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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜
第21話:猛猫対策用品追加
しおりを挟む給水器のウォーターカップはケージ内にあるので、迂闊に触れない。
リンネはほとんど汚さないので、ウォーターカップはそのままに、ケージ外にあるボトルの水を補充している。
でも、常時水が溜まったままだと水垢がついてくるので、たまにカップの掃除が必要なんだけど……
「ウアーウゥゥゥ! (入ってくんな!)」
「掃除するだけだよ」
「カッ! (許さん!)」
……猛猫は、ウォーターカップの付け外しも許してくれない。
カップはケージの扉についているので、それを取り外すには猛猫アタックを食らう覚悟が要る。
遮る物が何も無い状態で、皮手袋を付けてカップを取り外すしかない。
トイレ容器の出し入れよりも難易度は高いので、出来ればカップを外さずに掃除がしたい。
最初は、丸めたティッシュをトングで挟み、カップに突っ込んで吸水&拭き取り、引っ張り出すという方法を試した。
水垢はとれたけど、取り出すティッシュから水がボタボタ落ちる。
そこで、使ってみたのがペットシーツ。
吸水力があり、吸い込んだ水分は許容範囲内なら滴り落ちたりしない。
「ウアーオ! シャーッ! カッ! (何よそれ! ケージに変な物入れんな!)」
「はいはい、掃除が終わったら撤去するよ」
怒りまくる猛猫のパンチがトングを連打。
ペットシーツに噛みつかれ、端っこがちぎれた。
リンネは噛みちぎったペットシーツをペッと吐き捨てて唸っている。
「お、いい感じに掃除できたよ」
「シャーッ! (早く片付けろ!)」
ボトルをはずして、カップにレギュラーサイズのペットシーツを丸めて突っ込み、吸水させつつ拭き取り完了!
トングで引っ張り出したペットシーツからは水は滴らず、床を濡らさずに済んだ。
「次は床掃除ね~」
「ウアーオゥ! (まだやんのか!)」
続いて使うのは、窓拭き用のハンドワイパー。
ケージの床トレーの掃除に使ってみようと思い、うちにあったのを試してみた。
「お~、これもいい感じ」
「ウゥゥゥ~! シャーッ! (わけわからん物をケージに入れんな!)」
荒ぶる猛猫はスルーして、床掃除も完了!
リンネたちが入っているケージの床は引き出せるトレーになっているので、手前半分くらいはこの方法で掃除ができた。
奥の方は特に汚れていないので、そのままに。
「はい、掃除終わったよ。お詫びに美味しい物あげるね」
「ウ~ッ (なら許してやる)」
掃除の後にカップタイプのウエットフードを貢物として差し出す。
食べ物を持っていると分かり、リンネはすぐ寄ってきた。
スプーンで掬って格子の間から差し入れると、ほぼ丸飲みで早食いする。
最後のスープ1滴まで、スプーンから零さず綺麗に食べ切った。
「こうやってアーンして食べさせてると、仲良くなれそうな気がするよ」
「カッ! (甘いわ!)」
食べ物に釣られて寄ってくるけど、リンネはやっぱり人間が嫌いのようだ。
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