45 / 54
与那国島から来た猫「よなみー」
しおりを挟む2023年3月、八重山保健所は一気に猫が増えて大忙しだった。
与那国島の町営住宅で、おばぁが飼っていた猫10匹の飼育放棄。
猫たちは放し飼いで、付近住民から苦情が出ていたという。
石垣島から与那国島までの距離は約147.4 km、飛行機で35分ほど。
フェリーも出ており、石垣港から与那国(久部良)港まで、所要時間は約4時間。
猫たちは貨物扱いで、海を越えて保健所に収容されに来た。
10匹のうち、捕獲されたのは7匹。
放し飼いなので、何匹いたのか正確には分からないらしい。
収容された猫たちは4月に年度が変わってから避妊去勢手術を受ける。
……筈だった。
2024年4月2日、7匹のうち1匹が出産。
5匹の乳飲み子が加わり、収容は12匹となった。
八重山保健所は動物の収容部屋が1つしかなく、犬も猫も相部屋。
(二重扉の間の小部屋にケージを置いて猫を隔離することはできるが、犬たちの吠え声は聞こえる)
「犬が吠えている部屋で育児なんて落ち着いてできないから、レスキューしてあげて」
「ラリマーの施設で保護しようよ」
ボラたちからの要望を受けて、母猫1匹と仔猫5匹を引き出したのは、4月17日のこと。
ボラが用意してくれた二段ワイドケージに、保健所のキャリーごと母子をIN!
母子に付けられた仮名は、母猫「よなみー」、仔猫は「ハイ」「サイ」「ミー」「ファイ」「ユー」。
母子まとめて「よなみーず」と呼んだり、仔猫たちを「与那国5」と呼んだり。
保護施設で落ち着いて子育てを始めて、仔猫が生後3週に入る頃、母子は体調を崩してしまった。
仔猫の体重が減り始めた! とのことで、急遽ミルクボランティア行きに。
そこから、母子は別居で風邪との闘いに突入。
ミルクをあまり飲まず、一時は仔猫たちの命が危ぶまれたりもしたけれど、持ち直して育ってくれた。
5匹の仔猫たちはワクチン接種とウイルス検査を保健所で済ませて、8月19日に東京へ。
チョビヒゲ不人気で「サイ」が何ヶ月も里親が決まらず居残っていたけれど、現在は全員が里親さんに引き取られている。
一方、母猫よなみーは……
……未だ、誰からも里親希望はきていない(施設にいるよ~)。
32
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる