132 / 276
呪怨劇
34、対決~2、ぶつかりあう二人の術者~
しおりを挟む
「ほっほ、我が正体に気付きおったか、小僧」
「あぁ、おかげさんで」
突然現れた悪霊の言葉に、護は呪符を引き抜きながらそう返す。
その隣には、昨日よりも険しい顔をしている満の姿があった。
満の顔を見た道満は何かを引っかかるものがあるらしく、あごに指を添え、その違和感の正体について考え始める。
やがて、その違和感の正体に気づいたのか、軽くうなずき。
「そうかそうか。我が子孫が答えを持ってきたのだな?」
「あんたの子孫だなんて思うと、こっちは身の毛もよだつけどね……さっさと成敗されてくれない?」
「ふむ? 祖霊への礼がなっておらんのぉ」
「いや、あんたに敬意を払うのは難しいぞ、爺さん」
残念そうにため息をつく道満に、護は半眼でツッコミを入れた。
日本をはじめ、アジアの文化圏には、先祖を敬うべき、という風習がある。
だが、現在進行形で災厄を振りまいている先祖に対して礼儀をわきまえることができるだろうか。
その問いかけに、一地域で今も語られるほどの偉業を成し遂げた人物であれば話は変わるのだろうが十人中十人、できない、と答えるだろう。
「ふむ……まぁ、確かに、お主の先祖のようにいかぬかもしれんな」
「あんたは好奇心に走りすぎなんだよ、もうちょっと自重すりゃよかったのに」
「それこそ無理な話だ。わしの目的は呪術の追究ゆえの」
何気ない言葉のやり取りのように見える。
だが、その実、霊力と霊力がぶつかり合い、ピリピリとした感覚が肌を刺激していた。
まさに一触即発。どちらが先に仕掛けるかで、その後の戦局が大きく変わってくる。
そんな状況を変える声が、護の隣から響いてきた。
「貴様に敬意を払うつもりは一切ない! さっさと修祓されてしまえ!!」
「ほっほ、威勢のいい小娘よのぉ! ならば一つ、術比べとゆくか!!」
好々爺然とした笑みを浮かべたかと思った次の瞬間、ざわり、と全身の毛が逆立つ。
動きを注意深く観察していると、道満は無言で呪符を取り出し、静かに護たちのほうへと投げ捨てる。
その動きに、護は即座に対応し、呪符を投げ返したその瞬間、道満の呪符は蛇に、護の呪符は孔雀へと変わった。
蛇はまっすぐに護たちのほうへと向かっていったが、そのことごとくを孔雀が加え、飲み込んでいく。
「ほぉ、孔雀明王呪の応用じゃな?」
「種を明かすようなことをするとお思いか?」
問いかけてくる道満を睨み返し、護はさらに呪符を引き出し、道満に向かって投げつけたが、呪符はまったく見当違いの方向へと飛んでいく。
道満に一つも課する様子はなかった。
――ふむ? 何か狙いがあるのか、それとも的を外したのか
護の狙いに思考を巡らせるが、どのような結果がもたらされようと、回避する自身がある。
むしろ、どのような狙いでどのような術を使ってくるのか。
それが楽しみで仕方がないという様子で、道満は手印を結びながら笑みを浮かべている。
一方で。
「どこに投げているんだ?! 君の目は節穴か?!」
満は怒鳴りながら呪具を取り出そうとした。
だがその瞬間。
「縛っ!」
刀印を結んだ護が鋭い声をあげる。
その瞬間、明後日の方向へ投げられた呪符から、霊力をまとう光の鎖が伸びる。
光の鎖は道満へとまっすぐ飛んでいき、雁字搦めにした。
「ほっほぉっ!」
「木気以て火気生ず、急々如律令!!」
感心するような声を上げる中、護は木片を取り出し、道満に向かって投げつける。
木片は護の手を離れた瞬間、青白い炎をまとい、燃え始めた。
「ナウマクサンマンダ、ボダナン!タギャタテイビャク、サラバボッケイビャク、サラバタ、タラタ、センダマカロシャダ、ソハタヤ、ウン!!」
護はさらに不動明王印を結び、火界咒の真言を唱え始める。
その真言に合わせて、青白い炎は徐々に金色へと染まっていった。
「むぅ? これはさすがに厳しいかの?」
「とか言いながら、本当のところはあるんでしょう?抜け出る策が」
炎はすべてを清める、と言われている。
まして、不動明王の真言を受けた炎の中で飄々としている道満を見て、呆れたような表情を浮かべながら、護は問いかけた。
その問いかけに、やはり余裕があるらしい道満は、楽しそうに笑みを浮かべる。
