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磐長姫と木花咲耶姫からシュメール神話の二項対立を睨む
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参考元
都市伝説の裏の裏様『八岐大蛇とスサノオの因縁と十握剣に隠されたトーラの書の謎を深掘り!第174回』
https://youtu.be/mzdV3_NDr8w?si=P1ioljIWqWihUMUU&t=920
本稿は上の動画の感想記事になります。
記事で取り上げた伝説よりも海幸山幸の神話が本題で、そちらも面白いので是非動画をご覧ください。
動画の終盤、磐長姫が美しい妹・木花咲耶姫に嫉妬するあまりこれを殺そうと企む、という伝説が紹介される。
ここでまず前置きしておきたい。
この界隈では『古事記』『日本書紀』の記述の時系列は意図的にぐちゃぐちゃにされている、というのが共通認識だ。だからその前提で読んでもらいたいのだが……
磐長姫=八岐大蛇であり、木花咲耶姫に思いを寄せていたスサノオを騙して帝の宝である十拳剣を奪い取る、という伝説が紹介される。
十拳剣は定説では「ツーハンデッドソード」のように固有名詞ではなく一般名詞(拳10個分の剣だから十拳剣)だとされているが、このチャンネルの主張によれば違うらしい。
スサノオは偶然通りかかった英雄ではなく、宝剣を奪還する目的が先にあり、稲田姫を救うのはついでだった、と。
物語としては、こちらの方が必然性や英雄譚の動機付けが強化されていてむしろ完成度が高い。
『古事記』の記述からすればスサノオの世代と(天孫降臨し、磐長姫を拒絶して木花咲耶姫のみを娶った)ニニギの世代はかなり開いている。根の国でスサノオの娘スセリビメを娶るオオクニヌシの世代をすっ飛ばしている。
建御雷がやってきてオオクニヌシに国譲りを迫り、事代主が逆さ拍手して消え、建御名方が建御雷に敗れ、オオクニヌシが条件付きで国譲りを了承した後に(他にもなんやかんやあって)天孫降臨だからな。
いかにぐちゃぐちゃかわかるだろう。
さておき。
稲田姫は櫛にされるのではなく、美しい姫を生贄に要求する八岐大蛇(磐長姫)に先んじて献上された後だった。
しかし、酒の匂いにつられた八岐大蛇は(スサノオの準備した毒酒とも知らず)そちらに誘われて八つの甕に入った酒を飲み干し、楽しくなって舞を舞い始める。
この舞を舞う様を差して動画では、インド神話のカーリー、エジプト神話のセクメトとも同一だと指摘する。
酒の毒が回って苦しみだした磐長姫。
その恐ろしさから神仏に祈りをささげる稲田姫を、磐長姫は飲み込んでしまう。
そこへスサノオがやってくる……遅い。
毒に苦しみながらも、スサノオに襲い掛かる磐長姫。
十拳剣を取り返す必要もあり、スサノオは八岐大蛇と戦う。
戦闘でスサノオが窮地に陥ったときだった。
稲田姫は八岐大蛇の腹の中で十拳剣を発見、これで腹を裂いて脱出。
この逸話は一寸法師の物語に酷似しており、またチャンネルでは以前に一寸法師=少彦名説を唱えていたことをリマインドする。少彦名とはオオクニヌシの国造りを助けた名前の通り小さい神、また医療神であるとされ、さらには常世の国に去って行ったとされることもあって中国の炎帝神農と同一とする伝説もある神である。
紹介された伝説では稲田姫は櫛にされていないのだが、『古事記』では別にヤマトタケルのように女装するわけでもなし、何かアシストするわけでもないのに稲田姫は櫛にされる。
生贄の姫の匂いをさせなければならない、とかの意図があるのかもしれないが『古事記』にそんな記述はない。
やはり紹介されたものは『古事記』よりも物語としての必要性が高い伝説だ。
スサノオと稲田姫は協力して八岐大蛇を倒し、スサノオは見事十拳剣を取り返した。
磐長姫はここで八岐大蛇として殺されるので、ニニギとのひと悶着が終わった後のことなのだろう。
174回も既に更新されているので筆者も覚えていなかったが、磐長姫=八岐大蛇=セクメト=ダムキナとも以前の動画で指摘していたこともリマインドされる。それが転生して邪気を抜かれた姿が、イシス(バステト)、ネフティスであるとも。
あ~、そういえば「磐長姫=いわナーガひめ、つまりナーガ=龍蛇神だから磐長姫も龍蛇神」って言ってたっけ?
