古代亜剌比亜乃官能(古代官能シリーズ②)

✿モンテ✣クリスト✿

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新編 千夜一夜物語

新編『千夜一夜物語』 第二百三十五夜 壱

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 私の名前はシェヘラザード。大臣の娘で、妹はドゥンヤザード。サーサーン朝ペルシャのシャフリヤール王のハレムに暮らす宮女だ。ハレムの壁は深紅と黄金の刺繍が施された絹で覆われ、朝日が差し込むと部屋全体が燃えるような色に染まる・・・なんて、ベタな21世紀の投稿サイトの小説風の出だしみたいに書き始めるんじゃない!

 私は毎朝、妹と一緒にハレムを抜け出して、街場の雑貨屋のおばちゃんや居酒屋の亭主、波止場の水夫たちに会いに行って、物語のネタを仕入れてくる。なんせ、王に毎夜、面白い話をしてやらなきゃいけないから。命がかかってるんだ。

 今夜は二百三十五夜目。もう正直、ネタが尽きてしまった。昨日まではなんとか乗り切ったけど、そろそろ限界だ。王は、話の続きが聞きたくて、私を生かし続けてくれてるけど、つまらない話になったら「はい、首ちょんぱ」だ。冗談じゃない。本当に怖いんだから。

 私と妹の朝は早い。毎朝、ハレムを抜け出して、街場の雑貨屋のおばちゃんや居酒屋の亭主、波止場の水夫たちに物語のネタを取材して回るわけ。さもないと、「はい、首ちょんぱ」だ。

 ね?ね?命がけでしょ?だから、毎日、朝から夕方まで物語のネタを取材しまくっているってわけ。冗談じゃないわ。疲れちゃう。でも、ネタ切れになったら首を跳ねられちゃうってわけ。21世紀の投稿サイトよりも厳しい〆切なのよ!

 ところで、バートン版の『千夜一夜』原典ってさあ、あれ、21世紀の良い子の投稿サイト並みの規制でしょう?お子様用なのよね。ガラン版『千夜一夜』なんて性的描写や過激な要素はまったくないのよ!ひどいわよね!ハーレムの話なのにね!

 それでいて、生娘とか書いてある。子供に生娘って何?ハレムって何?と親が聞かれたらどう説明するのかしら?性奴隷とか、説明するのかしらね?

 第一、「街の生娘を宮殿に呼び一夜を過ごして」って何?何をしたの?それも相手は生娘よ!き・む・す・め!!トランプでもしたって、親は子供に説明するのかしらね?

 ハァハァ…、ということで、今日も私と妹は、王がハレムの私の寝室に忍んでくるまでの間に、物語を創作するってわけなのよ。寝室の床には瑠璃色のタイルが敷き詰められ、窓からは薔薇色の夕陽が差し込んでくる、そして、投稿サイトの賞の募集の締切じゃあるまいし、毎日の恐怖。嫌になっちゃうわ。首をちょん切られるからね。こっちは必死なのよ!

 その日、私は妹のドゥンヤザードと一緒に、ハレムの裏庭で頭を抱えていた。裏庭には翡翠色の噴水が涼やかな音を立て、橙色の花々が風に揺れている。夕暮れが近づいてきて、王が私の寝室にやってくる時間が迫ってる。空は茜色に染まって、遠くで駱駝の鈴の音がチリンチリンと響いている。頭の中では、投稿サイトの締切に追われるような焦りがぐるぐるしていたけど、そんな21世紀のものここにはない。ただ、ネタ切れの恐怖だけがある。ネタをくれぇ~!

「なぁ、姉ちゃん、もうアカンわ。ネタが一個もないで。どうするん?」ドゥンヤザードが困った顔で私を見上げてきた。彼女の大きな瞳が夕陽に映えてキラキラしてる。こんな可愛い妹を首ちょんぱにさせるわけにはいかない。

「そうやなぁ、ドゥンヤザード。ほんまに困ったわ。昨日はあの『船乗りのシンドバッド』の話でなんとか凌いだけど、もう続きが思いつかへん。波止場の水夫に聞いた話も使い切ってもうたしなぁ」私はため息をついて、膝に顔を埋めた。この時代にウィキペディアでもあったら、開いて参考にできたらいいのに、なんて馬鹿なことを一瞬思ったけど、そんな便利なものがあるわけない。

「姉ちゃん、雑貨屋のおばちゃんが言うてた『魔法の壺』の話はどうや?あれ、まだ使ってへんやろ?」ドゥンヤザードが目をキラキラさせて提案してきた。彼女の声には少し希望がこもってる。

「うーん、それなぁ。王が『壺から何か出てくるんか?』って聞いてきたら、どう答えよ?壺から金貨でも出てきたらええけど、そんなんありきたりやし。王、飽きてまうかもしれん」私は首を振った。ありきたりな話じゃ、王の機嫌を保てない。もっと奇抜で、目を引く話じゃないと。

 すると、ドゥンヤザードが急に立ち上がって、手をポンと叩いた。「そや!姉ちゃん、波止場で聞いた変な話、覚えてるやろ?あの『魚が喋った』ってやつや!」

「ああ、あれか。水夫の爺さんが酔っ払って言うてた話やな。魚が喋って、王様に文句言うたとかいう……。ちょっと待て、それ、使えるかもしれん!」私は勢いよく顔を上げた。頭の中で、物語が少しずつ形になり始めた。魚が喋るなんて、奇妙で面白い。王の興味を引けるかもしれない。

 その夜、王が私の寝室にやってきた。いつものように、豪華な絹の衣をまとって、剣を腰に下げた姿で。寝室の壁には孔雀色の布が垂れ下がり、燭台の炎がゆらゆらと影を揺らしている。私は薄絹の寝衣を纏い、胸元が大きく開いた姿でベッドに腰掛けていた。燭台の光が私の肌を照らし、薄布越しに乳首の形が浮かんで見える。横にはドゥンヤザードが座り、薄い布のドレスを着て、私の話に付き合う準備をしている。王の視線が私を舐めるように見つめた後、ドゥンヤザードに移り、ニヤリと笑った。

「なぁ、王はん。今夜はええ話があるで。聞いてくれるか?」私は柔らかく声をかけ、膝を少し開いて寝衣の裾を太ももまで滑らせた。白い肌が燭台の光に照らされ、王の目がそこに吸い寄せられる。

「ほぉ、シェヘラザード。お前さんの話もええが、その体もたまらんな。昨日のはまぁまぁやったが、今夜はどうやろな。つまらんかったら、どうなるか分かってるやろな?」王は剣の柄に手を置いたまま、私の胸元をじっと見つめ、隣にどっかりと座った。そして、ドゥンヤザードに目をやり、「お前さんの妹もええ女に育ったな」と言いながら、彼女の肩に手を伸ばした。



【第二百三十五夜 壱、弐】の登場人物

◯シェヘラザード:
大臣の娘で、サーサーン朝ペルシャのシャフリヤール王のハレムに暮らす宮女。物語の語り手であり、毎夜王に面白い話を聞かせて命をつなぐ。妹ドゥンヤザードと共にネタ集めに奔走する。
◯ドゥンヤザード:
シェヘラザードの妹。ハレムで姉の話に付き合い、王の興味を引く役割も担う。可愛らしい外見と純粋さが強調され、姉と共に首ちょんぱの危機に直面する。

◯シャフリヤール王
サーサーン朝ペルシャの王。女性不信から毎夜処女と結婚し翌朝処刑する狂気の習慣を持つ。シェヘラザードの話に興味を示しつつ、ドゥンヤザードにも手を出す欲望を見せる。

【第二百三十六夜の早朝 壱、弐(そんな理由が!)】の登場人物

◯アミナ
ハレムの最古参の女性。白髪でシワ深い老婆だが、かつては美人だった。王の過去を知る人物として、シェヘラザードに陰惨なエピソードを語る。

◯王妃(シャフリヤールの妻)
アミナの回想内の人物。絶世の美女で、王に愛されていたが、奴隷との不貞行為が発覚し、王に殺される。第一の裏切りを引き起こす。
黒檀の肌を持つ奴隷
◯アミナの回想内の人物。王妃の愛人。庭園で王妃と情事を楽しむが、王に首を斬られ死亡。

◯シャーザマーン王
シャフリヤールの弟で、別の王国の王。アミナの回想内で登場。妻の裏切りを経験し、兄と共に女性不信に陥る。
◯シャーザマーンの妻
アミナの回想内の人物。夫の留守中に十人の男と乱交にふけり、シャーザマーンに全員殺される。第二の裏切りを引き起こす。
◯十人の奴隷と下僕
アミナの回想内の人物。シャーザマーンの妻と乱交に参加し、シャーザマーンに斬殺される。具体的な個別描写はない。

◯ジン(魔神)
アミナの回想内の人物。巨大で緑色の肌を持つ超自然的存在。美女を囚えているが、眠ると彼女に裏切られる。
◯ジンの女(美女)
アミナの回想内の人物。ジンに囚われた絶世の美女。ジンが眠る間に百人以上の男と関係を持ち、シャフリヤールとシャーザマーンを誘惑する。第三の裏切りを象徴。
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