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1月
離島の猫のFIP
しおりを挟む2021年ラリマー設立時から施設にいる元地域猫【あばれるくん】
愛称はアババ、筆者の小説【猫の惑星】に登場する猫アババのモデルでもあります。
食いしん坊で他猫が残したゴハンをつまみ食いするので、みのると並ぶメタボ猫でもありました。
※最近は猫たちが残したゴハンはすぐ片付けており、アババはフリーからケージ入りとなっています。
1/16、酷い咳をするのでボランティアが病院へ搬送、40℃超えの発熱があったと連絡が入りました。
このとき体重を計ったところ、6キロ超えだった筈の体重が4.5キロまで減っていたそうです。
原因は不明、ひとまず補液を受けて様子を見ながら、東京のボランティアに相談。
東京の獣医師に血液検査の数値と咳・激痩せ・発熱などの症状を伝えたところ、FIPの前兆だろうとの診断がありました。
FIP(猫伝染性腹膜炎)
猫で見られるウイルス性の感染症で、発症すると何もしなければ短期間でほぼ100%の猫が亡くなってしまう非常に恐ろしい病気です。
初期症状
周期的な発熱、軽度の食欲減退、体重減少、倦怠感
中期症状
食欲不振、著しい体重減少、倦怠感、胸部や腹部の腫れ、栄養失調、貧血、黄疸、変動する発熱など
最終症状
腹部の腫れ、呼吸困難(口を開けて喘ぐ、速い呼吸)、発熱、体重減少、嘔吐、下痢、黄疸、眼振、ふらつき、麻痺、痙攣、意欲低下など
筆者がFIPを知ったのは、近所の人が餌やりしている地域猫の症例でした。
腹に腹水が溜まり、ゴハンを食べなくなった猫さん。
病院へ搬送されて獣医師が伝えたのが「おそらくFIPでしょう」という診断。
2018年のことで、当時は効くか効かないか分からない薬があるという話を聞いただけでした。
それは非認可の薬で、当時100万くらいするような高額で、庶民にはとても手が出ないものでした。
獣医師も「認可されていない薬は取り扱わない」と言い、猫は餌やりさんに看取られながら息を引き取っています。
2番目に遭遇したFIPは、筆者が1年ほど預かった猫でした。
猫は石垣島では特に症状は無く、大阪の保護ボランティアに引き取られた後に発症しています。
それは確か2019年のことで、この頃もまだ非認可のムチアンという薬が知られているのみでした。
大阪のボランティアと猫の元保護主の意向により、非認可の高額な薬は使わずに看取りを選択されました。
この猫は餌も水も口にしなくなってからおよそ10日ほどで命を終えています。
3番目に遭遇したFIPは、2023年1月に緑地公園に遺棄された猫
遺棄からから2ヶ月後、うずくまっているのを発見&病院搬送2時間後に死亡しました。
下記画像は死亡2時間前の血液検査結果です。
今回のアババは、筆者の身近な猫の中で4件目のFIPです。
しかし今は、庶民にも手が届く価格の良い薬が販売されるようになりました。
石垣島の病院では取り扱っていないため、メーカーに注文して購入する以外に選択肢はありませんが、ムチアンでは100万もしていた薬が数万で手に入るようになりました。
アババは現在、FIP治療薬にて治療中です。
CureFIP™経口カプセルには、FIPウイルス(FIPV)の複製を1日間抑制するのに十分な量の抗ウイルス剤GS-441524が含まれています。
体重4キロ以上の猫で30カプセル(1日1回、30日分)¥34,680。
FIPの完治には84日間きっちり投与が必要だそうです。
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