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決戦編
第61話 仕えし者
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千林へと向かう道中、瑞穂たちは街道で身なりの汚れた男に突然呼び止められる。
「旅の方々、どうかお助けを!家族を、村の者をお救いください!」
「何があったの?」
男は瑞穂の前に跪き、地面に額をつける。あまりの懇願ぶりに、瑞穂は立ち止まって訳を聞くことにした。
「実は、私はこの先にある村の長をしております。先日、村に素性の分からぬ連中が来ました…」
「素性の分からない?賊の類ではないの?」
「いえ、分かりません。その者たちは村に来るや否や、村の者を捕らえ始めました。て、抵抗した者は皆…」
村長はそう言って項垂れる。自分は隙をつき、助けを求めるべく逃げ出してきたと言う。
抵抗する者もいたが、彼らの圧倒的な力の前にはなす術なく、いとも簡単に殺されてしまったと言う。
「助けを求めようも、この国は今は大和と戦の真っ只中、賊のような連中を相手にできないと、兵には断られてしまいました…」
「自国の民よりも、戦を優先するとは…」
「おっ、お願いします!今頼れるのは、あなた方しかおりません!旅の方に頼むのも、村の長として情けないことです。ですが、今も家族も捕らえられたままです…どうか、どうか…」
「瑞穂殿、どうする。ここで騒ぎを起こせば、奴らに居場所が露呈してしまうぞ?」
カヤがそう言うのも無理はない。
元々、瑞穂たちは白拍子に扮したカヤ達と共に、隠密にウルイを討つため迦ノ国に潜入しているのだ。
ここで目立つような行動をすれば、宣戦を布告した敵国の長が、たった数名程度で潜入していることが露呈してしまう。
そうなれば、迦ノ国は全力で瑞穂達を狙うことになるだろう。迦ノ国の騒動に加担することは、それほど危険を孕んでいるのだ。
しかし、瑞穂はそれを断らなかった。
「そいつらの数は?」
「10数名であったと記憶しております。全員が、人殺しに長けた連中です…」
「やるのか、瑞穂?」
「えぇ。カヤ、良いわね?」
「うむ、もちろんじゃ」
「あ、ありがとうございます!」
瑞穂たちは、村長を先頭に山道から外れた山の中を進んでいく。辺りは日中であるのにも関わらず、鬱蒼としており空気が重い。
「村長、そいつら賊の心当たりはあるのか?」
「いえ、奴らは我々と意志の疎通を図ろうとせず、ただ捕らえるのみ。歯向かえば…」
「シッ」
藤香が何かの気配に気づき、全員を止める。その視線の先には、村の者と思わしき男が、草木の中にぼうっと佇んでいた。
男を見た村長が、草の陰から飛び出す。
「ゴウ、無事だったか!」
「ま、待て村長!」
御剣が村長を引き止めたときには、時すでに遅し。男に駆け寄った村長は、まるで大蛇の様に伸ばした首に巻き付かれる。
「あがっ!」
それは、妖の一種ろくろ首。ろくろ首は長く伸ばした首を村長に巻き付けると、身体を締め付けて破裂させる。
「ひっ⁉︎」
その光景を見た千代が悲鳴を漏らすと、ろくろ首は草むらに身を隠す瑞穂たちの姿を見つけた。
「まずい、見つかった⁉︎」
「ミィアン、いける⁉︎」
「うちにお任せやぁ」
草むらから飛び出したミィアンは、方天戟の包みを取ると、その刀身でろくろ首の首を落とそうとする。
しかし、ろくろ首はその長い首をまるで鞭の様にしならせ、振り下ろされたミィアンの方天戟を躱した。
「はぇ、これを躱すんかぁ」
ろくろ首の首を外したミィアンの方天戟は、地面に突き刺さり土が盛り上がるほどの衝撃が起こる。
すると、ろくろ首は伸びた首の先にある口から、緑色の液体を吐きつけた。ミィアンはそれを躱すが、地面に落ちた緑色の液体は土を溶かしてしまう。
「ミィアン‼︎」
「分かっとるぇ!」
ミィアンは捉えにくい首から、狙いをろくろ首の胴体へと変える。ミィアンの強烈な斬撃を受けたろくろ首は、胴体が弾け飛ぶほどの衝撃を受け、残った体はその場へと力なく倒れる。
「ご苦労様、ミィアン」
「危なかったぇ。うちでも、あんな気持ち悪いの食らってたら、ドロドロに溶けてたぇ…」
ミィアンを労った後、瑞穂は村長の元へと歩み寄る。葦原で村長をしていた瑞穂にとって、彼がどれほどの思いで自分たちに助けを求めていたのかは理解していた。
「ごめんなさい。あなたの村と、あなたの家族は、私たちが助けるから…」
ろくろ首に絞め殺され、辛うじて人の形を保っている村長の遺骸に、瑞穂は手を合わした。
地面に倒れ、徐々に体が灰になり消えていくろくろ首を見たシラヌイが口を開く。
「何故、この地に妖がおるのじゃ…」
「理由は分からないわ。でも、このろくろ首のこと、村長はゴウって呼んでいたわね。と言うことは…」
最悪の事態を想定する必要がある。その場にいた誰もがそう思った。
「直接行って確かめるわ。今は、村人たちを助けるのが先決よ」
しかし、瑞穂達を待ち構えていたのは、凄惨な光景だった。妖となった人が死体を貪り、村の空にはその血肉を狙う蟲、ガチャムタが飛び回っている。
すると、黒装束に身を包んだ者が、泣きじゃくる女の髪を掴み、そのまま引き摺り家屋から出てきた。引き摺られる女は必死に抵抗するが、男の力は強力で、女はその手から逃れることができない。女は悲鳴を上げ、助けを求める。
「いやっ!いやっ!誰か、誰か助けて!」
「生き残りか!」
「全員、生き残った村人を助けるわ!行くわよ!」
瑞穂たちは、各々自分の武器を構える。その様子を見ていたカヤは、従者からある物を受け取る。
それは、真紅に染め上げられた長弓と矢筒。それも、弓の弦は強靭な男がようやく引くことができる程の強度を誇っており、傍から見えばカヤが扱えるのか疑問に思ってしまう程であった。
「シオン、余はここから援護する。瑞穂殿たちと共に前線で動くのじゃ」
「承知しました。どうかお気をつけて」
シオンと別れたカヤは、見晴らしの良い家屋の屋根へと移動する。
「ここならよく見える…」
カヤは弓に矢を番え、上空を見上げる。上空には、地上で戦う瑞穂たちを攻撃するため、翼を持つ蟲のガチャムタが狙いを定めるために旋回していた。
その1匹に狙いを定めて矢を放つ。剛弓ともいえる弓から放たれた矢は、風の抵抗を受けることなく一直線にガチャムタへと吸い込まれていく。
矢は狙いを定めたガチャムタに命中する。しかし、群れで行動するガチャムタは仲間がやられたことで、狙いを直下の瑞穂たちから家屋の屋根の上で弓を構えるカヤへと狙いを変えた。
「遅い…」
カヤは精神を研ぎ澄まし、目を見開く。すると、空中を飛行するガチャムタの速度が極端に遅くなり、カヤの視点からはまるで時が止まったかの様に見える。
この力こそ、彼女の持つ呪力による呪術、幻符『遅滞』である。呪力を自らの精神に作用させることで、精神を一種の興奮状態にする。すると、心の臓の鼓動が早まり、目の前の事象が緩やかに動いている様に見ることができる。つまり、自らの感覚を活性化させるというのが、彼女の得意とする呪術であった。
自らに向かってくるガチャムタを、カヤは次々と射落としていく。矢が少なくならば、側に待機していた従者が矢筒へと矢を補充する。
弓の扱いにおいては、大和で右に出る者はいないといわれる弓取りのカヤ。その矢の援護もあってか、地上の瑞穂たちは空中のガチャムタを気にすることなく戦うことができた。
‘’さすがね、カヤ。それにしてもこいつらは、やはり人外、それも妖の類かしら…‘’
自分たちの姿を見て襲いかかってくる黒装束たちを、瑞穂たちは刀で、方天戟で、牙と爪で葬っていく。中には、先ほど倒したろくろ首に変態する者や、餓鬼、妖鬼となる者までいた。
「氷華!」
氷の風を纏ったシオンの刀身から衝撃波が放たれ、衝撃波が命中した場所が氷の山の様に冷え固まる。氷の中に閉じ込められて身動きが取れなくなった敵を、ミィアンが氷ごと粉々に砕く。
「これで最後ね」
瑞穂は向かってきた黒装束を斬り伏せ、刀を鞘へと納める。すると、その黒装束の懐から小さな筒が転がり出してくる。
「これは一体…」
筒を拾い上げた瑞穂。蓋を開けると、そこに入っていたのは赤く濁った不気味な液体。瑞穂はその液体を観察するが、それが何なのかは全くわからない。結果が出ないまま、瑞穂は生き残った数少ない村人たちの元へと向かう。
「旅の方々、此度は何と御礼を申し上げたら良いか…」
「礼には及びません」
「あ、あのっ、そこのお方…」
幼い子供を連れた女性が、瑞穂の元へと駆け寄る。
「主人は…助けを呼びに行った、うちの主人は…」
「私たちとここへ来る道中、妖の手に掛かりました。お助けできず申し訳ありません」
「そ、そんな、そんな…」
「残念です…」
女性は涙を流しその場に座り込む。他の女性たちに連れられた後、一人の男が頭を下げる。
「そうでしたか。村長殿が…」
「彼は最後まで、村の者、そして家族を案じておりました。その様な素晴らしい方をお救いできず、申し訳ありません」
「いえ、村長が命を掛けてあなた方をお連れしたおかげで、この村は救われました。村長は、我々が責任を持って弔わせてもらいます」
「よろしくお願いします。少し、頼みがあるのですが。私たちは明日、ここより南にある千林へと向かいます。今晩、ここに泊めてもらえないでしょうか」
「あなた様方にお泊まりいただけるのは、光栄でございます。村で大きな家が一つあります。そこを自由にお使いしていただいて構いません…何せ、もう家人がおりませんので…」
◇
日が暮れ、梟の鳴き声が森の中から聞こえてくる。私は一人、宿を抜け出して黒装束たちの身につけていた物が積まれている場所へと向かう。倒した黒装束や妖、蟲や村人の骸は、村の広場に集められて焼かれた。
私が気になっていたのは、あの黒装束が持っていた赤い液体の入った筒。色合いと臭い、それだけでも明らかに触れたり摂取すると危険なものであると分かる。
思い出せば、斎国との戦いでデイダラボッチと化したあの黒装束も、同じ様に赤い液体を飲んで変態していた。
「誰?」
「妾じゃ、瑞穂殿」
「シラヌイ…」
振り返ると、人の姿となったシラヌイが立っていた。シラヌイは私の横へと歩み寄ると、積み上げられた黒焦げの骸の山を眺める。
「カミコ殿に仕えていた頃、大戦の中である村が焼かれたことがあっての。その村は山の奥深くにあり、大和側でも妾たち大御神側でもない、戦と無縁な土地じゃった。しかし、大和大神共は妾たちへの見せしめとして、戦とは全く関係のないその村を焼き、人々を妖共の餌にしよった。その時のことを思い出した…」
「カミコやあなたの戦った大戦も、相当悲惨なものだったのね」
「大戦がきっかけで、大神への信仰が失われるほどじゃったからな…」
私はシラヌイにあの液体の入った筒を手渡す。
「シラヌイ、これに見覚えはあるかしら」
「筒の中に、赤い水…かの」
「この黒装束の一人が持っていたの。あなたが私に助太刀してくれた斎国との戦いの際、あの巨大な妖が変態前にこれを飲んでいたわ。これについて、知らない?」
「…恐らく、呪いの血、じゃろうな…」
「呪いの血?」
「カミコ殿や時の従者であった剣史郎、その仲間たちによって倒されたタタリは、その身を人智の及ばぬところへと封印した。しかし、ただ封印するだけではタタリほど強力な妖はすぐにでも復活してしまう。そこでカミコ殿はタタリの血に目を付けたのじゃ」
「血?」
「タタリの原動力は無尽蔵の呪力、その呪力が全身の血脈を通ることによって恐ろしいほどに強い力を発することが出来るのじゃ。カミコ殿は、封印する際にタタリの身体からその血を永遠に垂れ流す様に仕組んだのじゃ。そうする事で、タタリはその身に呪力の力を蓄えることができず、力を失う。流れ出したタタリの血は、封印される奴の存在と奴の力が籠もったものとして、呪いの血と呼ばれる様になったのじゃ」
「なるほどね。だから、普通の人間程度がこれを飲めば、身体が強大なタタリの力に耐えることが出来ず、呪力が暴走して妖となってしまうと…」
シラヌイは私の言葉に、首を縦に振る。
「しかし、タタリの封印場所は人の人智の及ばぬところ。それが本当に奴の呪いの血であれば、すでにその手の者たちに場所が知られていると見て良いじゃろう…」
「シラヌイ、そこはどこなの?」
「…神居古潭の神都地下にある、地下遺跡じゃ…」
「地下遺跡?神居古潭にそんなところがあるの?」
「神居古潭は大神が眠る地とされておる。それは、地下遺跡に封印したタタリを二度と現世に出さぬため、多くの大神たちがその魂で繋ぎ止めておるから、そう呼ばれておるのじゃ…。信仰を失った大神たちが、最後の役目として魂の鎖を担っておる…」
その話が本当であれば、神居古潭の地下には現世を滅ぼしかねない存在が封印されていることになる。そして、その手元にタタリの呪われた血があると言うことは、これまで人智の及ばぬ場所とされてきた地下遺跡にまで、その手の者が干渉していると言って良いだろう。
「奴が大御神殿に対して抱くのは、憎悪のみ。憎しみに囚われ、自らの復讐を果たすことしか考えていない奴とは、いずれ必ず刃を交えることになるじゃろうな」
「それは、どういう意味?」
「此奴らの様に、奴の手の者がこの現世を暗躍しておる。此奴らの目的は、再びタタリをこの世に復活せんと考えておるのじゃろう。全く、荒唐無稽な話よ…」
シラヌイはそういうと、私の左の掌を両手で優しく包み込んだ。屋敷の縁側に座った私の隣に、シラヌイも腰を下ろした。
「カミコ殿とも、こうしてよく話したものじゃ。たまに時の斎ノ巫女も混じってな。懐かしい思い出じゃ…」
「どんな話をしていたの?」
「いつも従者や斎ノ巫女、村の者たちの話をしておった。妾も、それを聞くのが楽しみじゃった」
シラヌイはそう言うと、どこからか持ち出してきた杯を差し出し、そこに酒を注いだ。
「妾ごときが御身の役に立てるかは分からぬ。じゃが、妾はこの身が滅びようと、御身に最後まで従う所存じゃ。それが、妾の仕えたもう一人の大御神殿との約束じゃからな」
「あなたには、何度も命を救われているわ。だから、その信念を疑ったりはしていないわ」
「嬉しい限りじゃ」
酒を飲み終えた私は、囲炉裏で燃えていた火の中に、血の入った筒を投げ入れる。
これが、私のタタリに対する宣戦布告だ。
◇
一方、瑞穂たちが留守にしている皇都では、凛の扮したもう一人の瑞穂によって、迦ノ国に対する戦力の整備が着々と進められていた。そんな中、ユーリとホルスは、故郷である神居古潭の連絡係から聞いた話に耳を疑った。
「大宮司様が、ゆ、行方不明…」
「政務室から、忽然と姿を消されたそうで。守人たちによる探知にも反応せず、依然として消息が掴めていない状況とのことです…」
宰相として、皇である瑞穂不在の皇国を纏める立場である以上、例え故郷の長の命が危険に晒されても、ユーリは動くことができない。
「神都には、何重にも探知結界と防御結界が張られているわ。その結界に反応がないのであれば、神都から出ていないのは確かだと思うけど…」
「すでに、帰国した御伽衆による捜索が続けられているのが、現時点の状況だと…」
「ホルス、私たちは今は皇国の人間です。宰相として、省長として、成すべきことをするまで」
「姉上…」
「致し方ないわ。捜索は御伽衆に任せるとしましょう。進展があれば、また私に報告して」
報告を聞き終えたユーリは、頭を抱えて椅子に座り込む。その様子を見て、ホルスが何とか気を取り戻してもらおうとする。
「姉上、ヤシロたち御伽衆に任せておけば安心です。皇国の宰相が暗い顔だと、みんなが心配してしまいます…」
「そうね。分かったわホルス…」
気を取り直し、立ち上がったユーリはホルスと共に禊ノ間へと向かう。すでにここには迦ノ国に潜入している瑞穂たちを除き、居残り組となった小夜、仁、リュウ、ローズが集まっていた。
「ユーリ様、ホルス殿」
「皆さん、遅くなりました」
「大地図に戦力の状況を纏めました。壁をご覧ください」
禊ノ間の壁に、皇国の周辺地図が張り出される。小夜が色分けされ、各国の兵を模した画鋲を地図刺していく。
「これが、現時点の各国の兵団配置図なのです。すでに斎国と胡ノ国は、自国に大和と迦ノ国の戦の火種が飛ばない様、国境沿いに多数の部隊を配置してるです。問題は、迦ノ国と大和の兵力の配置なのです」
小夜の刺した場所、皇国と迦ノ国との国境には、迦ノ国兵を表す緑色の画鋲が少数だけ刺さっており、残りは北の大和との国境にほとんどが集中していた。
「国境沿いがほとんど手薄ですね」
「迦ノ国は、恐らく皇国がすぐにでも攻め込まないと踏み、戦力の大半を大和への攻勢に充てているです。迦ノ国に攻め込むのであれば、今しかないかと思うです」
「遠征戦力は、時間が掛かっているが整いつつあります。やるなら今ですね」
「賛成ね。迦ノ国が万が一でも大和を落としてしまえば、あの軍勢が再び皇国へと攻め込んでくるわ」
「では、先んじて右京殿と可憐殿の第1、第2軍に動いてもらいましょう。皇都の防衛は、旧宇都見国との国境防衛を担う観音寺殿の第3軍半数と、第6軍半数としましょう」
「小夜、なるべく細かく戦況を分析してくれるかしら」
「分かりましたです」
瑞穂たちが迦ノ国に潜入している間、皇国は着々と迦ノ国との戦いの準備を進めていた。
それは、皇国の北に位置する斎国、そして胡ノ国も同じであった。
彼らの中に共通してあるのは、世界を巻き込んだ大戦が近く始まると言う認識であった。
「旅の方々、どうかお助けを!家族を、村の者をお救いください!」
「何があったの?」
男は瑞穂の前に跪き、地面に額をつける。あまりの懇願ぶりに、瑞穂は立ち止まって訳を聞くことにした。
「実は、私はこの先にある村の長をしております。先日、村に素性の分からぬ連中が来ました…」
「素性の分からない?賊の類ではないの?」
「いえ、分かりません。その者たちは村に来るや否や、村の者を捕らえ始めました。て、抵抗した者は皆…」
村長はそう言って項垂れる。自分は隙をつき、助けを求めるべく逃げ出してきたと言う。
抵抗する者もいたが、彼らの圧倒的な力の前にはなす術なく、いとも簡単に殺されてしまったと言う。
「助けを求めようも、この国は今は大和と戦の真っ只中、賊のような連中を相手にできないと、兵には断られてしまいました…」
「自国の民よりも、戦を優先するとは…」
「おっ、お願いします!今頼れるのは、あなた方しかおりません!旅の方に頼むのも、村の長として情けないことです。ですが、今も家族も捕らえられたままです…どうか、どうか…」
「瑞穂殿、どうする。ここで騒ぎを起こせば、奴らに居場所が露呈してしまうぞ?」
カヤがそう言うのも無理はない。
元々、瑞穂たちは白拍子に扮したカヤ達と共に、隠密にウルイを討つため迦ノ国に潜入しているのだ。
ここで目立つような行動をすれば、宣戦を布告した敵国の長が、たった数名程度で潜入していることが露呈してしまう。
そうなれば、迦ノ国は全力で瑞穂達を狙うことになるだろう。迦ノ国の騒動に加担することは、それほど危険を孕んでいるのだ。
しかし、瑞穂はそれを断らなかった。
「そいつらの数は?」
「10数名であったと記憶しております。全員が、人殺しに長けた連中です…」
「やるのか、瑞穂?」
「えぇ。カヤ、良いわね?」
「うむ、もちろんじゃ」
「あ、ありがとうございます!」
瑞穂たちは、村長を先頭に山道から外れた山の中を進んでいく。辺りは日中であるのにも関わらず、鬱蒼としており空気が重い。
「村長、そいつら賊の心当たりはあるのか?」
「いえ、奴らは我々と意志の疎通を図ろうとせず、ただ捕らえるのみ。歯向かえば…」
「シッ」
藤香が何かの気配に気づき、全員を止める。その視線の先には、村の者と思わしき男が、草木の中にぼうっと佇んでいた。
男を見た村長が、草の陰から飛び出す。
「ゴウ、無事だったか!」
「ま、待て村長!」
御剣が村長を引き止めたときには、時すでに遅し。男に駆け寄った村長は、まるで大蛇の様に伸ばした首に巻き付かれる。
「あがっ!」
それは、妖の一種ろくろ首。ろくろ首は長く伸ばした首を村長に巻き付けると、身体を締め付けて破裂させる。
「ひっ⁉︎」
その光景を見た千代が悲鳴を漏らすと、ろくろ首は草むらに身を隠す瑞穂たちの姿を見つけた。
「まずい、見つかった⁉︎」
「ミィアン、いける⁉︎」
「うちにお任せやぁ」
草むらから飛び出したミィアンは、方天戟の包みを取ると、その刀身でろくろ首の首を落とそうとする。
しかし、ろくろ首はその長い首をまるで鞭の様にしならせ、振り下ろされたミィアンの方天戟を躱した。
「はぇ、これを躱すんかぁ」
ろくろ首の首を外したミィアンの方天戟は、地面に突き刺さり土が盛り上がるほどの衝撃が起こる。
すると、ろくろ首は伸びた首の先にある口から、緑色の液体を吐きつけた。ミィアンはそれを躱すが、地面に落ちた緑色の液体は土を溶かしてしまう。
「ミィアン‼︎」
「分かっとるぇ!」
ミィアンは捉えにくい首から、狙いをろくろ首の胴体へと変える。ミィアンの強烈な斬撃を受けたろくろ首は、胴体が弾け飛ぶほどの衝撃を受け、残った体はその場へと力なく倒れる。
「ご苦労様、ミィアン」
「危なかったぇ。うちでも、あんな気持ち悪いの食らってたら、ドロドロに溶けてたぇ…」
ミィアンを労った後、瑞穂は村長の元へと歩み寄る。葦原で村長をしていた瑞穂にとって、彼がどれほどの思いで自分たちに助けを求めていたのかは理解していた。
「ごめんなさい。あなたの村と、あなたの家族は、私たちが助けるから…」
ろくろ首に絞め殺され、辛うじて人の形を保っている村長の遺骸に、瑞穂は手を合わした。
地面に倒れ、徐々に体が灰になり消えていくろくろ首を見たシラヌイが口を開く。
「何故、この地に妖がおるのじゃ…」
「理由は分からないわ。でも、このろくろ首のこと、村長はゴウって呼んでいたわね。と言うことは…」
最悪の事態を想定する必要がある。その場にいた誰もがそう思った。
「直接行って確かめるわ。今は、村人たちを助けるのが先決よ」
しかし、瑞穂達を待ち構えていたのは、凄惨な光景だった。妖となった人が死体を貪り、村の空にはその血肉を狙う蟲、ガチャムタが飛び回っている。
すると、黒装束に身を包んだ者が、泣きじゃくる女の髪を掴み、そのまま引き摺り家屋から出てきた。引き摺られる女は必死に抵抗するが、男の力は強力で、女はその手から逃れることができない。女は悲鳴を上げ、助けを求める。
「いやっ!いやっ!誰か、誰か助けて!」
「生き残りか!」
「全員、生き残った村人を助けるわ!行くわよ!」
瑞穂たちは、各々自分の武器を構える。その様子を見ていたカヤは、従者からある物を受け取る。
それは、真紅に染め上げられた長弓と矢筒。それも、弓の弦は強靭な男がようやく引くことができる程の強度を誇っており、傍から見えばカヤが扱えるのか疑問に思ってしまう程であった。
「シオン、余はここから援護する。瑞穂殿たちと共に前線で動くのじゃ」
「承知しました。どうかお気をつけて」
シオンと別れたカヤは、見晴らしの良い家屋の屋根へと移動する。
「ここならよく見える…」
カヤは弓に矢を番え、上空を見上げる。上空には、地上で戦う瑞穂たちを攻撃するため、翼を持つ蟲のガチャムタが狙いを定めるために旋回していた。
その1匹に狙いを定めて矢を放つ。剛弓ともいえる弓から放たれた矢は、風の抵抗を受けることなく一直線にガチャムタへと吸い込まれていく。
矢は狙いを定めたガチャムタに命中する。しかし、群れで行動するガチャムタは仲間がやられたことで、狙いを直下の瑞穂たちから家屋の屋根の上で弓を構えるカヤへと狙いを変えた。
「遅い…」
カヤは精神を研ぎ澄まし、目を見開く。すると、空中を飛行するガチャムタの速度が極端に遅くなり、カヤの視点からはまるで時が止まったかの様に見える。
この力こそ、彼女の持つ呪力による呪術、幻符『遅滞』である。呪力を自らの精神に作用させることで、精神を一種の興奮状態にする。すると、心の臓の鼓動が早まり、目の前の事象が緩やかに動いている様に見ることができる。つまり、自らの感覚を活性化させるというのが、彼女の得意とする呪術であった。
自らに向かってくるガチャムタを、カヤは次々と射落としていく。矢が少なくならば、側に待機していた従者が矢筒へと矢を補充する。
弓の扱いにおいては、大和で右に出る者はいないといわれる弓取りのカヤ。その矢の援護もあってか、地上の瑞穂たちは空中のガチャムタを気にすることなく戦うことができた。
‘’さすがね、カヤ。それにしてもこいつらは、やはり人外、それも妖の類かしら…‘’
自分たちの姿を見て襲いかかってくる黒装束たちを、瑞穂たちは刀で、方天戟で、牙と爪で葬っていく。中には、先ほど倒したろくろ首に変態する者や、餓鬼、妖鬼となる者までいた。
「氷華!」
氷の風を纏ったシオンの刀身から衝撃波が放たれ、衝撃波が命中した場所が氷の山の様に冷え固まる。氷の中に閉じ込められて身動きが取れなくなった敵を、ミィアンが氷ごと粉々に砕く。
「これで最後ね」
瑞穂は向かってきた黒装束を斬り伏せ、刀を鞘へと納める。すると、その黒装束の懐から小さな筒が転がり出してくる。
「これは一体…」
筒を拾い上げた瑞穂。蓋を開けると、そこに入っていたのは赤く濁った不気味な液体。瑞穂はその液体を観察するが、それが何なのかは全くわからない。結果が出ないまま、瑞穂は生き残った数少ない村人たちの元へと向かう。
「旅の方々、此度は何と御礼を申し上げたら良いか…」
「礼には及びません」
「あ、あのっ、そこのお方…」
幼い子供を連れた女性が、瑞穂の元へと駆け寄る。
「主人は…助けを呼びに行った、うちの主人は…」
「私たちとここへ来る道中、妖の手に掛かりました。お助けできず申し訳ありません」
「そ、そんな、そんな…」
「残念です…」
女性は涙を流しその場に座り込む。他の女性たちに連れられた後、一人の男が頭を下げる。
「そうでしたか。村長殿が…」
「彼は最後まで、村の者、そして家族を案じておりました。その様な素晴らしい方をお救いできず、申し訳ありません」
「いえ、村長が命を掛けてあなた方をお連れしたおかげで、この村は救われました。村長は、我々が責任を持って弔わせてもらいます」
「よろしくお願いします。少し、頼みがあるのですが。私たちは明日、ここより南にある千林へと向かいます。今晩、ここに泊めてもらえないでしょうか」
「あなた様方にお泊まりいただけるのは、光栄でございます。村で大きな家が一つあります。そこを自由にお使いしていただいて構いません…何せ、もう家人がおりませんので…」
◇
日が暮れ、梟の鳴き声が森の中から聞こえてくる。私は一人、宿を抜け出して黒装束たちの身につけていた物が積まれている場所へと向かう。倒した黒装束や妖、蟲や村人の骸は、村の広場に集められて焼かれた。
私が気になっていたのは、あの黒装束が持っていた赤い液体の入った筒。色合いと臭い、それだけでも明らかに触れたり摂取すると危険なものであると分かる。
思い出せば、斎国との戦いでデイダラボッチと化したあの黒装束も、同じ様に赤い液体を飲んで変態していた。
「誰?」
「妾じゃ、瑞穂殿」
「シラヌイ…」
振り返ると、人の姿となったシラヌイが立っていた。シラヌイは私の横へと歩み寄ると、積み上げられた黒焦げの骸の山を眺める。
「カミコ殿に仕えていた頃、大戦の中である村が焼かれたことがあっての。その村は山の奥深くにあり、大和側でも妾たち大御神側でもない、戦と無縁な土地じゃった。しかし、大和大神共は妾たちへの見せしめとして、戦とは全く関係のないその村を焼き、人々を妖共の餌にしよった。その時のことを思い出した…」
「カミコやあなたの戦った大戦も、相当悲惨なものだったのね」
「大戦がきっかけで、大神への信仰が失われるほどじゃったからな…」
私はシラヌイにあの液体の入った筒を手渡す。
「シラヌイ、これに見覚えはあるかしら」
「筒の中に、赤い水…かの」
「この黒装束の一人が持っていたの。あなたが私に助太刀してくれた斎国との戦いの際、あの巨大な妖が変態前にこれを飲んでいたわ。これについて、知らない?」
「…恐らく、呪いの血、じゃろうな…」
「呪いの血?」
「カミコ殿や時の従者であった剣史郎、その仲間たちによって倒されたタタリは、その身を人智の及ばぬところへと封印した。しかし、ただ封印するだけではタタリほど強力な妖はすぐにでも復活してしまう。そこでカミコ殿はタタリの血に目を付けたのじゃ」
「血?」
「タタリの原動力は無尽蔵の呪力、その呪力が全身の血脈を通ることによって恐ろしいほどに強い力を発することが出来るのじゃ。カミコ殿は、封印する際にタタリの身体からその血を永遠に垂れ流す様に仕組んだのじゃ。そうする事で、タタリはその身に呪力の力を蓄えることができず、力を失う。流れ出したタタリの血は、封印される奴の存在と奴の力が籠もったものとして、呪いの血と呼ばれる様になったのじゃ」
「なるほどね。だから、普通の人間程度がこれを飲めば、身体が強大なタタリの力に耐えることが出来ず、呪力が暴走して妖となってしまうと…」
シラヌイは私の言葉に、首を縦に振る。
「しかし、タタリの封印場所は人の人智の及ばぬところ。それが本当に奴の呪いの血であれば、すでにその手の者たちに場所が知られていると見て良いじゃろう…」
「シラヌイ、そこはどこなの?」
「…神居古潭の神都地下にある、地下遺跡じゃ…」
「地下遺跡?神居古潭にそんなところがあるの?」
「神居古潭は大神が眠る地とされておる。それは、地下遺跡に封印したタタリを二度と現世に出さぬため、多くの大神たちがその魂で繋ぎ止めておるから、そう呼ばれておるのじゃ…。信仰を失った大神たちが、最後の役目として魂の鎖を担っておる…」
その話が本当であれば、神居古潭の地下には現世を滅ぼしかねない存在が封印されていることになる。そして、その手元にタタリの呪われた血があると言うことは、これまで人智の及ばぬ場所とされてきた地下遺跡にまで、その手の者が干渉していると言って良いだろう。
「奴が大御神殿に対して抱くのは、憎悪のみ。憎しみに囚われ、自らの復讐を果たすことしか考えていない奴とは、いずれ必ず刃を交えることになるじゃろうな」
「それは、どういう意味?」
「此奴らの様に、奴の手の者がこの現世を暗躍しておる。此奴らの目的は、再びタタリをこの世に復活せんと考えておるのじゃろう。全く、荒唐無稽な話よ…」
シラヌイはそういうと、私の左の掌を両手で優しく包み込んだ。屋敷の縁側に座った私の隣に、シラヌイも腰を下ろした。
「カミコ殿とも、こうしてよく話したものじゃ。たまに時の斎ノ巫女も混じってな。懐かしい思い出じゃ…」
「どんな話をしていたの?」
「いつも従者や斎ノ巫女、村の者たちの話をしておった。妾も、それを聞くのが楽しみじゃった」
シラヌイはそう言うと、どこからか持ち出してきた杯を差し出し、そこに酒を注いだ。
「妾ごときが御身の役に立てるかは分からぬ。じゃが、妾はこの身が滅びようと、御身に最後まで従う所存じゃ。それが、妾の仕えたもう一人の大御神殿との約束じゃからな」
「あなたには、何度も命を救われているわ。だから、その信念を疑ったりはしていないわ」
「嬉しい限りじゃ」
酒を飲み終えた私は、囲炉裏で燃えていた火の中に、血の入った筒を投げ入れる。
これが、私のタタリに対する宣戦布告だ。
◇
一方、瑞穂たちが留守にしている皇都では、凛の扮したもう一人の瑞穂によって、迦ノ国に対する戦力の整備が着々と進められていた。そんな中、ユーリとホルスは、故郷である神居古潭の連絡係から聞いた話に耳を疑った。
「大宮司様が、ゆ、行方不明…」
「政務室から、忽然と姿を消されたそうで。守人たちによる探知にも反応せず、依然として消息が掴めていない状況とのことです…」
宰相として、皇である瑞穂不在の皇国を纏める立場である以上、例え故郷の長の命が危険に晒されても、ユーリは動くことができない。
「神都には、何重にも探知結界と防御結界が張られているわ。その結界に反応がないのであれば、神都から出ていないのは確かだと思うけど…」
「すでに、帰国した御伽衆による捜索が続けられているのが、現時点の状況だと…」
「ホルス、私たちは今は皇国の人間です。宰相として、省長として、成すべきことをするまで」
「姉上…」
「致し方ないわ。捜索は御伽衆に任せるとしましょう。進展があれば、また私に報告して」
報告を聞き終えたユーリは、頭を抱えて椅子に座り込む。その様子を見て、ホルスが何とか気を取り戻してもらおうとする。
「姉上、ヤシロたち御伽衆に任せておけば安心です。皇国の宰相が暗い顔だと、みんなが心配してしまいます…」
「そうね。分かったわホルス…」
気を取り直し、立ち上がったユーリはホルスと共に禊ノ間へと向かう。すでにここには迦ノ国に潜入している瑞穂たちを除き、居残り組となった小夜、仁、リュウ、ローズが集まっていた。
「ユーリ様、ホルス殿」
「皆さん、遅くなりました」
「大地図に戦力の状況を纏めました。壁をご覧ください」
禊ノ間の壁に、皇国の周辺地図が張り出される。小夜が色分けされ、各国の兵を模した画鋲を地図刺していく。
「これが、現時点の各国の兵団配置図なのです。すでに斎国と胡ノ国は、自国に大和と迦ノ国の戦の火種が飛ばない様、国境沿いに多数の部隊を配置してるです。問題は、迦ノ国と大和の兵力の配置なのです」
小夜の刺した場所、皇国と迦ノ国との国境には、迦ノ国兵を表す緑色の画鋲が少数だけ刺さっており、残りは北の大和との国境にほとんどが集中していた。
「国境沿いがほとんど手薄ですね」
「迦ノ国は、恐らく皇国がすぐにでも攻め込まないと踏み、戦力の大半を大和への攻勢に充てているです。迦ノ国に攻め込むのであれば、今しかないかと思うです」
「遠征戦力は、時間が掛かっているが整いつつあります。やるなら今ですね」
「賛成ね。迦ノ国が万が一でも大和を落としてしまえば、あの軍勢が再び皇国へと攻め込んでくるわ」
「では、先んじて右京殿と可憐殿の第1、第2軍に動いてもらいましょう。皇都の防衛は、旧宇都見国との国境防衛を担う観音寺殿の第3軍半数と、第6軍半数としましょう」
「小夜、なるべく細かく戦況を分析してくれるかしら」
「分かりましたです」
瑞穂たちが迦ノ国に潜入している間、皇国は着々と迦ノ国との戦いの準備を進めていた。
それは、皇国の北に位置する斎国、そして胡ノ国も同じであった。
彼らの中に共通してあるのは、世界を巻き込んだ大戦が近く始まると言う認識であった。
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