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第一章
第七話 新階層の暗黒
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「さてと、せっかくだしあなたの名前を聞いておこうじゃない?」
酒場での騒ぎの後、別室に連れられたウェンデルはけじめをつけられるのかと戦々恐々していたが、レイは至って冷静に話を始めた。
「………」
情報収集のために酒場に来ていたウェンデルは、レイの問いかけにすぐに答えようとしなかった。するとレイは、彼のことをじっくりと観察する。
「あなた、剣術に長けているようね。周りをよく見る癖があるから、情報収集に来たってところね。職業は…訓練された軍人かしら?」
「驚いた。何でそこまで分かる?」
「体つき、手のマメ、視線。何あった時は腰の短剣でどうにかしようとしているのが分かるわ」
レイの言うとおり、ウェンデルは周囲の人間の配置を確認し、何か不測の事態が起きた時のために、背面腰部に隠匿していた短剣に意識を寄せていた。
「………俺はウェンデル、ウェンデル=エリシラム。王国聖騎士団に所属している」
「ここに来た理由は?」
「それは言えない」
レイはその言葉を聞くと、ふふっと笑う。
「あなた、あまり情報収集活動には向いていないかも知らないわ」
「………」
「言えないって事は、それ相応の目的があるって暗に示しているもの。あなた、ファミリーの事を調べに来たのでしょう?バーテンから聞いたわ」
すると、ウェンデルは諦めたかのように両手を挙げる。
「あぁ、分かった。もう隠し事はなしだ。やっぱり俺はこの仕事向いてないな…。そうだ。俺は先の抗争の一件からあんたとあんた達ファミリーについて調べに来た」
「なら良かったわね。ファミリーのことなら、アタシが色々と教えてあげるわ」
レイの答えにウェンデルは驚愕する。合法とは言えない組織である以上、それらに関する情報はできる限り秘匿されるのが常識である。例えるなら、ブラックマターズの構成員が組織の秘密を暴露しようものなら、次の日には凄惨な遺体で発見されることになるだろう。
それを、彼女はボスである自分が自ら答えようというのだ。
「何から聞きたい?聞きたいことがあれば、何でも答えてあげるわ」
「じゃあまず、あんたは何者だ?」
レイは脚を組み、煙草に火を点ける。
「アタシはレイ、リベル・ファミリアのボスってことになっているわ」
「あんた達の目的は何だ?」
「王政打倒、階級社会の崩壊、犯罪を初め、ありとあらゆる手を使ってそれらを成し遂げようとしている」
「マジか。ギャングってより、モノホンの反体制派じゃないか」
「そうね。アタシはこの国を根底から覆すつもりよ」
「………」
ウェンデルは彼女の言葉を返そうとするが、上手く言葉が出てこなかった。
「どうする?今ここでアタシを捕まえる?反体制派は王国にとって、目の上のたんこぶの何者でもないでしょう?」
「いや、遠慮しておくよ」
「へぇ、どうして?」
「あんたらに勝てる気がしない」
ウェンデルは話を一旦区切り、レイ達の行動について疑問を投げかける。
「あんたらはブラックマターズに手を出しているが、奴らが怖くないのか?俺なら明日の我が身が心配になる」
「あら、騎士の言葉とは思えないわね」
「まぁな。その筋に詳しい奴なら、奴らが中央(王族)と絡んでいる事は知っているはずだ。表立って動けない中央の手先になって汚れ仕事をしているのが、今のブラックマターズだ。中央の息がかかっている組織を潰そうなんて、正気の沙汰とは思えない」
「逆に聞かせてもらうけど、あなたはこの国の現状を理解している前提で、どう思っている?」
「………この国に住む人々は、幸せに生きているとは思わないな」
産業革命による経済発展の恩恵は、この国の隅々まで行き届いているとは言えない。そこから生み出された児童労働や麻薬の蔓延、格差の広がり、特権階級による搾取など、ウェンデルは思いつく限り語る。
「そうね。アタシもそう思うわ」
レイはウェンデルの言葉を肯定する。
「じゃあ、民衆の味方を謳っている聖騎士団は、この現状で一体何をしているの?」
「………」
レイの言葉にウェンデルは返す言葉が見つからなかった。
「あなたは、この国をどう思っている?」
「俺は……」
ウェンデルは言葉に詰まる。そして彼は自分の思いを語り始めた。その言葉をレイは黙って聞く。
「……俺はこの国の政治が間違っていると思っている。政治が間違っているから、この国は良くならない」
「だから私たちは、集い、戦い、勝ち取っている。階級社会が国家運営の基本である以上、庶民はいくら声を上げても黙殺される。なら、同じ意思を持った者で集まり、戦うしかない」
「……」
「アタシ達は目標のためには、手段を選ぶつもりはないわ。それが例え、法によって裁かれる犯罪を犯したとしてもね」
レイはウェンデルに対して、自分の思いを告げる。
「……あんた達の目的は分かった。だが何故それを俺に話す?この話が上に報告されると厄介だとは思わないか?」
「アタシはこう見えて人の素質を見抜く力はあると思っているわ。少なくとも、あなたはそうしないでしょうね」
「……」
ウェンデルはレイの言葉に沈黙で返す。それは暗に彼女の言葉を肯定している事を示していた。そして彼は、それ以上何も言うことはなかった。
「ありがとう、ミス・レイ。有意義な時間だった」
「こちらこそよ。また会えると良いわね」
ウェンデルはレイに礼を述べると、部屋を出て行った。レイは彼が去った後、一人呟く。
「また会えるわよ…必ずね」
その後、ウェンデルはこの日のことを上官に報告することなく、胸の内に仕舞うことにした。
◇
「レイ様、あのウェンデルという男、どう思いますか」
話し合いの最中、レイの傍で様子を見守っていたセラが、レイに尋ねる。
「そうね………、彼の根本的な内面は、正義感に溢れている。聖騎士団に入団しているのもそれが理由でしょうね」
「正義感、ですか?」
「まぁ、言うなれば心のどこかで葛藤しているような感じって説明すれば分かる?」
レイの言葉にセラは頷く、彼女の見立てでは、ウェンデルは自身の正義の信念を持っているものの、内心でその正義が正しく振るわれないことへの葛藤が見て取れた。
「ロカティ、彼のことは知っている?」
「いえ、私が聖騎士団にいた頃は、まだ彼は在籍していませんでした」
「なら、彼について調べて頂戴、アタシにいい案があるわ。ふふ、彼なら、こちら側でも上手くやれると思うし」
◇
数日後、王都郊外のダンジョン前にて。
この日、王都郊外において予てから調査を進めていたダンジョンにおいて、新階層が発見されたことから、ウェンデルの所属する第一騎士偵察小隊を含めた中隊が派遣されていた。
「当ダンジョンの新階層は未知の領域だ。付近で発生している行方不明事案についても、新階層の魔界族が関係していると情報部は見ている。偵察小隊は前進調査を行い、本隊は安全が確認でき次第、偵察小隊の後を追うことになる」
"相も変わらず、俺たちの扱いが雑だな…"
ダンジョンの調査は危険が伴う。本来であればギルドから派遣された冒険者がダンジョンの調査を行うものであるが、今回は付近の村で発生している行方不明事案の絡みがあることから、騎士団が派遣された経緯だ。ベテランの冒険者ですら、調査の終わっていない新階層の調査は死と隣り合わせであり、生存率は5割と半々。
敵軍把握や威力偵察など、偵察小隊の任務柄仕方のないことであるが、ウェンデルは軽々しく偵察小隊を捨て駒のように扱う騎士団上層部の意向にはうんざりしていた。だからこそ、こうした任務でも生き残ることが、ウェンデルの目的でもあった。
「偵察小隊、前進」
中隊長に指示されたウェンデル達偵察小隊20名は、ダンジョンの中を探索していく。
「前方、60ケートル先に魔界族、小鬼の群れあり」
「了解、制圧射撃開始」
小鬼と呼ばれる体躯の小さな魔界族の群れが、偵察小隊を待ち構えていた。隊長の指示に従い、隊員達は魔道速射銃を構える。
「撃て」
銃口から発射された魔道弾が小鬼達を貫いていく、隊員達は個々に魔法を使うことができるが、基本的な戦い方は魔道具による攻撃と決められている。これは、人それぞれ威力や規模の違う魔法を使うよりも、統一された威力を持つ魔道具の方が集団戦術に向いているからである。
ウェンデルは正面から右に30度、群れの中に少し毛の生えた大きい小鬼を見つける。小鬼の群れはヌシと呼ばれるリーダーによって統率されており、ヌシを殺せば群れの統率は瓦解する。
「俺がやる」
背中に背負っていた魔道狙撃銃を手にしたウェンデルは、照準を安定させてヌシを狙う。
速射銃よりも口径が大きいため、頭部を狙った弾丸はヌシの判別がつかないほど頭部を破壊する。攻撃でヌシを失った小鬼の群れは、我先へとダンジョンの奥へ消えていく。
「流石は先輩ですね!」
「あぁ…」
ウェンデルの隣にいた彼の後輩隊員は、彼の狙撃技術に目を輝かせて賞賛する。
「ミーナ、弾倉はまだ残っているか?」
「はい!」
「なら大丈夫だな、気をつけて進むぞ」
偵察小隊はこうして魔界族との戦いを繰り広げ、すでに調査済みである17階層へと到達する。
「ここが、新しい階層への扉か…」
17階層の奥、鬱蒼とした木々が広がる森の中に、不自然に佇む一つの扉。
「行くぞ」
扉を開けると、反対側に何も無いはずであった扉の奥に通路が続いている。ウェンデルたちは通路の中へ入り、下層へと続く階段を降りていく。
「ここは…」
「総員、警戒しろ。何かいるぞ」
暗闇に包まれた空間、ウェンデルたちがいる場所から部屋の隅に置かれたランプが順番に灯っていく。
「おい………まじかよ」
「暗黒騎士…」
暗黒騎士、魔界族の中でも魔王に近いといわれる存在。
部屋の中央に立つ黒一色の禍々しい鎧に身を包んだ騎士は、バスターソードを床に突き立ててウェンデルたちを見据えていた。
「ッ⁉︎」
「扉が!」
後方から扉が勝手に閉まる音が聞こえる。隊員達が狼狽えていると、部屋の中央にいた暗黒騎士はバスターソードを手に取ると、ウェンデル達に剣先を向ける。
「来るぞ!」
ウェンデルが叫ぶと同時に、暗黒騎士は前に足を踏み出し、一気に隊員たちと距離を詰める。
「えっ⁉︎」
バスターソードを振りかぶった暗黒騎士は、先頭に立っていた偵察隊長を真っ二つに両断する。
血の雨がウェンデルたちに降り注ぐ。
「た、隊ちょッ⁉︎」
「ぐぎゃあっ⁉︎」
「散開しろ!固まっているとやられるぞ!」
「で、ですが!」
「馬鹿!目を離すなっ‼︎」
一等騎士長であるウェンデルに指示を乞おうとした隊員の首が刎ねられる。
「くそったれ!!」
ウェンデルは魔道狙撃銃で暗黒騎士を狙い撃つ。しかし、暗黒騎士の鎧に銃弾が弾かれてしまう。
「うぉおおおおっ!」
小鬼や狼とは違う、桁違いな強さを持つ相手に恐怖する隊員達。だがそれ以上に、偵察小隊隊長が死に、指揮権の移行を受けた自分には、部下を守る義務がある。
ウェンデルは覚悟を決めて、魔道狙撃銃を構え直す。部下を守るために、暗黒騎士に向けて的確な銃撃を食らわせる。しかし、暗黒騎士の鎧は銃撃を一切受け付けず、一人、また一人と犠牲になっていく。
「くそったれが!」
ウェンデルは魔道狙撃銃を投げ捨て、剣を抜いて暗黒騎士に斬りかかる。
「ッ!?」
ウェンデルの剣は暗黒騎士の鎧に弾かれる。そして、暗黒騎士がバスターソードを横薙ぎに振るう。
「⁉︎」
その時、部屋に響く一発の銃声。銃声と共に放たれた弾丸は、ウェンデルの胴を捉えようとしていた暗黒騎士のバスターソードに命中し、その威力で弾き飛ばす。
「強装弾、中々反動も強いな」
「あ、あんた達」
ウェンデルが振り返ると、そこにはレイを先頭に黒服に身を包んだリベル・ファミリアたちがいた。
レイは続け様に単発中折れ拳銃の弾を装填し、暗黒騎士に向けて放つ。早撃ちで的確な射撃、その上、対物用に作られた通常の3倍の威力を誇る強装弾の着弾は、圧倒的な力を誇る暗黒騎士であっても、一度態勢を立て直さなければならないほどだった。
「お嬢様」
「あぁ」
レイはジェラードから手渡された抜刀剣の柄を掴むと、暗黒騎士に近づきながら鞘からゆっくりと引き抜く。
「アタシ一人で十分だ」
暗黒騎士は体勢を立て直すと、バスターソードをレイに向けて振り下ろす。しかし、その攻撃を読んでいたかのように彼女は軽く躱し、抜刀剣を振り上げる。そして振り上げた抜刀剣を振り下ろすと、暗黒騎士の鎧に一筋の線が入る。
「⁉︎」
圧倒的な強さを持つ相手にも一切臆することなく斬りかかる姿はまさに戦乙女、暗黒騎士はレイに斬りかかろうとするが、その動きを読んでいたかのようにレイは距離を取る。
「……」
レイは無言で刀を構える。その構えには一切の隙がなく、暗黒騎士は攻めあぐねていた。
「どうした、日和ったか?」
「……」
暗黒騎士はレイに斬りかかる。しかし、その攻撃も躱され、逆にカウンターを受ける。
「胴がガラ空きだ、騎士さんよ」
「⁉︎」
レイは抜刀剣の刀身に手を添えながら、暗黒騎士の胴を横から斬りつける。レイは刀に添えた手に力を入れ、刀身を滑らせる。すると、暗黒騎士の鎧が切れていき、やがて上半身と下半身が真っ二つに切断された。
レイは刀身に付いた血を振るうと、無言で刀を鞘に納める。
「まじかよ。相手は上級魔界族だぞ…」
「先輩、あの人たち何者ですか…先輩?」
「なんであんた達がここにいる?」
「アタシ達も、このダンジョンの周辺で発生している行方不明事件を調べていた。このダンジョンが怪しいと踏んで調査をしていたところよ」
レイはそういうと、ファミリーを連れて部屋の奥へと進んでいく。
「ちょっと待てよ!」
ウェンデルが彼女達の後を追うと、もう一つの空間が広がっていた。そこには、幾つもの小分けにされた檻のようなものが見つかる。
「ここは…」
「なるほど、攫った人間はここに閉じ込めて、まとめて魔界行きってか」
「なんだって⁉︎」
レイの言葉に、ウェンデルは驚く。
「早く助けてやりな。人助けはあんたら騎士団の仕事だろ?」
レイはそういうと、小分けにされた檻の一つに近づき、その中を確認する。中には衰弱した人間が囚われていた。ウェンデルは慌てて駆け寄る。
「おい!大丈夫か!」
「……あ……あなたは……」
檻の中の人間は衰弱しきっており、ウェンデルに反応を示すのもやっとだった。
「待ってろ!今すぐ助けてやるからな!」
ウェンデルは部下達に檻の中にいる人間を救出するよう指示を出すと、自身も囚われた人達を解放させる作業に取り掛かるのだった。
◇
ダンジョンの攻略後、ウェンデルは再びファミリーの息がかかった酒場へとやってくる。
「あんたから呼び出される心当たりは、先日のダンジョンのことだと思うが」
「いいえ、今日はそんなことで呼んだわけじゃないわ。あなたと腹を割って話をしようと思って。ネルソン、ミッドナイトを二つ」
「イエス、ボス」
「……」
ウェンデルは無言でレイを見つめる。そして、彼女の真意を探ろうとするが、彼女はただ微笑むだけだった。
「どうぞ」
ミッドナイトと呼ばれるグラスに注がれた群青色のカクテルがウェンデルの前に差し出される。彼はそれを手に取り、一口飲むとその美味さに驚愕する。
「初めて飲むカクテルだが、こいつは美味いな」
「アタシが気まぐれに考えたの。気に入ってくれたなら嬉しいわ」
レイはカクテルを味わいながら、ウェンデルに話をする。
「力、それは話すことよりも物事を解決する手段よ。あなたは、その力を持っているわ」
「一体何の力だ?」
「人を動かす力」
「人を…」
「あなたには人を動かす力がある。どんな窮地に陥っても、部下は最後まであなたの命令に従って動いていた。それは軍規で定められている指揮権の委譲が理由でもあるけど、日頃のあなたの行いを見て信用されていたから。それは騎士としても、人としても良き才能の一つよ」
レイの言葉に、ウェンデルは照れながらも、話の続きを促す。
「それで、何が言いたいんだ?」
「その才能を、騎士団で埋れさすのは惜しいわ。その力、そしてあなたの信念を貫き、目的を果たすことが出来る場所で使ってみようとは思わない?」
「……」
ウェンデルは無言で、レイに話の続きを促す。彼女はグラスの中身を飲み干すと、ウェンデルを見据える。
「ウェンデル=エリシラム。アタシ達と一緒に来なさい。あなたには、アタシが創る新しい世界を見せてあげたいの」
「新しい世界」
「そう、その世界は一部の特権階級による搾取もなく、一人ひとりが自分で自分の人生を紡ぐことが出来る世界。アタシが創りたい世界よ。ウェンデル、アタシはあなたをファミリーに迎え入れたい」
レイの言葉にウェンデルは少し考える。確かに、ウェンデルは先のダンジョンでの一件から、レイと彼女が率いるリベル・ファミリアの実力を身をもって理解している上、彼女の誘いにも魅力を感じていた。
しかし、彼女たちの立場はシンジケート。いわゆる犯罪組織。誇りと使命感を持って王国民に奉仕することを第一に考えてきたウェンデルにとって、その誘いは自らの誇りと使命感に泥を塗ることになる。
「あなたは理解しているはずよ、この国の仕組み、複雑に入り組んだ利害関係、そして汚れ切った国の中枢のことを」
「………」
「騎士団も無関係とは言えない。あなたが心の中で、騎士団の腐敗を軽蔑し、嫌悪しているように。だからこそ、あなた
はアタシ達の仲間になり得る」
「……」
「アタシは、あなたにこの国を変えるきっかけを与えたいの。あなたが騎士団で培った力を、この国のためではなく、今を生きる人々のために使ってもらいたい」
レイの言葉にウェンデルは考える。そして彼はミッドナイトを飲み干すと、席を立ちレイに正対し、片膝をついて忠誠の誓いを示す。
「この身、この経験、この意志、全てをあなたに捧げます。マイロード」
酒場での騒ぎの後、別室に連れられたウェンデルはけじめをつけられるのかと戦々恐々していたが、レイは至って冷静に話を始めた。
「………」
情報収集のために酒場に来ていたウェンデルは、レイの問いかけにすぐに答えようとしなかった。するとレイは、彼のことをじっくりと観察する。
「あなた、剣術に長けているようね。周りをよく見る癖があるから、情報収集に来たってところね。職業は…訓練された軍人かしら?」
「驚いた。何でそこまで分かる?」
「体つき、手のマメ、視線。何あった時は腰の短剣でどうにかしようとしているのが分かるわ」
レイの言うとおり、ウェンデルは周囲の人間の配置を確認し、何か不測の事態が起きた時のために、背面腰部に隠匿していた短剣に意識を寄せていた。
「………俺はウェンデル、ウェンデル=エリシラム。王国聖騎士団に所属している」
「ここに来た理由は?」
「それは言えない」
レイはその言葉を聞くと、ふふっと笑う。
「あなた、あまり情報収集活動には向いていないかも知らないわ」
「………」
「言えないって事は、それ相応の目的があるって暗に示しているもの。あなた、ファミリーの事を調べに来たのでしょう?バーテンから聞いたわ」
すると、ウェンデルは諦めたかのように両手を挙げる。
「あぁ、分かった。もう隠し事はなしだ。やっぱり俺はこの仕事向いてないな…。そうだ。俺は先の抗争の一件からあんたとあんた達ファミリーについて調べに来た」
「なら良かったわね。ファミリーのことなら、アタシが色々と教えてあげるわ」
レイの答えにウェンデルは驚愕する。合法とは言えない組織である以上、それらに関する情報はできる限り秘匿されるのが常識である。例えるなら、ブラックマターズの構成員が組織の秘密を暴露しようものなら、次の日には凄惨な遺体で発見されることになるだろう。
それを、彼女はボスである自分が自ら答えようというのだ。
「何から聞きたい?聞きたいことがあれば、何でも答えてあげるわ」
「じゃあまず、あんたは何者だ?」
レイは脚を組み、煙草に火を点ける。
「アタシはレイ、リベル・ファミリアのボスってことになっているわ」
「あんた達の目的は何だ?」
「王政打倒、階級社会の崩壊、犯罪を初め、ありとあらゆる手を使ってそれらを成し遂げようとしている」
「マジか。ギャングってより、モノホンの反体制派じゃないか」
「そうね。アタシはこの国を根底から覆すつもりよ」
「………」
ウェンデルは彼女の言葉を返そうとするが、上手く言葉が出てこなかった。
「どうする?今ここでアタシを捕まえる?反体制派は王国にとって、目の上のたんこぶの何者でもないでしょう?」
「いや、遠慮しておくよ」
「へぇ、どうして?」
「あんたらに勝てる気がしない」
ウェンデルは話を一旦区切り、レイ達の行動について疑問を投げかける。
「あんたらはブラックマターズに手を出しているが、奴らが怖くないのか?俺なら明日の我が身が心配になる」
「あら、騎士の言葉とは思えないわね」
「まぁな。その筋に詳しい奴なら、奴らが中央(王族)と絡んでいる事は知っているはずだ。表立って動けない中央の手先になって汚れ仕事をしているのが、今のブラックマターズだ。中央の息がかかっている組織を潰そうなんて、正気の沙汰とは思えない」
「逆に聞かせてもらうけど、あなたはこの国の現状を理解している前提で、どう思っている?」
「………この国に住む人々は、幸せに生きているとは思わないな」
産業革命による経済発展の恩恵は、この国の隅々まで行き届いているとは言えない。そこから生み出された児童労働や麻薬の蔓延、格差の広がり、特権階級による搾取など、ウェンデルは思いつく限り語る。
「そうね。アタシもそう思うわ」
レイはウェンデルの言葉を肯定する。
「じゃあ、民衆の味方を謳っている聖騎士団は、この現状で一体何をしているの?」
「………」
レイの言葉にウェンデルは返す言葉が見つからなかった。
「あなたは、この国をどう思っている?」
「俺は……」
ウェンデルは言葉に詰まる。そして彼は自分の思いを語り始めた。その言葉をレイは黙って聞く。
「……俺はこの国の政治が間違っていると思っている。政治が間違っているから、この国は良くならない」
「だから私たちは、集い、戦い、勝ち取っている。階級社会が国家運営の基本である以上、庶民はいくら声を上げても黙殺される。なら、同じ意思を持った者で集まり、戦うしかない」
「……」
「アタシ達は目標のためには、手段を選ぶつもりはないわ。それが例え、法によって裁かれる犯罪を犯したとしてもね」
レイはウェンデルに対して、自分の思いを告げる。
「……あんた達の目的は分かった。だが何故それを俺に話す?この話が上に報告されると厄介だとは思わないか?」
「アタシはこう見えて人の素質を見抜く力はあると思っているわ。少なくとも、あなたはそうしないでしょうね」
「……」
ウェンデルはレイの言葉に沈黙で返す。それは暗に彼女の言葉を肯定している事を示していた。そして彼は、それ以上何も言うことはなかった。
「ありがとう、ミス・レイ。有意義な時間だった」
「こちらこそよ。また会えると良いわね」
ウェンデルはレイに礼を述べると、部屋を出て行った。レイは彼が去った後、一人呟く。
「また会えるわよ…必ずね」
その後、ウェンデルはこの日のことを上官に報告することなく、胸の内に仕舞うことにした。
◇
「レイ様、あのウェンデルという男、どう思いますか」
話し合いの最中、レイの傍で様子を見守っていたセラが、レイに尋ねる。
「そうね………、彼の根本的な内面は、正義感に溢れている。聖騎士団に入団しているのもそれが理由でしょうね」
「正義感、ですか?」
「まぁ、言うなれば心のどこかで葛藤しているような感じって説明すれば分かる?」
レイの言葉にセラは頷く、彼女の見立てでは、ウェンデルは自身の正義の信念を持っているものの、内心でその正義が正しく振るわれないことへの葛藤が見て取れた。
「ロカティ、彼のことは知っている?」
「いえ、私が聖騎士団にいた頃は、まだ彼は在籍していませんでした」
「なら、彼について調べて頂戴、アタシにいい案があるわ。ふふ、彼なら、こちら側でも上手くやれると思うし」
◇
数日後、王都郊外のダンジョン前にて。
この日、王都郊外において予てから調査を進めていたダンジョンにおいて、新階層が発見されたことから、ウェンデルの所属する第一騎士偵察小隊を含めた中隊が派遣されていた。
「当ダンジョンの新階層は未知の領域だ。付近で発生している行方不明事案についても、新階層の魔界族が関係していると情報部は見ている。偵察小隊は前進調査を行い、本隊は安全が確認でき次第、偵察小隊の後を追うことになる」
"相も変わらず、俺たちの扱いが雑だな…"
ダンジョンの調査は危険が伴う。本来であればギルドから派遣された冒険者がダンジョンの調査を行うものであるが、今回は付近の村で発生している行方不明事案の絡みがあることから、騎士団が派遣された経緯だ。ベテランの冒険者ですら、調査の終わっていない新階層の調査は死と隣り合わせであり、生存率は5割と半々。
敵軍把握や威力偵察など、偵察小隊の任務柄仕方のないことであるが、ウェンデルは軽々しく偵察小隊を捨て駒のように扱う騎士団上層部の意向にはうんざりしていた。だからこそ、こうした任務でも生き残ることが、ウェンデルの目的でもあった。
「偵察小隊、前進」
中隊長に指示されたウェンデル達偵察小隊20名は、ダンジョンの中を探索していく。
「前方、60ケートル先に魔界族、小鬼の群れあり」
「了解、制圧射撃開始」
小鬼と呼ばれる体躯の小さな魔界族の群れが、偵察小隊を待ち構えていた。隊長の指示に従い、隊員達は魔道速射銃を構える。
「撃て」
銃口から発射された魔道弾が小鬼達を貫いていく、隊員達は個々に魔法を使うことができるが、基本的な戦い方は魔道具による攻撃と決められている。これは、人それぞれ威力や規模の違う魔法を使うよりも、統一された威力を持つ魔道具の方が集団戦術に向いているからである。
ウェンデルは正面から右に30度、群れの中に少し毛の生えた大きい小鬼を見つける。小鬼の群れはヌシと呼ばれるリーダーによって統率されており、ヌシを殺せば群れの統率は瓦解する。
「俺がやる」
背中に背負っていた魔道狙撃銃を手にしたウェンデルは、照準を安定させてヌシを狙う。
速射銃よりも口径が大きいため、頭部を狙った弾丸はヌシの判別がつかないほど頭部を破壊する。攻撃でヌシを失った小鬼の群れは、我先へとダンジョンの奥へ消えていく。
「流石は先輩ですね!」
「あぁ…」
ウェンデルの隣にいた彼の後輩隊員は、彼の狙撃技術に目を輝かせて賞賛する。
「ミーナ、弾倉はまだ残っているか?」
「はい!」
「なら大丈夫だな、気をつけて進むぞ」
偵察小隊はこうして魔界族との戦いを繰り広げ、すでに調査済みである17階層へと到達する。
「ここが、新しい階層への扉か…」
17階層の奥、鬱蒼とした木々が広がる森の中に、不自然に佇む一つの扉。
「行くぞ」
扉を開けると、反対側に何も無いはずであった扉の奥に通路が続いている。ウェンデルたちは通路の中へ入り、下層へと続く階段を降りていく。
「ここは…」
「総員、警戒しろ。何かいるぞ」
暗闇に包まれた空間、ウェンデルたちがいる場所から部屋の隅に置かれたランプが順番に灯っていく。
「おい………まじかよ」
「暗黒騎士…」
暗黒騎士、魔界族の中でも魔王に近いといわれる存在。
部屋の中央に立つ黒一色の禍々しい鎧に身を包んだ騎士は、バスターソードを床に突き立ててウェンデルたちを見据えていた。
「ッ⁉︎」
「扉が!」
後方から扉が勝手に閉まる音が聞こえる。隊員達が狼狽えていると、部屋の中央にいた暗黒騎士はバスターソードを手に取ると、ウェンデル達に剣先を向ける。
「来るぞ!」
ウェンデルが叫ぶと同時に、暗黒騎士は前に足を踏み出し、一気に隊員たちと距離を詰める。
「えっ⁉︎」
バスターソードを振りかぶった暗黒騎士は、先頭に立っていた偵察隊長を真っ二つに両断する。
血の雨がウェンデルたちに降り注ぐ。
「た、隊ちょッ⁉︎」
「ぐぎゃあっ⁉︎」
「散開しろ!固まっているとやられるぞ!」
「で、ですが!」
「馬鹿!目を離すなっ‼︎」
一等騎士長であるウェンデルに指示を乞おうとした隊員の首が刎ねられる。
「くそったれ!!」
ウェンデルは魔道狙撃銃で暗黒騎士を狙い撃つ。しかし、暗黒騎士の鎧に銃弾が弾かれてしまう。
「うぉおおおおっ!」
小鬼や狼とは違う、桁違いな強さを持つ相手に恐怖する隊員達。だがそれ以上に、偵察小隊隊長が死に、指揮権の移行を受けた自分には、部下を守る義務がある。
ウェンデルは覚悟を決めて、魔道狙撃銃を構え直す。部下を守るために、暗黒騎士に向けて的確な銃撃を食らわせる。しかし、暗黒騎士の鎧は銃撃を一切受け付けず、一人、また一人と犠牲になっていく。
「くそったれが!」
ウェンデルは魔道狙撃銃を投げ捨て、剣を抜いて暗黒騎士に斬りかかる。
「ッ!?」
ウェンデルの剣は暗黒騎士の鎧に弾かれる。そして、暗黒騎士がバスターソードを横薙ぎに振るう。
「⁉︎」
その時、部屋に響く一発の銃声。銃声と共に放たれた弾丸は、ウェンデルの胴を捉えようとしていた暗黒騎士のバスターソードに命中し、その威力で弾き飛ばす。
「強装弾、中々反動も強いな」
「あ、あんた達」
ウェンデルが振り返ると、そこにはレイを先頭に黒服に身を包んだリベル・ファミリアたちがいた。
レイは続け様に単発中折れ拳銃の弾を装填し、暗黒騎士に向けて放つ。早撃ちで的確な射撃、その上、対物用に作られた通常の3倍の威力を誇る強装弾の着弾は、圧倒的な力を誇る暗黒騎士であっても、一度態勢を立て直さなければならないほどだった。
「お嬢様」
「あぁ」
レイはジェラードから手渡された抜刀剣の柄を掴むと、暗黒騎士に近づきながら鞘からゆっくりと引き抜く。
「アタシ一人で十分だ」
暗黒騎士は体勢を立て直すと、バスターソードをレイに向けて振り下ろす。しかし、その攻撃を読んでいたかのように彼女は軽く躱し、抜刀剣を振り上げる。そして振り上げた抜刀剣を振り下ろすと、暗黒騎士の鎧に一筋の線が入る。
「⁉︎」
圧倒的な強さを持つ相手にも一切臆することなく斬りかかる姿はまさに戦乙女、暗黒騎士はレイに斬りかかろうとするが、その動きを読んでいたかのようにレイは距離を取る。
「……」
レイは無言で刀を構える。その構えには一切の隙がなく、暗黒騎士は攻めあぐねていた。
「どうした、日和ったか?」
「……」
暗黒騎士はレイに斬りかかる。しかし、その攻撃も躱され、逆にカウンターを受ける。
「胴がガラ空きだ、騎士さんよ」
「⁉︎」
レイは抜刀剣の刀身に手を添えながら、暗黒騎士の胴を横から斬りつける。レイは刀に添えた手に力を入れ、刀身を滑らせる。すると、暗黒騎士の鎧が切れていき、やがて上半身と下半身が真っ二つに切断された。
レイは刀身に付いた血を振るうと、無言で刀を鞘に納める。
「まじかよ。相手は上級魔界族だぞ…」
「先輩、あの人たち何者ですか…先輩?」
「なんであんた達がここにいる?」
「アタシ達も、このダンジョンの周辺で発生している行方不明事件を調べていた。このダンジョンが怪しいと踏んで調査をしていたところよ」
レイはそういうと、ファミリーを連れて部屋の奥へと進んでいく。
「ちょっと待てよ!」
ウェンデルが彼女達の後を追うと、もう一つの空間が広がっていた。そこには、幾つもの小分けにされた檻のようなものが見つかる。
「ここは…」
「なるほど、攫った人間はここに閉じ込めて、まとめて魔界行きってか」
「なんだって⁉︎」
レイの言葉に、ウェンデルは驚く。
「早く助けてやりな。人助けはあんたら騎士団の仕事だろ?」
レイはそういうと、小分けにされた檻の一つに近づき、その中を確認する。中には衰弱した人間が囚われていた。ウェンデルは慌てて駆け寄る。
「おい!大丈夫か!」
「……あ……あなたは……」
檻の中の人間は衰弱しきっており、ウェンデルに反応を示すのもやっとだった。
「待ってろ!今すぐ助けてやるからな!」
ウェンデルは部下達に檻の中にいる人間を救出するよう指示を出すと、自身も囚われた人達を解放させる作業に取り掛かるのだった。
◇
ダンジョンの攻略後、ウェンデルは再びファミリーの息がかかった酒場へとやってくる。
「あんたから呼び出される心当たりは、先日のダンジョンのことだと思うが」
「いいえ、今日はそんなことで呼んだわけじゃないわ。あなたと腹を割って話をしようと思って。ネルソン、ミッドナイトを二つ」
「イエス、ボス」
「……」
ウェンデルは無言でレイを見つめる。そして、彼女の真意を探ろうとするが、彼女はただ微笑むだけだった。
「どうぞ」
ミッドナイトと呼ばれるグラスに注がれた群青色のカクテルがウェンデルの前に差し出される。彼はそれを手に取り、一口飲むとその美味さに驚愕する。
「初めて飲むカクテルだが、こいつは美味いな」
「アタシが気まぐれに考えたの。気に入ってくれたなら嬉しいわ」
レイはカクテルを味わいながら、ウェンデルに話をする。
「力、それは話すことよりも物事を解決する手段よ。あなたは、その力を持っているわ」
「一体何の力だ?」
「人を動かす力」
「人を…」
「あなたには人を動かす力がある。どんな窮地に陥っても、部下は最後まであなたの命令に従って動いていた。それは軍規で定められている指揮権の委譲が理由でもあるけど、日頃のあなたの行いを見て信用されていたから。それは騎士としても、人としても良き才能の一つよ」
レイの言葉に、ウェンデルは照れながらも、話の続きを促す。
「それで、何が言いたいんだ?」
「その才能を、騎士団で埋れさすのは惜しいわ。その力、そしてあなたの信念を貫き、目的を果たすことが出来る場所で使ってみようとは思わない?」
「……」
ウェンデルは無言で、レイに話の続きを促す。彼女はグラスの中身を飲み干すと、ウェンデルを見据える。
「ウェンデル=エリシラム。アタシ達と一緒に来なさい。あなたには、アタシが創る新しい世界を見せてあげたいの」
「新しい世界」
「そう、その世界は一部の特権階級による搾取もなく、一人ひとりが自分で自分の人生を紡ぐことが出来る世界。アタシが創りたい世界よ。ウェンデル、アタシはあなたをファミリーに迎え入れたい」
レイの言葉にウェンデルは少し考える。確かに、ウェンデルは先のダンジョンでの一件から、レイと彼女が率いるリベル・ファミリアの実力を身をもって理解している上、彼女の誘いにも魅力を感じていた。
しかし、彼女たちの立場はシンジケート。いわゆる犯罪組織。誇りと使命感を持って王国民に奉仕することを第一に考えてきたウェンデルにとって、その誘いは自らの誇りと使命感に泥を塗ることになる。
「あなたは理解しているはずよ、この国の仕組み、複雑に入り組んだ利害関係、そして汚れ切った国の中枢のことを」
「………」
「騎士団も無関係とは言えない。あなたが心の中で、騎士団の腐敗を軽蔑し、嫌悪しているように。だからこそ、あなた
はアタシ達の仲間になり得る」
「……」
「アタシは、あなたにこの国を変えるきっかけを与えたいの。あなたが騎士団で培った力を、この国のためではなく、今を生きる人々のために使ってもらいたい」
レイの言葉にウェンデルは考える。そして彼はミッドナイトを飲み干すと、席を立ちレイに正対し、片膝をついて忠誠の誓いを示す。
「この身、この経験、この意志、全てをあなたに捧げます。マイロード」
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