41 / 276
奮闘記
41、事件後の穏やかなひと時
しおりを挟む
事件が終結してから、二日が経過した。
伊邪那美との戦いで負った傷や霊力を使いすぎただけでない。
それまで封じてきた神通力を使ったことによる疲労もあって、護はあてがわれた部屋で療養を余儀なくされていた。
――さすがに二日経ったから、ある程度は回復したみたいだな……本当なら、もう少し安静にしておくべきなんだろうけど
本当はもう少し寝ていた方がいいかもしれないのだが、事件のその後について知っておかなくてはならないと思い、護は事件について取り上げた記事を探す。
ふと、一つの記事が目に入り、護は文字を追いかけ始めた。
――数ヶ月前からの失踪していた若者が無事に保護されたが、残念ながら数名は衰弱死していた。救助された若者はインタビューで「記憶がない」と供述している、か
どうやら、救助された被害者たちは全員、記憶を失っているらしい。
被害者たちの証言がない以上、真相はいまだ闇の中であるという認識がされるのは仕方のないことだ。
ほかにもないか探してみると、同じような内容の記事がいくつも見つかった。
その中には、突飛ではあるが独自の見解を述べているものもあり。
――身代金の存在しない誘拐事件に、集団家出。まぁ、その見解が現実的なところだよな宇宙人に誘拐されたってのはともかく、神隠しってのは言い得て妙というか……
あまりに頓珍漢な内容に苦笑を浮かべている。
いずれにしても今回の事件は、何も知らない人々から見たら、不可解な点が多い。
これ以上、調査が進展することはないことがわかると、護はそっとため息をつく。
――ま、予想通りの反応だよな。記者たちは自分の目で見てきたわけじゃねぇし、理解しようなんて気持ちは最初からないんだろうし
そんな感想を心中でつぶやきながら、静かに新聞や雑誌を元の位置に戻す。
人間は実際に見たり、聞いたり、触れたりできない存在を認識することは不可能だ。
理解する努力すらすることもない。
未確認生命体《U.M.A》や未確認飛行物体《U.F.O》などは、伝承や映像資料からその存在を科学的に解明しようとする人々は多い。
その一方、霊能力者を集めて霊視を行わせたり、超能力者を集めて実際に超能力を使わせたりすることはあっても、科学的に検証することはかなり少ない。
過去に、超能力や霊視を検証する実験が行われたが、ペテンである可能性が高いことを新聞記事が報じて以来、霊視や超能力は眉唾ものとして扱われるようになった。
――有史以前は指導者の立場にもなれる特別な人間だったのに、科学万能時代を迎えたとたん、ペテン師扱い。科学に染まるってんなら、イギリスみたく超心理学の研究にも力を入れりゃいいのに
そっとため息をつきながら、護は心中でそうつぶやく。
イギリスを中心に超心理学の分野の研究が盛んに行われているという話は聞いたことがある。
だが、はたして、研究に携わっていない一般人がどのような感情を抱いているのか、わかったものではない。
一通り、片付けを終えると、護は目の前でコーヒーを淹れている友護に何の気もなしに話しかけた。
「なんというか、今の記者って、本気で真実を追おうってことはしないんですかね?」
「さてな。少なくとも、政治や経済、文化、国際問題を追っているジャーナリストは違うんだろう」
「それ以外の、芸能関係とかは?」
「あいつらは基本的にスキャンダル狙いだろ。で、オカルト記事を書いている連中は、与えられた「事実」を追うのが仕事だ。真実なんて、どうでもいいんだろうさ」
護の問いかけに答えながら、友護は淹れたコーヒーを二つのカップに移し、一つを護の目の前に置きながら答える。
友護もまた、護と同じで人間という生き物を、あまりいいものだとは思っていない。
かくいう自分もまた人間であることに間違いはない。
だが。
「謎のままにしときゃいいものをほじくり返して、好奇心や面白おかしく書き上げて傷つく人間や誰かの古傷をほじくり返しているかもしれないって考えないのはいただけねぇよな」
そして、それはジャーナリストだけならばまだしも、そうではない人間にも備わっている気質であるから、困ったものだ。
そういうどうしようもない一面が、友護に人間をあまり好ましいものと思わせている要因であった。
もっとも、友護は目の前にいる弟分とは違い。
「ま、それでもそれなりに面白いからな、人間ってのは」
「そんなもんですかね?」
友護の言葉に、護はため息をつきながら、目の前に置かれたカップに手を伸ばす。
伸ばしたその手には、今も白い包帯が巻かれている。
伊邪那美との戦いでできた傷がまだ治りきっていないようだ。
――母さんの話じゃ、月美って子を守るために無茶したってことだったよな。これで何とも思ってねぇんだから、すげぇもんだよこいつは
ちらりと見えた包帯を見て、友護は護から聞いた話を思い出していた。
自分が傷ついたり、危険な目にあったりすることにためらいがないのか、その時に聞いてみたが。
『名付けてくれた人の願いに応えたまでのことです』
と、その時はあっさりと答えていた。
その力を誤ったことに使わず、何かを護ることに使ってほしい。
護の両親はそう願って、彼に名前《呪》をつけた。
彼の行動が、魂を縛り付ける言霊に強く影響していることは、友護でも容易に想像できる。
だが、その結果。
――危うくあの子は置いていかれるところであった。何より、この世界に一人、大きな可能性を持った人間が消えることになるところだった……
今後も自分の命をなげうってまで、何かを護ろうとする行動をとるであろうことに、友護は少しばかり懸念の色を浮かべていた。
だが、それもまた、護の心の在り方である。
――ま、自分がどうこういう資格はないか
改めてそう思いながら、手にしたカップを手元に置いて、友護は護に問いかけた。
「そういえば、護くんはいつ東京に戻るんだい?」
「そうですね……」
問われた本人は、カップを持ったまま、視線を、今も湯気が立っているコーヒーに落とす。
正直、いつ帰ろうか、悩んでいる。
戻らなければならないことはわかっているから、その心づもりはしていた。
しかし、この一件で色々なことがありすぎて、いまだ心の整理がついていない。
そのためか、もう少し、ここにいたいという気持ちがあった。
――いや、心の整理がついていないからだけじゃないな
そっとため息をつきながら、護は心中でそうつぶやく。
現在、護の胸中には、いくつかの不安が渦巻いている。
特に不安を感じているものが、月美が支払った対価と彼女のこれからのことについてだった。
彼女の衣食住については、両親に連絡してあるから事情は理解しているはずだ。
屋敷か、最悪、神社の近くに月美のための部屋を用意してくれているだろう。
それに、転校に関する手続きもやってくれているはずだから、その点についてはもんだいない。
――心配なのは、こっちの受け入れ態勢ができてるかどうかより、月美の心の準備が整っているかどうかなんだよな
護としては、月美の準備ができ次第、いつ出立してもかまわないと思っている。
だが同時に、もう少し時間が必要になるのではないかとも思っている。
なにせ、これから月美は生まれ育った生まれ育った家を出ていくことになるのだ。
慣れ親しんだ土地を離れ、別の場所に移住するということに対して、簡単に受け入れることができるとは思えなかった。
――月美自身がどう思っているかわからないけど、大丈夫な状態になるまでまだ少しかかるだろうしなぁ
だからこそ、心の準備が整うまでの間にやっておきたい、いや、やっておかなければならないことがある。
そのことも含めて、かかる時間はおそらく。
「三日後、くらいでしょうか」
と、護は勝手にそう予想して、友護の質問に答えた。
その言葉を聞いた友護は、少し悲しげな表情を浮かべ。
「そうか」
とうなずいていた。
だが、その表情はすぐに微笑みに変わり。
「けど、十一月にはまた来るんだろ?」
「えぇ……それができればいいんですがね」
友護の問いかけに、護は苦笑しながら答えを返す。
今後がどうなるかわからない以上、必ず来るという約束はできない。
それに。
――今年は月美が慣れるまでサポートしたいし、来年は受験だからなぁ……
向こう二年は、やることが多すぎる。
さすがに、出雲を再訪することは難しいと考えていた。
その考えが読まれたのか。
「まぁ、来年は受験だしな。時間に余裕ができたら、あの子と一緒に来たらしい」
あの子、とは月美のことをさしているのだと、すぐに察することができた。
わかっていたことだが、月美の対価は亜妃だけでなく、友護にも強制されていたようだ。
だが、二人の記憶から月美の存在についての記憶を完全に消されていなかったらしい。
たしかに、亜妃と友護の中に、月美の思い出はすでになくなっているし、すでに血のつながりのないまったくの他人であると認識している。
だが、それまで過ごしてきた時間の影響なのか、月美のことを赤の他人として切り離すことはできないようだ。
大切であるとまではいかないものの、まったくの他人とは思えないという風森家の人々の月美に対する印象に、護は切なさを感じながらも。
「えぇ。そうします」
寂しげに微笑み、必ず、二人でこの地を訪れることを約束した。
伊邪那美との戦いで負った傷や霊力を使いすぎただけでない。
それまで封じてきた神通力を使ったことによる疲労もあって、護はあてがわれた部屋で療養を余儀なくされていた。
――さすがに二日経ったから、ある程度は回復したみたいだな……本当なら、もう少し安静にしておくべきなんだろうけど
本当はもう少し寝ていた方がいいかもしれないのだが、事件のその後について知っておかなくてはならないと思い、護は事件について取り上げた記事を探す。
ふと、一つの記事が目に入り、護は文字を追いかけ始めた。
――数ヶ月前からの失踪していた若者が無事に保護されたが、残念ながら数名は衰弱死していた。救助された若者はインタビューで「記憶がない」と供述している、か
どうやら、救助された被害者たちは全員、記憶を失っているらしい。
被害者たちの証言がない以上、真相はいまだ闇の中であるという認識がされるのは仕方のないことだ。
ほかにもないか探してみると、同じような内容の記事がいくつも見つかった。
その中には、突飛ではあるが独自の見解を述べているものもあり。
――身代金の存在しない誘拐事件に、集団家出。まぁ、その見解が現実的なところだよな宇宙人に誘拐されたってのはともかく、神隠しってのは言い得て妙というか……
あまりに頓珍漢な内容に苦笑を浮かべている。
いずれにしても今回の事件は、何も知らない人々から見たら、不可解な点が多い。
これ以上、調査が進展することはないことがわかると、護はそっとため息をつく。
――ま、予想通りの反応だよな。記者たちは自分の目で見てきたわけじゃねぇし、理解しようなんて気持ちは最初からないんだろうし
そんな感想を心中でつぶやきながら、静かに新聞や雑誌を元の位置に戻す。
人間は実際に見たり、聞いたり、触れたりできない存在を認識することは不可能だ。
理解する努力すらすることもない。
未確認生命体《U.M.A》や未確認飛行物体《U.F.O》などは、伝承や映像資料からその存在を科学的に解明しようとする人々は多い。
その一方、霊能力者を集めて霊視を行わせたり、超能力者を集めて実際に超能力を使わせたりすることはあっても、科学的に検証することはかなり少ない。
過去に、超能力や霊視を検証する実験が行われたが、ペテンである可能性が高いことを新聞記事が報じて以来、霊視や超能力は眉唾ものとして扱われるようになった。
――有史以前は指導者の立場にもなれる特別な人間だったのに、科学万能時代を迎えたとたん、ペテン師扱い。科学に染まるってんなら、イギリスみたく超心理学の研究にも力を入れりゃいいのに
そっとため息をつきながら、護は心中でそうつぶやく。
イギリスを中心に超心理学の分野の研究が盛んに行われているという話は聞いたことがある。
だが、はたして、研究に携わっていない一般人がどのような感情を抱いているのか、わかったものではない。
一通り、片付けを終えると、護は目の前でコーヒーを淹れている友護に何の気もなしに話しかけた。
「なんというか、今の記者って、本気で真実を追おうってことはしないんですかね?」
「さてな。少なくとも、政治や経済、文化、国際問題を追っているジャーナリストは違うんだろう」
「それ以外の、芸能関係とかは?」
「あいつらは基本的にスキャンダル狙いだろ。で、オカルト記事を書いている連中は、与えられた「事実」を追うのが仕事だ。真実なんて、どうでもいいんだろうさ」
護の問いかけに答えながら、友護は淹れたコーヒーを二つのカップに移し、一つを護の目の前に置きながら答える。
友護もまた、護と同じで人間という生き物を、あまりいいものだとは思っていない。
かくいう自分もまた人間であることに間違いはない。
だが。
「謎のままにしときゃいいものをほじくり返して、好奇心や面白おかしく書き上げて傷つく人間や誰かの古傷をほじくり返しているかもしれないって考えないのはいただけねぇよな」
そして、それはジャーナリストだけならばまだしも、そうではない人間にも備わっている気質であるから、困ったものだ。
そういうどうしようもない一面が、友護に人間をあまり好ましいものと思わせている要因であった。
もっとも、友護は目の前にいる弟分とは違い。
「ま、それでもそれなりに面白いからな、人間ってのは」
「そんなもんですかね?」
友護の言葉に、護はため息をつきながら、目の前に置かれたカップに手を伸ばす。
伸ばしたその手には、今も白い包帯が巻かれている。
伊邪那美との戦いでできた傷がまだ治りきっていないようだ。
――母さんの話じゃ、月美って子を守るために無茶したってことだったよな。これで何とも思ってねぇんだから、すげぇもんだよこいつは
ちらりと見えた包帯を見て、友護は護から聞いた話を思い出していた。
自分が傷ついたり、危険な目にあったりすることにためらいがないのか、その時に聞いてみたが。
『名付けてくれた人の願いに応えたまでのことです』
と、その時はあっさりと答えていた。
その力を誤ったことに使わず、何かを護ることに使ってほしい。
護の両親はそう願って、彼に名前《呪》をつけた。
彼の行動が、魂を縛り付ける言霊に強く影響していることは、友護でも容易に想像できる。
だが、その結果。
――危うくあの子は置いていかれるところであった。何より、この世界に一人、大きな可能性を持った人間が消えることになるところだった……
今後も自分の命をなげうってまで、何かを護ろうとする行動をとるであろうことに、友護は少しばかり懸念の色を浮かべていた。
だが、それもまた、護の心の在り方である。
――ま、自分がどうこういう資格はないか
改めてそう思いながら、手にしたカップを手元に置いて、友護は護に問いかけた。
「そういえば、護くんはいつ東京に戻るんだい?」
「そうですね……」
問われた本人は、カップを持ったまま、視線を、今も湯気が立っているコーヒーに落とす。
正直、いつ帰ろうか、悩んでいる。
戻らなければならないことはわかっているから、その心づもりはしていた。
しかし、この一件で色々なことがありすぎて、いまだ心の整理がついていない。
そのためか、もう少し、ここにいたいという気持ちがあった。
――いや、心の整理がついていないからだけじゃないな
そっとため息をつきながら、護は心中でそうつぶやく。
現在、護の胸中には、いくつかの不安が渦巻いている。
特に不安を感じているものが、月美が支払った対価と彼女のこれからのことについてだった。
彼女の衣食住については、両親に連絡してあるから事情は理解しているはずだ。
屋敷か、最悪、神社の近くに月美のための部屋を用意してくれているだろう。
それに、転校に関する手続きもやってくれているはずだから、その点についてはもんだいない。
――心配なのは、こっちの受け入れ態勢ができてるかどうかより、月美の心の準備が整っているかどうかなんだよな
護としては、月美の準備ができ次第、いつ出立してもかまわないと思っている。
だが同時に、もう少し時間が必要になるのではないかとも思っている。
なにせ、これから月美は生まれ育った生まれ育った家を出ていくことになるのだ。
慣れ親しんだ土地を離れ、別の場所に移住するということに対して、簡単に受け入れることができるとは思えなかった。
――月美自身がどう思っているかわからないけど、大丈夫な状態になるまでまだ少しかかるだろうしなぁ
だからこそ、心の準備が整うまでの間にやっておきたい、いや、やっておかなければならないことがある。
そのことも含めて、かかる時間はおそらく。
「三日後、くらいでしょうか」
と、護は勝手にそう予想して、友護の質問に答えた。
その言葉を聞いた友護は、少し悲しげな表情を浮かべ。
「そうか」
とうなずいていた。
だが、その表情はすぐに微笑みに変わり。
「けど、十一月にはまた来るんだろ?」
「えぇ……それができればいいんですがね」
友護の問いかけに、護は苦笑しながら答えを返す。
今後がどうなるかわからない以上、必ず来るという約束はできない。
それに。
――今年は月美が慣れるまでサポートしたいし、来年は受験だからなぁ……
向こう二年は、やることが多すぎる。
さすがに、出雲を再訪することは難しいと考えていた。
その考えが読まれたのか。
「まぁ、来年は受験だしな。時間に余裕ができたら、あの子と一緒に来たらしい」
あの子、とは月美のことをさしているのだと、すぐに察することができた。
わかっていたことだが、月美の対価は亜妃だけでなく、友護にも強制されていたようだ。
だが、二人の記憶から月美の存在についての記憶を完全に消されていなかったらしい。
たしかに、亜妃と友護の中に、月美の思い出はすでになくなっているし、すでに血のつながりのないまったくの他人であると認識している。
だが、それまで過ごしてきた時間の影響なのか、月美のことを赤の他人として切り離すことはできないようだ。
大切であるとまではいかないものの、まったくの他人とは思えないという風森家の人々の月美に対する印象に、護は切なさを感じながらも。
「えぇ。そうします」
寂しげに微笑み、必ず、二人でこの地を訪れることを約束した。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜
スクールH
ファンタジー
家柄こそ全て!
