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【ネタバレ注意】『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』感想【面白かった】
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TVシリーズの「ウルトラマンブレーザー」もこれまでのニュージェネからは一線を画す作品だったが、ならばとばかりに劇場版もこれまでのニュージェネ映画とはまったく違う映画体験だった。
・客演戦士なし
TVシリーズでなかったんだから当たり前といえば当たり前だが、サプライズとかも一切なし。
所詮は前作のウルトラマンがピンチになる「下げる」演出なので、やらなくていい。
「ウルトラマンX」の劇場版での客演は、メインが「ウルトラマン」「ウルトラマンティガ」と力を合わせて3体の怪獣に対処するという描き方だったので、いい客演だった。
直前のシリーズの戦士が首突っ込んできたくせにピンチになるとか、そういう形で「終わった直後」の戦士に花を持たせるのはどうなのよ。
そういう反省が円谷にもあったのか、田口監督の考えなのかは知らないが……まあ、ブレーザーにはどんな形でも客演はいらないよ。
「ブレーザー」は田口監督版の「シン・ウルトラマン」だから。
・劇場版だけの新フォームなし
TVヒーロー特撮の劇場版の定番、劇場版限定フォームがない。
劇場版限定と言いつつ、配信限定番組には登場するTVシリーズにない最強フォームの追加がない。
客演もそうだが、硬派だなぁ。いいぞ。
「ジード」とか劇場版限定がロイヤルメガマスター(※1)より強いフォームと言われても、納得感ないしな。
(※1:宇宙を丸ごと作り直せるウルトラマンの王の力と、王がそんな後始末をすることになった原因であるウルトラシリーズ最強クラスのヴィランの力で変身する)
(クソ余談:「お借りします」系ウルトラマン、女性戦士だけの力を借りて変身するフォームあるんですかね?)
(クソ余談2:「タイガ」の劇場版で「R/B」の二人が居た場所って、今の映画泥棒CMでジュースとポップコーンの人が座ってるところとロケ地一緒?)
・正体バレなし
TVシリーズで最後まで誰がブレーザーに変身しているかが、防衛隊の仲間に一切バレなかった。
最終回前後の正体バレで仲間が「いつも俺たちを助けてくれたのは……」とかの反応をするのが、一種の様式美でその感動を味わうのが非常に楽しい。
だが「ブレーザー」は劇場版まで来てもそれをやらない。
気付いてて黙ってる風の芝居をしているわけでもない。
これ凄いなぁ。田口監督が「ブレーザーはこれで終わりじゃない」と言ったとか言わないとか聞きますけど、終わりじゃないという意識を感じますな。
(今回、公道で変身して人間サイズから徐々に巨大化していく、「デビルマン」みたいな演出があったから監視カメラに映りそうなもんですがね)
・主人公による作品の経緯説明なし
「名探偵コナン」の劇場版のようにこれまで(といっても「タイガ」までしか観てない)のニュージェネ劇場版では、主人公が世界観の説明をしたりするパートがあったのだが、今回そういうのはない。
なんと冒頭にTVシリーズのダイジェストが流れる!
つまり、「ブレーザー」を観ていなくてもいきなり劇場版が楽しめる!
「〇話から見れてないんよなぁ~」みたいな録画失敗勢も気にするな、すぐ劇場へ行け!
映画のようだと評された1話を映画館で観られるし、感動の最終回でブレーザーが王道の光線技を習得するシーンも観られる! 最高か?
これまでの「お約束」を廃して、それ以前の王道をやる。
もうこれ次回作シリーズに物凄いプレッシャーかましてるよね。いいぞもっとやれ。
最高に面白いけど客演系のファンサービスだらけで、神条アカネがブチギレるレベルのミリしら勢に勧めても「ゼロって誰」「ジードって誰」「お前が木を切った話をされても困る」だった「ウルトラマンZ」からの反省点もあるんだろうなぁ。
いや、「Z」は最高に面白いんだよ?
わからんつっても「ジード」のゼロ要素よりはマシよ?