「ほっほ!やはり、おぬしは聡いのぉ」
すると、道満は袖口から何か丸いものを取り出し、自分の頭上へと投げる。
いったい、何を投げたのか。護はその正体を確かめることができないまま、道満が呪文を紡ぐことを許してしまった。
「ナウマクサンマンダ、ボダナン、バルナヤ、ソワカ」
それは龍神の最高位に座しているという水天に雨を祈願する真言だった。
雨は水であり、水は火に克つ。
その体に水気をまとい、そのまま強引に火界咒を打ち破るつもりのようだ。
だが、それだけではない。
「解くる不動の縛り縄、緩まりきたれ!」
金縛り術を解く呪文もほぼ同時で発動させ、自分を雁字搦めにしている霊力の鎖を打ち砕いた。
――水天祈雨だけじゃなく、金縛り解除を同時に?! まったく違う呪法を同時に行使するって、どんな手際だよ?!
間違いなく今まで術比べをしてきた相手の中で、一番の強敵だ。
伝承の中に語られる存在であるとか、自分の先祖と同じ時代に生きていたとか。
そういった要因を一切排除したとしても、それは確かな事実だった。
――俺、まじで勝てるかな、こいつに……
命取りになることはわかっているのだが、護はつい、そんな不安を心中でこぼしてしまうのだった。
「あぁ、おかげさんで」
突然現れた悪霊の言葉に、護は呪符を引き抜きながらそう返す。
その隣には、昨日よりも険しい顔をしている満の姿があった。
満の顔を見た道満は何かを引っかかるものがあるらしく、あごに指を添え、その違和感の正体について考え始める。
やがて、その違和感の正体に気づいたのか、軽くうなずき。
「そうかそうか。我が子孫が答えを持ってきたのだな?」
「あんたの子孫だなんて思うと、こっちは身の毛もよだつけどね……さっさと成敗されてくれない?」
「ふむ? 祖霊への礼がなっておらんのぉ」
「いや、あんたに敬意を払うのは難しいぞ、爺さん」
残念そうにため息をつく道満に、護は半眼でツッコミを入れた。
日本をはじめ、アジアの文化圏には、先祖を敬うべき、という風習がある。
だが、現在進行形で災厄を振りまいている先祖に対して礼儀をわきまえることができるだろうか。
その問いかけに、一地域で今も語られるほどの偉業を成し遂げた人物であれば話は変わるのだろうが十人中十人、できない、と答えるだろう。
「ふむ……まぁ、確かに、お主の先祖のようにいかぬかもしれんな」
「あんたは好奇心に走りすぎなんだよ、もうちょっと自重すりゃよかったのに」
「それこそ無理な話だ。わしの目的は呪術の追究ゆえの」
何気ない言葉のやり取りのように見える。
だが、その実、霊力と霊力がぶつかり合い、ピリピリとした感覚が肌を刺激していた。
まさに一触即発。どちらが先に仕掛けるかで、その後の戦局が大きく変わってくる。
そんな状況を変える声が、護の隣から響いてきた。
「貴様に敬意を払うつもりは一切ない! さっさと修祓されてしまえ!!」
「ほっほ、威勢のいい小娘よのぉ! ならば一つ、術比べとゆくか!!」
好々爺然とした笑みを浮かべたかと思った次の瞬間、ざわり、と全身の毛が逆立つ。
動きを注意深く観察していると、道満は無言で呪符を取り出し、静かに護たちのほうへと投げ捨てる。
その動きに、護は即座に対応し、呪符を投げ返したその瞬間、道満の呪符は蛇に、護の呪符は孔雀へと変わった。
蛇はまっすぐに護たちのほうへと向かっていったが、そのことごとくを孔雀が加え、飲み込んでいく。
「ほぉ、孔雀明王呪の応用じゃな?」
「種を明かすようなことをするとお思いか?」
問いかけてくる道満を睨み返し、護はさらに呪符を引き出し、道満に向かって投げつけたが、呪符はまったく見当違いの方向へと飛んでいく。
道満に一つも課する様子はなかった。
――ふむ? 何か狙いがあるのか、それとも的を外したのか
護の狙いに思考を巡らせるが、どのような結果がもたらされようと、回避する自身がある。
むしろ、どのような狙いでどのような術を使ってくるのか。
それが楽しみで仕方がないという様子で、道満は手印を結びながら笑みを浮かべている。
一方で。
「どこに投げているんだ?! 君の目は節穴か?!」
満は怒鳴りながら呪具を取り出そうとした。
だがその瞬間。
「縛っ!」
刀印を結んだ護が鋭い声をあげる。
その瞬間、明後日の方向へ投げられた呪符から、霊力をまとう光の鎖が伸びる。
光の鎖は道満へとまっすぐ飛んでいき、雁字搦めにした。
「ほっほぉっ!」
「木気以て火気生ず、急々如律令!!」
感心するような声を上げる中、護は木片を取り出し、道満に向かって投げつける。
木片は護の手を離れた瞬間、青白い炎をまとい、燃え始めた。
「ナウマクサンマンダ、ボダナン!タギャタテイビャク、サラバボッケイビャク、サラバタ、タラタ、センダマカロシャダ、ソハタヤ、ウン!!」
護はさらに不動明王印を結び、火界咒の真言を唱え始める。
その真言に合わせて、青白い炎は徐々に金色へと染まっていった。
「むぅ? これはさすがに厳しいかの?」
「とか言いながら、本当のところはあるんでしょう?抜け出る策が」
炎はすべてを清める、と言われている。
まして、不動明王の真言を受けた炎の中で飄々としている道満を見て、呆れたような表情を浮かべながら、護は問いかけた。
その問いかけに、やはり余裕があるらしい道満は、楽しそうに笑みを浮かべる。
「ほっほ!やはり、おぬしは聡いのぉ」
すると、道満は袖口から何か丸いものを取り出し、自分の頭上へと投げる。
いったい、何を投げたのか。護はその正体を確かめることができないまま、道満が呪文を紡ぐことを許してしまった。
「ナウマクサンマンダ、ボダナン、バルナヤ、ソワカ」
それは龍神の最高位に座しているという水天に雨を祈願する真言だった。
雨は水であり、水は火に克つ。
その体に水気をまとい、そのまま強引に火界咒を打ち破るつもりのようだ。
だが、それだけではない。
「解くる不動の縛り縄、緩まりきたれ!」
金縛り術を解く呪文もほぼ同時で発動させ、自分を雁字搦めにしている霊力の鎖を打ち砕いた。
――水天祈雨だけじゃなく、金縛り解除を同時に?! まったく違う呪法を同時に行使するって、どんな手際だよ?!
間違いなく今まで術比べをしてきた相手の中で、一番の強敵だ。
伝承の中に語られる存在であるとか、自分の先祖と同じ時代に生きていたとか。
そういった要因を一切排除したとしても、それは確かな事実だった。
――俺、まじで勝てるかな、こいつに……
命取りになることはわかっているのだが、護はつい、そんな不安を心中でこぼしてしまうのだった。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
アレイスター・テイル
ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ
ファンタジー
一ノ瀬和哉は普通の高校生だった。
ある日、突然現れた少女とであり、魔導師として現世と魔導師の世界を行き来することになる。
現世×ファンタジー×魔法 物語
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
ドラゴンさんの現代転生
家具屋ふふみに
ファンタジー
人が栄え、幸福に満ちた世界。それを遠くから見届け続けた始祖龍のレギノルカは、とても満足していた。
時に人に知恵を与え。
時に人と戦い。
時に人と過ごした。
この世に思い残す事などほぼ無く、自らの使命を全うしたと自信を持てる。
故にレギノルカは神界へと渡り……然してそこで新たなる生を受ける。
「……母君よ。妾はこの世界に合わぬと思うのだが」
これはふと人として生きてみたいと願ったドラゴンさんが、現代に転生して何だかんだダンジョンに潜って人を助けたり、幼馴染とイチャイチャしたりする、そんなお話。
ちなみに得意料理はオムライス。嫌いな食べ物はセロリですって。
カフェ・ユグドラシル
白雪の雫
ファンタジー
辺境のキルシュブリューテ王国に、美味い料理とデザートを出すカフェ・ユグドラシルという店があった。
この店を経営しているのは、とある準男爵夫妻である。
準男爵の妻である女性は紗雪といい、数年前にウィスティリア王国の王太子であるエドワード、彼女と共に異世界召喚された近藤 茉莉花、王国騎士であるギルバードとラルク、精霊使いのカーラと共に邪神を倒したのだ。
表向きはそう伝わっているが、事実は大いに異なる。
エドワードとギルバード、そして茉莉花は戦いと邪神の恐ろしさにgkbrしながら粗相をしていただけで、紗雪一人で倒したのだ。
邪神を倒しウィスティリア王国に凱旋したその日、紗雪はエドワードから「未来の王太子妃にして聖女である純粋無垢で可憐なマリカに嫉妬して虐めた」という事実無根な言いがかりをつけられた挙句、国外追放を言い渡されてしまう。
(純粋無垢?可憐?プフー。近藤さんってすぐにやらせてくれるから、大学では『ヤリマン』とか『サセコ』って呼ばれていたのですけどね。それが原因で、現在は性病に罹っているのよ?しかも、高校時代に堕胎をしている女を聖女って・・・。性女の間違いではないの?それなのに、お二人はそれを知らずにヤリマン・・・ではなく、近藤さんに手を出しちゃったのね・・・。王太子殿下と騎士さんの婚約者には、国を出る前に真実を伝えた上で婚約を解消する事を勧めておくとしましょうか)
「王太子殿下のお言葉に従います」
羽衣と霊剣・蜉蝣を使って九尾の一族を殲滅させた直後の自分を聖女召喚に巻き込んだウィスティリア王国に恨みを抱えていた紗雪は、その時に付与されたスキル【ネットショップ】を使って異世界で生き抜いていく決意をする。
紗雪は天女の血を引くとも言われている千年以上続く陰陽師の家に生まれた巫女にして最強の退魔師です。
篁家についてや羽衣の力を借りて九尾を倒した辺りは、後に語って行こうかと思っています。
風俗探偵 千寿 理(せんじゅ おさむ)
幻田恋人
大衆娯楽
俺の名前は千寿 理(せんじゅ おさむ)
日本最大の風俗の街カブキ町で探偵事務所を構えている、しがない探偵だ。
俺の仕事は依頼人の頼みとあれば、何でも引き受ける萬屋稼業。
俺は風俗と掃き溜めの街、このカブキ町を愛してる。
ここに繰り広げられる様々な人間達の喜怒哀楽…
ここで働く風俗嬢達は、みんな俺の身内だ。
彼女達を理不尽な暴力から護るのも俺の大事な仕事だ。
下手に手を出す奴は俺が容赦なく叩きのめす。
覚悟しておくんだな。
さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~
みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。
生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。
夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。
なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。
きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。
お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。
やっと、私は『私』をやり直せる。
死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。
こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
※コミカライズ進行中。
なんか気が付いたら目の前に神様がいた。
異世界に転生させる相手を間違えたらしい。
元の世界に戻れないと謝罪を受けたが、
代わりにどんなものでも手に入るスキルと、
どんな食材かを理解するスキルと、
まだ見ぬレシピを知るスキルの、
3つの力を付与された。
うまい飯さえ食えればそれでいい。
なんか世界の危機らしいが、俺には関係ない。
今日も楽しくぼっち飯。
──の筈が、飯にありつこうとする奴らが集まってきて、なんだか騒がしい。
やかましい。
食わせてやるから、黙って俺の飯を食え。
貰った体が、どうやら勇者様に与える筈のものだったことが分かってきたが、俺には戦う能力なんてないし、そのつもりもない。
前世同様、野菜を育てて、たまに狩猟をして、釣りを楽しんでのんびり暮らす。
最近は精霊の子株を我が子として、親バカ育児奮闘中。
更新頻度……深夜に突然うまいものが食いたくなったら。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる