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女性による男性の肛門への加害
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かつて某国営放送の、健康番組ともライフハック番組とも取れる某番組で肛門だかトイレだかを特集したことがあった。
歴史の長い番組なので、そういうこともあろう。
番組で被験者を男女でグループ分けし、お尻を拭く回数────ようはトイレットペーパーを何回使ったか────を調べる実験が行われた。
結果、男性の方がお尻を拭くのにトイレットペーパーを使った回数(量)が多かった、というデータが発表された。
最近のTwitterでは、女性の言う男性の「清潔感」の正体は何か、という醜い争いが繰り広げられている。
イケメンでないことを「清潔感」と称して、「言われた側に非があるように聞こえる」卑怯な言葉だ、という批判。
他方、風呂に入っただけ、髪を切っただけ、歯を磨いただけで「清潔感」を語るな、徹底的に美容を極めろといった「私のしている苦労と出費を貴様も負え」といういつもの論の展開。
まるで男性全般が臭いをまったく気にしていないように言われてしまうが、お尻を多く拭いているのは男性だ。
なぜ、この実験結果が出たのか。
男性はお尻から血が出ようと、臭いに気を遣ってたくさんお尻を拭いている。
女性よりも、だ。
清潔感、という得体のしれない言葉で責められる側である男性は、女性から肛門への重大な加害を受けているのである。
清潔感論争を見て筆者はその実験と、妙に筆者を慕ってくるが清潔感のない便臭を漂わせた大学の後輩を思い出して、嫌な気持ちになったものである。(※現在、うんち後輩とは完全に縁が切れています)
便由来の悪臭ではない体臭の問題といえば、食事の問題もある。
筆者が学生時代にアルバイトをしていた量販店に、買い物に来たおばさんの話をしよう。
おばさんが店に入ってきた瞬間に、異様な臭いが鼻を突いたのを覚えている。
何の臭いだと思っていると、おばさんは店に取り寄せていたワインを箱で大量に買っていった。
酒だ!
確信した。
これだけ大量のワインを買うのだから、そうだ。
そういえば、酔っぱらい特有の酒臭さに似ている気がする。
怖いのは、おばさんは一人でクルマで来店していたこと。
……飲酒運転じゃあないよな?
もう一つ。
筆者が中学生のときのこと。
ある日、担任のアラサー女性教師が朝に教室へやってきた、瞬間。
魚の腐ったような臭いがする、と感じた。
そういうことは、これ以前(当時の担任以外の先生)にもあったような気がするのだが、クラスが一斉に「先生、変な臭いがする!」と騒いだのはこのときだけだったように思う。
なんで先生はあの時、臭かったのか。
分からないまま月日は流れ、筆者がメイドカフェに行っていた頃のこと。
推していたメイドさんの卒業イベント、最後のお給仕の日。
馳せ参じた筆者を、信じられないものが襲った。
あの日、中学の担任が教室に入ってきたときと同じ臭いがしたのだ。
いやいやいや待て待て待て待て。
年齢が関係するかはわからなかったが、中学の担任よりも若い推しからそんなのするわけないだろ?
何かの勘違いだろ、と思ったがどうしてもするのだ。
推しから、あの臭いがする!
ショックを受けながらもイベントを楽しんでいたのだが、ふと推しの漏らした言葉が気になった。
炭水化物抜きダイエットの逆張りダイエットをしている。
肉を避けて、炭水化物と野菜を摂っている。
……めちゃくちゃ細いのに、何を言ってるんだ?
外から見えないところを本人が気にしているのか、精神的なものなのかよくわからないけど、まあ極限ダイエットとか男女の感覚の違いは本題ではないので置くとして、だ。
イベント終了後。
推しの卒業という喪失感と切り分けて、当時の筆者は推しの発言を頼りに検索した。
結果、アブラナ科の野菜の大量摂取が、あの体臭の原因と書かれているページを見つけた。
具体的にどの野菜を食べてると言っていたかはもう覚えていないのだが、今検索したらブロッコリーとかモロそれっぽい。
ブロッコリーはめちゃくちゃ健康にいいし、炭水化物抜きダイエッターがカレーを食べるときにライスの代用として用いるという話も聞いたことがある。
だが食べすぎるとブロッコリーに含まれる成分が、体内で魚の腐ったような臭いを発生させる物質に変化するのだそうだ。
ちなみに食い物由来だから、特に年齢は関係なさそうだ。
野菜ですら食いすぎると弊害があるのか……。
都市伝説界隈で食事と体臭といえば、古代中国の「桃娘」伝説だ。
幼い少女に桃と水のみを与えて育て、その体液や肉を不老長寿の秘薬としたというものだ。
こちらは神聖な果物である桃のいい香り……がしたんだろうから本筋からはだいぶズレた話になってしまうのだが、本稿は都市伝説エッセイだからね。
一応ね。
昔から食事と体臭の関係性を、人間は考えてきたんだなぁ。(雑な着地)
桃娘を目指すと普通に栄養失調や病気になってお亡くなりになるので、真似はしないように。
この食事由来の体臭のくだり、要らなかったんじゃねぇかな。
清潔感の話題としては、牽強付会な気が……いやぁ、どうだろう。
まあ随筆だからいいや、残しておくか。
清潔感のある体臭ってなんだろうな。
小説を読んでると、ヒロインからは花や果物に類する匂いがする描写が多い。
次点で、石鹸か? 石鹸の匂いはイケメンの描写にも使われるような気が……うーん。
食べられる花は結構限られるし、果物は桃娘コースが危険だし……
じゃあ、食べまくっていいのは石鹸だな!
石鹸なら安価で大量に入手できるし、清潔感が欲しい人は石鹸を
冗談です。
決して、石鹸は食べないようにお願いします。
石鹸を食べて体臭が改善した、という話を筆者は聞いたことがありません。
食用でないものを食べるのは、絶対にやめてください。
閑話休題。
清潔感の女性版は「清楚さ」だというカウンターには、膝を打ったものだ。
夏休みに帰省した、親の実家はあるけど何もない田舎。
寂れたバス停で出会った、白くてつばの広い帽子をかぶった、同じく白いワンピースを着た少女。
殺人光線降り注ぐ八月だというのに、その肌もまた雪のように白い。
見とれていると、目が合った。
すわ熱中症か、というくらいに僕は顔が熱くなるのを感じた。
眼が泳ぎ出す僕だったが、彼女はそれを笑うでもなく上品に会釈をしてくれた。
顔に流れた髪をかき上げて耳にかけ、正面に向き直る彼女。
澄ました横顔。紅潮した頬を伝う、一筋の汗。
突然、やかましかったセミの声が消える。
否。
それは、恋に落ちる音でかき消されたのである。
……なんてね。
清潔感、清楚さ。
これらはアスリートになれる恵体と同様、正直言って才能であろう。
昨今の酷暑では、夏に外でワンピース着られるのも才能だったりするのか?
あと関係ないけど八尺様がこのテンプレ一夏の出会いのお嬢様と同じ格好してるのは、なんで?
歴史の長い番組なので、そういうこともあろう。
番組で被験者を男女でグループ分けし、お尻を拭く回数────ようはトイレットペーパーを何回使ったか────を調べる実験が行われた。
結果、男性の方がお尻を拭くのにトイレットペーパーを使った回数(量)が多かった、というデータが発表された。
最近のTwitterでは、女性の言う男性の「清潔感」の正体は何か、という醜い争いが繰り広げられている。
イケメンでないことを「清潔感」と称して、「言われた側に非があるように聞こえる」卑怯な言葉だ、という批判。
他方、風呂に入っただけ、髪を切っただけ、歯を磨いただけで「清潔感」を語るな、徹底的に美容を極めろといった「私のしている苦労と出費を貴様も負え」といういつもの論の展開。
まるで男性全般が臭いをまったく気にしていないように言われてしまうが、お尻を多く拭いているのは男性だ。
なぜ、この実験結果が出たのか。
男性はお尻から血が出ようと、臭いに気を遣ってたくさんお尻を拭いている。
女性よりも、だ。
清潔感、という得体のしれない言葉で責められる側である男性は、女性から肛門への重大な加害を受けているのである。
清潔感論争を見て筆者はその実験と、妙に筆者を慕ってくるが清潔感のない便臭を漂わせた大学の後輩を思い出して、嫌な気持ちになったものである。(※現在、うんち後輩とは完全に縁が切れています)
便由来の悪臭ではない体臭の問題といえば、食事の問題もある。
筆者が学生時代にアルバイトをしていた量販店に、買い物に来たおばさんの話をしよう。
おばさんが店に入ってきた瞬間に、異様な臭いが鼻を突いたのを覚えている。
何の臭いだと思っていると、おばさんは店に取り寄せていたワインを箱で大量に買っていった。
酒だ!
確信した。
これだけ大量のワインを買うのだから、そうだ。
そういえば、酔っぱらい特有の酒臭さに似ている気がする。
怖いのは、おばさんは一人でクルマで来店していたこと。
……飲酒運転じゃあないよな?
もう一つ。
筆者が中学生のときのこと。
ある日、担任のアラサー女性教師が朝に教室へやってきた、瞬間。
魚の腐ったような臭いがする、と感じた。
そういうことは、これ以前(当時の担任以外の先生)にもあったような気がするのだが、クラスが一斉に「先生、変な臭いがする!」と騒いだのはこのときだけだったように思う。
なんで先生はあの時、臭かったのか。
分からないまま月日は流れ、筆者がメイドカフェに行っていた頃のこと。
推していたメイドさんの卒業イベント、最後のお給仕の日。
馳せ参じた筆者を、信じられないものが襲った。
あの日、中学の担任が教室に入ってきたときと同じ臭いがしたのだ。
いやいやいや待て待て待て待て。
年齢が関係するかはわからなかったが、中学の担任よりも若い推しからそんなのするわけないだろ?
何かの勘違いだろ、と思ったがどうしてもするのだ。
推しから、あの臭いがする!
ショックを受けながらもイベントを楽しんでいたのだが、ふと推しの漏らした言葉が気になった。
炭水化物抜きダイエットの逆張りダイエットをしている。
肉を避けて、炭水化物と野菜を摂っている。
……めちゃくちゃ細いのに、何を言ってるんだ?
外から見えないところを本人が気にしているのか、精神的なものなのかよくわからないけど、まあ極限ダイエットとか男女の感覚の違いは本題ではないので置くとして、だ。
イベント終了後。
推しの卒業という喪失感と切り分けて、当時の筆者は推しの発言を頼りに検索した。
結果、アブラナ科の野菜の大量摂取が、あの体臭の原因と書かれているページを見つけた。
具体的にどの野菜を食べてると言っていたかはもう覚えていないのだが、今検索したらブロッコリーとかモロそれっぽい。
ブロッコリーはめちゃくちゃ健康にいいし、炭水化物抜きダイエッターがカレーを食べるときにライスの代用として用いるという話も聞いたことがある。
だが食べすぎるとブロッコリーに含まれる成分が、体内で魚の腐ったような臭いを発生させる物質に変化するのだそうだ。
ちなみに食い物由来だから、特に年齢は関係なさそうだ。
野菜ですら食いすぎると弊害があるのか……。
都市伝説界隈で食事と体臭といえば、古代中国の「桃娘」伝説だ。
幼い少女に桃と水のみを与えて育て、その体液や肉を不老長寿の秘薬としたというものだ。
こちらは神聖な果物である桃のいい香り……がしたんだろうから本筋からはだいぶズレた話になってしまうのだが、本稿は都市伝説エッセイだからね。
一応ね。
昔から食事と体臭の関係性を、人間は考えてきたんだなぁ。(雑な着地)
桃娘を目指すと普通に栄養失調や病気になってお亡くなりになるので、真似はしないように。
この食事由来の体臭のくだり、要らなかったんじゃねぇかな。
清潔感の話題としては、牽強付会な気が……いやぁ、どうだろう。
まあ随筆だからいいや、残しておくか。
清潔感のある体臭ってなんだろうな。
小説を読んでると、ヒロインからは花や果物に類する匂いがする描写が多い。
次点で、石鹸か? 石鹸の匂いはイケメンの描写にも使われるような気が……うーん。
食べられる花は結構限られるし、果物は桃娘コースが危険だし……
じゃあ、食べまくっていいのは石鹸だな!
石鹸なら安価で大量に入手できるし、清潔感が欲しい人は石鹸を
冗談です。
決して、石鹸は食べないようにお願いします。
石鹸を食べて体臭が改善した、という話を筆者は聞いたことがありません。
食用でないものを食べるのは、絶対にやめてください。
閑話休題。
清潔感の女性版は「清楚さ」だというカウンターには、膝を打ったものだ。
夏休みに帰省した、親の実家はあるけど何もない田舎。
寂れたバス停で出会った、白くてつばの広い帽子をかぶった、同じく白いワンピースを着た少女。
殺人光線降り注ぐ八月だというのに、その肌もまた雪のように白い。
見とれていると、目が合った。
すわ熱中症か、というくらいに僕は顔が熱くなるのを感じた。
眼が泳ぎ出す僕だったが、彼女はそれを笑うでもなく上品に会釈をしてくれた。
顔に流れた髪をかき上げて耳にかけ、正面に向き直る彼女。
澄ました横顔。紅潮した頬を伝う、一筋の汗。
突然、やかましかったセミの声が消える。
否。
それは、恋に落ちる音でかき消されたのである。
……なんてね。
清潔感、清楚さ。
これらはアスリートになれる恵体と同様、正直言って才能であろう。
昨今の酷暑では、夏に外でワンピース着られるのも才能だったりするのか?
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