虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第8章 地の果て

第205話 夢の国の秘密

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第205話 夢の国の秘密
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********


サンタクロース「ワシはもうこの夢の国から出ることはなくなったんじゃ。これからは年中この夢の国におる」

フィスト「?どういうことですか?」

サンタクロース「世界中の子どもたちにプレゼントを配るのは、もう終わりじゃよ」

ジャンヌ「ちょっと!待って!なんで!?」

サンタクロース「お嬢さんがたにはわからんかもしれんな……この国以外では、夢が居場所をなくしとるんじゃ」

フィスト「夢の、居場所?」

サンタクロース「まぁ、この国におればわかってくるじゃろう……それじゃ、達者でな」

ブラド「あ!ちょっと!」

サンタクロースは制止の声には応えず、トナカイを空へと走らせて行きました。

サリー「……行っちゃったね」

マリン「どういうことかしらね?夢の、居場所って」

リーフ「私たちが元いた世界から、夢がなくなっちゃうってこと?」

キャッツ「お菓子の家も?王子様とお姫様も?そんなの嫌よ!」

ローズ「でも、それは、私たちや子どもたちが、夢を見るのをやめ始めたから、ってことだよね?」

マリア「夢を、見なくなってる……そうなのかな……」

フィスト「……行こう!考えててもわからないもん!町を見て、なにかきっかけを探そう!この夢の国にオーブがあるかもしれないし……」

サリー「そうだよね、夢だらけで忘れてたけど、オーブ探さなきゃいけないんだもんね」

マリン「急に現実に戻っちゃったじゃないのよ」

フィスト「……悪かったわね」

ブラド「でも、それで本当に現実の世界に帰れちゃったりしてね」

マリア「嫌よそんな戻り方」

ローズ「?待って!もしかして……そういうこと?」

ジャンヌ「ん?どういうこと?」

ローズ「いや、だからさ、私たちが今、オーブのことを思い出したから、夢の世界を楽しむ気分がなくなったじゃん?」

フィスト「うん、まぁそうかも。どうもごめんなさいね、ほんと」

ブラド「拗ねないの!」

ローズ「い、いや、そうじゃなくてね!世界中の人たちがだんだん、目の前にあるやらなきゃいけないことに追われすぎて、夢を見る余裕がなくなってるってことじゃない?」

リーフ「そっか!それで世界中から『夢の居場所がなくなってる』ってこと……?」

ローズ「わかんないけど……そう考えたら、つじつまが合うっていうか」

ジャンヌ「うん、確かにそうね……ということは、私たちがこの夢の国でしなきゃいけないことは……」

フィスト「『夢を見る心』を取り戻す、ってことね」

サリー「みんな、すごい……どんどん話が見えてくる……」

マリン「全部仮定だけどね!んじゃ、結論が出たところで、町の中を見にいこっか!」

9人はおしゃべりをしながら、町の中へと入っていきました。
しかしすぐにおしゃべりをやめることになりました。
目の前に広がる景色に、全員が歓声を上げたからです。

ジャンヌ「……すごい」

ローズ「この町の建物……全部お菓子!?」

フィスト「ゆ……夢みたい……」

マリア「見て!カエルさんとネズミさんが服着て立ってしゃべってる!」

サリー「あ!あれ!おもちゃの兵隊!行進してる!」

キャッツ「かわいいねー!……ん?あれなにかな?人が集まってるよ」

リーフ「なに?なに?ステージ?……あ!女の子たちが踊ってる!かわいいー!」

マリン「歌って踊って、アイドルだね」

ブラド「かわいいダンスー!見て!縄跳びみたいな動き!」

ジャンヌ「かわいいね……真似してみたい」

ローズ「いいじゃんジャンヌ!みんなでやる?向こうも9人組だし!」

???「あら、あんたたち、見ない顔ね」

初めて聞く声に9人ははしゃぐのをやめ、あたりを見渡しました。

声の主は見当たりません。
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