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「シャーマンキングFLOWERS」第9廻についての雑語り

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 シャーマンキングフラワーズの話をするのも久しぶりな感じだが、雑語りできる廻が久しぶりに回ってきたから、することにする。

◎鬼が出るか蛇が出るか
 道 蓮タオ レンとアイアンメイデン・ジャンヌの息子、道 黽タオ メンが8廻より来日。
 9廻にて花と矛を交える。
 父たる道 蓮と母たるジャンヌよりそれぞれの持ち霊、馬孫とシャマシュを譲り受けている。
 筆者はシャマシュを見ると胸糞が悪くなるのだが、それはさておき馬孫だよ。
 オーバーソウルにより超馬龍チャオマーロンという龍化した姿の武装へと変形する。
 花は持ち霊阿弥陀丸を奪われているが、オーバーソウルは鬼兜(9廻後半にてグレートスピリッツ内部で使用)。
 そうでなくとも鬼を植え付けられているので、花は鬼化するのだが……まあまあまあ。
 鬼のモチーフと龍のモチーフ。
 すなわち牛と蛇、つまりエンリルとエンキ、スサノオとヤマタノオロチ、ゼウスとテューポーン、ミカエルとサタン。
 一応、同じチームになるようなのだが人間はこれの話ばっかりしてるんだよな。
 鬼が出るか蛇が出るか、この言葉も非常に人間の語る話の性質を表していると言えよう。


◎麻倉ようとのスピリチュアル対決
 死んだら困るから仕込んでる鬼を自分で出すのは自殺行為だ。
 鬼を出したものの道 黽の涙で邪気を抜かれ、死んでしまった花は葉王ハオおじさんからそう窘められる。
 蘇生できるのはもうこれで最後になると急に言い出し、神おじさんこと葉王おじさんは花と同い年の頃の葉を再現する。
 グレートスピリッツは地球すべてのきおくのアーカイブ。
 グレートスピリッツとは、スピ界隈でいうワンネスである。
 そして葉王おじさんは、シャーマンキング=神であるがゆえに自由にそのアーカイブにある情報を引き出せる。
 スピリチュアルがテーマなオリジナルの「シャーマンキング」主人公、葉が出てくるならばそれはスピリチュアルの話が始まるのはほとんど必然。
 葉王おじさんから葉を倒せたら戻してやる、どうしたぶちのめしたかったんだろ、とけしかけられる。
 血統才能が超一流の花はグレートスピリッツ内部での戦い方を瞬時に悟る。
 すべてが思った通りになるここでは、持ち霊も媒介(オーバーソウルを使うために持ち霊を込める武器などの、文字通りの媒介)も自由なのだ、と。
 ゆえに本当の阿弥陀丸は鹵獲されたままなのに、父である葉も阿弥陀丸でオーバーソウルしている。
 当然、媒介の布都御霊の剣も二本ある。
 つまり武装が父と子で完全に一致した状態での戦闘が始まる。
 しかし。
「無暗な自信は本当の想いの強さじゃない」
「魂全部に嘘はつけねぇからな」
 葉は花の刃を受け流し、阿弥陀流・ 無無明亦無むむみょうやくむ(どんなオーバーソウルも無効化するチート技)で花を返り討ちにするのだった。
 はい、ここ! ここめっちゃスピ。引き寄せ。
 我々の暮らす現世はグレートスピリッツあの世ではないので、思っただけでは瞬時に阿弥陀丸も布都御霊も出せないが、思考することでそういう流れは作れる……と言われている。
 上では割愛したが、葉の無無明亦無が展開される前にも一度、花はオーバーソウルを無効化されていた。
 葉と切り結んだ時に花は「無意識で気圧されたからだ」とすぐに原因を理解し、ムキになってそれを否定する。
 引き寄せの法則がマイナスに作用する原因、思考したことに「無理だ」「ダメだ」と思ってしまうと本当にそうなっちゃうよ、ということを描いている。
 グレートスピリッツ内部では武装がなんでも自由になるんだったら、シャーマンファイトで優勝したときの葉王などのもっと強い持ち霊や媒介を出せばいいのになぜ出さないのか。
 そこをわざわざ作品では描いてないが、そんなの使い方がわからないからだ。
 飛行機の免許のない人が引き寄せの法則を実践して、セスナだけを手に入れたとしよう。
 操縦できないよね。
 操縦を習って、免許取るとこから始まるよね。格納庫も必要だよね。
 日本だと、飛ぶ許可も下りるのかよくわかんないよね。
 それと同じ。
 だからどちらもスピリット・オブ・ファイア(葉王おじさんがシャーマンファイトで途中まで使っていた火の精霊。媒介は空気)とか出さないんだよね。
 そして、ムキになった花に対して無無明亦無を展開したときに葉が言ったセリフ。
「無暗な自信は本当の想いの強さじゃない」
「魂全部に嘘はつけねぇからな」
 これはアファメーションに通じている。
 魂、意識で信じていないことをいくら口で唱えまくっても、本当の意味で信じられてないから意味ないぞ、と。
 葉のセリフは、引き寄せの法則の当てはめるとそういうことになる。
 バットもまともに振れないのに「俺は明日からメジャーリーグでプレイして億万長者」と一心不乱に唱えている人がいたとしよう。
 客観的に誰もそれを信じないのはともかくとして、本人ですらそれを信じられるかって話。
 口にした途端に、信じられなさすぎて嫌な気持ちになるのではないか。
 魂全部に嘘はつけねぇからな。
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