ひょっとしたら別のチャンネルかもしれないけど。
さらに、『ホツマツタエ』でも磐長姫=八岐大蛇説が提唱されているという情報も開示される。
うーん……高校生の頃に『ホツマツタエ』は買おうと思っていたのだが悩んだ結果購入を見送ってそのままなことが、ここで響いてくるとは。
当時の筆者は別に古史古伝にはあんまり興味がなく、「実用的な魔術が載ってないならいいや」くらいの感性だからなぁ。
さて、伝説を聞いたはいいが出典が明かされないので「どこ情報?」とは思った。
信じていない、というよりは出典がわかるとより話に箔がつくからできたら知りたいな~、という。
まったく手がかりがないので、ダメ元で安直に筆者はネット検索してみた。
どうせネットに載ってない古文書か独自ルートで取材した伝承かなんかだろうから、出典を秘密にしてんだろう。
出るわけねぇ。
あ、『ホツマツタエ』はたぶん入手できる本があると思うけど(絶版でなければ)。
……出た。
直接ではないが、ニニギの婚姻事件の後日談的な伝承がネットにあった。
これじゃいっ
以下『「イワナガヒメ」とは?磐長姫の悲劇の物語と祀っている神社について紹介!』(https://amaterasu49.com/media/nihon-shinto/4895/)より引用。
“ニニギノミコトより、容姿を理由に婚姻を断わられてからというもの、毎日のように鏡で自分の顔を映しては、自分の容姿を悲しんだり美人だったらと怒り狂ったりしていました。
そのような日々を繰り返していたある日、いつものようにのぞき込んだ鏡には見たこともない程醜くおどろおどろしい龍の顔が映っていたのです。”
引用終わり。
まあ、ブログの記述なのだが
https://kojiki.co/gods/iwanagahime.html
https://www.kanko-miyazaki.jp/spot/1125
この2つのページも参照するに、宮崎県の銀鏡神社の伝承が出典なのではないだろうか。
引用したエピソードの続きで、磐長姫は自分の顔を映した鏡を投げ捨てたとされ、それが飛んで行ったものとされる鏡が上述の神社のご神体になっているそうなので。
ただし“龍の顔”が映っていたとの記述は参照したページには記述がないのが、アレだが。
そうか……磐長姫は八岐大蛇、龍なのか……。
そういえば『都市伝説の裏の裏』様では前から木花咲耶姫の正体は牛鬼だって言ってたな。
八岐大蛇で龍……牛鬼……つまり、姉のトーテムが蛇で妹のトーテムが牛。
それって……エンキ=蛇のトーテムとエンリル=牛のトーテムなことと一致しないか……!?
気が付いちゃったよね。
いやあ、人類は本当に蛇と牛の戦いの話ばっかしてんだなぁ。
たぶん、今後動画でこれは深堀りされるだろう。
ちなみに手元にあった『日本の神々を知る―神さま44柱からみる日本の神道』真野 隆也(著)KANZEN(刊)(https://www.yodobashi.com/product/100000009002035225/)には、磐長姫との成婚でニニギ(の子孫)が永遠の命を得ることができるという設定の元に、古代中国の煉丹術の不老不死思想の影響を挙げている。
そんな話しなくても名は体を表すってだけじゃろ、と思うのも無理はない。
しかし、この界隈ではスサノオ伝説の一部は中国より不老不死の秘法を求めて渡ってきた徐福のエピソードが転化したものが含まれる、とされている。
そう考えると、煉丹術の不老不死思想が『古事記』の記述に影響を与えていると見ることができるのは……あれなんだっけ、『宮下文書』?の信ぴょう性がアップすると言えるのではないか?
都市伝説の裏の裏様『八岐大蛇とスサノオの因縁と十握剣に隠されたトーラの書の謎を深掘り!第174回』
https://youtu.be/mzdV3_NDr8w?si=P1ioljIWqWihUMUU&t=920
本稿は上の動画の感想記事になります。
記事で取り上げた伝説よりも海幸山幸の神話が本題で、そちらも面白いので是非動画をご覧ください。
動画の終盤、磐長姫が美しい妹・木花咲耶姫に嫉妬するあまりこれを殺そうと企む、という伝説が紹介される。
ここでまず前置きしておきたい。
この界隈では『古事記』『日本書紀』の記述の時系列は意図的にぐちゃぐちゃにされている、というのが共通認識だ。だからその前提で読んでもらいたいのだが……
磐長姫=八岐大蛇であり、木花咲耶姫に思いを寄せていたスサノオを騙して帝の宝である十拳剣を奪い取る、という伝説が紹介される。
十拳剣は定説では「ツーハンデッドソード」のように固有名詞ではなく一般名詞(拳10個分の剣だから十拳剣)だとされているが、このチャンネルの主張によれば違うらしい。
スサノオは偶然通りかかった英雄ではなく、宝剣を奪還する目的が先にあり、稲田姫を救うのはついでだった、と。
物語としては、こちらの方が必然性や英雄譚の動機付けが強化されていてむしろ完成度が高い。
『古事記』の記述からすればスサノオの世代と(天孫降臨し、磐長姫を拒絶して木花咲耶姫のみを娶った)ニニギの世代はかなり開いている。根の国でスサノオの娘スセリビメを娶るオオクニヌシの世代をすっ飛ばしている。
建御雷がやってきてオオクニヌシに国譲りを迫り、事代主が逆さ拍手して消え、建御名方が建御雷に敗れ、オオクニヌシが条件付きで国譲りを了承した後に(他にもなんやかんやあって)天孫降臨だからな。
いかにぐちゃぐちゃかわかるだろう。
さておき。
稲田姫は櫛にされるのではなく、美しい姫を生贄に要求する八岐大蛇(磐長姫)に先んじて献上された後だった。
しかし、酒の匂いにつられた八岐大蛇は(スサノオの準備した毒酒とも知らず)そちらに誘われて八つの甕に入った酒を飲み干し、楽しくなって舞を舞い始める。
この舞を舞う様を差して動画では、インド神話のカーリー、エジプト神話のセクメトとも同一だと指摘する。
酒の毒が回って苦しみだした磐長姫。
その恐ろしさから神仏に祈りをささげる稲田姫を、磐長姫は飲み込んでしまう。
そこへスサノオがやってくる……遅い。
毒に苦しみながらも、スサノオに襲い掛かる磐長姫。
十拳剣を取り返す必要もあり、スサノオは八岐大蛇と戦う。
戦闘でスサノオが窮地に陥ったときだった。
稲田姫は八岐大蛇の腹の中で十拳剣を発見、これで腹を裂いて脱出。
この逸話は一寸法師の物語に酷似しており、またチャンネルでは以前に一寸法師=少彦名説を唱えていたことをリマインドする。少彦名とはオオクニヌシの国造りを助けた名前の通り小さい神、また医療神であるとされ、さらには常世の国に去って行ったとされることもあって中国の炎帝神農と同一とする伝説もある神である。
紹介された伝説では稲田姫は櫛にされていないのだが、『古事記』では別にヤマトタケルのように女装するわけでもなし、何かアシストするわけでもないのに稲田姫は櫛にされる。
生贄の姫の匂いをさせなければならない、とかの意図があるのかもしれないが『古事記』にそんな記述はない。
やはり紹介されたものは『古事記』よりも物語としての必要性が高い伝説だ。
スサノオと稲田姫は協力して八岐大蛇を倒し、スサノオは見事十拳剣を取り返した。
磐長姫はここで八岐大蛇として殺されるので、ニニギとのひと悶着が終わった後のことなのだろう。
174回も既に更新されているので筆者も覚えていなかったが、磐長姫=八岐大蛇=セクメト=ダムキナとも以前の動画で指摘していたこともリマインドされる。それが転生して邪気を抜かれた姿が、イシス(バステト)、ネフティスであるとも。
あ~、そういえば「磐長姫=いわナーガひめ、つまりナーガ=龍蛇神だから磐長姫も龍蛇神」って言ってたっけ?
ひょっとしたら別のチャンネルかもしれないけど。
さらに、『ホツマツタエ』でも磐長姫=八岐大蛇説が提唱されているという情報も開示される。
うーん……高校生の頃に『ホツマツタエ』は買おうと思っていたのだが悩んだ結果購入を見送ってそのままなことが、ここで響いてくるとは。
当時の筆者は別に古史古伝にはあんまり興味がなく、「実用的な魔術が載ってないならいいや」くらいの感性だからなぁ。
さて、伝説を聞いたはいいが出典が明かされないので「どこ情報?」とは思った。
信じていない、というよりは出典がわかるとより話に箔がつくからできたら知りたいな~、という。
まったく手がかりがないので、ダメ元で安直に筆者はネット検索してみた。
どうせネットに載ってない古文書か独自ルートで取材した伝承かなんかだろうから、出典を秘密にしてんだろう。
出るわけねぇ。
あ、『ホツマツタエ』はたぶん入手できる本があると思うけど(絶版でなければ)。
……出た。
直接ではないが、ニニギの婚姻事件の後日談的な伝承がネットにあった。
これじゃいっ
以下『「イワナガヒメ」とは?磐長姫の悲劇の物語と祀っている神社について紹介!』(https://amaterasu49.com/media/nihon-shinto/4895/)より引用。
“ニニギノミコトより、容姿を理由に婚姻を断わられてからというもの、毎日のように鏡で自分の顔を映しては、自分の容姿を悲しんだり美人だったらと怒り狂ったりしていました。
そのような日々を繰り返していたある日、いつものようにのぞき込んだ鏡には見たこともない程醜くおどろおどろしい龍の顔が映っていたのです。”
引用終わり。
まあ、ブログの記述なのだが
https://kojiki.co/gods/iwanagahime.html
https://www.kanko-miyazaki.jp/spot/1125
この2つのページも参照するに、宮崎県の銀鏡神社の伝承が出典なのではないだろうか。
引用したエピソードの続きで、磐長姫は自分の顔を映した鏡を投げ捨てたとされ、それが飛んで行ったものとされる鏡が上述の神社のご神体になっているそうなので。
ただし“龍の顔”が映っていたとの記述は参照したページには記述がないのが、アレだが。
そうか……磐長姫は八岐大蛇、龍なのか……。
そういえば『都市伝説の裏の裏』様では前から木花咲耶姫の正体は牛鬼だって言ってたな。
八岐大蛇で龍……牛鬼……つまり、姉のトーテムが蛇で妹のトーテムが牛。
それって……エンキ=蛇のトーテムとエンリル=牛のトーテムなことと一致しないか……!?
気が付いちゃったよね。
いやあ、人類は本当に蛇と牛の戦いの話ばっかしてんだなぁ。
たぶん、今後動画でこれは深堀りされるだろう。
ちなみに手元にあった『日本の神々を知る―神さま44柱からみる日本の神道』真野 隆也(著)KANZEN(刊)(https://www.yodobashi.com/product/100000009002035225/)には、磐長姫との成婚でニニギ(の子孫)が永遠の命を得ることができるという設定の元に、古代中国の煉丹術の不老不死思想の影響を挙げている。
そんな話しなくても名は体を表すってだけじゃろ、と思うのも無理はない。
しかし、この界隈ではスサノオ伝説の一部は中国より不老不死の秘法を求めて渡ってきた徐福のエピソードが転化したものが含まれる、とされている。
そう考えると、煉丹術の不老不死思想が『古事記』の記述に影響を与えていると見ることができるのは……あれなんだっけ、『宮下文書』?の信ぴょう性がアップすると言えるのではないか?
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