44 / 378
【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜
第43話:スリープモードと猫の社会化期
しおりを挟む「眠くな~れ、眠くな~れ」
「???」
1人運動会を開催中のルスト。
それを捕まえて膝に乗せて、顔をムニムニと揉んであげた。
ルストはキョトンとした後、スヤァ~と寝落ちた。
多くの猫と接していれば、仔猫のツボが分かるもの。
大体の仔猫は、顔それも頬や顎の辺りにスリープモードスイッチがある。
そこをマッサージしてあげると、大体みんな寝るのだ。
ルストも同じで、マッサージが気持ち良くて寝落ちしている。
フニャ~っと無抵抗脱力状態の仔猫に、保護主が癒やされるモフモフタイム突入。
「はい、おやすみ~」
「シャーッ! ウアーオゥ (うちの子に変な術をかけないで!)」
猛猫母ちゃんが怒ってるけど、気にしない方向で。
眠らせたルストをしばらくモフッた後、手を離したらパチッと目を開けて、不思議そうな顔をしながらモソモソと起き上がった。
起き上がったらまた高速で走り始めたから、運動会スイッチ入ったんだろう。
それをまた捕まえてムニムニすると、またスヤァ~っと寝落ちる。
「ルストはON/OFFの切り替えが早いなぁ」
「ウゥゥ~! シャーッ! (うちの子で遊ぶな!)」
母ちゃんお怒りだけど、気にしない。
今日も保護主に存分にモフられるルストであった。
「リンネもマッサージしてあげようか?」
「ウァーオゥゥ~! シャーッ! (顔に触れたらブッ飛ばす!)」
「触れなくても殴るじゃないか」
「ウーッ! カッ! (近付いたら殴る!)」
相変わらず、リンネは荒々しい。
この猛猫をモフるなんて恐ろしいことは、命が惜しいからやめておこう。
シャーパンのリンネも、仔猫の頃からここに来ていれば懐いたかもしれない。
猛猫遺伝子を持ってる筈の子供たちは、未だに誰もシャーパン覚醒していない。
人の姿を見れば、わらわらと寄り集まる。
生まれつきの性格の差で少しシャイな子もいるけれど、ルストやジョイは毎回グイグイ迫ってくる。
猫の社会化期は、生後2~9週齢の期間といわれている。
この期間に人間と暮らしていれば、人慣れは早い。
猫同士のコミュニケーション方法を学ぶ時期でもあり、八重山保健所では社会化期の仔猫は単独飼いよりも複数飼育が推奨されている。
リンネの甥姪で5月に東京へ行った3匹も、隠れていて東京へ行きそびれたものの島内譲渡になった1匹も、人には少しシャーしたけど猫には友好的だった。
それは多分、人との関わりが少なく、猫が多い環境に生まれたからだろう。
現在は譲渡先で先住猫とも上手く馴染んで、人にも慣れている様子がLINEで送られてきている。
41
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
島猫たちのエピソード2025
BIRD
エッセイ・ノンフィクション
「Cat nursery Larimar 」は、ひとりでは生きられない仔猫を預かり、保護者&お世話ボランティア達が協力して育てて里親の元へ送り出す「仔猫の保育所」です。
石垣島は野良猫がとても多い島。
2021年2月22日に設立した保護団体【Cat nursery Larimar(通称ラリマー)】は、自宅では出来ない保護活動を、施設にスペースを借りて頑張るボランティアの集まりです。
「保護して下さい」と言うだけなら、誰にでも出来ます。
でもそれは丸投げで、猫のために何かした内には入りません。
もっと踏み込んで、その猫の医療費やゴハン代などを負担出来る人、譲渡会を手伝える人からの依頼のみ受け付けています。
本作は、ラリマーの保護活動や、石垣島の猫ボランティアについて書いた作品です。
スコア収益は、保護猫たちのゴハンやオヤツの購入に使っています。
【画像あり】八重山諸島の犬猫の話
BIRD
エッセイ・ノンフィクション
八重山の島々の動物たちの話。
主に石垣島での出来事を書いています。
各話読み切りです。
2020年に、人生初のミルクボランティアをしました。
扉画像は、筆者が育て上げた乳飲み子です。
石垣島には、年間100頭前後の猫が棄てられ続ける緑地公園がある。
八重山保健所には、首輪がついているのに飼い主が名乗り出ない犬たちが収容される。
筆者が関わった保護猫や地域猫、保健所の犬猫のエピソードを綴ります。
※第7回ほっこり・じんわり大賞にエントリーしました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お菓子な物語~sweets story~
みのる
エッセイ・ノンフィクション
読み進めるとなんだか食べたくなる(?)
お菓子にまつわるstory。
さぁ!オヤツの時間ですよ?
(※作品では仮名を使用しております)
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる