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第十五話・自分のせいで

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「フゥー」
「サトル先生!」
病院の屋上にはタバコを吸う
サトル先生の姿がありました
「単刀直入に言います
私に隠してることありませんか?」
「…ない」
「エリカちゃん」
「!」
「って言えば…わかりますか」
「どこでその名を聞いたんだ!」
そのときのサトル先生の顔は
威圧感さえ覚える鋭い形相でした
「サトル先生はズルいですよ!
エリカちゃんの死から逃げて!」
「黙れよ」
「確かに悲しいことです!でも
そんなのエリカちゃんが…」
「黙れよ!お前はいつから俺に
尋問出来る立場になったんだよ!
俺が質問してるんだよ!いったい誰が…」
「サトル先生は怖がってるだけですよ!」
「は?」
「そうやって事実を否定し続けて!
エリカちゃんの気持ちを踏みにじって!」
「お前に何がわかる!何が!」
「わかりませんよ!」
「え…」
「私は兄妹なんていないし…貴方の
気持ちを理解することは出来ない…でも
そばにいた人が消えてしまう悲しみは
わかるんです」
「く…うぅ」
「サトル先生はズルいですよ、そうやって
怯えて、全部否定して…そんなの
エリカちゃんがかわいそうですよ…」
「違うんだよ…俺は受け入れちゃ駄目なんだ
俺がエリカを殺しちまったんだよ!」
「そんなこと…!」
「俺は助けるって約束したんだよ!
俺が未熟だったせいで…エリカは俺のこと
間に合わなかったせいで!俺が!
俺にもうエリカの兄を名乗る資格はない!
俺はエリカの人生を終わらせちまったんだ!」
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