虹の騎士団物語

第4章 空中都市

第105話

第105話 誤解というより偏見
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ジャンヌ：騎士団長
フィスト：近衛兵長
サリー：魔法使い
マリン：海の冒険者
ブラド：吸血鬼の姫
ローズ：貴族令嬢
キャッツ：トレジャーハンター
マリア：シスター
リーフ：エルフ
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ジャンヌ「誤解していますよ、ドワーフのこと」

先ほどの牢屋では制止する側に回ったジャンヌが、マリンの代わりにホークに詰め寄りました。

ホーク「ほう？」

ジャンヌ「確かにドワーフは荒っぽいところはあるけれど、初めから私たちを敵視することはなかったわ。忌まわしい歴史があったにも関わらず、ね」

ホーク「ふっ、何を言い出すかと思えば……」

ホークは台座から降りて、人を小馬鹿にした表情で言います。

ホーク「それは奴らが単純なだけだ。人を避けながらも、人を拒絶できず、今回も君たちに良いように利用されているじゃないか。単細胞を証明したに過ぎない」

サリー「……ひどい」

ブラド「めっちゃムカつく……」

9人全員が怒りや抗議の目をホークに向けています。

ホーク「奴らの思惑はどうあれ、奴らが撃った砲弾は私の城を直撃した。だが、結果はどうだ？私はその遥か以前から城を離れ、この神殿で高見の見物を決め込んでいるんだぞ？愚かなドワーフどもが撃った弾など、取るに足らんのだよ」

フィスト「あんたねぇ……」

ホーク「何か間違っているかね？いや、それすらどうでもいいことだ。まぁ、君たちがオーブを持って行きたいなら、止めはせんよ。あれを手放すことでドワーフや人間どもと関わらずに済むなら大歓迎だ」

ローズ「……なんにも知らないで、良く言えるね」

ホーク「知る必要などないだろう？我々鳥人族は空の高みから、君たち人間やドワーフのことを眺めて、これからも生きていくんだよ、違う世界でな。君たちにはわからんかも知れんがね」

キャッツ「いえ、よくわかったわ」

その場にいる全員が、キャッツを見ました。

ホーク「ふっ、良く言う。人間ふぜいが」

キャッツ「あー、そういうのもういいから。見るに耐えないわ」

キャッツが一歩前に進み出ました。

キャッツ「いやー私も世界のいろんなところ見てきたけど、鳥人族を見るのは初めてなのよね。鳥人族って、鳥の翼を持って優雅に空を舞って、自然とともに生きる気高い種族だと思ってたけど、こりゃとんだ誤解だったわ」

ホーク「ふっ、興味あるね、それの何が誤解なんだ？」

キャッツ「あんたたちさ、鳥って言うより、チキンよね(笑)」

国王の顔から笑みが消えました。