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第9章 魔界
第218話 不思議な気
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第218話 不思議な気
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
リーフ「な、なんか、頼りになるね……」
フィスト「ブラドじゃないみたい」
ブラド「文句言いたいけど、なんか自分でもそんな気がするのよね」
ジャンヌ「?どういうこと?」
ブラド「何て言うのかな……自分の体じゃないみたいに、調子がいいというか」
マリン「体調いいのはいいことじゃん」
ブラド「いや、そうじゃなくてね。体調というか……ちょっと見てて」
ブラドはそう言うと、先ほどまでみんなで苦労して登った岩の反対側に飛び降りました。
ジャンヌ「ちょっと!?」
ブラドは8人の驚きを置き去りにして、数秒後、着地しました。
ブラドが着地した場所は、8人が残された岩からは、高さにして5メートル、距離にして20メートルは離れていました。
キャッツ「え!?」
ローズ「すっごーい!!」
サリー「す、すごいっていうか、人間業じゃない……」
リーフ「人間じゃないじゃん?」
フィスト「じゃん?じゃなくて!いくら吸血鬼だからって、今までと違いすぎよ!」
ジャンヌ「と、とにかく!そこで待ってて!」
ブラド「はーい」
8人は15分後、ブラドに追いつきました。
ブラド「おつかれさま」
マリン「いやいや、あり得ないから」
ブラド「でしょ?私もそう思う。体調うんぬんじゃないのよね。ここまで来ると。力がみなぎってしょうがないっていうのかな……」
リーフ「サリー、この辺、なにか違うの?」
サリー「うん、さっきから気になって調べてはいるんだけど……わからないの。でも、なにか不思議な『気』が漂っていて、奥に進むにつれて、どんどんその『気』が濃くなっていってる気がする」
キャッツ「それがブラドの力を高めてるんだね……ブラドだけが実感してるってことは、もしかしたらほんとに魔界みたいなのが近くにあって、それでブラドが元気になってるのかな……」
マリア「元気になってるだけなら、それはいいんだけど……」
ブラド「どういうこと?」
マリア「急に元気になりすぎるっていうのも、良くないじゃない?例えば運動したら、心肺機能も上がって、血行が良くなって体にはいいけど、急に激しい運動をし過ぎると、心肺にも負担が」
フィスト「確かに。しかもそれが、魔界独特のエネルギーの影響とかやとしたら、どんな変化があるか」
フィストは最後まで言うことができませんでした。
ブラドが急にその場にうずくまったからです。
ブラド「んっ……く……」
ブラドは片手で胸を押さえています。
ジャンヌ「ブラド!?」
キャッツ「大丈夫!?」
片膝を地につきましたが、その姿勢も保つことができず、その場に倒れ込んでしまいました。
ブラド「ハァ……ハァ……うぅぅ……」
フィスト「ちょっと!私が言ったのはフリじゃないんだから!答えなくていいのよ!」
リーフ「そ、そういうことじゃないんじゃない……?」
ブラド「ぐっ……あぁぁぁ!」
苦悶の表情で叫ぶブラドの顔に、ある変化が現れました。
ブラドが開いている口に、8人の注目が集まりました。
マリン「ちょっと!見て!歯!伸びてない!?」
ブラドの上下の犬歯が、見る間に伸びているのです。
全員の頭の中に、吸血鬼の牙が連想されました。
サリー「ど、どうしよう!どうしたらいい?」
マリン「そ、そんなこと言われても……」
マリア「吸血鬼の体調変化なんて、どうしたらいいか……」
ローズ「サリー!何か、こう、気を遮断する方法とか、ない?」
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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リーフ「な、なんか、頼りになるね……」
フィスト「ブラドじゃないみたい」
ブラド「文句言いたいけど、なんか自分でもそんな気がするのよね」
ジャンヌ「?どういうこと?」
ブラド「何て言うのかな……自分の体じゃないみたいに、調子がいいというか」
マリン「体調いいのはいいことじゃん」
ブラド「いや、そうじゃなくてね。体調というか……ちょっと見てて」
ブラドはそう言うと、先ほどまでみんなで苦労して登った岩の反対側に飛び降りました。
ジャンヌ「ちょっと!?」
ブラドは8人の驚きを置き去りにして、数秒後、着地しました。
ブラドが着地した場所は、8人が残された岩からは、高さにして5メートル、距離にして20メートルは離れていました。
キャッツ「え!?」
ローズ「すっごーい!!」
サリー「す、すごいっていうか、人間業じゃない……」
リーフ「人間じゃないじゃん?」
フィスト「じゃん?じゃなくて!いくら吸血鬼だからって、今までと違いすぎよ!」
ジャンヌ「と、とにかく!そこで待ってて!」
ブラド「はーい」
8人は15分後、ブラドに追いつきました。
ブラド「おつかれさま」
マリン「いやいや、あり得ないから」
ブラド「でしょ?私もそう思う。体調うんぬんじゃないのよね。ここまで来ると。力がみなぎってしょうがないっていうのかな……」
リーフ「サリー、この辺、なにか違うの?」
サリー「うん、さっきから気になって調べてはいるんだけど……わからないの。でも、なにか不思議な『気』が漂っていて、奥に進むにつれて、どんどんその『気』が濃くなっていってる気がする」
キャッツ「それがブラドの力を高めてるんだね……ブラドだけが実感してるってことは、もしかしたらほんとに魔界みたいなのが近くにあって、それでブラドが元気になってるのかな……」
マリア「元気になってるだけなら、それはいいんだけど……」
ブラド「どういうこと?」
マリア「急に元気になりすぎるっていうのも、良くないじゃない?例えば運動したら、心肺機能も上がって、血行が良くなって体にはいいけど、急に激しい運動をし過ぎると、心肺にも負担が」
フィスト「確かに。しかもそれが、魔界独特のエネルギーの影響とかやとしたら、どんな変化があるか」
フィストは最後まで言うことができませんでした。
ブラドが急にその場にうずくまったからです。
ブラド「んっ……く……」
ブラドは片手で胸を押さえています。
ジャンヌ「ブラド!?」
キャッツ「大丈夫!?」
片膝を地につきましたが、その姿勢も保つことができず、その場に倒れ込んでしまいました。
ブラド「ハァ……ハァ……うぅぅ……」
フィスト「ちょっと!私が言ったのはフリじゃないんだから!答えなくていいのよ!」
リーフ「そ、そういうことじゃないんじゃない……?」
ブラド「ぐっ……あぁぁぁ!」
苦悶の表情で叫ぶブラドの顔に、ある変化が現れました。
ブラドが開いている口に、8人の注目が集まりました。
マリン「ちょっと!見て!歯!伸びてない!?」
ブラドの上下の犬歯が、見る間に伸びているのです。
全員の頭の中に、吸血鬼の牙が連想されました。
サリー「ど、どうしよう!どうしたらいい?」
マリン「そ、そんなこと言われても……」
マリア「吸血鬼の体調変化なんて、どうしたらいいか……」
ローズ「サリー!何か、こう、気を遮断する方法とか、ない?」
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