虹の騎士団物語

第8章 地の果て

第202話 お菓子の家

第202話 お菓子の家
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ジャンヌ：騎士団長
フィスト：近衛兵長
サリー：魔法使い
マリン：海の冒険者
ブラド：吸血鬼の姫
ローズ：貴族令嬢
キャッツ：トレジャーハンター
マリア：シスター
リーフ：エルフ
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9人は小人たちが逃げていった方向に歩き始めました。
そして5分ほどたつと、またしても、異様に和やかなものにぶつかりました。
それは一軒の家でした。

リーフ「こ、これ……」

「「「「お菓子の家えええ？！」」」」

キャッツ「う、うそ…………」

ジャンヌ「夢、みたい…………」

マリン「あ、ジャンヌちゃんもこういうの好きなんだねー」

ジャンヌ「え！？そ、そう、だけど……」

ブラド「いいやん。ほんまに夢みたいなんやから」

サリー「すてき……あ！煙突からはわたあめの煙！」

フィスト「夢なんじゃないの？これ」

ローズ「ほっぺたつねってみる？えい！」

リーフ「痛い痛い痛い痛い！」

ローズ「あははははははは！(笑)」

リーフ「…………え？な、なに？」

キャッツ「……自分のつねるのよ。わかっててやってんでしょ」

ローズ「ごめん(笑)」

マリア「きっとローズも混乱してるのよ。こんなの……お菓子の家なんて、ほんとに、子どもの頃に夢見たものだもん！」

サリー「ね、ねえ、みんな……これって、入ってみていいのかな？」

ジャンヌ「サリー、なに言ってるの」

サリー「！ご、ごめん……」

ジャンヌ「入るに決まってるでしょ！こんなもん！目の前にして立ち去れる？」

サリー「え、えっと……無理です……」

キャッツ「ジャンヌちゃん……壊れた？」

ジャンヌ「まずは『ごめんください！』でノッカーとドアノブを食べる！誰か出てきたら入れてもらって中を食べる！誰も出てこなかったら外壁を食べる！」

マリン「気持ちはわかるけど、そんなことしちゃダメですよー」

ジャンヌ「うぅ……したい……」

ローズ「だよねー！ほんと、子どもの夢だもん」

マリア「ねぇ、ところで小人たちはこの中なのかしら？」

フィスト「そうよね、聞いてみよ…………すいませーん！」

9人はしばらく待ちましたが、フィストの声への返事はありませんでした。

リーフ「……いないのかな？」

ブラド「私たちから逃げてんから、私たちが呼び掛けても答えへんよね(笑)」

ジャンヌ「そりゃそうか」

そのとき、馬の蹄の音が聞こえてきました。
軽やかでありながら力強く、凛々しくさえ聞こえました。

9人の前に白馬が躍り出ました。
そしてその上で、高価そうな服を着た若い男が手綱を握っていました。

キャッツ「は、白馬の王子様！？」

王子「む？いかにも僕は王子だが、君たちは？」

ジャンヌ「え、えっと、この森に迷い込んでしまって、困っているんです……」

ローズ「なんか、ジャンヌちゃん、お姫さまお姫さましてない？」

マリン「意外に一番楽しんでたりしてね」

ジャンヌ「う、うるさいわね！」

王子「この森に迷って？……それはいけない！今すぐ出なさい！」