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第1章 生活の知恵

異世界の危機

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俺は水を飲んで、喉が焼ける思いをして
意識を失ってしまった。
意識の中で、俺の名を呼ぶような声がした、誰だ?誰なんだ?
「…………ン」「………………ン」

ヘラクレスか?
「………ィン」「……………ィン」

違う…………この声は………

「リィン!!」

俺は目を覚ました……
あたりを見渡すが、誰も居なかった…
確かに、誰かに呼ばれたはず…
あの声は確か………

『あああ………???、あんなに焼ける
ような痛みだったのにしゃべれる』
俺は疑問にも思ったが、ひとまず入り口へ戻ることにした。戻ってみると、
日が昇っていることに気がつく……

『あれ?意識失いすぎた??』

俺はすぐさま、森へ向かった……

『おーーい!、ミリュス居るか!!』
俺は森の方へ叫んだ!!
っが、ミリュスは現れなかった……
何度も呼びかけるが現れなかった…

『昼頃にまた、来ることにするか…』
俺は森の手前から、帰ろうとすると
木に隠れて、ミリュスが覗き込んで……

「リィン……か?」

『ミリュス!居たのか!何で隠れて
いるんだ??出てこいよ!』

ミリュスは挙動不審で恐る恐る森から
出てきてこう言った…
「1週間もどこに行っていたんだ?」

『1週間??………』
1週間も洞窟で意識を失っていたのか!
よく生きていたな……俺!

『話しは長くなるんだが、どうして、
そんなに怯えているんだ??』

「リィンが居なくなってから、ものすごい強い魔力を感じて……」

『大体どのくらい強いんだ??』

「この土地にドラゴンがいる事は
知っているか?あの山で見た事は?」

『ああ、一度だけ頂上に登った時に、
拝ませてもらったよ、この山程の大きさだったのを覚えているな』
あの時はびっくりしたな、、、
まぁお腹の鳴る音の方が、
びっくりしたけど……

「そのドラゴンが数百頭集まった魔力」

『え?………数百頭??』

「例えるならそのくらいだ…」

『この世界のドラゴンって、
どのくらいの強さの値になるんだ?』

「わたしが知る限りだと、この世界で
数百年間ずっとドラゴンは最強種である事と、誰も太刀打ち出来ない存在だ」

『この森は何事もなかったのか?』

「この森は大丈夫だった……」

『一体何が起こっているのか……』
俺はこの事について、頭を悩ませ
考えながら上向いた…………

『………なんだ、この空……』


『歪んでいる?それにあれは太陽?』
見た事ないような空と太陽の色をしていた、ミリュスはこの空を見るとすぐに森の中へと逃げるように入っていった…
この空は数分ほどでいつも通りの、青々とした空、神々しい太陽に戻っていった
戻ってからミリュスも森から出てきた…

『ミリュス?あれは一体なんだ??』

「本当になにもしらないのか?」

『まぁ、ここの世界に来たばかり
だから、わからないことばかりだ』

「そうか…そう言っていたな………
あれは"元凶の始まり"のサインだな」

『"元凶の始まり"??なんだそれ?』

「数千年に一度、この世界で最も最強である核龍(クリアドラゴン)が目覚めると言われている…」

『核龍??それが目覚めると、何か悪いことでも起きるっていうのか?』

「あのドラゴンが目覚めると、
地が割れ、波は荒れ、空を切り………」
天変地異じゃあねーか!!、
神様意外にもできる種族がいるんだな!
それは一度会ってみたい!!
っと好奇心旺盛なリィンは…

『その核龍ってのは、どこに行ったら
会えるものなんだ??』

「…………え?」

『いや、だからその核龍に会ってみたいって言っているんだけど?』

「………………」
ミリュスは、固まってしまった。
俺はミリュスの事を何度も呼んだが、
反応がなかった為動くまで待つ事にした
核龍………会ってみたい……

待つ事数時間夕暮れになっても、
ミリュスは固まったままだった……
しょうがない、俺が住み着いている
洞穴へミリュスを連れて行く事にした…

『本当に戻らないな……寝るか…』
ミリュスは固まったままで動かなかった
為俺は先に寝る事にした…

~夢の中~
『今日は誰もいないのか…』

「おーい!リィン!!」

『ヘラクレスか?』

「今日は仲間を連れてきたぞ!」

『仲間?………仲間!?』

「俺に隠れてないで…ほら…」
ヘラクレスの背後から1人の神がこちらを睨みつけるように見てきた……

『…………ん?……アテナ?』

「ちっ……ちゃんと覚えてやがる…」

「アテナ、口が悪いよ……」

「ふん、私はいつも通りだ!…」

『あんまり、関わりなかったけど会えて
嬉しいよ来てくれてありがとう…』

「……………」

~夜明け~
『………………んっ……もう、朝か?』
リィンは、少し早く目覚めると
ミリュスの様子を見る……

「……………………」

『ミリュス………おーーい……』
未だ反応はない、それどころか昨日より
若干色味が落ちているような感じがした
気のせいであってほしいと思ったが…
段々朝になるにつれてミリュスの体が、
緑色から茶色になっていった…

『森に早く返さないと…枯れてしまう』
俺はそう思い、入ってはいけないあの
森へ俺は踏み入れるのだった

~禁断の森~
この森、外から見るとどこでもあるような見た目だが…それは外見だけ…
中は、木々達が綺麗に列を帯びて並んでおり空を見上げると、神々しく陽の光が差し込んでまるで神が降臨してくるような場所のようだった。
さらに奥に向かうと、大広間に出てた…
そこに一本の朽ち果てた大樹が立っており、根本に人1人くらいは入れる大きな黒い箱があった…

箱の中身を確認するが、特に変わったものはなく隅に白い本が一冊あったので、
俺はそれを手に持ち開いてみた……

『森の魔物……この箱に……入れる…』
???
俺はなぜこの文字が読めたのか……
ここに来たのはつい最近だと言うのに…
不思議だと思ったが、この本の通りに
俺はミリュスを箱に入れることした…
本の続きは…

『箱を閉め……大樹に……数滴の血を…』
ここでページが破られている…
俺はこの本の通りにやってみる事にした
箱を閉め、俺は指を噛み血を出すと、
数滴の血を大樹に垂らした………



"ナンジ……ノ……ネガイ……ハ……ヒト…ツダケ…カナエ……ヨウ"

どこからか、声が聞こえた…

『何でも叶えてくれるのか!?』

"ナンデモ……カナ……ヨウ"

『俺の願いは!!…………』





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