虹の騎士団物語

第8章 地の果て

第216話 むっつめ

第216話 むっつめ
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ジャンヌ：騎士団長
フィスト：近衛兵長
サリー：魔法使い
マリン：海の冒険者
ブラド：吸血鬼の姫
ローズ：貴族令嬢
キャッツ：トレジャーハンター
マリア：シスター
リーフ：エルフ
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9人の意識は完全に途絶えました。
そして全員がほぼ同時に目を覚ましました。

冷たい土の感触を肌で感じていました。

フィスト「モモさんっ！？」

最初に声を上げたのはフィストでしたが、みんな同じように、起き上がり、周りを見渡しました。
そこは、上から日の光が差し込む洞窟のようでした。

光が入る穴の端からは、パラパラと砂が落ちており、つい先ほど開いたばかりの穴のように見えます。

夢の国の気配はどこにもありません。

マリン「えっと……どういうこと？」

マリア「わからないわ……夢、だったの？」

リーフ「夢なの？さっきまで、夢の国にいたんだよね？」

キャッツ「うん、そうよ……そうよね？お菓子の家とか、ジャックと豆の木とか、男前の竜とか……見たよね？」

全員がうなずき合います。

ジャンヌ「全員が同じ夢を見てたの……」

フィスト「違う」

ハッキリとした口調に、8人の目がフィストに集まります。

フィスト「見て、このキューブ。まだ光ってる」

フィストのキューブはかすかな黄色い光をたたえていました。
しかしそれも、ものの数秒で完全に消えてしまいました。

ローズ「オーブが、キューブの中に入ったんだね」

フィスト「うん。だから、ただの夢じゃない……私たち、みんなで夢の国に行ってたんだよ」

サリー「うん、私もそう思う」

ブラド「てことは、イエローオーブってとこやね」

リーフ「不思議な出来事だったねー。どれくらいの時間いたんだろう」

キャッツ「時間なら、ほとんど経ってないと思うよ」

マリア「そうなの？」

キャッツ「うん。見て、あの穴の淵から砂が落ちてるでしょ？多分私たちが上の岩場から落ちて、ほんの数分も経ってないんじゃないかな？」

ブラド「確かに、おなかあんまり減ってないもんね」

フィスト「そっか。私たち、砂漠の岩場で、穴に落ちたとこだったね」

サリー「そんなに高さはないけど、跳んで届く距離じゃなさそう。浮遊石とか使えば行けるけど……やってみる？」

ローズ「その前にさ、先に次の目的地、見とこうよ」

マリン「そうね。そうしよ。せっかく日陰なんだし。外に出たら暑い中やるんでしょ？」

リーフ「あ、でもこのへんの日差しは、ブラド平気だったんだよね」

ブラド「日差しが平気って言うよりは、日差しに負けないくらい元気になってきたって感じね。今もそうだけど。なんでかはわからないんだけどね」

ジャンヌ「じゃあ、ここで最後のオーブの場所、見るわよ」

8人がうなずくのを見てから、ジャンヌは自分のキューブに手をかざしました。
キューブから魔法の地図が飛び出し、ジャンヌの手に収まります。

ジャンヌが片手に地図を、もう片方の手にキューブを持ち、そっと近づけます。

8人はジャンヌの周りに円形に立ち、ジャンヌが持つ地図を覗きこみます。

キューブから一筋の光が放たれました。