虹の騎士団物語

第7章 砂漠の国

第176話 砂漠の町

第176話　砂漠の町
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ジャンヌ：騎士団長
フィスト：近衛兵長
サリー：魔法使い
マリン：海の冒険者
ブラド：吸血鬼の姫
ローズ：貴族令嬢
キャッツ：トレジャーハンター
マリア：シスター
リーフ：エルフ
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キャッツ「おお～でっかいね～！」

ローズ「本当にあっという間だったね」

9人の目の前には高い塀があり、それは左右にとても長く続いています。
そして塀の中央には門があり、開け放たれています。
その中には、市場のように、道の左右に店が並んでいるのが見えました。

サリー「す、すごい！ワクワクしちゃう！」

マリン「ほんとだね、踊り子でも出てきそう」

マリア「んー、でもさ、ちょっと様子変じゃない？」

市場を行き交う人やラクダ。店先に並ぶたくさんのカラフルな果物や宝石、スパイス。
そういったものはありませんでした。

ローズ「なんていうか、さびれてる？」

どの店も、店先に並ぶ品物はわずかで、人通りもほとんどありません。

フィスト「普通、こんなおっきな町なら、交易も盛んなはずだけどね」

9人は改めて、町を囲む高い高い塀を見上げます。
そして町に入るための門には、二人の衛兵がいます。

衛兵は9人を見るなり、口を開きました。

衛兵A「き、貴様ら！見かけぬ顔！最近噂の墓荒らしの盗賊どもだな！」

衛兵B「神妙にお縄につけ！」

ブラド「おぉー、ここは普通だね」

マリア「ほんと、よかったよかった」

リーフ「やっぱりこうじゃなきゃね！」

ジャンヌ「いや……『じゃなきゃ』ってことはないんじゃない？」

衛兵C「おい！今までしっぽを掴ませなかった墓荒らし達だ！絶対逃がすな！町の中の警備隊も呼ぶぞ！」

サリー「あ！見て見て！あの笛で応援呼ぶんじゃない？」

フィスト「ほんと！あ！笛吹いた！応援来た！はや！」

ローズ「みんな立派な鎧とか武器持ってるねー」

マリン「王国伝統のものかな。華美な装飾はないけど、機能美ってやつね」

衛兵Ａ「な、なんだこの余裕は……」

槍を突き付けられても動じない9人の少女に、衛兵は皆戸惑っていました。
9人は15分後、手に縄をかけられ王宮の中を歩いていました。

サリー「すごいねー！王宮だよ！外国の！」

フィスト「元々いた国のお城とは、ずいぶん作りが違うね」

衛兵A「黙って歩け」

歩いている通路の左右の壁や柱には、色とりどりの塗料で、様々な絵が描かれていました。

ローズ「うん、お城って言うより、ここ全体がひとつの美術品みたい」

マリン「うまいこと言うね」