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呪われし村の異変
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わたしは女神ティアレに仕える大司教だ。幼い頃から神殿に売られ、口にするのは憚られるような仕事をしながら、邪魔なやつらを蹴落としてこの地位を得た。
みんな女神を心から信じた馬鹿な奴らだったよ。
女神の御技?そんなものが迷信だということも、女神なんかいないことも今じゃ見習い神官になる前の餓鬼だって知っているのにな。
要は大切なのは信仰心と言う名の金を集めることだ。
村を売られる時、泣き崩れる母を見ながら、きっと立派な神官になると誓ったあの日の自分が可愛く思える。
中央への足がかりにする上納金をもっと村々から搾り取る必要があるのだ!
村々から毎月加護に対する布施が、病のものが出れば、札を売りつけている。
助からなくても訴えるものはいない…
それは女神の怒りが解けなかったという意味だとみんな教えられて育つからだ。
馬鹿な群衆を操るのは容易い…
金づるは金を生み続けるから生かさず殺さずやらなければ…
しかし、最近気になることがある。
この皇国の端には呪われし村と呼ばれる村がある。
その名にふさわしく、毎月お布施もたんまりよこすし、よく病が出る。
しかし先月の終わりに布施が届かず…札も買いに来ないのだ…
病が出ないのだろうか?
かなり信仰が熱く、自らの食べるものを減らしても神に金を捧げていたのに…
なぜか嫌な予感がする。
少し偵察に行かねば。
形だけの祈りを切り上げ伏せた眼を薄く開き、一つ息をつく…。
『おい。ティアレのお告げだ。呪いの村に女神がお怒りだ。我々は女神の御使として、彼らに怒りを解く道を説きに行かねばならない。ソルリはいるか?』
年若い、枯れ枝のように細い神官が音もなく背後に立ち声を上げる。
『はい。こちらに…』
相変わらず不気味なやつだ…
『そなた、御使として呪われし村に赴き…女神のお告げを告げて参れ…』
小柄な神官は首を垂れ恭順の意を示した
『母なる女神の御心のままに。』
『母なる女神の鉄槌を持って。』
みんな女神を心から信じた馬鹿な奴らだったよ。
女神の御技?そんなものが迷信だということも、女神なんかいないことも今じゃ見習い神官になる前の餓鬼だって知っているのにな。
要は大切なのは信仰心と言う名の金を集めることだ。
村を売られる時、泣き崩れる母を見ながら、きっと立派な神官になると誓ったあの日の自分が可愛く思える。
中央への足がかりにする上納金をもっと村々から搾り取る必要があるのだ!
村々から毎月加護に対する布施が、病のものが出れば、札を売りつけている。
助からなくても訴えるものはいない…
それは女神の怒りが解けなかったという意味だとみんな教えられて育つからだ。
馬鹿な群衆を操るのは容易い…
金づるは金を生み続けるから生かさず殺さずやらなければ…
しかし、最近気になることがある。
この皇国の端には呪われし村と呼ばれる村がある。
その名にふさわしく、毎月お布施もたんまりよこすし、よく病が出る。
しかし先月の終わりに布施が届かず…札も買いに来ないのだ…
病が出ないのだろうか?
かなり信仰が熱く、自らの食べるものを減らしても神に金を捧げていたのに…
なぜか嫌な予感がする。
少し偵察に行かねば。
形だけの祈りを切り上げ伏せた眼を薄く開き、一つ息をつく…。
『おい。ティアレのお告げだ。呪いの村に女神がお怒りだ。我々は女神の御使として、彼らに怒りを解く道を説きに行かねばならない。ソルリはいるか?』
年若い、枯れ枝のように細い神官が音もなく背後に立ち声を上げる。
『はい。こちらに…』
相変わらず不気味なやつだ…
『そなた、御使として呪われし村に赴き…女神のお告げを告げて参れ…』
小柄な神官は首を垂れ恭順の意を示した
『母なる女神の御心のままに。』
『母なる女神の鉄槌を持って。』
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誤字報告
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買ってる×
ありがとうございます訂正いたします。