【猫画像あり】島猫たちのエピソード

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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜

第33話:仔猫防壁展開中

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「ウゥゥ~…… (また変な物を……)」
「今日はこれでパンチを防ぐぜ」
「シャーッ! ウアーオゥ~ッ! (わけわからん物をケージに入れるな!)」

 猛猫対策用品=衣装ケースの蓋。
 これをどう使うかというと、ケージの中に衝立みたいに立てて、猛猫アタックを防ぐ盾にする。
 気分は凶悪犯に挑む機動隊?
 早速試そうと思ったら、想定外なことに。

「キュー、キュー (ゴハンだゴハンだ~)」
「キュウーッ (おなかすいた~っ)」
「ミィ~ッ! (はやく~っ!)」

 仔猫がわらわら寄って来て、ケージの扉前を占拠!

 か、可愛い……

 でも扉が開けられない?!
 これ扉開けたら仔猫溢れ出るよね?
 仔猫がケージから出たら、戻すの大変だぞ。

「にゃ~ん、うにゃ~ん (ちょっとアンタたち、どきなさい)」

 リンネが、今まで聞いたことがなかった優しい声を出した。

 君、そんな声出せるのか。
 猛猫が「にゃー」と鳴くのを初めて聞いた。
 きっと人間がいないときは、そういう優しい声を出しているんだろう。
 リンネの声を聞いてほっこりしたのも初めてだ。

 しかし、仔猫たちには効果がなかった!

「ミィ~ッ! ミィィィ~ッ! (ごはんちょーだい!)」
「キュー、キュー (ねぇ、まだぁ?)」
「はいはい、とりあえずこれあげるから食べてて」

 固定食器の上によじ登ったり、格子をよじ登ったり、それはもう大騒ぎ。
 食べ物で釣って奥へ移動させようと、ケージ奥にカリカリと煮干しを撒いたら、やっと退いてくれた。

「さーて掃除掃除~」
「カッ! (させるか!)」
「はい防御~。衣装ケースの蓋、なかなかいいな」
「シャーッ! (よくない!)」

 そして、リンネとの攻防が始まる。

 仔猫が退いた隙にケージの扉を開けて、衣装ケースの蓋を入れて、猛猫と猫トイレの間に防壁設置。
 右手で衣装ケースの蓋を支えつつ、左手で素早く猫トイレを取り出し成功。
 怒ったリンネは、バシバシと衣装ケースの蓋を叩いた。
 猫トイレを取り出したら、衣装ケースの蓋も撤去。
 ケージの扉を閉めた後もリンネは唸っている。

「もうそろそろ、トイレ掃除に慣れてくれない?」
「カッ! (断る!)」

 排泄物を除去して猫砂を補充した猫トイレを、ケージに戻す際にも毎度の攻防。
 パンチを衣装ケースの蓋で防ぎつつ、猫トイレをケージ内に置いた。
 衣装ケースの蓋を撤去すると、仔猫たちが猫トイレに群がり、用を足し始める。
 設置して秒で汚されるトイレ。
 とりあえず見なかったことにして、用意していたゴハンを床トレーのところからケージにIN。
 リンネが近付くより早く、仔猫たちが群がった。

「そっちはチビたちにあげて、リンネはこれ食べなよ」

 食いっぱぐれたリンネには、好物のウエットフードをスプーンで掬ってそっと差し出す。
 すると、気付いた仔猫マイクルが割り込み、リンネと顔で押し合うようにしながら食べ始めた。
 マイクル、ドライでもウエットでもバクバク食べる。
 そのうち、兄弟の中でいちばん大きくなるかもしれない。
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