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第3章 火山地帯
第85話~第86話
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第85話 長の決断
マリン「よそ者と関わらないのが、掟だかしきたりだか知らないけどね!そんなもん、あんたたちがこれから作れる未来に比べたら……○ソくらえよ!」
マリンは言い終えると、肩を大きく上下させ、荒い息を上げながら、ボルカノをにらみつけていました。
ロックスはマリンを厳しい目で見ていますが、何も言いません。
長への乱暴な物言いへの怒りと、彼女の熱い思いへの感銘との間で、何も言えないでいたのです。
9人に槍を向けていた衛兵たちも、槍を持つ手に力をこめられないでいます。
ボルカノ「……よくわかった」
マリン「……」
ボルカノが片手を上げると、衛兵たちは槍を引き、2歩下がりました。
ボルカノ「お嬢さん、マリン、だったか?」
マリン「……そうよ。なんか文句ある?」
ボルカノ「…………ありがとう」
マリン「ありがとうじゃないわよぉぉぉ!!!どうすんのよこれから!!!」
ブラド「ちょお(笑)、もうやめえやマリン(笑)、一回流れ終わったやん(笑)」
フィスト「めんどくさい女みたいになってるわよ(笑)」
ローズ「あはははははは(笑)」
ボルカノ「フッ…………本当に、不思議なお嬢さん方だ……お前もそう思ったんだろ?」
ロックス「……え?ええ、そうかもしれません……」
ボルカノ「お前はどう思った?」
ロックス「マリンの話を、ですか?」
ボルカノがうなずきます。
ロックスはマリンを、そして残る8人を見て、言いました。
ロックス「私は衛兵のひとりです。外に目を向けろと言われても、ピンと来ませんが……『ドワーフの腕と誇りをもっと世の中に見せたい』と思っている職人たちは、里にたくさんいます」
ボルカノ「そうか…………そうだな…………」
ボルカノはマリンに目を向け、言いました。
ボルカノ「確かに、きみの言う通りかもしれんな」
9人は驚きました。まさかこんなにもすんなりと受け入れてくれるとは思わなかったからです。
そしてそれは、怒鳴りつけた本人であるマリンも同じです。
いや、一番驚いていたかもしれません。
ボルカノ「我々はこれから『世の中』に向かって歩きだす。お嬢さん方は、自分たちの役目を全うするといい」
ジャンヌ「え!?じゃあ………」
ボルカノ「レッドオーブは、必要なら持っていきなさい」
**********
第86話 ひとつめ
ボルカノ「レッドオーブは、必要なら持っていきなさい」
ジャンヌ「いいんですか?」
ボルカノ「あぁ、この地に代々伝わるものではあるが、本来の役目があるなら、使ってくれるとありがたい」
9人は驚いた顔で見つめあうと、緊張が解けたように笑顔になりました。
キャーキャーと声を上げたり、抱き合ったり、ハイタッチをしたり、喜び方は様々です。
リーフ「ありがとうございます!ちゃんとお返ししますね!」
ボルカノ「いや、おそらくそれは無理だろう。そのオーブの色が虹の7色のひとつで、7つ集めると虹が復活するというなら、そのオーブそのものが虹になってしまうんじゃないか?」
サリー「そうか……そうかも」
ボルカノ「気にせんでいい。長年そばにあったものだから寂しくはなるが、それがそいつの役目なんだろう」
ボルカノが片手を挙げると、オーブを持つ従者が進み出てきました。
ブラド「えっと、じゃあ、マリンが受け取る?」
マリン「え!?あたし??」
マリア「そうね。マリンが説得してくれたんだし」
ジャンヌ「マリン、お願い」
マリン「いや、そんなこと言ったって……どうすればいいのよ?」
ローズ「キューブに入れることができるって言ってたね」
キャッツ「オーブの方がおっきいけど、入るの?あれ」
ブラド「マリン!こう……グッと押し込んでみて!」
フィスト「絶対ちがうでしょ、それ(笑)」
マリン「ちょっとやめてよ!普通に触るだけでもちょっと怖いのに……えと、いいんですか?触って」
ブラド「ドカーーーーーーン!!」
マリン「やめろっていってるでしょ!!!」
ローズ「あははははは(笑)」
マリンの指先がレッドオーブに触れました。
そのとたん、キューブとオーブが激しく光ります。
そしてオーブがキューブの中に、煙のように形を変え、吸い込まれて行きました。
マリン「こ、これで……いいの?」
マリア「そうね。見たところ変化はないけど、『塔の声』が言ってた通り、中に入ってるんじゃない?」
マリンは恐る恐るキューブを持ち、振ってみたりしていますが、音は聞こえません。
ボルカノ「お嬢さん方の仕事は終わりだな。それじゃあ次は、大人たちの仕事といくか。おい、書く物を。知らせを出す」
第85話 長の決断
マリン「よそ者と関わらないのが、掟だかしきたりだか知らないけどね!そんなもん、あんたたちがこれから作れる未来に比べたら……○ソくらえよ!」
マリンは言い終えると、肩を大きく上下させ、荒い息を上げながら、ボルカノをにらみつけていました。
ロックスはマリンを厳しい目で見ていますが、何も言いません。
長への乱暴な物言いへの怒りと、彼女の熱い思いへの感銘との間で、何も言えないでいたのです。
9人に槍を向けていた衛兵たちも、槍を持つ手に力をこめられないでいます。
ボルカノ「……よくわかった」
マリン「……」
ボルカノが片手を上げると、衛兵たちは槍を引き、2歩下がりました。
ボルカノ「お嬢さん、マリン、だったか?」
マリン「……そうよ。なんか文句ある?」
ボルカノ「…………ありがとう」
マリン「ありがとうじゃないわよぉぉぉ!!!どうすんのよこれから!!!」
ブラド「ちょお(笑)、もうやめえやマリン(笑)、一回流れ終わったやん(笑)」
フィスト「めんどくさい女みたいになってるわよ(笑)」
ローズ「あはははははは(笑)」
ボルカノ「フッ…………本当に、不思議なお嬢さん方だ……お前もそう思ったんだろ?」
ロックス「……え?ええ、そうかもしれません……」
ボルカノ「お前はどう思った?」
ロックス「マリンの話を、ですか?」
ボルカノがうなずきます。
ロックスはマリンを、そして残る8人を見て、言いました。
ロックス「私は衛兵のひとりです。外に目を向けろと言われても、ピンと来ませんが……『ドワーフの腕と誇りをもっと世の中に見せたい』と思っている職人たちは、里にたくさんいます」
ボルカノ「そうか…………そうだな…………」
ボルカノはマリンに目を向け、言いました。
ボルカノ「確かに、きみの言う通りかもしれんな」
9人は驚きました。まさかこんなにもすんなりと受け入れてくれるとは思わなかったからです。
そしてそれは、怒鳴りつけた本人であるマリンも同じです。
いや、一番驚いていたかもしれません。
ボルカノ「我々はこれから『世の中』に向かって歩きだす。お嬢さん方は、自分たちの役目を全うするといい」
ジャンヌ「え!?じゃあ………」
ボルカノ「レッドオーブは、必要なら持っていきなさい」
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第86話 ひとつめ
ボルカノ「レッドオーブは、必要なら持っていきなさい」
ジャンヌ「いいんですか?」
ボルカノ「あぁ、この地に代々伝わるものではあるが、本来の役目があるなら、使ってくれるとありがたい」
9人は驚いた顔で見つめあうと、緊張が解けたように笑顔になりました。
キャーキャーと声を上げたり、抱き合ったり、ハイタッチをしたり、喜び方は様々です。
リーフ「ありがとうございます!ちゃんとお返ししますね!」
ボルカノ「いや、おそらくそれは無理だろう。そのオーブの色が虹の7色のひとつで、7つ集めると虹が復活するというなら、そのオーブそのものが虹になってしまうんじゃないか?」
サリー「そうか……そうかも」
ボルカノ「気にせんでいい。長年そばにあったものだから寂しくはなるが、それがそいつの役目なんだろう」
ボルカノが片手を挙げると、オーブを持つ従者が進み出てきました。
ブラド「えっと、じゃあ、マリンが受け取る?」
マリン「え!?あたし??」
マリア「そうね。マリンが説得してくれたんだし」
ジャンヌ「マリン、お願い」
マリン「いや、そんなこと言ったって……どうすればいいのよ?」
ローズ「キューブに入れることができるって言ってたね」
キャッツ「オーブの方がおっきいけど、入るの?あれ」
ブラド「マリン!こう……グッと押し込んでみて!」
フィスト「絶対ちがうでしょ、それ(笑)」
マリン「ちょっとやめてよ!普通に触るだけでもちょっと怖いのに……えと、いいんですか?触って」
ブラド「ドカーーーーーーン!!」
マリン「やめろっていってるでしょ!!!」
ローズ「あははははは(笑)」
マリンの指先がレッドオーブに触れました。
そのとたん、キューブとオーブが激しく光ります。
そしてオーブがキューブの中に、煙のように形を変え、吸い込まれて行きました。
マリン「こ、これで……いいの?」
マリア「そうね。見たところ変化はないけど、『塔の声』が言ってた通り、中に入ってるんじゃない?」
マリンは恐る恐るキューブを持ち、振ってみたりしていますが、音は聞こえません。
ボルカノ「お嬢さん方の仕事は終わりだな。それじゃあ次は、大人たちの仕事といくか。おい、書く物を。知らせを出す」
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