蒼のタチカゼ

しゃか

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第10章 帰還

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タチカゼはカタナを一本前に差し出す。


「チャンスをやるよ、この前の続きだ!このまま乗っ取り返すのは気に食わねえ」

「この・・・!!!」


キューブはふつふつと心の奥から煮えたぎるものをふぅーと深く息を吐き、怒りを収める。


「いいでしょう、けりをつけようじゃないですか!今度こそ完全にデータ消去して差し上げますよ!!」


タチカゼはキューブに向けてカタナを投げた。

と、次の瞬間タチカゼがもうダッシュでキューブに向けて突っ込んでいった。


「な!!?」

「不知火流・抜刀『一閃』!!」


キューブにカタナが届く前に、タチカゼの一閃がキューブを切り裂いた。


「ガハッ!!!・・・君は・・・!?」

「・・・俺はもう甘さは捨てる!!卑怯とは言わせねえぜ・・・!!」

「くっっそ・・・!!」


キューブはその場に膝をつく。すると暗闇から無数の鎖が伸びてきた。

その鎖がキューブにまとわりつく。


「今度はお前がデータの海を彷徨ってこい!!!」

「まさ・・・か・・・この僕・・・が」


タチカゼはキューブの方を振り向く事なく歩き始める。キューブは鎖にひきづられ深い深い

闇の中へと落ちていった。


##################################


動きを止めてしまったタチカゼ、セツナは急な出来事に身動きが出来ずにいた。


「一体、何が起きてる・・・?」セツナは臨戦態勢を崩さず様子を見守っている。

次の瞬間、タチカゼのカタナがピックと動く。

その一瞬を見逃さずセツナはナイフを振り上げた。タチカゼはカタナでそれを受け止めた。


「うおおぉぉぉ!セツナ待て待て俺だ俺だ!」

「は??」

「かっこいい方の蒼の風頭領のタチカゼ様だ!!」

「な・・・ほんとかい!!?」

「ほらほらこのスマーイル!さっきのキューブにはできないだろ!?」

「ほんとに・・・タチカゼ・・・なんだな!?」

「ああ!そうだぜ!!」


次の瞬間、飛んできたのはセツナの右ストレートだった。

「でぼべ!!!」謎の言葉を吐きながらタチカゼは吹っ飛んでいった。


「あー、少しはスッキリしたぜ!!」そういいながらタチカゼに近づくセツナ。

「ひぃ!!!」怖気づくタチカゼに手を差し伸べるセツナ。

「あ・・・?」

「おかえり・・・タチカゼ!何があったか知らないが戻ってこれたんだね」

セツナが差し出した手をがっつりと掴んで

「ただいま!!」タチカゼは満面の笑顔を見せた。

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