虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第4章 空中都市

第99話

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第99話 鳥人族の気持ち
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********

ジャンヌ「ふたりとも、気持ちはわかるけど抑えて。ここでこの人たちと喧嘩してちゃ、何にもならないわ」

マリンもキャッツも、申し訳なさそうに黙りました。
無視された当のジャンヌが「抑えろ」と言っているのです。

ジャンヌ「リーフ」

リーフ「は、はい!」

ジャンヌ「心配しないで。あなたが話すことになるけど、みんなついてる。本当のことをありのまま、思ったことを話せばいいわ」

リーフ「う、うん!」

アウルが口を開きます。
リーフが仲間と話していることなど、なかったかのように。

アウル「つい先ほど、ドワーフの里から小型の大砲便がとどいたよ。先ほどの直撃とは違い、指定された『受け取り箱』に静かに着弾した」

9人には聞き慣れない単語がいくつかあったものの、なんとなく想像はできました。

ブラド「やればできるんやん」

アウル「中身は長・ボルカノからの手紙だったよ。内容を知りたいかね?」

リーフ「ええ、是非」

アウル「ごほん……えー、『高飛車な鳥人諸君、我々ドワーフは世界に進出することにした。これを記念して面白いものをそちらに届けた。君たちの国が大騒ぎになること間違いない。楽しみにしてるよ。ワハハハハハハハ』…………」

マリア「…………おもしろいものって、私たちのことよね?」

ローズ「なんか、ドワーフの里で起きたことを知らない人が読んだら、宣戦布告みたいに聞こえるね(笑)」

フィスト「まんまそれでしょ!私らの邪魔しようとしてるんじゃないの?あの人」

アウル「……はぁ、まったく、粗暴なドワーフどもの考えることはわからんし、君とその仲間がわが国の城を攻撃したことは事実だ。それについては相応の処置を考えなければならん。わかるな?」

リーフ「いえ!攻撃じゃなくって……いや、そうじゃない……ごめんなさい!あなた方の城とそこに住む人々を傷つけたことは、心からお詫びします!」

アウル「ふむ……やはり少女とは言えエルフ。気位と礼儀は持ち合わせてくれているね。嬉しく思うよ……」

マリン「私らにはそれがない、って言いたげね」

ブラド「あかん、腹立ってきた」

ローズ「粗暴だ(笑)」

キャッツ「ローズ(笑)、だめよ~」

サリー「でも、ドワーフは確かに豪快ではあるけど、粗暴とは違うよね?」

ジャンヌ「うん、私もそう思う。でも、ボルカノさんが手紙に『高飛車な鳥人諸君』って書いてるってことは、そういう関係なんだろうね、昔から」

アウル「リーフとやら。君の真摯な謝罪にはこちらも応えよう。城は確かに被害があったが、けが人はひとりもでなかったよ」

 
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