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呪怨劇
4、抱く恋心と嫉妬心
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日本の霊的守護を行う内務省直属の機関、特殊事例調査局。
その局長である賀茂保通は目の前に置かれているパソコンの画面とにらめっこをくりひろげていた。
――まさか、あの男が東京に来るとはな
にらみつけていたパソコンの画面に表示されていた画像は、一人の老人のものだった。
一見すれば、本当にただの老人なのだが、その画像に写っている老人に何かしらの違和感を感じ取ることはできるはずだ。
なぜなら、老人の視線はまっすぐにカメラの方へと向いている。
たまたま、老人が視線を向けた先にカメラのレンズがあったというわけではなく、明らかにカメラを意識して視線を向けているようだ。
それだけでも十分に不気味なのだが、画面越しにこちらへむけられてくる視線は、まるで見ている人間を見透かそうとしているかのようで不気味さを覚える。
だが、保通が顔を険しくしている理由はその不気味さとは別にあった。
――この男が出てきたとなれば、調査局だけではどうにもならん。せめて、土御門と芦屋には連絡を入れておくべきか
画像とのにらめっこを繰り広げていた保通は、突如、そう判断を下した。
芦屋とは、平安時代に安倍晴明とともにその名を轟かせた野法師、芦屋道満の子孫とされる一族のこと。
祖先のその来歴ゆえか、芦屋家は調査局だけでなく、いかなる組織にも所属することはなく、組織を立ち上げることもなく、フリーランスとして活動している。
そしてそれは、土御門家も同じこと。
本来、調査局に所属していない術者に対し、仕事を依頼することはあっても、調査協力を要請することはない。
いつぞやは、土御門家の嫡男が調査局の仕事に協力したことはあるのだが、あの時は偶然が重なっただけで、本来ならありえないことだ。
だが、今回はその例外を決断するほど、老人が重要人物であるらしい。
「まさか、代々の局長を悩ませてきたあいつが私の時にも出てくるとはなぁ……」
そっとため息をつきながら、保通はうなだれた。
代々の調査局長を悩ませてきた人物というのは、言わずもがな、目の前で画像越しにこちらを見てきている老人だ。
彼は調査局に対し、挑発とも取れるような霊的事件を引き起こしており、テロリストのように扱われていた。
奇しくも彼は、自ら保通が協力を要請しようとした芦屋家の祖先とされる人物、芦屋道満を名乗っている。
----------------------------
その頃。
奇しくも護に助けられた佳代は、念のため、職員室へと向かっている。
職員室に呼ばれるようなことをした覚えはないのだが、護が自分を連れ出した理由が本当であったことも考慮しての行動だった。
もっとも、佳代の予想通り、先生が呼んでいる、というのは嘘であったのだが。
だが、そのせいで余計にわからなくなってしまった。
――それじゃなんで、土御門くんはわたしを?
護の人間嫌い、というよりも交友範囲の狭さと頑なに人との接触を断つ態度は、クラスどころか同学年であればだれでも知っていることだ。
それに何より、護は率先して人助けをするようなお人好しではないことは、佳代も知っていた。
困っている人間が目の前にいるからといって、助けるようなことはしない。
――だったら、なんでわたしを?
わからないことだらけで、佳代の頭は混乱し始めていた。
だが、わからないことだらけのその中であっても、自分を助けてくれた、という事実は変わらない。
それはつまり、それだけ、自分が護にとって特別であるということ。
――もしかして、土御門くん、わたしのことを?
ありえない話ではない。
特別だからこそ、好意を抱いているからこそ、自分を助けてくれたのではないか。
そう感じた瞬間、佳代の胸のうちにちりちりと焼ける炎が現れた。
その炎の正体が何であるかを悟るには、あまり時間はいらなかった。炎が現れたと同時に、佳代の脳裏に浮かんできた光景。護と月美が親し気に話している様子や一緒に登下校している光景がその理由となっていると、すぐにわかったのだから。
――わかってる。これは嫉妬……土御門くんの近くには、いつも風森さんがいるから。風森さんと一緒にいるときだけ、土御門くんの顔が優しくなるから……
自分では、彼にあんな顔をさせてあげることはできない。できるはずもない。
だから、彼に安らぎを与えられることができる彼女にどうしようもなく嫉妬している。
けれど、自分ではどうすることもできない。
――他人の顔色伺っておどおどして、自分の言葉も伝えられないほど臆病なわたしなんて特に……
自分のそんな一面に嫌気がさしてきたその時だった。
――ならば、おぬしに力を授けてやろうかえ?
耳の奥に、張りつくような低い声が聞こえてくる。
声がどこから聞こえてくるのかわからず、周囲を見回すと、目の前に一人の老人が佇んでいることに気づいた。
「ひっ?!」
「ひっひっひ、そうおびえなさるな。わしはおぬしの味方ぞ」
老人はどこか油断ならない微笑みを浮かべながら、佳代にそう告げてくる。
佳代には、この老人が本当に味方なのかどうかはわからないし、判断するにも材料が少なすぎた。
だが、一つだけ確かなのは、自分に何かしらの力を授けようとしてくれているということ。
もし、その力を得ることができたのなら。
――わたしを振り向いてくれるかしら?話しかけてくれるかしら?それとも……
自分を、特別に思ってくれるだろうか。
そんな思考が頭の中をよぎり。
「力を、ください」
その一言を呟いてしまった。
それが佳代自身にどのような結果をもたらすのか、彼女自身が知らないまま。
だが、そんなことは知ったことなし、とでも言いたそうに、老人の顔は歪んだ笑みを浮かべていた。
その局長である賀茂保通は目の前に置かれているパソコンの画面とにらめっこをくりひろげていた。
――まさか、あの男が東京に来るとはな
にらみつけていたパソコンの画面に表示されていた画像は、一人の老人のものだった。
一見すれば、本当にただの老人なのだが、その画像に写っている老人に何かしらの違和感を感じ取ることはできるはずだ。
なぜなら、老人の視線はまっすぐにカメラの方へと向いている。
たまたま、老人が視線を向けた先にカメラのレンズがあったというわけではなく、明らかにカメラを意識して視線を向けているようだ。
それだけでも十分に不気味なのだが、画面越しにこちらへむけられてくる視線は、まるで見ている人間を見透かそうとしているかのようで不気味さを覚える。
だが、保通が顔を険しくしている理由はその不気味さとは別にあった。
――この男が出てきたとなれば、調査局だけではどうにもならん。せめて、土御門と芦屋には連絡を入れておくべきか
画像とのにらめっこを繰り広げていた保通は、突如、そう判断を下した。
芦屋とは、平安時代に安倍晴明とともにその名を轟かせた野法師、芦屋道満の子孫とされる一族のこと。
祖先のその来歴ゆえか、芦屋家は調査局だけでなく、いかなる組織にも所属することはなく、組織を立ち上げることもなく、フリーランスとして活動している。
そしてそれは、土御門家も同じこと。
本来、調査局に所属していない術者に対し、仕事を依頼することはあっても、調査協力を要請することはない。
いつぞやは、土御門家の嫡男が調査局の仕事に協力したことはあるのだが、あの時は偶然が重なっただけで、本来ならありえないことだ。
だが、今回はその例外を決断するほど、老人が重要人物であるらしい。
「まさか、代々の局長を悩ませてきたあいつが私の時にも出てくるとはなぁ……」
そっとため息をつきながら、保通はうなだれた。
代々の調査局長を悩ませてきた人物というのは、言わずもがな、目の前で画像越しにこちらを見てきている老人だ。
彼は調査局に対し、挑発とも取れるような霊的事件を引き起こしており、テロリストのように扱われていた。
奇しくも彼は、自ら保通が協力を要請しようとした芦屋家の祖先とされる人物、芦屋道満を名乗っている。
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その頃。
奇しくも護に助けられた佳代は、念のため、職員室へと向かっている。
職員室に呼ばれるようなことをした覚えはないのだが、護が自分を連れ出した理由が本当であったことも考慮しての行動だった。
もっとも、佳代の予想通り、先生が呼んでいる、というのは嘘であったのだが。
だが、そのせいで余計にわからなくなってしまった。
――それじゃなんで、土御門くんはわたしを?
護の人間嫌い、というよりも交友範囲の狭さと頑なに人との接触を断つ態度は、クラスどころか同学年であればだれでも知っていることだ。
それに何より、護は率先して人助けをするようなお人好しではないことは、佳代も知っていた。
困っている人間が目の前にいるからといって、助けるようなことはしない。
――だったら、なんでわたしを?
わからないことだらけで、佳代の頭は混乱し始めていた。
だが、わからないことだらけのその中であっても、自分を助けてくれた、という事実は変わらない。
それはつまり、それだけ、自分が護にとって特別であるということ。
――もしかして、土御門くん、わたしのことを?
ありえない話ではない。
特別だからこそ、好意を抱いているからこそ、自分を助けてくれたのではないか。
そう感じた瞬間、佳代の胸のうちにちりちりと焼ける炎が現れた。
その炎の正体が何であるかを悟るには、あまり時間はいらなかった。炎が現れたと同時に、佳代の脳裏に浮かんできた光景。護と月美が親し気に話している様子や一緒に登下校している光景がその理由となっていると、すぐにわかったのだから。
――わかってる。これは嫉妬……土御門くんの近くには、いつも風森さんがいるから。風森さんと一緒にいるときだけ、土御門くんの顔が優しくなるから……
自分では、彼にあんな顔をさせてあげることはできない。できるはずもない。
だから、彼に安らぎを与えられることができる彼女にどうしようもなく嫉妬している。
けれど、自分ではどうすることもできない。
――他人の顔色伺っておどおどして、自分の言葉も伝えられないほど臆病なわたしなんて特に……
自分のそんな一面に嫌気がさしてきたその時だった。
――ならば、おぬしに力を授けてやろうかえ?
耳の奥に、張りつくような低い声が聞こえてくる。
声がどこから聞こえてくるのかわからず、周囲を見回すと、目の前に一人の老人が佇んでいることに気づいた。
「ひっ?!」
「ひっひっひ、そうおびえなさるな。わしはおぬしの味方ぞ」
老人はどこか油断ならない微笑みを浮かべながら、佳代にそう告げてくる。
佳代には、この老人が本当に味方なのかどうかはわからないし、判断するにも材料が少なすぎた。
だが、一つだけ確かなのは、自分に何かしらの力を授けようとしてくれているということ。
もし、その力を得ることができたのなら。
――わたしを振り向いてくれるかしら?話しかけてくれるかしら?それとも……
自分を、特別に思ってくれるだろうか。
そんな思考が頭の中をよぎり。
「力を、ください」
その一言を呟いてしまった。
それが佳代自身にどのような結果をもたらすのか、彼女自身が知らないまま。
だが、そんなことは知ったことなし、とでも言いたそうに、老人の顔は歪んだ笑みを浮かべていた。
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