蒼のタチカゼ

しゃか

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第16章 ー終わりの始まりー

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「6つのオリジン・キューブはきっともうすぐ目覚める・・・その時が本当の戦争の始まり、そして終わりです。総司令官を失ったゲリラ部隊がこれからどう立て直し、反撃して来るのか・・・楽しみにしていますよ!!!」


タチカゼはそう言うと、空高く飛び上がり闇の中へと消えていった・・・。


#######################


ここはイド帝国、その中心にあるイド城。ゴシック建築調の荘厳な趣のある城で、その回りを巨大な城壁が取り囲んでいる。その城の一角から出ている突き出しの部分の柵に手を置き、遠くを眺める青年の姿があった。端正な顔立ち、金髪の髪、すっとしたその立ち姿は正に高貴なる者として相応しいもの

があった。


「アレックス王子・・・こちらにおられましたか」

「グレイス、戻っていたのか」アレックスはグレイスの方に振り向いた。

「・・・いかがなされましたか?」

「なに、この蒼の眼が何かと共振している様な感じがしてな・・・」


アレックスは蒼い右眼と緋い左眼で遠くを見据えた。


「・・・左様でございますか。何かの・・・前触れなのかもしれませんね」


グレイスも遠くの空に目をやった。


「・・・何かの前触れ・・・か。それが良い方へ進むものだといいが・・・」


アレックスはそう言うと、城の中へと入っていった。

グレイスもそれに続こうとしたが、立ち止まりもう一度振り向き空を見ながら呟いた。


「タチカゼ・・・」

〈第一部・完〉
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