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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜

第41話:ワイルドブラザーズ

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「ウニャッ、ニャーン (みんなどいて、前が見えない)」
「キュー、キュー (遊ぼう、遊ぼう)」
「あ~、はいはい、今出してあげるよ」
「ミイッ! ミィィ~ッ! (オヤツちょうだい!)」
「サンテとジョワは出てこないのかな?」

 ケージから出してもらおうと群がる仔猫たちに阻まれて、パンチが放てない猛猫が1匹。
 母猫そっちのけで愛想を振りまく仔猫マイクル。
 この状態で扉を開けると、無言で飛び出すのがルスト。
 大声で騒ぎながら出てくるのが食いしん坊ジョイ。
 そんな茶トラ系トリオとはちょっと違うノリで、格子で顔を挟んで変顔ワールドを作り出すのが黒猫サンテ。
 紅一点ぽいサビ猫ジョワは、そんな男子たちを引き気味に眺めている。

「ニャーン、ンニャッ (みんな戻ってきなさい)」

 母猫リンネが呼んでも、子供たちにスルーされている。
 保護部屋の端から端まで猛ダッシュ!
 動画を見たボラたちが「凄い元気だね」と笑うレベルのハイテンション!
 これが屋外なら、車に轢かれたり、カラスに攫われたり、母猫から離れて遊び回るのは危険だけど。

「危険物は全部撤去してるから、好きなだけ遊んでいいよ」

 ここには車もカラスもこない。
 仔猫を甘やかす保護主が来るだけだ。
 存分に遊べ~!

 ルストとサンテが特に元気いっぱい。
 仔猫ってこんなに高速で走れるのか~と思う。
 この速度は去年預かった膝乗りスリゴロブラザーズといい勝負。
 しかしスリゴロブラザーズは当時生後4か月くらいの身体能力だ。
 それに匹敵する速度で走れる生後1ヶ月過ぎの仔猫たちって一体……。
 この子たちは、一般的な仔猫よりも成長が早い気がする。
 離乳食スッ飛ばしていきなり「煮干し」に食らいついたり、野性味が強いのかな?

 君たち、グループ名は「ワイルドブラザーズ」でいいな。
 ステージ(譲渡会)デビューは生後2ヶ月になる6月16日にしよう。
 かかりつけ医にお願いして、その1週間前の6月10日に三種混合ワクチン接種予定。
 完全室内飼育下で生まれた子らなので、母猫をウイルス検査すればひとまずOK?

 東京のボラさんに保護猫の紹介をする際に、個別の名前以外に兄弟まとめたグループ名を言うようになった。
 そうしないと、仔猫が多すぎて訳が分からなくなるから!(苦笑)
 グループ名は保護経緯が分かりやすい名称をつけている。

 上記の「膝乗りスリゴロブラザーズ」は、保護主が座ると4匹が椅子取りゲームをするように膝の上に乗ってきて、スリスリゴロゴロ甘えまくる兄弟だったから。
 その5匹のうち2匹は未だ里親希望が無く、保護施設内で暮らしている。
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