」
グシオン「大地の怒りや天の怒りか……そういう神々もいると思うが、それは悪魔とは違うわけかね?」
マリン「あ、そうですね。確かに、ちょっと違うかな」
グシオン「何が違う?」
マリン「えっと、見た目?なんか不気味というか」
グシオン「つまり悪魔というのは、恐ろしいことをする不気味な見た目をした存在、ということかな?」
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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リーフ「暇なんですか?」
グシオン「ああ、ほとんどの悪魔が暇しとるよ。なんせ基本的に死ぬことがないからな。たいていのことはやり飽きとる。つまりお嬢さんがたは私の暇つぶしの相手ということだな」
9人は地下深くの洞窟、魔界の入り口で、紳士的な悪魔と向き合っています。
ジャンヌ「あ、あの、私たち、オーブを探しているんです。多分、この魔界のどこかにあると思うんですけど……知らないですか?」
グシオン「ほお……オーブねぇ」
9人はかわるがわる、ここに来るまでの経緯を話しました。
グシオン「なるほど、大体の事情はわかったよ。だがひとつ、疑問が残るね……」
マリア「な、なにがですか?」
グシオン「なぜ『親切なわけがない』悪魔なんかに、物を尋ねるのか、がだよ」
フィスト「うっ……」
グシオン「そう。君だ」
フィスト「えっと……ごめんなさい」
グシオン「ふふふっ、素直でよろしい……いいだろう。先ほどの偏見からの失礼な物言いは水に流そう」
ローズ「よかったねー。魂抜かれずにすんだね」
マリン「言ってるそばから偏見を口にするんじゃないわよ」
グシオン「ははは!まぁいい。この際だ、いろんな偏見についてひとつひとつ話そうじゃないか。オーブ探しも兼ねて、な。ついてきなさい」
グシオンは9人の返事を待たず、洞窟の奥へと進んでいきました。
9人は慌ててついていきます。
グシオン「ときに、それは便利だな。明かりをつけているのか」
サリー「え、ええ……灯火鉱という鉱石の光を、増幅させています」
グシオン「素晴らしい」
ブラド「あの……今、どこに向かってるんですか?」
グシオン「私たちが住む場所だよ」
キャッツ「町ですか?」
グシオン「町というには建物が少なすぎるなぁ……集落、というほど散らばってもいないし……村かな。魔界村だ。いいやそれで」
キャッツ「いいんすか?」
グシオン「呼び名が重要なのは我々ではない。外から来た君たちだよ」
キャッツ「ま、まぁ、確かに」
ローズ「あのー、グシオンさん?」
グシオン「なにかね?」
ローズ「さっきの偏見の話なんですけどね。実はそれより前に、私たちの間で話題になっていたんです。『悪魔って、そもそも何?』って」
グシオン「ほう。それは興味深い……それで?その議論はどんな結論になったのかね?」
ジャンヌ「えっと、結論というか、大して進展もせずに、さっきの場所まで着いちゃったんです」
グシオン「そうか。それならちょうどいい、今から続きをやりたまえ」
ジャンヌ「ぅえ?続き?」
グシオン「そう。悪魔とは何か、その議論の続きをだよ」
ジャンヌ「えーっと、悪魔とは何か?……例えば吸血鬼みたいに、人間に悪さする生き物で……」
グシオン「悪さというのは?」
リーフ「よく聞くのは、傷つけたり、ネガティブな気持ちにさせたり、取り憑いて苦しめたり、かな」
マリン「災害を起こす悪魔とかもいるよね」
グシオン「大地の怒りや天の怒りか……そういう神々もいると思うが、それは悪魔とは違うわけかね?」
マリン「あ、そうですね。確かに、ちょっと違うかな」
グシオン「何が違う?」
マリン「えっと、見た目?なんか不気味というか」
グシオン「つまり悪魔というのは、恐ろしいことをする不気味な見た目をした存在、ということかな?」
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