最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし

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武人祭

白い箱の上で

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 「あれから九日後――」
 「モノローグらしい言い方をするでない」

 ユウキの呟きに俺が素早くツッコミを入れる。
 しかし実際に武人祭からから九日後が経過し、武人祭当日となった。
 武人祭を行う会場は俺の行ったことのない学園から離れた場所で催すこととなり、そのために主催者側から移動手段を提供されたのだが……

 「オオォォォォォンッ!」

 ガタガタと揺れれる地面の下、俺とユウキが乗っている乗り物の下から獣の雄叫びが上がる。
 だがその正体を知ってる俺たちは、確認することなく雑談を続けていた。

 「やっぱ凄い鳴き声のだよな。見た目カッコいいけど、アレも魔物なんだよな?」

 ユウキの言葉に「そうだな」と簡単に答えて、その馬の正体を確認しようと柵のあるところから下を見下ろす。
 そこには体の至る所から青い炎が上がっている黒い肌色をしていて、通常よりも二回りほど体格の大きい馬である。カードゲームとかで出てきそうなデザインって感じだ。
 通常、魔物の使役はスキルがないとできないのだが、唯一本人と契約をした魔物をこうやって活用したりしてるとのこと。
 スキルに比べて使い勝手は悪いみたいだが、その分手懐けることさえできれば命令しなければ動かないスキルよりは……ということらしい。

 「そういえばアヤトって、魔物の声が翻訳されて聞こえるんだっけ?今、その馬が何を言ってるのかわかるのか?」
 「んー……そうだな――」

 ユウキに聞かれるまでもなくさっきから馬の声が翻訳されて俺の耳に届いているのだ。

 『いいねいいね!若い人間のメスの足!足!足!スラッとした足に肉付きのいい足!同族と違って多種多様で興奮が止まらないような生足を、こんな簡単な仕事をしてるだけで拝める上に三食昼寝付きとか……まさに天職ってやつだ!しかもこれだけ騒ごうとも誰も俺を咎めることも冷ややかな目で見られることもしない!これでテンション上げずに何を上げろっていうんだよォォォォッ!!』
 「……」

 と、さっきからこの調子である。
 女の足が大好きな変態馬というわけだ。
 こいつが言ったことをこのままユウキに伝えるのはやだなぁ……

 「三食昼寝付きでこんな簡単な仕事を任されるのは天職だ、だってさ」

 卑猥なところは抜きにして、一部分だけを伝える。

 「え、マジ?楽ってこれ……」

 ユウキが今俺たちの乗ってるものを見る。驚くその理由は、今馬が引いているものが原因である。
 馬が引いてるのは二階建て一軒やくらいある大きさの白い箱だ。
 一応馬車のように車輪は付いているが、普通の馬が引けるようなものではない。恐らく魔物だからこその馬力を発揮しているのだろう。
 そんな馬をユウキが感心を含めている呆然とした表情で見ていた。
 そこにここと繋がってる唯一の出入り口の扉が開く。

 「楽しんでる?」

 そこから学園長が姿を現した。
 居酒屋で「やってる?」みたいなノリをしてるのは指摘してもいいのか……

 「楽しんでるよ……ああ、楽しんでる。こっちに来てから新しい発見ばかりで本当に飽きないよ」
 「俺もだ。毎日美女に囲まれて、まさに非日常を送ってるみたいだ」

 ユウキも同意したような言い方をするが、魔法や竜じゃなくそっちを理由にするのがらしいっちゃらしい。けど並べて言われると俺もそう思ってると思われそうだからやめてほしい。

 「学園に来てなくても、君たちなら飽きない毎日を送ってそうだけどね」

 学園長がそう言いながら、俺たちと向き合うように座る。
 俺が言った「こっち」ってのは元の世界のことだったんだけど……ま、いっか。
 今学園長が出てきた出入り口の向こうは特別な空間が形成されており、俺たちが乗ってる質素な見た目からは想像がつかない豪華客船みたいな内装となっている。丁度、魔族大陸に行く時に学園長からもらった船みたいな感じだ。

 「これも学園長が考えた空間魔術の一種が応用されてるのか?」
 「まーね。僕の発表は公にされることはなかったけど、評価してくれてるところはあったから」

 照れ臭そうに笑って頬を掻く学園長。その笑顔に思うところがあったのか、ユウキがボーッと間の抜けた表情で見ていた。

 「ルビアさんって本当に大人の女性なんですよね?下手な女の子より可愛い気が……」
 「それはアレかな……三十路の女性としての魅力は微塵も感じないってことかな?」
 「曲解だ!?」

 ユウキにバカにされてると勘違いし、額に青筋を浮かべる学園長。卑屈だなぁなんて俺が軽く笑うと、学園長が睨んでくるけれど気にしない。
 そんなことをしてると花火のような音が聞こえ始め、振り向くと遠くの方でやはり花火が上がっているのが見えた。

 「ほら、バカなことしてる間にもうすぐ着きそうだぞ。あれがそうなんだろ?」
 「くっ、涼しく受け流しちゃってくれて……まぁ、そうだよ。アレが僕たち、そして僕たちが戦うために用意された会場、スフィリトスだ!」

 学園長は一度溜息を吐き、気を取り直してそう言う。
 自信満々に言うだけあって、会場に近付くにつれて周囲に馬車や歩く人々の姿がチラホラと見えてきていた。
 親子連れで来ている観戦客や武人祭や剣魔祭に出場する者たち。真剣に挑もうとする表情の者もいるが、ほとんどがお祭り気分で楽しそうな雰囲気が漂っていた。
 それらの平和な光景を見て、俺はフッと笑ってしまう。

 「楽しそうだな、アヤト」

 目ざとく俺の反応を見ていたユウキが、なぜだか嬉しそうに笑ってそんなことを言い出す。

 「まぁな。護衛のない祭りってのは、どうも浮き足立っちまう」
 「メアちゃんたちならともかく、知らないおっさんの近くをコソコソ隠れながら見守る祭りなんて嫌だもんな」

 過去に俺が経験したことを他人事だと言うようにゲラゲラ笑うユウキ。
 俺も別段その反応に対して嫌な気分にはならず、ついつられて笑ってしまう。今となってはただの笑い話だ。

 「戦争の噂も広がってきて例年よりお客さんや参加者が減ってしまってはいるようだけれど、それでも規模は相当なものだからね。期待していいよ」
 「おっ、ってことは屋台とかも期待していいのか?」
 「ランカと同じこと言ってんじゃねぇかよ」

 そうやってしばらく互いに笑って雑談をしているうちに黒い馬が止まったのか、俺たちの乗っているものも停止したようだった。

 「どうやら着いたようだね。君たちの談笑は楽しかったけど、ここからはみんなの学園長兼アヤト君の対戦相手だ」
 「おう、んじゃまた後でなー」

 立って出入り口に向かって歩き出す学園長に向かって、友達と別れる時の気軽さでそう言って手を振る。
 学園長と別れた後、俺たちもミーナたちと合流するために中に入る。
 中はさっき言った通り豪華客船、もしくは高級ホテルとでも言える赤い絨毯じゅうたんの引いた長い廊下と左右に扉がある。
 それぞれが生徒に割り当てられた部屋であり、学園の生徒全員がこの乗り物と言っていいのかわからない物体の中にいるのだ。
 しばらく進むと下に降りる階段が見えてきて、降りてすぐ右手の部屋に入る。

 「あっ、兄さんおかえり!」

 入って一番最初にノクトが嬉しそうな声でそう言った。
 他にもカイトとサイもいて、さらには俺の知らない少年もいる。
 外見はカイトと同じくらいだったので、その知り合いかと思うが……

 「あっ、お邪魔してます!俺、カイトの友達のシンって言います!」

 敬礼して元気よく挨拶をするシン。サイも遅れて「おかえりなさい」と言ってくれる。
 その張り切り感が恥ずかしかったのか、カイトがやれやれと肩をすくめていた。

 「別にそこまで張り切らなくていいだろうに……っと、おかえりなさい師匠。こいつが師匠に会いたいって言うから連れて来ちゃいましたけど、よかったですか?」
 「構わねぇけど……なんか用だったのか?」

 シンの方を見ると思いっ切り首を横にブンブン振る。

 「そんな大層な用はないです!ただ身近にいる友達がSSランクの師匠を持ったって聞いて、話しをしてみたいなと思いまして……」
 「つまりSSランクになった師匠に憧れてるんですよ、こいつは」
 「それは何というか……むず痒いな」

 カイトのように俺の弟子になりたさからくる目標にするための憧れではなく、単純に遠い存在として見られているらしい。
 照れ臭そうにしてたのが表情に出てしまっていたのか、カイトがニヤニヤした顔をしていた。こういうところも生意気になってきたな、なんて思ったり思わなかったり。
 ノクトとサイも微笑ましい眼差しで俺を見てきていた。ここから逃げたい気持ちでいっぱいだ……

 「それでなんですけど――」

 シンが目を輝かせて何かを言おうとした瞬間、遮るようにピーンポーンパーンポーンと館内放送のような音が辺りに響き渡る。

 『あーあー、テストテスト……これ声入ってる?ちょっと外出て確認してきて』

 学園長の声とグダグダな会話が聞こえてきた。
 その後も「あっ、いい?大丈夫?オーケーオーケー!」と、なんとも緊張感のない学園長の声が聞こえ続ける。

 「見た目も見た目だけど、まさか精神年齢も高校生くらいじゃないよな?」
 「うんまぁ……少し幼い高校生って感じだよな、あの学園長」

 俺の言葉に苦笑いを浮かべるユウキ。
 少し?小学生くらいの見た目をしたウルやルウ、それにランカを加えた中に放り込めば中学生とも見れなくなりそうなあの外見を少しで済ませていいものなのだろうか……

 『よーし、それじゃあ愛しのコノハ学園生徒諸君!ついに待ちに待った武人祭の日だ!』

 ようやく本題に入った学園長が、張り切り声で喋り始める。

 『残念ながら剣魔祭と被ってしまい、両方を楽しみにしてた子には気の毒だがどちらかしか見れないということもあるだろう。しかし逆に考えれば、それだけ贅沢な祭りとも言える!武人祭に剣魔祭、一般向けの屋台も様々なものが揃ってる過去最高の祭りと言っていい!そしてこの箱舟から降りれば、その祭りに参加することとなる……さぁ、君たち、今日はやり過ぎないようにはっちゃけなさい!この僕が許可する!』

 学園長の演説らしき放送はそこでブツンと途切れる。と同時に周囲から「うおぉぉぉぉっ!!」と生徒たちらしき声が上がり、地鳴りかと思うくらいの振動が伝わってくる。

 「うおっ、スゲーな!?みんなどんだけ楽しみにしてたんだよ?」
 「それもそうですよ!ラライナ周辺の学園が集まって腕試しする武人祭に、全国のSランクやSSランクを含めた大人たちが競い合う剣魔祭ですよ!?興奮しない方がおかしいですって!」

 ユウキの発言に興奮気味に答えるシン。みんながみんなこんな調子なら、あれだけの声が出るのも納得か。

 「で、やっぱりアヤトさんのとこにも来てるんですか、招待状!」
 「ああ、来てるけど?というか、学園長直々に貰った」

 「ほれ」と懐から(に見せかけて収納庫を開いて)取り出したパスを見せると、シンがキラキラした目を向けてくる。

 「おぉ、マジもんだ……!って、なんでアヤトさんはカイトなんかを弟子にしようって思ったんですか?」
 「おい」

 「なんか」という言葉に反応するカイト。
 うーん、なんで、か……

 「偶然だろ」
 「えっ!?……って、そりゃあそうですよね。模擬戦で偶然チームになって、だから話す機会があって、それが偶然師匠だったってだけですもんね。自分より強かったら、違う人に弟子入りを頼んでたかも……なんて思ったり思わなかったり」

 そう言われると悲しいところがあるけど、実際にそういう偶然があったからカイトたちは弟子になったんだろう。
 運命だとか重いことは言うわけないし、ましてやカイトたちに特別光ったものを見たわけでもない。仮に模擬戦で関りのなかったカイトに天才的な素質があったとしても、俺は見向きもしなかったと思う。

 「はぁ……やっぱそんなもんなんスね?じゃあ、もし今俺を弟子にしてくださいって言ったら弟子にしてくれますか?」
 「いいぞ、別に。その代わりカイトの友達だからって手は抜かずに死ぬほど絞ってやるがな」

 その時に笑った俺の顔が相当恐ろしかったのか、シンは顔を青ざめさせていた。
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