問題はその「ジード」も「Z」の背景や地盤にあることなんよな。
・「いきなり50mになるなんて思わないだろ!」
今回の映画に登場する新怪獣、妖骸魔獣ゴンギルガンの説明をしなければならない。
タイトルで【ネタバレ注意】としたが、かなり本質のネタバレをするので嫌な人はブラウザバックしてほしい。
では、以下ネタバレだ。
ネクロマスというネクロマンサーのもじりのような会社があることが、作中で提示される。
怪獣の死骸、細胞の兵器転用をする会社なのだが、そのCEOは不老不死の研究も行っている。
それがダムドキシンという思いっきり名前に“トキシン”=毒が入っているアブナイ代物だ。
TVシリーズの後日談である本映画では、ダムドキシンを脅威に感じて地球産の怪獣が相次いで出現し暴れまわる事態となっている。
彼らはダムドキシンが地球環境に強大な悪影響をもたらすと感じた、地球の意思の表れとされる。
(TV本編では、ラスボスに連なる宇宙怪獣たちを警戒して地球産怪獣が暴れたことが明らかになっている)
そこでSKaRDはネクロマスCEOに会いに会社まで行ったのだが、そこで突如ダムノー星人を名乗る宇宙人がネクロマス社内のモニターをジャックする。
侵略する前に自然を破壊されるのは不愉快だとして、CEOにダムドキシン研究の完全消去を要求。
「お前も所詮、軍産複合体の駒の一つにすぎない」などやたら地球の事情に詳しい感じでCEOを批判する。
本気の証明として、防衛隊のミサイルまでシステムを乗っ取って発射する。
しまいには街頭テレビまでジャックしてダムドキシン研究の危険性や、国政批判まで繰り広げる。
メタな話をすると、観客としてはダムノー星人の造形クォリティーが妙に低いのが気になっていた。
すると劇中で「ダムノー星人」がネクロマス本社ビル内からその放送をしていることを、SKaRD隊員が突き止める。
なんと、その正体はCEOの息子ユウキ君だった!
手作り衣装とグリーンバックを利用して宇宙人になりすまし、脅迫および警告の放送を行っていたのだ。
ダムノー星人のネーミングも「ダムドキシン+NO」であろう。
ハッキングにより防衛隊のミサイルが発射され、ネクロマス本社に命中。破壊によりダムドキシンが漏れ出て、宇宙怪獣の素材を取り込んで巨大化する。
SKaRD隊員に追い詰められたユウキ君は屋上で、仕事仕事で家族を省みない父さんなんか大嫌いだと言い放ち、自らゴンギルガンの内部へと格納・吸収される。
事情が事情だけに、CEOはSKaRD本部へと同行。
そこで「欲しいものは何でも与えてきたはずなのに」と落ち込む。
慰めようと我らがゲント隊長(ブレーザー変身者)が「子供はあっという間に大きくなりますからね」と妻子持ちとして言葉をかけるが、そこでCEOは「いきなり50mになるなんて思わないだろ!」と返すのである。
つまり、怪獣になるなんて想定してなかった、想定できるわけがないということだ。
これにはゲント隊長も苦笑いだが、筆者は必死に笑いを堪えていた。
このCEO、ギャグセン尖りすぎぃ!
人によっては「そういうことじゃないだろ、ダメ親!」とツッコむのだろうが、筆者はツボってしまった。
そりゃ想定できねぇわ。特に子供と向き合ってないなら、何をかいわんや。
・国会議事堂を破壊
予告編でも、ゴンギルガンが半壊の国会議事堂にブレーザーを突き飛ばして、さらに激しくぶっ壊すシーンが流れていた。
どういう経緯でそうなるんだと思っていたら、格納された12歳のユウキ君の考えで「汚い大人の巣窟」である国会議事堂へとゴンギルガンが進路を取ったためだった。
今だけ金だけ自分だけの大人が滅茶苦茶にした社会や自然の責任を取らされるのは、僕たち子供だ!
そんな汚い大人に黙って税金を納める市井の大人も同罪だと断罪(これはダムノー星人の主張だったかゴンギルガンの主張だったか記憶が曖昧。すみません)。
怪獣の中からユウキ君の主張が大音量でまき散らされる。
税金のくだりはなかなか身につまされるが、「私たちの将来を奪った」みたいな話でモデルが薄っすらと見えてくる。
スウェーデンのゆたぼんとあだ名される、あの環境テロリストだ。
日本の本家ゆたぼんは改心したぞ?
CEOが「不治の病の治療」や不老不死などのダムドキシンの平和利用を願っているのは本当なのだろうが、もしこの妨害がなければ「不死身の兵士の開発」など軍産複合体に絡めとられて兵器転用されたのはまず間違いなかろう。
TVシリーズに登場した「軟体怪獣レヴィーラ」のように、ゴンギルガンと似たような怪獣を兵器としてストックしようとする国や企業もきっと現れたであろう。
だが、ゴンギルガンがユウキ君を侵食するにつれて主張がただの駄々みたいなものに変わっていき、幼児退行していく様が描かれた。
いいバランスだな、と感じた。
確かに汚い大人が権力を握っているかもしれないが、ユウキ君のやったことはテロ以外の何物でもない。
悪い意味でなくお子様のためのヒーロー映画なので、上層部は見殺しやむなしの判断をするも、SKaRDはユウキ君救出作戦を成功させる。
のだが正直観ていて筆者は「12歳でテロかぁ。これどうすんの? 内乱罪適用される? \(^o^)/オワタでは?」みたいに彼の行く末を案じてしまった。
Xでは映画を見た大人たちが「国民の声を反映しているようだ」とか「昭和ゴジラの頃から、国会議事堂破壊は怪獣映画の伝統だから」とか「左翼!」とかいろいろ言っているらしいですね。
そんなことより蒼部エミ隊員の綺麗な鼻をガン見しようぜ……高くて、尖ってて、ホント綺麗。
エミ隊員の顔面ドアップのシーンとか、ああああ近い近い近いそんな間近で見ていいんですか????って恥ずかしくなっちゃってましたよ。
はあ……エミ隊員に守られたい。
・ダムドキシンは地球の環境を破壊するか?
暴走すると無機物でもなんでも吸収して成長するらしいので、まあ危険そうだなとは思う。
危険性のある技術が次世代技術に置き換わるまでに、一度も失敗や事故を起こさないことはないだろうからね。
あとは人間が不老不死で世代交代しない生き物になったら、純粋にリソースを食いつくすのは時間の問題だろう。
不老不死の薬でそれに拍車をかけるのは別として、いつか食いつくすこと自体は「仕方ない」と受け入れるべきだし、それを防ぐために人間の消費行動を制限するのは間違っていると筆者は考えている。
人間という自然をまっとうすれば、それでいいのだ。
・残念な点
傑作映画なのだが、ゴンギルガンが不死身の怪獣という触れ込みなのに不死身や再生能力を表現する場面がない。
最初からセーフティとして用意されている「アンチダムドキシン」を銃で撃ちこむ作戦が取られるためだ。
しかし、CEOとユウキ君の「父と子」のドラマがある関係上、尺的にしょうがない。
え、冒頭のダイジェスト? 必要だよ。
ノンテロップOPの挿入もよかったなぁ。
もう一つ残念なのは、映画館だから観ながらDXブレーザーブレスでゲント隊長と一緒に変身できないことだ。
これも、仕方ない! 映画館だから! やるなよ、抜け駆けはなしだ!
いい映画なので、劇場で観よう!
筆者の入場特典はタガヌラーメダルでした!
・客演戦士なし
TVシリーズでなかったんだから当たり前といえば当たり前だが、サプライズとかも一切なし。
所詮は前作のウルトラマンがピンチになる「下げる」演出なので、やらなくていい。
「ウルトラマンX」の劇場版での客演は、メインが「ウルトラマン」「ウルトラマンティガ」と力を合わせて3体の怪獣に対処するという描き方だったので、いい客演だった。
直前のシリーズの戦士が首突っ込んできたくせにピンチになるとか、そういう形で「終わった直後」の戦士に花を持たせるのはどうなのよ。
そういう反省が円谷にもあったのか、田口監督の考えなのかは知らないが……まあ、ブレーザーにはどんな形でも客演はいらないよ。
「ブレーザー」は田口監督版の「シン・ウルトラマン」だから。
・劇場版だけの新フォームなし
TVヒーロー特撮の劇場版の定番、劇場版限定フォームがない。
劇場版限定と言いつつ、配信限定番組には登場するTVシリーズにない最強フォームの追加がない。
客演もそうだが、硬派だなぁ。いいぞ。
「ジード」とか劇場版限定がロイヤルメガマスター(※1)より強いフォームと言われても、納得感ないしな。
(※1:宇宙を丸ごと作り直せるウルトラマンの王の力と、王がそんな後始末をすることになった原因であるウルトラシリーズ最強クラスのヴィランの力で変身する)
(クソ余談:「お借りします」系ウルトラマン、女性戦士だけの力を借りて変身するフォームあるんですかね?)
(クソ余談2:「タイガ」の劇場版で「R/B」の二人が居た場所って、今の映画泥棒CMでジュースとポップコーンの人が座ってるところとロケ地一緒?)
・正体バレなし
TVシリーズで最後まで誰がブレーザーに変身しているかが、防衛隊の仲間に一切バレなかった。
最終回前後の正体バレで仲間が「いつも俺たちを助けてくれたのは……」とかの反応をするのが、一種の様式美でその感動を味わうのが非常に楽しい。
だが「ブレーザー」は劇場版まで来てもそれをやらない。
気付いてて黙ってる風の芝居をしているわけでもない。
これ凄いなぁ。田口監督が「ブレーザーはこれで終わりじゃない」と言ったとか言わないとか聞きますけど、終わりじゃないという意識を感じますな。
(今回、公道で変身して人間サイズから徐々に巨大化していく、「デビルマン」みたいな演出があったから監視カメラに映りそうなもんですがね)
・主人公による作品の経緯説明なし
「名探偵コナン」の劇場版のようにこれまで(といっても「タイガ」までしか観てない)のニュージェネ劇場版では、主人公が世界観の説明をしたりするパートがあったのだが、今回そういうのはない。
なんと冒頭にTVシリーズのダイジェストが流れる!
つまり、「ブレーザー」を観ていなくてもいきなり劇場版が楽しめる!
「〇話から見れてないんよなぁ~」みたいな録画失敗勢も気にするな、すぐ劇場へ行け!
映画のようだと評された1話を映画館で観られるし、感動の最終回でブレーザーが王道の光線技を習得するシーンも観られる! 最高か?
これまでの「お約束」を廃して、それ以前の王道をやる。
もうこれ次回作シリーズに物凄いプレッシャーかましてるよね。いいぞもっとやれ。
最高に面白いけど客演系のファンサービスだらけで、神条アカネがブチギレるレベルのミリしら勢に勧めても「ゼロって誰」「ジードって誰」「お前が木を切った話をされても困る」だった「ウルトラマンZ」からの反省点もあるんだろうなぁ。
いや、「Z」は最高に面白いんだよ?
わからんつっても「ジード」のゼロ要素よりはマシよ?
問題はその「ジード」も「Z」の背景や地盤にあることなんよな。
・「いきなり50mになるなんて思わないだろ!」
今回の映画に登場する新怪獣、妖骸魔獣ゴンギルガンの説明をしなければならない。
タイトルで【ネタバレ注意】としたが、かなり本質のネタバレをするので嫌な人はブラウザバックしてほしい。
では、以下ネタバレだ。
ネクロマスというネクロマンサーのもじりのような会社があることが、作中で提示される。
怪獣の死骸、細胞の兵器転用をする会社なのだが、そのCEOは不老不死の研究も行っている。
それがダムドキシンという思いっきり名前に“トキシン”=毒が入っているアブナイ代物だ。
TVシリーズの後日談である本映画では、ダムドキシンを脅威に感じて地球産の怪獣が相次いで出現し暴れまわる事態となっている。
彼らはダムドキシンが地球環境に強大な悪影響をもたらすと感じた、地球の意思の表れとされる。
(TV本編では、ラスボスに連なる宇宙怪獣たちを警戒して地球産怪獣が暴れたことが明らかになっている)
そこでSKaRDはネクロマスCEOに会いに会社まで行ったのだが、そこで突如ダムノー星人を名乗る宇宙人がネクロマス社内のモニターをジャックする。
侵略する前に自然を破壊されるのは不愉快だとして、CEOにダムドキシン研究の完全消去を要求。
「お前も所詮、軍産複合体の駒の一つにすぎない」などやたら地球の事情に詳しい感じでCEOを批判する。
本気の証明として、防衛隊のミサイルまでシステムを乗っ取って発射する。
しまいには街頭テレビまでジャックしてダムドキシン研究の危険性や、国政批判まで繰り広げる。
メタな話をすると、観客としてはダムノー星人の造形クォリティーが妙に低いのが気になっていた。
すると劇中で「ダムノー星人」がネクロマス本社ビル内からその放送をしていることを、SKaRD隊員が突き止める。
なんと、その正体はCEOの息子ユウキ君だった!
手作り衣装とグリーンバックを利用して宇宙人になりすまし、脅迫および警告の放送を行っていたのだ。
ダムノー星人のネーミングも「ダムドキシン+NO」であろう。
ハッキングにより防衛隊のミサイルが発射され、ネクロマス本社に命中。破壊によりダムドキシンが漏れ出て、宇宙怪獣の素材を取り込んで巨大化する。
SKaRD隊員に追い詰められたユウキ君は屋上で、仕事仕事で家族を省みない父さんなんか大嫌いだと言い放ち、自らゴンギルガンの内部へと格納・吸収される。
事情が事情だけに、CEOはSKaRD本部へと同行。
そこで「欲しいものは何でも与えてきたはずなのに」と落ち込む。
慰めようと我らがゲント隊長(ブレーザー変身者)が「子供はあっという間に大きくなりますからね」と妻子持ちとして言葉をかけるが、そこでCEOは「いきなり50mになるなんて思わないだろ!」と返すのである。
つまり、怪獣になるなんて想定してなかった、想定できるわけがないということだ。
これにはゲント隊長も苦笑いだが、筆者は必死に笑いを堪えていた。
このCEO、ギャグセン尖りすぎぃ!
人によっては「そういうことじゃないだろ、ダメ親!」とツッコむのだろうが、筆者はツボってしまった。
そりゃ想定できねぇわ。特に子供と向き合ってないなら、何をかいわんや。
・国会議事堂を破壊
予告編でも、ゴンギルガンが半壊の国会議事堂にブレーザーを突き飛ばして、さらに激しくぶっ壊すシーンが流れていた。
どういう経緯でそうなるんだと思っていたら、格納された12歳のユウキ君の考えで「汚い大人の巣窟」である国会議事堂へとゴンギルガンが進路を取ったためだった。
今だけ金だけ自分だけの大人が滅茶苦茶にした社会や自然の責任を取らされるのは、僕たち子供だ!
そんな汚い大人に黙って税金を納める市井の大人も同罪だと断罪(これはダムノー星人の主張だったかゴンギルガンの主張だったか記憶が曖昧。すみません)。
怪獣の中からユウキ君の主張が大音量でまき散らされる。
税金のくだりはなかなか身につまされるが、「私たちの将来を奪った」みたいな話でモデルが薄っすらと見えてくる。
スウェーデンのゆたぼんとあだ名される、あの環境テロリストだ。
日本の本家ゆたぼんは改心したぞ?
CEOが「不治の病の治療」や不老不死などのダムドキシンの平和利用を願っているのは本当なのだろうが、もしこの妨害がなければ「不死身の兵士の開発」など軍産複合体に絡めとられて兵器転用されたのはまず間違いなかろう。
TVシリーズに登場した「軟体怪獣レヴィーラ」のように、ゴンギルガンと似たような怪獣を兵器としてストックしようとする国や企業もきっと現れたであろう。
だが、ゴンギルガンがユウキ君を侵食するにつれて主張がただの駄々みたいなものに変わっていき、幼児退行していく様が描かれた。
いいバランスだな、と感じた。
確かに汚い大人が権力を握っているかもしれないが、ユウキ君のやったことはテロ以外の何物でもない。
悪い意味でなくお子様のためのヒーロー映画なので、上層部は見殺しやむなしの判断をするも、SKaRDはユウキ君救出作戦を成功させる。
のだが正直観ていて筆者は「12歳でテロかぁ。これどうすんの? 内乱罪適用される? \(^o^)/オワタでは?」みたいに彼の行く末を案じてしまった。
Xでは映画を見た大人たちが「国民の声を反映しているようだ」とか「昭和ゴジラの頃から、国会議事堂破壊は怪獣映画の伝統だから」とか「左翼!」とかいろいろ言っているらしいですね。
そんなことより蒼部エミ隊員の綺麗な鼻をガン見しようぜ……高くて、尖ってて、ホント綺麗。
エミ隊員の顔面ドアップのシーンとか、ああああ近い近い近いそんな間近で見ていいんですか????って恥ずかしくなっちゃってましたよ。
はあ……エミ隊員に守られたい。
・ダムドキシンは地球の環境を破壊するか?
暴走すると無機物でもなんでも吸収して成長するらしいので、まあ危険そうだなとは思う。
危険性のある技術が次世代技術に置き換わるまでに、一度も失敗や事故を起こさないことはないだろうからね。
あとは人間が不老不死で世代交代しない生き物になったら、純粋にリソースを食いつくすのは時間の問題だろう。
不老不死の薬でそれに拍車をかけるのは別として、いつか食いつくすこと自体は「仕方ない」と受け入れるべきだし、それを防ぐために人間の消費行動を制限するのは間違っていると筆者は考えている。
人間という自然をまっとうすれば、それでいいのだ。
・残念な点
傑作映画なのだが、ゴンギルガンが不死身の怪獣という触れ込みなのに不死身や再生能力を表現する場面がない。
最初からセーフティとして用意されている「アンチダムドキシン」を銃で撃ちこむ作戦が取られるためだ。
しかし、CEOとユウキ君の「父と子」のドラマがある関係上、尺的にしょうがない。
え、冒頭のダイジェスト? 必要だよ。
ノンテロップOPの挿入もよかったなぁ。
もう一つ残念なのは、映画館だから観ながらDXブレーザーブレスでゲント隊長と一緒に変身できないことだ。
これも、仕方ない! 映画館だから! やるなよ、抜け駆けはなしだ!
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