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迂闊にも、車から脱出できたことで油断してしまった。
大きめの軍人雷獣は持ち上げた車を投げ捨てるのではなく、振りかぶる。
えっ、マジ?
「─────────────────────────────────」
一トン超の金属塊が、勢いよく振り抜かれた。
ぐしゃり。
外角低め流し打ち、やや右方向、ホームラン。
衝撃に脳が揺れる。全身から鐘の音がする。目の焦点がブレまくる。
首が千切れたみたいに、軽々と吹き飛ばされた。
飛ばされた先に塀が見えた直後、耳元で硬いものが砕けた。
崩れた塀もろとも、他人の庭へと倒れ込む。
頭からドクドクと、粘っこくて生温かいものが流れ出て頬を濡らす。
鉄錆臭いそれは、赤黒い色をしている。
失敗だ。
雷獣を見た時点で、すぐ四方津に連絡すべきだった。
視界を黒い靄に蝕まれて失っていく最中、強く後悔した。
俺はもう、助からない。
けれど、四方津に連絡さえしていれば。
明代と父だけは、女力発電所のチームが間に合って、助かったかもしれない。
かじかんだみたいに指先の感覚がないし、力も入らなくなってきた。
デカい雷獣が、車を捨てて俺にトドメを刺しに来るのがわかる。
輪郭や動作はともかく、目がぼやけてきて、もはや顔のつくりなんかはわからん。
おかしいな。
投げ捨てられた車が、向かいの家に突っ込んだのに音がしない。
ああ。
先に耳だけあの世へ行きやがったか。
すぐ目の前で、デカい雷獣が身を屈める。
身体に紫電を纏うが、あんまり眩しくない。
おいおい、倒れてる俺にも突進するのか?
なんて思っていると、軍靴が芝を蹴って飛び上がった。
なるほど、フライングプレスね。
俺の死因は、どうやら圧死のようだ。
結局、死ぬまで筋肉が再生しなかったけど。
死んで転生する異世界では、無敵の筋肉で無双────────
グワシャアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
お釈迦になったはずの耳に、けたたましい破砕音が飛び込んできた。
「……ホラー映画の音でビビらせる演出、嫌いなんだよなぁ」
反射的に肩が跳ねたことに関連付けて愚痴を吐く。
身体を起こして頬の血を手の甲で拭い、はたと気が付いた。
「あれ? 死んでない」
それどころか。
「筋肉が復活してる……バルクアップしてる!」
全身を覆う鎧のごときそれは、萎む前のそれよりたくましく見える。
割れて飛び散ったガラスに映った顔は、車で殴られたとは思えない。
なんの歪みや凹みもなく、傷もすべて修復されている。
「グゥゥゥゥゥゥウウウウウッ!!」
ガラスを鳴らしながら、よろよろと立ちあがる者があった。
俺が倒れ込んだ庭の奧、無人の居間にデカい雷獣の姿があった。
全身に大窓の破片が突き刺さり、剣山みたいだ。
「シャレた格好になったじゃねぇか。パリコレに出たらどうだ」
まるで恐怖を感じなくなった相手に対し、自然、軽口が飛ぶ。
あぁ! これだ!
横溢する力、天上天下唯我独尊の心地!
「俺を倒せたら、の話だがな」
手招きしてやると、激昂したデカい雷獣が紫電を纏って走り出した。
だが、身体が痛むのか純粋に滑ったのか。
つんのめって破片の海にダイヴして、またガラスで身体を切っていた。
「馬鹿の一つ覚えを」
拳に力を込め、腰を落とす。
こちらから仕掛けようとしていると。
♪ぽんぽろぽんぽろぽんぽん
「何だよ、こんなときに」
握り潰さないよう慎重にスマホを取り出す。
『でかした辰雄くん! そいつはオマーン・コールマン伍長よ』
四方津からだった。
どこかからモニターしているのだろうか。
連絡できなかったことを気に病んでいた時間を、返してほしい。
「でかした? 在日新ライス軍とことを構えるなって言ってませんでした?」
バリバリ交戦中だから、今さら止められても困るが。
現に体勢を立て直したそのオマーン伍長とやらが、飛び掛かってきている。
『ケースバイケースよ! オマーン伍長の電力量はこちらが確認している全雷獣の中でも、ぶっちぎり! 拉致、もとい鹵獲できれば凄まじい発電量になるわ!』
早口でまくし立てる四方津の話を聞きながら、オマーン伍長を見据える。
人間離れした跳躍。見上げた姿は逆光になって黒い。
空中のオマーン伍長から、バチバチッと音が鳴る。
太陽を背負って雷を落とすとは、妙なことを企みやがる。
迎え撃つべく、俺もさらに腰を落とす。
「拉致、じゃなくて鹵獲なんかして国際問題にならないんですか?」
口ではそう言いつつ、地を蹴って飛翔する。
相手も俺も、よくこの体格で高く跳べるな。
肉薄する途中、オマーン伍長の背後で青白い雷光が爆ぜる。
陽光の中でも輝きの衰えぬ凄絶な稲妻が二本、オマーン伍長の肩から迸った。
襲い来る雷は迫力こそ凄まじいが、当然、恐れるに足らない。
せいぜい、雷鳴で四方津の言葉をかき消すくらいの影響しかない。
「ふんっ!」
腕を一薙ぎするだけで、たちどころに雷が雲散霧消した。
それでいて、産毛一本たりとも焦げていない。
驚愕に目を剥くオマーン伍長の表情に、笑みを返す。
「上司の許可も下りたから、思い切り行くぞ!」
『殺しちゃダメよ! そいつ一人でかなりの電力を搾り取れるんだから!』
「はいはい」
空中で身体を捻り、オマーン伍長の顔目掛けて蹴りを叩き込んだ。
爪先が、オマーン伍長の顎を綺麗に抉った。
しゃくれた下顎から前歯が人中に突き刺さり、ずいぶんと無様なツラを晒している。
「ンギッ!?」
「うわっ、きったね!」
オマーン伍長の口からドバッと赤黒い血がしぶき、舌苔のべったり付いたどどめ色の舌が宙を舞う。
「ガァ────────────────────────ッ!!」
舌の切れた瞬間、オマーン伍長は四方八方へデタラメに放電した。
激甚災害級の雷撃が、溺れる者が滅茶苦茶に水面を叩きまくるように乱打される。
一発かすっただけで屋根が瓦解し、直撃すれば家々が爆発炎上した。
在日新ライス軍で随一と言われるだけはある。
「やめろ、馬鹿野郎!」
だが俺の前ではどんな大電圧、大電流も無意味だ。
俺は脚を鞭のようにしならせると、遠心力の乗った渾身の踵をその腹に振り下ろした。
手応えあり。
雷撃の打ち止めを知らせるように、カエルの潰れるような声がした。
直後。
身体をくの字に折ったオマーン伍長が、居間より少し手前の地点へと勢いよく落下した。
庭のささやかな花壇へと巨体が沈み込み、土煙を派手に舞い上げた。
「あーあ。お花に罪はないのにな」
スーパーヒーロー着地を決めた後、俺はゆっくり立ち上がった。
目が合うや、オマーン伍長は怯えた声を出す。
泥と血に塗れたその顔が、俺の嗜虐心をかき立てた。
容赦はしない。
生まれてきたことを後悔させるべく、彼我の距離を詰める。
腰をやって逃げられないのか、オマーン伍長は四肢をばたつかせて泣き叫ぶ。
「良かったな。女だからって見くびられ、情けをかけてもらえる時代じゃなくて」
言っても、どうせ日本語わかんないんだろうけど。
胸倉を掴んで持ち上げると、鼻っ面目掛けて思い切り右を振り抜いた。
べきゃりっ、と嫌な音がして、オマーン伍長は完全に脱力した。
意識を失った野蛮な畜生を、その場に放り捨てる。
「男女平等に乾杯」
鼻を折った手応えの残る指を開閉させると、軟骨が鳴いた。
破れた自分の服を拾い、それで無力化したオマーン伍長の手首を後手に縛る。
「さあ、大将の首は獲ったぞ。まだ俺とやり合いたいやつはいるか!」
首根っこを掴んで高く掲げ、道路の方へ振り返る。
「あれ?」
薄情なことに、雷獣は一匹残らず逃げ出していた。
呆然とする父と、顔を引き攣らせた明代しかそこにはいなかった。
「あんた、力持たせると危険なタイプだよね」
「あ? 安全で退屈な男が好きなのか?」
自分らしくない言葉が口を突いて出る。自覚して、変な汗が全身から出た。
「べっ、別に! 私がどんな男を好きでもっ! 辰雄に関係……ないじゃん」
顔を背けた明代から、妙に強い口調で言われた。
だが言われてみればそうだ。俺たちは所詮、他人だ。
「そうか。ま、これから一つ屋根の下でしばらく暮らすんだ」
「あっ……ばっ……!」
かと思えば振り向き、言葉にならない音を口から発する明代。
言葉を紡ぐのに時間がかかりそうだったので、俺が言いたいことを続けた。
「好きでも嫌いでもないなら、一番都合がいいな」
「ば、馬鹿かお前! 誰が辰雄なんかっ! ふざっ、ふざけるのも大概にっ!」
今度は俺を指差して、腕をブンブン振り回してきた。
忙しいやつだ。
ちょっとでも元気になったなら、いいけど。
「これ、弁償いくらになるんだ」
ぽつり、父が呟いたことで場に沈黙が下りた。
いの一番にそれかよ。
死闘を潜り抜けた息子よりも、それで壊れた他人様の家が心配らしい。
壊したのは全部、オマーン伍長だろうが。
大きめの軍人雷獣は持ち上げた車を投げ捨てるのではなく、振りかぶる。
えっ、マジ?
「─────────────────────────────────」
一トン超の金属塊が、勢いよく振り抜かれた。
ぐしゃり。
外角低め流し打ち、やや右方向、ホームラン。
衝撃に脳が揺れる。全身から鐘の音がする。目の焦点がブレまくる。
首が千切れたみたいに、軽々と吹き飛ばされた。
飛ばされた先に塀が見えた直後、耳元で硬いものが砕けた。
崩れた塀もろとも、他人の庭へと倒れ込む。
頭からドクドクと、粘っこくて生温かいものが流れ出て頬を濡らす。
鉄錆臭いそれは、赤黒い色をしている。
失敗だ。
雷獣を見た時点で、すぐ四方津に連絡すべきだった。
視界を黒い靄に蝕まれて失っていく最中、強く後悔した。
俺はもう、助からない。
けれど、四方津に連絡さえしていれば。
明代と父だけは、女力発電所のチームが間に合って、助かったかもしれない。
かじかんだみたいに指先の感覚がないし、力も入らなくなってきた。
デカい雷獣が、車を捨てて俺にトドメを刺しに来るのがわかる。
輪郭や動作はともかく、目がぼやけてきて、もはや顔のつくりなんかはわからん。
おかしいな。
投げ捨てられた車が、向かいの家に突っ込んだのに音がしない。
ああ。
先に耳だけあの世へ行きやがったか。
すぐ目の前で、デカい雷獣が身を屈める。
身体に紫電を纏うが、あんまり眩しくない。
おいおい、倒れてる俺にも突進するのか?
なんて思っていると、軍靴が芝を蹴って飛び上がった。
なるほど、フライングプレスね。
俺の死因は、どうやら圧死のようだ。
結局、死ぬまで筋肉が再生しなかったけど。
死んで転生する異世界では、無敵の筋肉で無双────────
グワシャアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
お釈迦になったはずの耳に、けたたましい破砕音が飛び込んできた。
「……ホラー映画の音でビビらせる演出、嫌いなんだよなぁ」
反射的に肩が跳ねたことに関連付けて愚痴を吐く。
身体を起こして頬の血を手の甲で拭い、はたと気が付いた。
「あれ? 死んでない」
それどころか。
「筋肉が復活してる……バルクアップしてる!」
全身を覆う鎧のごときそれは、萎む前のそれよりたくましく見える。
割れて飛び散ったガラスに映った顔は、車で殴られたとは思えない。
なんの歪みや凹みもなく、傷もすべて修復されている。
「グゥゥゥゥゥゥウウウウウッ!!」
ガラスを鳴らしながら、よろよろと立ちあがる者があった。
俺が倒れ込んだ庭の奧、無人の居間にデカい雷獣の姿があった。
全身に大窓の破片が突き刺さり、剣山みたいだ。
「シャレた格好になったじゃねぇか。パリコレに出たらどうだ」
まるで恐怖を感じなくなった相手に対し、自然、軽口が飛ぶ。
あぁ! これだ!
横溢する力、天上天下唯我独尊の心地!
「俺を倒せたら、の話だがな」
手招きしてやると、激昂したデカい雷獣が紫電を纏って走り出した。
だが、身体が痛むのか純粋に滑ったのか。
つんのめって破片の海にダイヴして、またガラスで身体を切っていた。
「馬鹿の一つ覚えを」
拳に力を込め、腰を落とす。
こちらから仕掛けようとしていると。
♪ぽんぽろぽんぽろぽんぽん
「何だよ、こんなときに」
握り潰さないよう慎重にスマホを取り出す。
『でかした辰雄くん! そいつはオマーン・コールマン伍長よ』
四方津からだった。
どこかからモニターしているのだろうか。
連絡できなかったことを気に病んでいた時間を、返してほしい。
「でかした? 在日新ライス軍とことを構えるなって言ってませんでした?」
バリバリ交戦中だから、今さら止められても困るが。
現に体勢を立て直したそのオマーン伍長とやらが、飛び掛かってきている。
『ケースバイケースよ! オマーン伍長の電力量はこちらが確認している全雷獣の中でも、ぶっちぎり! 拉致、もとい鹵獲できれば凄まじい発電量になるわ!』
早口でまくし立てる四方津の話を聞きながら、オマーン伍長を見据える。
人間離れした跳躍。見上げた姿は逆光になって黒い。
空中のオマーン伍長から、バチバチッと音が鳴る。
太陽を背負って雷を落とすとは、妙なことを企みやがる。
迎え撃つべく、俺もさらに腰を落とす。
「拉致、じゃなくて鹵獲なんかして国際問題にならないんですか?」
口ではそう言いつつ、地を蹴って飛翔する。
相手も俺も、よくこの体格で高く跳べるな。
肉薄する途中、オマーン伍長の背後で青白い雷光が爆ぜる。
陽光の中でも輝きの衰えぬ凄絶な稲妻が二本、オマーン伍長の肩から迸った。
襲い来る雷は迫力こそ凄まじいが、当然、恐れるに足らない。
せいぜい、雷鳴で四方津の言葉をかき消すくらいの影響しかない。
「ふんっ!」
腕を一薙ぎするだけで、たちどころに雷が雲散霧消した。
それでいて、産毛一本たりとも焦げていない。
驚愕に目を剥くオマーン伍長の表情に、笑みを返す。
「上司の許可も下りたから、思い切り行くぞ!」
『殺しちゃダメよ! そいつ一人でかなりの電力を搾り取れるんだから!』
「はいはい」
空中で身体を捻り、オマーン伍長の顔目掛けて蹴りを叩き込んだ。
爪先が、オマーン伍長の顎を綺麗に抉った。
しゃくれた下顎から前歯が人中に突き刺さり、ずいぶんと無様なツラを晒している。
「ンギッ!?」
「うわっ、きったね!」
オマーン伍長の口からドバッと赤黒い血がしぶき、舌苔のべったり付いたどどめ色の舌が宙を舞う。
「ガァ────────────────────────ッ!!」
舌の切れた瞬間、オマーン伍長は四方八方へデタラメに放電した。
激甚災害級の雷撃が、溺れる者が滅茶苦茶に水面を叩きまくるように乱打される。
一発かすっただけで屋根が瓦解し、直撃すれば家々が爆発炎上した。
在日新ライス軍で随一と言われるだけはある。
「やめろ、馬鹿野郎!」
だが俺の前ではどんな大電圧、大電流も無意味だ。
俺は脚を鞭のようにしならせると、遠心力の乗った渾身の踵をその腹に振り下ろした。
手応えあり。
雷撃の打ち止めを知らせるように、カエルの潰れるような声がした。
直後。
身体をくの字に折ったオマーン伍長が、居間より少し手前の地点へと勢いよく落下した。
庭のささやかな花壇へと巨体が沈み込み、土煙を派手に舞い上げた。
「あーあ。お花に罪はないのにな」
スーパーヒーロー着地を決めた後、俺はゆっくり立ち上がった。
目が合うや、オマーン伍長は怯えた声を出す。
泥と血に塗れたその顔が、俺の嗜虐心をかき立てた。
容赦はしない。
生まれてきたことを後悔させるべく、彼我の距離を詰める。
腰をやって逃げられないのか、オマーン伍長は四肢をばたつかせて泣き叫ぶ。
「良かったな。女だからって見くびられ、情けをかけてもらえる時代じゃなくて」
言っても、どうせ日本語わかんないんだろうけど。
胸倉を掴んで持ち上げると、鼻っ面目掛けて思い切り右を振り抜いた。
べきゃりっ、と嫌な音がして、オマーン伍長は完全に脱力した。
意識を失った野蛮な畜生を、その場に放り捨てる。
「男女平等に乾杯」
鼻を折った手応えの残る指を開閉させると、軟骨が鳴いた。
破れた自分の服を拾い、それで無力化したオマーン伍長の手首を後手に縛る。
「さあ、大将の首は獲ったぞ。まだ俺とやり合いたいやつはいるか!」
首根っこを掴んで高く掲げ、道路の方へ振り返る。
「あれ?」
薄情なことに、雷獣は一匹残らず逃げ出していた。
呆然とする父と、顔を引き攣らせた明代しかそこにはいなかった。
「あんた、力持たせると危険なタイプだよね」
「あ? 安全で退屈な男が好きなのか?」
自分らしくない言葉が口を突いて出る。自覚して、変な汗が全身から出た。
「べっ、別に! 私がどんな男を好きでもっ! 辰雄に関係……ないじゃん」
顔を背けた明代から、妙に強い口調で言われた。
だが言われてみればそうだ。俺たちは所詮、他人だ。
「そうか。ま、これから一つ屋根の下でしばらく暮らすんだ」
「あっ……ばっ……!」
かと思えば振り向き、言葉にならない音を口から発する明代。
言葉を紡ぐのに時間がかかりそうだったので、俺が言いたいことを続けた。
「好きでも嫌いでもないなら、一番都合がいいな」
「ば、馬鹿かお前! 誰が辰雄なんかっ! ふざっ、ふざけるのも大概にっ!」
今度は俺を指差して、腕をブンブン振り回してきた。
忙しいやつだ。
ちょっとでも元気になったなら、いいけど。
「これ、弁償いくらになるんだ」
ぽつり、父が呟いたことで場に沈黙が下りた。
いの一番にそれかよ。
死闘を潜り抜けた息子よりも、それで壊れた他人様の家が心配らしい。
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