名家生まれの主人公は、絶望しながら死んだ。
そんな彼が生まれ変わったのがとある成り上がりラノベ小説の世界。しかも悪役貴族。
名家生まれの彼の心を占めていたのは『家柄こそ全て!』という考え。
新しい人生では絶望せず、ついでにウザい成り上がり共(元々身分が低い奴)を蹴落とそうと決心する。
別作品の執筆の箸休めに書いた作品ですので一話一話の文章量は少ないです。
軽い感じで呼んでください!
※不快な表現が多いです。
なろうとカクヨムに先行投稿しています。
心の落とし物
緋色刹那
ライト文芸
・完結済み(2024/10/12)。また書きたくなったら、番外編として投稿するかも
・第4回、第5回ライト文芸大賞にて奨励賞をいただきました!!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω'✌︎ )
〈本作の楽しみ方〉
本作は読む喫茶店です。順に読んでもいいし、興味を持ったタイトルや季節から読んでもオッケーです。
知らない人、知らない設定が出てきて不安になるかもしれませんが、喫茶店の常連さんのようなものなので、雰囲気を楽しんでください(一応説明↓)。
〈あらすじ〉
〈心の落とし物〉はありませんか?
どこかに失くした物、ずっと探している人、過去の後悔、忘れていた夢。
あなたは忘れているつもりでも、心があなたの代わりに探し続けているかもしれません……。
喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
ある夏の日、由良は店の前を何度も通る男性に目を止め、声をかける。男性は数年前に移転した古本屋を探していて……。
懐かしくも切ない、過去の未練に魅せられる。
〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
人の未練が具現化した幻。あるいは、未練そのもの。
・〈探し人(さがしびと)〉
〈心の落とし物〉を探す生き霊で、落とし主。当人に代わって、〈心の落とし物〉を探している。
・〈未練溜まり(みれんだまり)〉
忘れられた〈心の落とし物〉が行き着く場所。
・〈分け御霊(わけみたま)〉
生者の後悔や未練が物に宿り、具現化した者。込められた念が強ければ強いほど、人のように自由意志を持つ。いわゆる付喪神に近い。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
Re:D.A.Y.S.
結月亜仁
ファンタジー
足音、車のエンジン音、カラスの鳴き声。草の匂い、魚の焼けた匂い、香水の香り。
体を包む熱、服がこすれ合う感触、肌を撫でる風。電柱を照り付ける夕日、長く伸びた影、
闇に染まっていく空。そのすべてが調和したこの平凡な世界に、自分という人間は存在する。
今日も何事も無く、家へ帰り、風呂に入って、飯を食べて、寝るのだろう。
それは、もう決まりきったことだ。だから、今日という日が何か特別な意味を持っているというわけではない。たぶん明日だって、明後日だって、一か月後だって、一年後、三年後だって、自分を取り囲む環境や状況は変わったとしても、本質は変わることは無いと思う。それが良いことなのか、悪いことなのかは分からない。ただ、この世界が、そういう風に出来ているだけのことだ。そんなこと、当たり前で、何気ない普通の出来事だと、そう思っていた。
はずだった。
気が付くと、そこは森の中。何故か記憶喪失となって目覚めたユウトは、どこか見覚えのある仲間と共に、自分は剣士として行動していた。わけも分からず付いて行くと、未知の化物と遭遇し、ユウトたちは危機に瀕してしまう。なんとか切り抜けることができたものの、ユウトは気を失ってしまった。
次に目が覚めた時は、いつもの教室。何事も無く笑い合う仲間を前に、ユウトは違和感を覚えるが…?
それは、これから始まる物語の、序章にすぎなかった。
これは、二つの世界が交錯する、たった一人の少女を救うための異世界ファンタジー。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
竜の契約者
ホワイトエンド
ファンタジー
一人の青年は魂の半分を失った------
1体の竜は肉体を失った--------
二つの魂は混ざり合い生まれ変わった-----
あの日、全てを失った彼はその身に宿した力を振るう
悪を裁くために
正義をまっとうするために
例え、歪んでいようとも
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる