9 / 189
第1章 旅立ち
第46話~第49話
しおりを挟む
**********
第46話 旅立ちの日
世界をひとつにする。
その使命を負った9人の出発を見送るのは、事情を知る国王と護衛の兵数名だけでした。
9人が最初に目指すのは、旅立ちの塔。
どんな試練が待ち受けているのかわからないまま、9人は朝の街道を歩きます。
ブラド「あー、荷物ないってほんと楽」
キャッツ「サリーさまさまだね!」
マリン「ねーねー、全員一瞬で塔まで運ぶ魔法とかないの?」
サリー「えっ、ごめん……そこまでは無理」
ジャンヌ「マリン、変なこと言わないの」
フィスト「気持ちはわかるけどねー(笑)」
ローズ「歩いて半日って言ってたから、途中でお昼ごはんだよね?」
マリア「うん。今日はお城でみんなのぶんのサンドイッチ作ってきたわ」
リーフ「マリアちゃんってほんと料理上手なんだね」
キャッツ「なんかさー、ピクニックみたいになってきたね(笑)」
ブラド「ま、楽しくないより楽しい方がいいじゃん」
ジャンヌ(どうしよう…………楽しい)
サリー「あの、ジャンヌちゃん?」
ジャンヌ「ん?なに?」
サリー「その鎧とか、剣とか盾とか、重くない?私、魔法で小さくして運ぶよ?」
ジャンヌ「あ、これ?大丈夫!私の役目は、多分戦うことだし、いつ魔物に襲われるかわからないでしょ?それに、これもトレーニングになるしね」
フィスト「相変わらず、すごいね。徹底してる」
ローズ「ジャンヌちゃんって努力家なんだね」
キャッツ「ねーねーサリー、私たちを小さくして運ぶことはできないの?」
サリー「ご、ごめん、無生物しかできないの」
ブラド「それだとサリーだけが歩くことになるでしょうが」
マリア「それはかわいそうよねー」
マリン「キャッツはジャンヌちゃんと大違いね」
キャッツ「うっさいわね」
サリー「あ、でも生き物はダメだけど、死んだ後なら小さくできるよ?そのときはするね♪」
キャッツ「……そ、そう?ありがと……」
ローズ「よかったね!キャッツちゃん!」
**********
第47話 旅立の日のランチ
マリア「みんな、そろそろお昼にしない?」
キャッツ「さんせー!」
マリン「さんせー!」
ブラド「あー、めっちゃお腹空いたー」
ジャンヌ「結局、午前中で魔物に襲われたのは一回だけだったね」
フィスト「襲われたのはね。それ以外の時間も、ジャンヌはずっと気を張りっぱなしだったでしょ?お昼ごはんのときくらいゆっくりしよ。私が周り見とくよ」
ジャンヌ「うん、ありがとう」
リーフ「魔物とか初めて見たからビックリしたー。あんなにおっきいアリとかいるんだね」
ローズ「ねー!本で見たことあるけど、直接見ると怖いよね」
キャッツ「でっかいアリの隣に同じサイズのアリクイもいたのは笑ったねー」
ブラド「『お前そのアリ食べへんのかい』言うてね(笑)。アリクイやろ(笑)。お腹いっぱいなるやん(笑)」
サリー「やめてーそんなの聞くとお腹減ってくるー」
マリン「そ、そうなの?変わってるね……」
マリア「じゃ、あの辺の木陰にしよっか。サリー、レジャーシートとアウトドア用のローテーブル、出してくれる?」
サリー「はーい」
ジャンヌ「…………」
フィスト「この先どうなるかわかんないけどさ、この9人なら、なんとかなりそうだね」
ジャンヌ「うん……(楽しい……)」
**********
第48話 食べ物の話
マリア「今日のお昼はミックスサンドです!ツナと、ハムチーズと、タマゴの3種類あるよ!」
キャッツ「すごーい!」
サリー「おいしそー!」
ジャンヌ「大変だったでしょ?ありがとね」
マリア「ううん、楽しいから♪」
フィスト「すごいよね、立派な特技だよ」
マリア「そんなことないよー!あ、リーフは野菜だけよね?こういうのは食べられる?お肉の代わりに、豆を茹でて濾して、小麦粉と混ぜて固めて焼いてみたの。お肉がない分、ボリュームが足りないかなって思ったんだけど、どうかな?」
ブラド「いやすごすぎ」
リーフ「ありがとーマリアちゃん!嬉しい!」
ローズ「リーフはなんで野菜しか食べないの?宗教上の理由?」
リーフ「い、いや、宗教とかはないんだけど、エルフの体は、動物を受け付けないの。それだけだよ」
フィスト「まあ人間も人種によって消化酵素とか分解酵素に違いあるみたいだしね。人間とエルフとじゃ違ってて当たり前か」
キャッツ「そっかー、なんか、草食動物みたいね」
ローズ「ひど(笑)」
**********
第49話 特技・料理
ジャンヌ「…………」
フィスト「…………」
サリー「…………」
マリン「…………」
ブラド「…………」
ローズ「…………」
キャッツ「…………」
マリア「ど、どうしたの?おいしくなかった?」
リーフ「…………」
キャッツ「めっちゃうまい!なにこれ!」
マリン「なんでサンドイッチがこんなにおいしくなるの?」
サリー「おいしい……」
ローズ「おいしいねー♪」
ジャンヌ「不思議……ほぼ素材そのまんまじゃないの?サンドイッチって」
フィスト「どうやったの?これ」
マリア「どうもなにも……そのまんま。マヨネーズはちょっと変えたかな。マヨネーズに少しだけカラシと砂糖と黒コショウ混ぜて……あ、リーフのにはマヨネーズ入ってないからね!」
リーフ「うん、ありがとう。ほんとおいしい。優しい味がする」
ブラド「それよ!それ!マリアの優しさが詰まった味よ」
サリー「……わかる気がする」
マリア「えー、そうなの?喜んでもらえるのは嬉しいけど、そんなにかなぁ」
ローズ「シスターの優しさだねー」
フィスト「でもさ、マリアがいなかったら、誰ができた?」
マリン「私は一応作るけど、こんなに栄養バランスとか考えられない」
リーフ「確かに……私のことも考えてくれて……ひとりだけ食べられるもの違うなんて、めんどくさいだけなのに……」
ジャンヌ「ちゃんとした食事を確保するっていうのも、旅にとっては欠かせないスキルよね」
ブラド「頼りにしてるよー、マリア」
ローズ「軽い(笑)」
第46話 旅立ちの日
世界をひとつにする。
その使命を負った9人の出発を見送るのは、事情を知る国王と護衛の兵数名だけでした。
9人が最初に目指すのは、旅立ちの塔。
どんな試練が待ち受けているのかわからないまま、9人は朝の街道を歩きます。
ブラド「あー、荷物ないってほんと楽」
キャッツ「サリーさまさまだね!」
マリン「ねーねー、全員一瞬で塔まで運ぶ魔法とかないの?」
サリー「えっ、ごめん……そこまでは無理」
ジャンヌ「マリン、変なこと言わないの」
フィスト「気持ちはわかるけどねー(笑)」
ローズ「歩いて半日って言ってたから、途中でお昼ごはんだよね?」
マリア「うん。今日はお城でみんなのぶんのサンドイッチ作ってきたわ」
リーフ「マリアちゃんってほんと料理上手なんだね」
キャッツ「なんかさー、ピクニックみたいになってきたね(笑)」
ブラド「ま、楽しくないより楽しい方がいいじゃん」
ジャンヌ(どうしよう…………楽しい)
サリー「あの、ジャンヌちゃん?」
ジャンヌ「ん?なに?」
サリー「その鎧とか、剣とか盾とか、重くない?私、魔法で小さくして運ぶよ?」
ジャンヌ「あ、これ?大丈夫!私の役目は、多分戦うことだし、いつ魔物に襲われるかわからないでしょ?それに、これもトレーニングになるしね」
フィスト「相変わらず、すごいね。徹底してる」
ローズ「ジャンヌちゃんって努力家なんだね」
キャッツ「ねーねーサリー、私たちを小さくして運ぶことはできないの?」
サリー「ご、ごめん、無生物しかできないの」
ブラド「それだとサリーだけが歩くことになるでしょうが」
マリア「それはかわいそうよねー」
マリン「キャッツはジャンヌちゃんと大違いね」
キャッツ「うっさいわね」
サリー「あ、でも生き物はダメだけど、死んだ後なら小さくできるよ?そのときはするね♪」
キャッツ「……そ、そう?ありがと……」
ローズ「よかったね!キャッツちゃん!」
**********
第47話 旅立の日のランチ
マリア「みんな、そろそろお昼にしない?」
キャッツ「さんせー!」
マリン「さんせー!」
ブラド「あー、めっちゃお腹空いたー」
ジャンヌ「結局、午前中で魔物に襲われたのは一回だけだったね」
フィスト「襲われたのはね。それ以外の時間も、ジャンヌはずっと気を張りっぱなしだったでしょ?お昼ごはんのときくらいゆっくりしよ。私が周り見とくよ」
ジャンヌ「うん、ありがとう」
リーフ「魔物とか初めて見たからビックリしたー。あんなにおっきいアリとかいるんだね」
ローズ「ねー!本で見たことあるけど、直接見ると怖いよね」
キャッツ「でっかいアリの隣に同じサイズのアリクイもいたのは笑ったねー」
ブラド「『お前そのアリ食べへんのかい』言うてね(笑)。アリクイやろ(笑)。お腹いっぱいなるやん(笑)」
サリー「やめてーそんなの聞くとお腹減ってくるー」
マリン「そ、そうなの?変わってるね……」
マリア「じゃ、あの辺の木陰にしよっか。サリー、レジャーシートとアウトドア用のローテーブル、出してくれる?」
サリー「はーい」
ジャンヌ「…………」
フィスト「この先どうなるかわかんないけどさ、この9人なら、なんとかなりそうだね」
ジャンヌ「うん……(楽しい……)」
**********
第48話 食べ物の話
マリア「今日のお昼はミックスサンドです!ツナと、ハムチーズと、タマゴの3種類あるよ!」
キャッツ「すごーい!」
サリー「おいしそー!」
ジャンヌ「大変だったでしょ?ありがとね」
マリア「ううん、楽しいから♪」
フィスト「すごいよね、立派な特技だよ」
マリア「そんなことないよー!あ、リーフは野菜だけよね?こういうのは食べられる?お肉の代わりに、豆を茹でて濾して、小麦粉と混ぜて固めて焼いてみたの。お肉がない分、ボリュームが足りないかなって思ったんだけど、どうかな?」
ブラド「いやすごすぎ」
リーフ「ありがとーマリアちゃん!嬉しい!」
ローズ「リーフはなんで野菜しか食べないの?宗教上の理由?」
リーフ「い、いや、宗教とかはないんだけど、エルフの体は、動物を受け付けないの。それだけだよ」
フィスト「まあ人間も人種によって消化酵素とか分解酵素に違いあるみたいだしね。人間とエルフとじゃ違ってて当たり前か」
キャッツ「そっかー、なんか、草食動物みたいね」
ローズ「ひど(笑)」
**********
第49話 特技・料理
ジャンヌ「…………」
フィスト「…………」
サリー「…………」
マリン「…………」
ブラド「…………」
ローズ「…………」
キャッツ「…………」
マリア「ど、どうしたの?おいしくなかった?」
リーフ「…………」
キャッツ「めっちゃうまい!なにこれ!」
マリン「なんでサンドイッチがこんなにおいしくなるの?」
サリー「おいしい……」
ローズ「おいしいねー♪」
ジャンヌ「不思議……ほぼ素材そのまんまじゃないの?サンドイッチって」
フィスト「どうやったの?これ」
マリア「どうもなにも……そのまんま。マヨネーズはちょっと変えたかな。マヨネーズに少しだけカラシと砂糖と黒コショウ混ぜて……あ、リーフのにはマヨネーズ入ってないからね!」
リーフ「うん、ありがとう。ほんとおいしい。優しい味がする」
ブラド「それよ!それ!マリアの優しさが詰まった味よ」
サリー「……わかる気がする」
マリア「えー、そうなの?喜んでもらえるのは嬉しいけど、そんなにかなぁ」
ローズ「シスターの優しさだねー」
フィスト「でもさ、マリアがいなかったら、誰ができた?」
マリン「私は一応作るけど、こんなに栄養バランスとか考えられない」
リーフ「確かに……私のことも考えてくれて……ひとりだけ食べられるもの違うなんて、めんどくさいだけなのに……」
ジャンヌ「ちゃんとした食事を確保するっていうのも、旅にとっては欠かせないスキルよね」
ブラド「頼りにしてるよー、マリア」
ローズ「軽い(笑)」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
魔法少女になれたなら【完結済み】
M・A・J・O
ファンタジー
【第5回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】
【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】
【第9回ネット小説大賞、一次選考突破!】
とある普通の女子小学生――“椎名結衣”はある日一冊の本と出会う。
そこから少女の生活は一変する。
なんとその本は魔法のステッキで?
魔法のステッキにより、強引に魔法少女にされてしまった結衣。
異能力の戦いに戸惑いながらも、何とか着実に勝利を重ねて行く。
これは人間の願いの物語。
愉快痛快なステッキに振り回される憐れな少女の“願い”やいかに――
謎に包まれた魔法少女劇が今――始まる。
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

Link's
黒砂糖デニーロ
ファンタジー
この世界には二つの存在がいる。
人類に仇なす不死の生物、"魔属”
そして魔属を殺せる唯一の異能者、"勇者”
人類と魔族の戦いはすでに千年もの間、続いている――
アオイ・イリスは人類の脅威と戦う勇者である。幼馴染のレン・シュミットはそんな彼女を聖剣鍛冶師として支える。
ある日、勇者連続失踪の調査を依頼されたアオイたち。ただの調査のはずが、都市存亡の戦いと、その影に蠢く陰謀に巻き込まれることに。
やがてそれは、世界の命運を分かつ事態に――
猪突猛進型少女の勇者と、気苦労耐えない幼馴染が繰り広げる怒涛のバトルアクション!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる