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1巻

1-2

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「ガキガキうるせえな……大の大人がそのガキ相手に寄ってたかって何してやがる? 発情でもしてるんならテメェで発散してろ。それともこのガキが趣味なのか?」

 しまった。いつもの癖で挑発してしまった。
 チラッと男たちの様子をうかがう。

「何……だと? てめえ、ちょっとでけぇだけのクソガキが偉そうに……」

 リーダーっぽい男が予想通りにキレて、プルプルと肩を震わせる。
 他二人も、刃物を持つ手に力が加わるのがわかる。
 今更弁解したところで意味もないだろう。
 ……うん、この後の展開も大体読めたことだし、先手必勝ってことで先に手を出しとくか。
 さっさと片付けて、この子供から情報を聞き出そう。
 決心したところで、早速攻撃を仕掛ける。
 構えを取らない状態から、チンピラたちそれぞれの顔に素早く拳を一発ずつお見舞いした。
 そして体勢を崩したところにもう一発――と思ったところですぐに違和感を抱いた。

「ん?」

 思わず声が出てしまう。
 今の今まで目の前にいたチンピラトリオが消えていたのだ。
 その代わりに、遠くで宙を舞っている人影が三つ。
 おいおいおい……気絶とかならまだ「弱いな~」で終わるが、人間がこんな漫画みたいな飛び方をするなんてありえない。
 しかも太ってた奴、あいつ200キロぐらいありそうだったよな?

「え……?」

 少女らしき子供が声を漏らしたことで、俺は我に返る。
 おっと、コイツのことを忘れていた。今のを見ていたら怖がって逃げてしまうかもしれないが、それだけは回避せねば……!

「今のは?」

 フード越しだったが、少女がポカンとしていたのがわかった。
 しかし動揺はしているものの、何が起きたかまではわかっていないらしい。どうやら完全には見ていなかったみたいだ。
 ではどう誤魔化ごまかすか。

「……マホーだよ」

 苦し紛れに言い放ってしまった。これが本当の魔法の言葉、ってね。
 だがいくらチート化した魔法適性を持っているからといって、この世界の住人である少女に「あんな魔法あるわけない」と言われたらぐうの音も出ない。
 かといって適当に「軽く殴っただけ」なんて言ったら、絶対に化け物扱いされるに決まってる。
 そして少女の口がゆっくりと開く。

「凄い、こんな魔法があったなんて……」

 よしっ! 世界にはまだまだ知らない魔法があるよ的な感じで回避成功!
 やはり時代は魔法(物理)だ!

「ところでなんであいつらに追われてたんだ? そこら辺に転がってそうなチンピラだったが」

 とりあえず素朴そぼくな疑問をぶつけてみる。
 どこかの街に案内してもらう前に、少しでも打ち解けて現状の把握はあくと、この世界のことを知っておきたいからな。

「……」

 俺の言葉に、少女はうつむいてだまりこくってしまう。
 あれ……交渉する前に失敗? なんか地雷でも踏んだ?
 俺の不安を他所よそに少女が口を開いた。

「あの人たちは、私を奴隷商どれいしょうに売ろうとしてた。高く売れるから」
「えぇ……」

 予想以上に重い話だった。
 人間が人間を捕まえて奴隷にする。変な奴らもいるし街とか見えないし……世紀末かよ、ここは?

「……あなたは? 見たことない服を着てるけど」

 まるで変人を見るような目でこちらを見てきた。ちょっと傷付く。

「俺のセンスは放っておいてくれ。知り合いに置いて行かれてね。途方とほうに暮れてたところだ」

 置いて行かれたというより飛ばされたのだが。

「こんな場所に置き去り? ずいぶん酷いことする人。ここは危険な動物や魔物がそこら中にいるのに」

 アッハッハッハッハ! 次に会うことがあったら絶対ぶん殴ってやるぞ、シト。
 なんで街に送らずそんな危険なとこに放り出してんの!?

「……ま、そういうことだから近くの街まで案内してくれないか?」
「……」

 やっぱりまだ警戒しているのか?
 当たり前か。襲われたばかりでこんな会ったばかりの男を信じる方がおかしいし……

「いいよ。その代わり、あなたに私の用心棒をしてほしい」

 ってあれ? 話がおかしな方向に……?
 俺としては案内してもらったらサヨナラするつもりでいたんだが……

「いいのか? 出会ったばかりの奴にそんなことを頼んで。あいつらの仲間か、それじゃなくても同じ目的を持ってるかもしれねぇのに」
「あなたから悪い感じはしない」

 少女は「私の勘、よく当たる」とボソッと付け加えて頷き、俺の手を取り銀色のコインを渡してきた。

「これは?」
「前金。数日ごとにあなたに払う」

 どうやらこれがこの世界の通貨らしい。
 やっぱり漫画みたいに金銀銅の通貨なのかね……っていうかこのコインに彫ってある爺さん誰だ?

「旅に金は必要だから、ありがたく承諾しょうだくさせてもらうよ」
「旅? 帰らなくていいの?」
勘当かんどうされたようなもんでね。これを機に世界旅行なんてのも楽しそうだなと思ってな」
「……それに付いてっても?」
「お前がか?」

 少女は「ん」と頷く。俺はいいが……

「お前の方こそいいのか? 俺は目的もなくダラダラ旅をするだけなのに」
「私も目的なく旅をしているようなもの。だから丁度いい」
「そうか、なら――」

 スッと手にした銀貨を突き返す。

「……何?」
「旅を一緒にするなら、『用心棒』じゃなくて『仲間』だろ? ならこの金は返す」

 目の辺りまでフードを被っているから中の表情は読み取り難いが、少女が驚きと喜びの表情を浮かべたのはわかった。

「仲間……」
うれしそうだな?」
「うん、嬉しい」

 すると少女はフードを取り、素顔を見せてくれた。
 黒髪に赤く獣のような瞳孔どうこうをした目、褐色かっしょくの肌、そして何より獣の耳と尻尾しっぽを付けている。耳はピクピクと動き、尻尾はゆっくり揺れていて、本物だとわかる。
 よく友人がやっていたゲームに、こんな種族がいた気がした。たしか獣人じゅうじんだったか。
 本当に異世界に来たんだなぁという実感がいてきた。

「……どうしたの? 私の顔ジッと見て」
「ん? ああいや、可愛い顔してんなと」
「ッ!?」

 可愛いと言われたのが恥ずかしかったのか、少女の顔が一瞬で赤くなった。

「リアル猫耳少女なんて見たことなかったもんでね」

 少女は再びフードを深めに被って俯いてしまったが、その姿もまた可愛らしい。
 ……ところで、俺はいつまで銀貨を差し出したままにしていればいいんだ?



 少しして、街を目指して二人で歩き始める。
 少女に返そうとした銀貨は、俺が無一文だということを知ると、そのままくれた。
 これがどれだけの価値なのかはまだわからないので、大切に取っておこう……中学生くらいの女の子に高校生の男が金をもらって使うという情けない事実には、目をつむることにする。
 とりあえず俺は女の子に付いて行くことにした。

「そういえば、まだお互い名乗ってなかったな。俺は綾人だ」

 友人のすすめるゲームやアニメを見ていると、異世界では上の名前がないパターンが多いので、とりあえず下の名前だけ名乗ることにしてみた。

「私はミーナ。よろしく」

 ミーナと名乗った少女は、とにかく言葉が少ない。
 伝わることはちゃんと伝わっているので今のところ問題ないが……そういう性格なのだろうか?

「ところで」

 すると突然、ミーナが切り出す。

「さっきのあなたの魔法、珍しい。何の属性なの?」

 さっきの魔法、つまり俺があいつらをぶっ飛ばしたアレだ。
 誤魔化したと思ったが、まだ疑われているようだ。
 属性とかそこら辺は考えてなかったし、なんて答えるか……

「あれは……そう、最近偶然使えるようになったんだ。それまで魔法を使ったことがなくてね」
「へぇ」

 ミーナは興味なさそうに返事をした。
 いや、これは興味がなさそうというよりうそと見抜かれてるような……?

「あなたの年齢は?」
「十八だ」
「そう。私と同じ」

 マジか。
 見た目が中学生くらいだから十四、五歳かと思ったが、まさか同い年とは。

「その年まで魔法を使ってなかったの?」
「期待されてなかったみたいでな」
「つまり適性がない? それが勘当された理由……?」

 適性は全MAXにしてもらったけど……うん、勘当された理由それでいいや。

「そゆこと。だけど魔法はともかく腕力には自信あるから、用心棒としても期待してくれていい」
「大丈夫。私も魔法は支援程度に使える。私たちは仲間」

 なんとなく微笑ほほえんでいるように見える。
 仲間って言葉がそんなに気に入ったのか?

「それにしても不思議」
「何がだ?」
「私の姿を見ても興味ありそうな目はするけどそれだけ。他の人たちとは違う。ゲスな目で見てこない」
「それは俺が世間知らずだからじゃないか?」
「……いいとこの坊ちゃん?」
「そんなところだな。だけどそういう家庭に生まれただけで、優遇ゆうぐうはされなかったな」

 なんとなく、生まれてからこれまでのことを思い出す。
 恵まれた境遇かと聞かれれば、今までの不幸を思い出してしまい頷けなくなる。
 そんな俺の心境を察したのか、ミーナの表情がくもった。

「……ごめんなさい」

 いやいや、こちらこそごめんね? 今のは違うこと思い出してただけだから!

「気にしなくていいよ。むしろ今は何も気兼ねしなくてよくなったからラッキー程度に思ってるしな」
「フフッ、本当に不思議ね、あなた」

 そう言ってミーナは笑みを零し、なんとか場が和んだ。
 あ、そうだ。せっかく一緒に行動するなら、今のうちに魔法のことを聞いておくか。
 世間知らずの坊ちゃんと認識されたのは都合がいい。

「なぁ、ミーナ――」

 ――ドゴンッ!
 俺の言葉をさえぎるようにいきなり目の前が爆発し、砂煙が上がると、デカいナニカが出現した。

「ッ! これって……!?」

 ミーナが驚いたように呟く。
 よく見ると、高層ビル並みの高さを持つミミズの化け物だった。
 あれ、神様? たしか呪い解除してくれたはずだよね。なんで異世界飛ばされて早速こんなトラブル二連発なの? むしろ向こうにいた時より頻度高くなってないか!?
 二度目のトラブル発生に、思わず頭の中でツッコんでしまう。
 そんな俺の届くはずのない疑問を他所に、化け物が動き出した。

「グゲァァァァァァ!!」

 ミミズの化け物が耳障りな咆哮ほうこうを放つ。
 すると頭らしき先端部分がクパァと開き、中に無数のトゲが確認できた。おそらくあれは口だ。
 厄介な相手だと一目でわかる。しかし同時に、今までにない高揚感こうようかんが湧き上がってきた。

「逃げて。あれは相手にしちゃいけない化け物。私が時間を稼ぐ。だからあなたは――」

 ミーナが何か言葉を口にしたが、それを聞くことなく俺は走り出していた。あの化け物に向かって。
 最初は身体を鍛えるために鍛錬をしていた。その修業の時でさえ何度も死にかけていた。
 だが、慣れてきたせいか、いつしか物足りなくなっていた。
 一つ一つにおびえていた日々から、いつの間にか自分をおびやかす存在を切望するようになった。
 それがいつだったかは思い出せない。
 そして目の前の魔物は、強弱がわからない。
 そう、わからないのだ。「未知数」。
 その言葉にワクワクした。
 爺さんと各地を回った時でさえ味わうことのなかった感覚。
 この世界には「魔法」や「魔物」、未知なるものが多く存在する。
 そうだ、まだ俺はこの世界のことを何も知らない。
 だから期待する。まずは目の前の敵に。
 ミーナが後ろで何か叫んだが、俺にはもう聞こえない。足が止まらない。
 まるで子供が、アトラクションが沢山ある遊園地に初めて連れて行かれた時のように。
 そして俺はそのまま足に力を入れ、軽やかに跳躍ちょうやくした。



 第3話 街へ


 非常に残念だ。
 殴り飛ばした魔物は、すでに動かなくなっている。
 地球にいるミミズと違って鉄のように硬い皮膚ひふをしていたが、それだけだった。
 一発KO。
 死んではいないようだが、瀕死ひんしの状態だ。

「硬いだけで耐久性がない……実は雑魚ざこたぐいか?」

 いや、違う。それだけじゃない。
 男たちを殴った時といい、今の跳躍といい、この世界に来てから違和感があった。
 まるで体が軽くなったような。今も魔物の腹辺りを目標に軽く跳んだはずだったのに、顔面っぽい先端部分、つまりは高層ビルの屋上くらいまで跳んでしまっていた。
 俺の体が強化されている? それともこの世界のものがもろいのか?
 手をあごに当ててそんな考察をしながらミミズの魔物を観察していると、後ろからミーナが焦りながら走って来て、魔物の前で立ち止まる。

「……」

 気絶した巨大な魔物を見上げて絶句していた。ありえないものを見るかのように、俺と魔物を交互に見つつ。

「ど、どうした?」
「あ、あ、あ……」
「あ?」
「ありえない……」

 なんとも言えない、こう……驚きや悲しみなど色々な感情が押し寄せて、どんな顔をしていいかわからないといった感じの表情だった。
 どうやらこのミミズはかなりの強さだったらしい。それを一撃で倒してしまったのだから「ありえない」んだろう。
 そうか……やってしまったか。早速年貢ねんぐの納め時らしい。
 しばらくして、落ち着いたミーナから問い詰められた。

「『坊ちゃん』が嘘なのは知ってた。でもあれは普通一人では倒せない魔物。あなたは『何』?」

 俺が神と会った時に言ったのと、まるで同じセリフを問われた。人とは違う別の何かと判断されたようだ。
 だがミーナは俺に怯えているわけではなさそうだし、悪意もないようなので正直に話すことにした。
 しかしその前に一つ。

「なぁ、ミーナの質問に答える前に聞いていいか?」
「何?」
「この世界に、異世界から人が召喚されたりすることはあるか?」
「異世界から? 幻獣げんじゅうならある。でも人はない」
「そうか。なら俺が初めてってことだな」
「……つまり?」
「俺は違う世界から召喚された」

 ミーナは今までで一番の驚いた表情をしていた。だがすぐに落ち着いた様子を見せ、次の質問に移った。

「召喚主は?」
「召喚主?」
「さっき呼ばれたって言った。誰に?」

 ……これ言って大丈夫か?
 いやまぁ、ここで嘘吐いても意味ないんだけど。

「シトって奴だ。あいつは神を自称してたが……」
「……は?」

 うぐっ……その「は?」は今までで一番心に刺さるっ!

「神様? 本当に?」
「……多分」
「正気?」

 再び俺のガラスのハートが砕け散りそうになった。
「本気?」ではなく「正気?」と言われるとかなりくる。
 たしかに「私が神です!」とか「私は神から送られた使者なのです!」とか言う奴がいたら、俺だって正気を疑うもんなぁ……そりゃそうか。
 どうしよう。
 これで変人扱いされたら、異世界来て早々に俺の精神が崩壊するぞ!
 そしてしばらくの沈黙の後、ミーナ様の審判が下される。

「少し納得した」
「……え?」

 自分でも驚くほどの抜けた声を俺は出していた。

「信じるのか?」
「ん」
「ずいぶん簡単に信じるんだな」
「私は人のちょっとした感情とか読み取るの得意。言ってなかった?」
「初めて聞いた」
「じゃあ、今言った」

 そういえば出会った時、悪い感じがどうとか言ってたな。
 ん? ということは……?

「もしかして俺が嘘を吐いてたことも?」
「ん。バレバレ」
「マジか……」

 ミーナが無い胸を張ってドヤ顔をした。

「……今、何かちょっとイラッとした」
「何の事だかな」

 こいつ、実はサトリとかいう相手の心を読む妖怪じゃないだろうな?

「アヤト、まだ余裕ある?」
「余裕? 力が余ってるかってことか?」
「ん。できればこの魔物にトドメを刺すのと、素材をぐのを手伝ってほしい」

 魔物の素材……と言ったらやっぱり、狩りのゲームみたいに武器や防具にするための材料になるか、もしくはこの魔物がそれほど強いのだとしたら換金かんきん材料になる。まぁ、あくまでゲーム知識だから当てにならないけれど。

「はいよ」

 ミーナはトドメを刺すべく、脳と同化しているという心臓部に、手持ちの剣を突き刺そうとする。
 しかしその剣は刃こぼれがひどいせいで全く歯が立たず、交代した俺が貫手ぬきてで思いっ切りそこを貫いてやった。
 そして何か小さく硬い物を砕いた感触が伝わるのと同時に、ミミズの魔物が一瞬大きく飛び跳ねて再び沈黙する。

「……すご」
「これでこいつはもう死んだってことでいいのか?」

 驚愕してるミーナに聞くと、戸惑いながらも頷いた。

「ずいぶん簡単に死ぬのな」
「普通こんなあっさりいかない。私の剣だって刺さらなかったくらいだし。それに、個体によって心臓の場所が違う。だからもし、やっと貫いた場所に心臓がなかったら、再生されて最初からやりなおし」
「再生すんのか、こいつ……でもなんでミーナは今、一発で心臓がわかったんだ?」
「魔物の心臓部には特徴がある。気絶してるからゆっくり調べられた」
「なるほどな」

 それだけ聞いたあと、皮や中の希少部位を剥ぎ取ることとなった。
 魔物は死ぬと体が柔らかくなり、ミーナの剣でも剥ぎ取れるようになるとのことだった。死後硬直しごこうちょくの逆パターンだな。
 デカい割に素材として取れる部位は少ないらしく、ミーナが持っていたリュックに全て入ってしまうくらいだった。

「この素材は高く売れるから、今夜はちょっと贅沢していい宿に泊まれる」

 魔物の素材がパンパンに詰まったリュックを背負ったミーナは、ホクホク顔で満足していた。


「……到着」
「ここがこの世界の街か」

 夕方頃、ミーナに案内されながら移動してきた俺は、ようやく近くの街に到着した。
 この街はサザンドというらしい。
 話を聞いた限り、意外と場所が遠かったので、方向だけ教えてもらいながらミーナをお姫様抱っこして移動してきた。
 そんなミーナは現在、俺が軽く飛ばして走ってしまったせいでグロッキー状態になっている。
 とりあえず彼女が回復するまでの間に街全体を眺めると、本当にゲームの世界そっくりな街並みをしていた。
 レンガ造りの家々に、馬車が行き交う大通りに並ぶ露店の数々。大都会でもなく、かといってド田舎いなかでもない不思議な風景。
 その光景を見て体がふわふわしてしまう辺り、俺も浮かれているのだろう。

「今日はもう遅いし疲れた。宿を取って、素材を売るのとギルドに登録するのは明日にする」
「あぁ、そうだな……ん? ギルド?」
「詳しい話は宿を取ってから」

 しばらく休んだら回復したのか、ミーナは軽い足取りで、嬉しそうに歩いて行った。


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